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マハティール元首相がTPPに警鐘、「我々は再度植民地化される」

<当ブログ重要記事> 世界的に見ても異常に高額な供託金制度が国民の参政権を侵害している/1%代理人ばかりが選出されるインチキ民主主義のカラクリ 供託金廃止運動のサイトが立ち上がりました(三宅洋平氏も署名済み) ⇒供託金をタダにしよう!または、限りなくタダに近くしよう! マレーシア・コタキナバルでTPPの第18回会合が7月15日から25日まで開かれたが、それに先立つ7月12日にマハティール・マレーシア元首相がブログでTPPに重大な警告を発した。それが若干編集されたものが同日付の現地有力英字紙「ニュー・ストレート・タイムズ」に掲載されている。幸いブログ「マスコミに載らない海外記事」様がマハティールのブログ記事を訳出してくださっているので、この記事の下に転載させていただく(ここではマハティールのブログの訳出部分のみ転載させていただくが、当該ブログ記事にはブログ主さまのコメントも書かれているので、そちらもご参照いただければ幸いである)。 拙ブログでは、マハティール元首相が2012年5月に来日し、国会議員と懇談した際に、「私が現役ならTPPに絶対参加しない」と述べたことをお伝えした。またマハティール(当時首相)が1997年から98年にかけてのアジア通貨危機の際に、IMF救済策を拒否し、国内のグローバル派(BKD)との戦いを制し、資本統制策と財政出動によって短期で危機を脱出することに成功したことを特集を組んでお伝えした。 マレーシアとは対照的に、同様の通貨危機に陥らされたタイ・インドネシア・韓国はIMF勧告に従ったがために、さらに大打撃を蒙ることとなったこともお伝えした。特に韓国はIMFの直接支配を受け、極端な民営化・構造改革・外資への門戸開放をさせられ、国内経済を多国籍資本に事実上乗っ取られ、ネオ植民地となり、未だにそこから抜け出ることができないでいることもお伝えした。これらの詳細に関しては以下の4本の記事をご参照いただければ幸いである。 IMFと戦い国民・国家を守ったマハティールに学ぶべし! ②IMF「救済策」が明暗を分けた ③:野党指導者アンワルとその「グローバル」人脈 日本の「韓国化」を阻止せよ!:TPPによって日本の「韓国化」「ネオ植民地化」完成を目論むBKDを討て! マハティール元首相「私が首相ならTPPに絶対参加しない」「日本人よ、いつまで米国の言いなりなのか!目を覚ませ!」 マハティールは今回の記事で、まずTPPが秘密交渉であること及びマレーシア政府の交渉能力そのものに率直に疑問を呈し、TPPの危険性に警鐘を鳴らし、かつマレーシアがこの条約によって再度植民地化されると述べている。当ブログの認識とも全く一致する。マハティールは、ISD条項などのTPPに仕掛けられた罠も完全に見抜いて警鐘を鳴らしている。アジア通貨危機当時、首相として、通貨危機そのものが多国籍資本とIMFによって仕掛けられたことを見抜き、それらと国内BKDとを敵に回して戦い、国家と国民を守ったマハティールの言葉だけに非常に重いものがある。 マハティールが「通商産業省が既にTPPに合意することに決めているのを私は知っている。省はいかなる反論も、決して受け入れようとしない」と述べているのは非常に印象深い。ここでマハティールが述べている通商産業省とは勿論マレーシアのそれであるが、全く同じことが日本の経済産業省についても言えるからだ。日本で新自由主義グローバリズムの旗を振る宗像直子などの現役経産官僚や岸博幸などの経産省OBは、なぜか揃いも揃って官僚時代に米国に公費留学しMBAを取得して戻ってきているのであるが(ちなみに同じ経産官僚でもTPP反対の急先鋒として知られる中野剛志は英国エジンバラ大学に留学し政治思想を専攻)、ひょっとするとマレーシアの通産官僚も日本と同じようなことになっているのかも知れない。 マレーシアの通産官僚がマハティールの苦言すら聞き入れないというのであれば、アジア通貨危機の教訓が全く生きていないばかりか、すでに日本と同様内側から切り崩され、骨抜きにされ、1%に仕えるBKDと化してしまっているのかも知れない。 しかし、マレーシアの状況は日本よりも数倍マシであろう。少なくともマレーシアではマハティールのTPPに関する鋭い分析と警鐘が単にブログでの発信だけに終わることなく、大手紙に掲載され、広く国民に発信されている。 それとは対照的に、日本は国家・国民を守る勇気と知性を持ち合わせたマハティールのような政治家が出ることもなく、愛国を気取りながら国を売る卑劣な売国奴が権力の座にある。そして大手紙・放送局はジャーナリズムを気取りながら、TPPの危険性について殆ど国民に報じず、根拠なき楽観論ばかりを垂れ流して国民を意図的に誘導するBKDプロパガンダ機関と成り下がっている。恥も外聞もない状態だ。マスコミがこのような状態で民主主義が健全に機能するはずがない。 先日日本郵政がアフラックと提携し、アフラックのがん保険を郵便局で販売することに合意したというニュースが報じられた。しかし殆どのマスコミは、この提携合意以前に、日本郵政が独自のがん保険を販売しようとしたところ政府の介入でそれを阻止されたという前段を詳しく報じていない。つまり日本政府はアフラックの独占を取り締まるどころか、日本郵政のがん保険市場参入を阻止し、アフラックとの提携に無理矢理追い込んだのである。つまり外資企業の市場独占を手助けしているのである。到底こんなものは「自由で公正な競争」とは程遠い代物だ。 そして驚くべきことにこの屈辱的な取り決めをさせられた後、来日した米通商代表部のカトラー次席代表代行が『日本郵政傘下のかんぽ生命保険は「民間企業との競争条件が平等ではない」と批判』(共同通信、8月9日)し、更に攻勢を強める姿勢を示している。日本政府はどれだけ見通しが甘いのであろう。あるいは確信犯でやっているのかと疑いたくなる。そして、この間の事情や客観的な分析を報じてこなかったマスコミも同罪である。 また、国家主権を多国籍資本の下に置くことを事実上制度化してしまうISD条項に関して、日本政府は賛成の立場であるという、開いた口の塞がらぬニュースも飛び込んできた。これは実は5月1日に森健良駐米公使が、ワシントンのセミナーで述べていたのだという。それが最近になって発覚した。これに関しては東田剛氏(恐らく中野剛志)が記事にしているので、そちらもご参照いただきたい。 エリートの堕落とモラル喪失は恐らく戦後始まって以来のレベルであろうと思う。間もなく日本は敗戦記念日を迎えるが、日本はずっと占領軍に基地を持たれた属国状態で、今度はいよいよ多国籍資本のネオ植民地に成り下がろうとしている。国を守るために最後まで戦った英霊たちに彼らエリートと呼ばれる人種は一体どうやって顔見世できるというのだろうか。 国民はいい加減マスコミやエリートに対する信頼や認識を改め、自ら行動を起こさねばならない。何でもエリート任せにして惰眠を貪っていては、このまま国は売られてしまい、植民地化されてしまうことだろう。 マハティール元首相ブログ 7月12日(「マスコミに載らない海外記事」さまより転載) 「THE TRANS PACIFIC PARTNERSHIP」 ————————————— 1. 通商産業大臣は、通商交渉は秘密裏に(担当官僚によってだろうと私は推測するが)行われなければならないと断言した。国民的論議がなされてはならず、政府内部でさえ議論されてはならないのだ。 2. もし実際にそれが習慣なのであれば、それは良い習慣だとは思わない。マレーシア政府が交渉した通商や他の協定の実績を検討してみよう。さほどマレーシアの役に立ったようには見えない。実際、協定類で、マレーシアは不利な条件を飲まされる結果となっているように見える。 3. 最初に、シンガポールとの水契約を見てみよう。マレーシアは原水1000ガロンを3セントで売ることに合意した。引き換えに、マレーシアは、12パーセント、あるいはそれ以下の処理済み水を、50セントで購入できる。価格改訂には、両国の合意が必要だ。 4. もしマレーシアが、価格を、1000ガロン6セント(つまり100パーセント)に上げれば、シンガポールは、同じ比率で、処理済み水1000ガロン、1ドルに値上げできる。これではマレーシアに恩恵はない。それで我々は決して価格再交渉をしようとしていない。 5. 最初の協定は、2011年に期限が切れたが、我々は全く再交渉しなかった。次の協定は、2060年に期限が切れる。そこで、生活費はおそらく何層倍も上がっているだろうのに、原水1000ガロンにつき、3セントの収入を得ることとなる。 6. マレーシアが原水価格を上げた場合に、シンガポールが水価格を改訂するのを防ぐべく、ジョホールは自前の浄水場建設に十分な資金を与えられた。シンガポールからの供給に依存する必要がなくなれば、シンガポールに処理済み水価格を上げさせずに、原水価格を上げることが可能になろうというわけだ。 … Continue reading

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安倍自民圧勝と冬の時代の到来 / 山本太郎当選の意義:オールタナティブ運動の核となれ

[参院選:立法府の9割を新自由主義勢力が占める結果に / 窮地に陥ったTPP反対運動] 参院選が終わった。マスコミの事前の予想とほぼたがわず、自民の単独過半数はならなかったものの、自公で単独過半数を達成し、衆参のねじれが解消された。自公が圧勝した昨年末の衆院選、先の都議会選挙と、安倍自民への追い風がずっと続いている状態である。維新・みんなも公示前勢力を上回った。自民や民主の中にTPP反対派がいるとされるが、安倍政権は今回の選挙で事実上信任された形となった。いよいよ夏本番だが、日本には冬の時代が訪れようとしている。 TPP反対の民意を投票結果に反映させることができなかったばかりか、却って新自由主義グローバリズム勢力を伸長させることとなった。私も含め、ネット言論の非力さを痛感する。そしてこれは既に当ブログ記事「TPP反対運動が失敗する理由」にて述べたことだが、TPP反対運動を統一できずに、党派・団体別にバラバラで行っている現在のTPP反対運動の生ぬるさを認識せざるをえない。党派団体の壁を越えられなかった「不作為の作為」の招いた結果であると言えるだろう。今後の見通しは暗いものと言わざるを得ない。 第一次安倍内閣が短命に終わったのは2007年の参院選で大敗したことが大きな原因である。今回の参院選で大勝し衆参のねじれを解消したことで、安倍政権は長期政権となることが予想される。何らかの事情で衆議院が解散されない限り、今後3年は選挙がない。選挙でTPPの賛否を国民が判断する機会がもはや失われたといって等しい。 TPP反対派は国政選挙においてその民意を票に反映させ形にすることに失敗し続けている。昨年末の衆院選ではまだ「騙された」という言い訳もできたが、安倍政権がTPP推進に邁進しているさなかに行われた今回の参院選ではそうした言い訳はもはやできないことは明白であった。推進派の思う壺である。 今回の選挙においても自民から比例区候補者で唯一TPP反対のJA出身の山田俊男は前回の45万票よりは大幅に得票を減らしたものの、33万8千票を集め、同党2位で余裕の当選を果たした。選挙前に既にこの問題を指摘したが、その集票力によって同党から出馬した他の推進派候補の当選に寄与したことになる。例えば、推進派であるワタミの渡辺美樹は10万票、最下位当選の太田房江は7万7千票だけで当選した。この意味は、緑の党から立候補した三宅洋平が、ほぼ渡辺美樹と太田の票をあわせた票数である約17万7千票を獲得したが、党への基礎票が少なく落選したという事例からもよくわかることである。 多数の推進派候補が当選した一方、民主党時代からTPP反対運動に多大な貢献をしてきた山田正彦元農水相(みどりの風・比例)がわずか4万4千票しか得られず落選したということも、TPP反対派が今回の選挙でなんら有効な対策を打ち出せていなかったということを示唆している。 (私は今回山田正彦元農水相への投票を呼びかけ、ツイッターやブログを見てくださった方から山田氏へ投票したという声も寄せて頂いた。当ブログ推奨投票先に投票して下さった方々にこの場を借りて感謝申し上げる。) TPPを推進する自民・公明・維新・みんな・民主という新自由主義勢力をあわせると、参議院の91%をも占める状態となった。衆議院ではこれらの政党で衆議院の93.5%を占めている。TPP交渉がもし妥結し、批准に持ち込まれる事態となれば、否決はほぼ不可能となったと言える。安倍政権にお墨付きが与えられたことでTPP反対派は益々窮地に追い込まれる形となった。このような状態でTPPを潰すためには、海外の団体と協力してTPP交渉そのものを潰しにかかることと同時に、秘密交渉であるところのTPPの情報をできるかぎり収集し、安倍政権・自民党の掲げた政策や衆参農水委員会での決議との矛盾を突き、抗議運動を拡大していくほかない。 日本は今回マレーシアで行われているTPP交渉に日程の途中である7月23日午後、「鶴岡公二首席交渉官が交渉の前提となる守秘契約に署名し日本が12か国目の交渉参加国となった」(読売新聞、7月23日)。 前回の記事でもお伝えしたように、今回の交渉では最重要の関税に関する協議は日本が参加する前にすでに終了しており、日本が参加するのは「交渉」なのではなく、実際は日本への「説明会」なのである。日本ができるのは23日午後に開示された情報を大急ぎで翻訳して情報収集し、24日25日に参加国から説明を受けるだけなのだ。マスコミはこの重大点に関して報道せず、あたかも日本がすぐさま各国との交渉に参加するかのような印象を与える報道に終始している。 日本は既に決まった内容に関して蒸し返して再交渉をすることは認められていない。内容も事前に開示されぬものに対して、これまでに決まったことを全て受け入れるという約束をして交渉に参加するというのだから、愚の骨頂である。しかも妥結すれば内容は4年間非公開とされる。その一方で、一握りの選ばれた大企業の代表は事前に内容を知らされているのである。この交渉の性質自体が、TPPが99%のためのものではなく、1%のためのものであることを強く示唆していると言えよう。 [戦争のできる国へ /武器輸出三原則撤廃・集団的自衛権容認・憲法改正] 安倍首相は参院選の勝利を受けて、選挙戦の間は明確に訴えていなかったきな臭い政策を次々と発表した。選挙翌日の22日、安倍は武器輸出三原則の撤廃の指針を表明(共同通信、7月23日)、また現在の憲法の政府解釈で禁じられている集団的自衛権の行使をできるように解釈を変更する方針も示した(東京新聞、7月23日)。 また共同通信による今回の参院選当選者と非改選の議員をあわせた全参議院議員へのアンケート調査で、全体の72%にあたる196人が憲法改正に賛成という結果が発表された(共同通信、7月22日)。 多くの国民が危機感すら感じない状態のまま、日本は新自由主義コーポレートファシズムと呼ぶべき方向へと急激に、着実に向かっている。TPPが一握りの多国籍資本が国家の上位に位置して、国家と国民を食い物にするのと同様に、軍需産業がその儲けのために国家に戦争をさせ、それを「愛国」の名の下に国民に強いるということが行われるといったことになりかねない。「戦争は公共事業」に「兵役は貧者救済」に、そんなグロテスクな未来図が見えてくる。この国は一体だれのものなのか。 関連記事『日本が「死の商人」に-安倍政権、武器輸出三原則撤廃を目指す』(志葉玲) [中道左派の壊滅と共産党の伸張] 今回の選挙でも先の衆院選や都議会選挙の流れがそのままで、自公が圧勝し、みんな・維新が漸進し、共産党も伸張する一方で、民主が大敗し、中道左派が壊滅状態に追い込まれた。中道左派勢力は先の衆院選で弱体化し、候補も十分たてられず、選挙協力も不十分で、またその政策も十分有権者に伝わっていなかったことが想像される。有権者は中道左派にも民主と同じ罪を着せたのであろう。比例で社民が1議席を取るのがやっとで、生活の党もみどりの風も候補者全員が落選の憂き目にあった。社民党は1議席獲得で非改選をあわせて3議席、生活の党は獲得議席ゼロで非改選の2議席のみとなった。そしてみどりの風は議席そのものがゼロとなり、参議院から消滅、谷岡郁子は代表を辞任した。みどりの風は衆議院に亀井静香・阿部知子の2名を残すのみで、政党要件を失い、党の存続自体が難しい情勢となっている。 一方、全国組織を維持し、資金力もある共産党は都議会選挙で勢いをつけ、東京・京都・大阪というかつて共産党が知事を輩出したことのある定員が複数の選挙区で当選者を出し、比例でも5人当選し、計8人が当選した。中道への期待が民主党政権の失敗によって、自民・みんな・維新へと流れた多くの票と、共産党に流れた少数の票とに分かれた格好である。 民主の大敗は想定内のことであるが、日本の民主主義にとって中道左派が壊滅することはとてつもなく大きい意味を持つ。私が推奨していた舟山康江(みどり・山形)・森ゆうこ(生活・新潟)は激戦の末敗れ、山田正彦(みどり・比例)・亀井亜紀子(みどり・島根)・三宅雪子(生活・比例)といった筋金入りのTPP反対派候補も敗れることとなった。 今回の参院選の前に山本太郎が「このままだと根絶やしにされる」と警鐘を鳴らし、これら中道左派や共産党に統一戦線を組むことを提唱したのであるが、各党はそれぞれの事情や思惑(そして個人的な人間関係もあるだろう)によって共闘を拒否した。生活・みどり・社民の3党は選挙協力をしたが、それは部分的なものにすぎない。一番の失敗例は社民党が候補を立てて現職・森ゆうこ(生活)の足を引っ張った新潟選挙区で、結果、森も社民候補も共倒れとなった。 この表は今回の参院選比例区の得票と獲得議席数である。生活・社民・みどり・大地・緑の党の5党からの当選は社民の1議席だけであるが、すぐ右の表に示したように、これらの党の票をあわせたら、3議席は獲得できていた計算になる(その場合、1議席目は三宅洋平に、2・3議席目は社民党候補に回る形になる)。もし共闘が実現していたなら、相乗効果も出て、それ以上の議席を獲得できた可能性もある。中道左派は勢力が弱体化してもなお共闘すら実現できなかった結果、山本太郎が選挙前に危惧した通り、文字通り「根絶やし」にされてしまった。 選挙戦のさなかから選挙が終わってもなお、山本太郎への執拗なネガティブキャンペーンが展開されているのだが、選挙後生活の党支持者の一部からも山本太郎への批判が再び噴出しているようだ。これらの批判者たちは昨年末の衆院選のあと、未来の党が失敗したのは山本太郎に引きずられたのが原因(これに対する私の反論は既に過去記事で述べた)だとして、純化路線で参院選に挑むことを主張していた。そして今回の参院選では、党が勝手連的に山本太郎を支援するということのみに留め、山本太郎の提唱した統一戦線については拒否し、これら山本批判者たちの主張する通り各党が純化路線で参院選に挑み、結果敗れたのでる。 ここに至って、組織的背景を持たず、ボランティアのスタッフに支えられ、草の根運動的に東京の有権者の間に支持が広がって当選を果たした山本太郎を、この期に及んで批判するのは筋違いではなかろうか。しかも山本太郎の出馬した東京選挙区では生活の党は候補者を擁立しておらず、なんら敵対するような関係にはなかったにもかかわらずである。こうした批判は如何にその批判を尤もらしく理論づけようとも、選挙直後という時期が時期だけに、第三者が見るとそれは山本太郎への嫉妬と勘繰られる恐れもある。他者を批判するよりも、何故に自党の訴えが有権者を動かせなかったのかを見つめなおすことが、今後の立て直しに必須なのではないだろうか。今後TPP・消費税増税・原発再稼働・憲法改正といった重要課題が目白押しの状況で、敵を見誤るべきではない。 生活の党には国会で働いて頂きたい人材が豊富なのだが、このように周りでゴタゴタが続いていて、残念ながらどうにもならない様相を呈してきていると思う。衆院選の未来の党の失敗のあと、一部の支持者が不正選挙騒ぎを起こし、そして選挙期間中に某陰謀論者一派が党の候補に接近し食い込むという騒動があり、参院選が終わってみれば、支持者はなぜか山本太郎支持派と批判派に分かれてしまった。党とは直接関係のない話で更に分断を深めているのである。弱り目に祟り目である。残念ながら当分の間は党勢を立て直すのは難しいだろうと思う。下手をすると、今後橋下維新やみんなの党が仕掛けてくるであろう民主を巻き込んだ政界再編に飲み込まれてしまう可能性すらある。 逆に山本太郎は、頼まれもしないのであれば、山本の側から生活の党にアプローチをかける必要はなく、当分近づかない方がむしろ身の為である。再度野党共闘の話が出るのだとしたら、その時は中道左派政党の側が山本太郎に頭を下げてお願いするのが筋ではなかろうか。これらの政党は2度にわたり山本の統一戦線の提唱を蹴ったのだから。 [山本太郎が当選したことの意味: 「もう一人じゃない」。しかし「いまだに一人」] さて今回の参院選は安倍自民を是認する風が強い中での選挙、つまり当ブログの主張からは大逆風の吹きすさぶ中での選挙であったが、全体としてみれば悲惨な結果となった。私が強く推奨した候補の中で唯一当選を果たしたのが山本太郎である。私たちのために立ち上がってくれたその勇気とあわせ、心から祝福をさせていただきたい。また山本太郎を支えたスタッフの皆様、山本に票を投じた有権者の方々に感謝の意を表する。 山本太郎の当選が意味するものは、上記のように日本の民主主義がどんどんとデッドロックに陥り、多くの人が共産党に投票するほどまでに、もはや希望の芽が見いだせないものとなりつつある中で、山本太郎という存在が、政治と言うものを従来とは全く異なる新たな視点で捉え直し、ひょっとしたらどこかの地点でひっくり返す起爆剤になるのではないかと予感させるものがあったという点だと思っている。少なくとも私は山本太郎が昨年の衆院選に出馬するときの模様を見てそう思った。 山本太郎は多くの人のバックアップで当選した。その意味で「もはや一人ではない」。しかし、山本太郎が当初声を掛けたところの、国会で組むべき中道左派の候補が壊滅状態となってしまい、その点で「いまだに一人」と言える状態だ。中道左派の壊滅は本当に痛手である。これまで山本太郎には選挙で戦うための参謀が必要であったのだが、ここからは政治全体を見渡すことのできる目の効くいい参謀が必要になる。また実務に通じた経験豊かな秘書も必要になるだろう。 山本が組むべき中道左派がほぼ壊滅状態となってしまったことで、山本は野党連合を作るといった当初の構想は当面は考えず、田中康夫がやっていたように他党の政治家と連携しつつも機動力を生かして、一人でできること、おもしろいことをどんどんやっていったらいいと思う。 記事下で紹介する動画で山本を激励している作曲家のなかにし礼が奇しくも同じことを言っているのであるが、山本太郎の賞味期限は、山本がどこかの勢力に抱き込まれ、他の党が抱える類の単なるタレント政治家のような、毒にも薬にもならぬこじんまりとまとまった存在と化した瞬間に切れると思う。恐らく聡明な山本本人も重々承知していることと思う。 私が山本太郎にぜひやっていただきたいと思うのが、これまでやってきたように草の根レベルの活動を続け(つまり雲の上の人とならず)、ネット配信を充実させるとともに、言いたい放題のネット討論番組を企画して流していただきたいということである。テレビ新聞で名を馳せたような人たちではなく、三宅洋平やフリージャーナリストや政治ブロガーや無名の研究者や他党の政治家たちを招き、議論をし、質問を受け付け、一般支持者も議論に加わるというものを、定期的にやっていただければと願う。 そしてもう一つ山本太郎にぜひやっていただきたいのが、以前にも同じことを書いたのだが、亀井静香に個人的に弟子入りすることである。周囲に異論もあるかも知れないが、これだけはどうしてもやっていただきたい。江川紹子が山本太郎に小沢一郎か共産党への弟子入りを勧めているのだが、それは山本太郎には似つかわしくない。山本太郎をスケールの小さいものへと変化させ、賞味期限切れを早めてしまうことになりかねない。 また上に述べたように、山本太郎自身は小沢一郎に迷惑をかけたつもりはないはずであるが、小沢一郎の支持者の一部から山本は反感を持たれている。共産党にしても、一部の支持者が熱心に山本太郎へのネガキャンを選挙戦中に行っていた。そうしたことを鑑みれば、どちらも山本が選択すべきものではないのは明白だ。 恐らく山本太郎が最もウマが合い、かつ学ぶところの多い政治家が亀井静香だと私は思う。山本は参院選も亀井の盟友・山田正彦と共闘して戦ったこともあり、山本が亀井の門を叩くのは至極自然である。冬の時代を耐えるため、人々を勇気づけるために、ぜひとも亀井静香X山本太郎のコラボレーションを見せて頂きたい。そしていつまでも賞味期限の切れない政治家になって頂きたいと願う。 山本太郎の支持者の皆様におかれても、この状況では山本がたった一人で国会で活動せざるを得ず、掲げた政策の実現は早期にはほぼ不可能であることを念頭においた上で、叱咤激励しつつ粘り強く支援していっていただきたいと願う。ふわっとした民意ではなく、それを形のあるものにしていくことが山本太郎にはできると私は思う。有権者にも忍耐強さが求められる。山本太郎一人を屋根の上に上げて、梯子を外すまねをしてはいけない。山本太郎を皆で守り、育てる心意気で支えよう。 … Continue reading

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TPP交渉撤退の民意を投票に反映させるのは今しかない!「地方の反乱」を! / TPP:都市部でより深刻な影響が出ることが試算で明らかに / 米国「全品目が対象」「再交渉、蒸し返しを認めぬ」

<当ブログ参院選シリーズ> ①奢り高ぶる安倍自民・壊滅に向かう健全野党と危機に陥る民主主義/私の山本太郎擁護論(6月5日) ②【参院選】「地方の反乱」こそが日本を守る。ふざけきった安倍・新自由主義政権を信任してはならない!<比例代表・全選挙区推奨候補リスト付>(7月9日) ③【続報・参院選】自民党全候補者78名中TPP反対はたったの7名であることが判明 /それでもまだ安倍自民を支持しますか?(7月11日) ④【参院選】比例区・一人のTPP反対派を当選させるために複数の推進派を当選させてしまう戦術をJAは見直すべきである(7月14日) ⑤新自由主義ファシズム体制完成を目論む安倍自民 / 山田正彦・山本太郎らを国会に送り抵抗の橋頭堡を築くべし!(7月17日) <当ブログ重要記事> 安倍政権は紛れもない新自由主義政権である。茶番と嘘の上塗りとナイーブな傷の舐め合いをやめ、現実を直視せよ! 安倍自民と橋下維新のウルトラ新自由主義亡国連立が近づいている。安倍と橋下を結びつけるもの TPP反対運動が失敗に終わる理由。本当にこのまま国を売られてよいのか。 当ブログによる参院選全選挙区・比例区推奨候補リスト(記事下部) [米通商代表「全品目が交渉の対象」「再交渉、蒸し返しを認めぬ」] TPPの第18回交渉が7月15日からマレーシアで始まった。日本が交渉に参加するのは早くて23日の午後からであるのだが、実は今回の会合の日程では最も肝心な関税交渉(市場アクセスの会議)が19日までに終了してしまっているのである。 米国通商代表部(USTR)のフローマン代表は18日、オバマ政権の通商政策について下院歳入委員会で証言した。この中でフローマン代表は日本のTPP交渉参加を巡る事前協議で、『「日本はすべての品目を交渉のテーブルに乗せる事で合意した」と述べると共に、「農業分野の例外品目を事前に設ける合意はない」と強調』(TBS、7月19日)すると同時に、『「(まとまった交渉文書の)再交渉も、蒸し返すことも日本に認めない」』(読売新聞、7月19日)とし、交渉の年内妥結を「実現可能」としている。 安倍首相は日米首脳会談終了後、「聖域なき関税撤廃が前提でないことが確認できた」などとしていたが、日本は米国側との事前交渉において聖域の確保の確約を取れなかったばかりか、全品目を交渉の対象にすることに合意していたことが明らかにされたわけである。安倍首相の弁は参加ありきの詭弁的言辞にすぎぬのは明らかであろう。 現在進められているTPP交渉において農業分野の交渉がどこまで合意されたのかは不明であるが、既に妥結した内容に関しては再交渉の余地はないことは明らかだ。また参加各国は年内妥結を目指していることから、日本がこれまでの協議内容を今回の交渉で知りえたとしても、殆ど日本側の意向を反映させるのは現実的に厳しいことも明白である。 衆参両院の農水委員会は「重要品目の関税撤廃からの例外確保ができないと明らかになった場合は即時脱退も辞さない」と決議していたが、今回の交渉日程が終われば、現実的に日本側が短い交渉で例外品目を設けさせることのできる可能性はほぼゼロに等しいことが明らかになるだろう。この際に衆参の農水委員会は具体的な行動をとるであろうか。 安倍自民が今回の参院選で勝利を収めれば、そうした行動は起こされず、グローバリズム関東軍と化して暴走する経産官僚や、安倍首相の抱える新自由主義ブレーンや、さんざんTPP参加を煽ったマスコミ論客たちが、またもやその文学的才能を発揮して新たな詭弁をひねり出すということが行われるだけであろうと私は思う。 自民党はこうしたことも既に見越した上で、今回の参院選の公約から「重要品目の関税撤廃からの例外確保」を外しているのだ。既に当ブログ記事で述べたように、今回の参院選で自民党が擁立した全78名の候補でTPP反対の候補はたった7名しかいない。比例区では反対はJA出身の山田俊男候補ただ一人だけであり、しかも山田候補に個人名で投票しても、他の推進派の当選に寄与してしまうのである。反対派を多数擁立しているのであればまだしも、実際には反対派はごく少数であり、党として安倍自民はもはやTPP推進勢力となったと考えるのが妥当である。 もう彼らの詭弁に淡い期待を抱いて騙されるのはやめる時だ。今後3年選挙が行われないだろう現実を考えれば、ここで安倍・新自由主義政権に信任を与えてはならないのである。 [TPPは地方に加え、都市部にも甚大な被害をもたらすことが試算で明らかに] 約900名の有識者が名を連ねる「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」のTPP影響試算・大学教員作業チームはこれまで3度にわたり、TPPによる日本への影響を試算し、発表してきた。これらは極めて深刻な内容なのであるが、これを報じてきたメディアは日本農業新聞・IWJ・しんぶん赤旗のみである。これは極めて異常な事態であり、会の呼びかけ人である醍醐聡・東京大学名誉教授も驚くと同時に、大手マスコミに対して鋭い批判を自身のブログで浴びせている。 これまでの試算発表で明らかにされた重要な点は以下の通りである(「大学教員の会」ホームページ及びIWJ記事から要点を抜粋)。詳細はリンクをつけた同会のページ及びIWJのページをご参照いただきたい。また「大学教員の会」ホームページに詳しい資料が掲載されている。 これを見れば、TPPがまさに1%の利益のために、99%の人々が犠牲にされるという代物であることがありありとわかる。醍醐名誉教授も7月13日のブログで以下のように述べている。全く同感である。 「TPPは農業の問題といって傍観しているわけにはいかない。わが国の国民益を投げ捨て、アメリカ企業や多国籍企業に営利の機会を広げる売国的なTPP交渉から即時脱退することこそ日本の国民益を守る唯一の道なのである」 <第1回目試算発表 5月22日> 全産業で10兆5000億円減、GDP4兆8000億円減、190万人が雇用喪失 ・「政府統一試算」 ベースによる農林水産物等の生産減少額(2兆9,680億円)により、全産業の生産減少額は、約10兆5千億円にのぼる。 ・「政府統一試算」でいう農林水産物の生産減少額は、他産業への影響からの「跳ね返り効果」5千億円を含めて、最終的に約3兆4,700億円の減少 となる。 ・就業者に与える影響(雇用効果)は、「政府統一試算」の対象品目の生産に係る農林水産業で約146万人、全産業で、約190万人の減少となる。 ・企業・家計の所得など国民総生産(GDP)に与える影響は、約4兆8千億円の減少となり、GDPを1.0%押し下げる。 ※ GDPは、09~11年度平均約489兆円(内閣府経済社会総合研究所) ・生産減少、就業者数の減少を通じた家計消費の減少額は、約2兆7千億円となり、GDPの1.0%低下のうち、0.6%分の寄与となる。 「大学教員の会」リンク IWJ記事リンク … Continue reading

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【参院選】比例区・一人のTPP反対派を当選させるために複数の推進派を当選させてしまう戦術をJAは見直すべきである

<当ブログ参院選シリーズ> ①奢り高ぶる安倍自民・壊滅に向かう健全野党と危機に陥る民主主義/私の山本太郎擁護論 ②【参院選】「地方の反乱」こそが日本を守る。ふざけきった安倍・新自由主義政権を信任してはならない!<比例代表・全選挙区推奨候補リスト付> ③【続報・参院選】自民党全候補者78名中TPP反対はたったの7名であることが判明 /それでもまだ安倍自民を支持しますか? <当ブログ重要記事> 安倍政権は紛れもない新自由主義政権である。茶番と嘘の上塗りとナイーブな傷の舐め合いをやめ、現実を直視せよ! 安倍自民と橋下維新のウルトラ新自由主義亡国連立が近づいている。安倍と橋下を結びつけるもの TPP反対運動が失敗に終わる理由。本当にこのまま国を売られてよいのか。 今回の記事は当ブログ参院選シリーズ第4弾である。以下の記事もご参照いただければ幸いである。 ①奢り高ぶる安倍自民・壊滅に向かう健全野党と危機に陥る民主主義/私の山本太郎擁護論 ②【参院選】「地方の反乱」こそが日本を守る。ふざけきった安倍・新自由主義政権を信任してはならない!<比例代表・全選挙区推奨候補リスト付> ③【続報・参院選】自民党全候補者78名中TPP反対はたったの7名であることが判明 /それでもまだ安倍自民を支持しますか? [安倍晋三を見限っている中野剛志] ペンネーム東田剛(恐らく中野剛志)が三橋貴明のサイト『新日本経済新聞』に寄稿した最新の記事「竹中先生、日本経済 次はどうなりますか?」が示唆に富んでいたのでご紹介したい。 冒頭で東田(中野)は、 『竹中平蔵先生が「アベノミクスは理論的に100%正しい」と絶賛しています。 ということは、アベノミクスは新自由主義100%だということになります。』 と述べ、竹中が称賛する安倍政権の経済政策について述べ、批判をしている。 そして後半部が面白かったので、引用する。 <引用開始>----------- 昨年末に自民党は政権を奪還しました。そして今度の選挙でねじれを解消して政治を安定化させ、日本が世界に先駆けて新自由主義から脱却するはずでした。 そして、竹中先生はほとんど過去の人になっていて、ブレーンをつとめる維新の会と共に凋落していたはずでした。 そんな竹中先生を、周囲の反対を押し切って復活させたのは、安倍首相です。 <引用終わり>---------- 注目すべきは、全体の基調は竹中を批判するように見えるものの、最後で安倍晋三を批判している点である。これは三橋貴明が決してやらないことである。中野は自らの信条理念に誠実であり、三橋は自らの商売に誠実である。 そして東田(中野)は追記のところでまた面白いことを書いている。 <引用開始>----------- PPS 東田剛の分断工作のせいで、朝から気分が悪くなった方は、気を取り直して、この二冊で理論武装しましょう。 日本を取り戻すまで、先はまだまだ長いぞ! http://amzn.to/10XzXGK http://amzn.to/1aao2uo <引用終わり>---------- 「分断工作」という言葉は、チャンネル桜を見ている方ならすぐにピンとくるものだと思う。チャンネル桜の水島聡氏が「安倍政権への批判は保守分断」であるとする強引な意見を主張しているのであるが、東田(中野)は敢えてこの言葉を使って自らの言説を「分断工作」つまり「安倍政権への批判」としてあてつけ的に使用したのだと私は思った。 そして最後の一文「日本を取り戻すまで、先はまだまだ長いぞ!」が強烈な皮肉になっていることにも読者は容易に気づくはずである。東田(中野)がここに示唆しているだろうことは「安倍政権だと日本を取り戻すことはできない」ということに他ならないだろう。 [JAは比例区の戦術を根本的に見直すべきである] 前回の記事で自民党の候補者全78名の中でTPP反対は僅か7人しかいないということをお伝えした。「どちらかと言えば反対」という本当に反対票を投じるかどうか疑わしい消極的反対の10人をあわせても17人に過ぎない。 特にひどいのが比例代表の候補で、下の図(朝日新聞ANN調査より作成)にあるように、全29人中、反対の候補はJA出身の山田俊男候補ただ一人で、「どちらかと言えば反対」も2人だけという惨状である。 … Continue reading

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【続報・参院選】自民党全候補者78名中TPP反対はたったの7名であることが判明 /それでもまだ安倍自民を支持しますか?

<当ブログ重要記事> 安倍政権は紛れもない新自由主義政権である。茶番と嘘の上塗りとナイーブな傷の舐め合いをやめ、現実を直視せよ! TPP反対運動が失敗に終わる理由。本当にこのまま国を売られてよいのか。 奢り高ぶる安倍自民・壊滅に向かう健全野党と危機に陥る民主主義/私の山本太郎擁護論 【参院選】「地方の反乱」こそが日本を守る。ふざけきった安倍・新自由主義政権を信任してはならない!<比例代表・全選挙区推奨候補リスト付> 前回の記事では安倍政権の新自由主義的性格について述べ、この政権の下ではTPP撤退はあり得ないということを述べた。それに加え、TPP反対という観点から、当ブログによる全選挙区・比例区での推奨候補リストも前回記事の下に付したので、投票の際のご参考にしていただければ幸いである。 比例区の社民党に関して私は特定の候補を推奨しなかったが、記事をお読みになられた方から、鴨桃代氏を推す声が寄せられたので、この場を借りてご紹介しておきたい。 また大阪選挙区の方から、地元の共産党候補に投票するのは嫌だという声が寄せられた。大阪選挙区では、新党大地から吉羽美華という候補が出馬しているので、共産党候補に入れるのが嫌な方はそちらに投票されればよいかと思う。 私自身は吉羽候補がどのような候補でどういう経緯で新党大地から出馬することになったのか知らず、また吉羽氏のブログを以前に見たことがあるが、感心するような内容ではなかったので、推奨しなかった。 私は共産党について支持しているのではなく、むしろ実際にはこの党は時に不可解な動きをすることもあり、首をかしげることも多いというのが正直なところだ。だが現在のような状況では、売国TPPを推進するようなふざけた政党の候補に投票するよりははるかにマシな選択であると思う。各選挙区においてよりよい現実的な選択肢を合理的に選んでいって、共産党候補を推さざるを得ない選挙区についてやむなくそうしているだけなのであるが、その結果大量の共産党候補を推奨する羽目になった。勿論やりたくてそうしているのではないということは当ブログの読者の皆様にはご理解いただけるものと信じている。 自分の選挙区で選択肢に困るという声もよく聞くのであるが、そもそもこのような状況をもたらした元凶は、昨年末の衆院選で国民が自民を圧勝させ、一方中道政党を壊滅状態に追いやったことにあることは言うまでもない。中道政党は息も絶え絶えの状態となり、満足に候補を立てることすらできない状況に追い込まれたわけである。昨年末の衆院選は致命的であったと言える。安倍政権が暴走するのを止める手だてが非常に限定的になり、案の定、安倍政権は好き勝手に新自由主義グローバリズム路線の暴走を始めた。平時の思考をしていては庶民は殺られることは間違いない。 [自民党全候補者78名中TPP反対は僅か7名であることが判明 /それでもまだ安倍自民を支持しますか?] 前回のブログ記事を書いたあと、念のために参考にした朝日新聞ANNによるアンケート調査の自民党候補者のTPPに対する賛否を調べていて、愕然とした。なんとTPPに「反対」と回答した候補者は全78名中僅か7名しかいないことが判明したのである。下の表にまとめた。(* 取り急ぎまとめたものであるので、間違いがあるかも知れない。詳細はソースをあたっていただければ幸いである。) 選挙区の自民党候補全49名中、「反対」は僅か6名、「どちらかと言えば反対」の8名とあわせて14名に過ぎない。 更にひどいのが比例区の候補者の方で、全29名中「反対」と答えたのはJA出身で現職の山田俊男候補1名だけで、「どちらかと言えば反対」も2名しかいない。あわせてもたったの3名だ。 選挙区と比例区をあわせると、全78名中「反対」はたったの7名、「どちらかと言えば反対」は10名だけという寒々とした結果になる。 これに対し、「賛成」は9名、「どちらかと言えば賛成」は13名で、「反対」「どちらかと言えば反対」をそれぞれ上回っている。 そして嘆かわしいのが、未だに「どちらとも言えない」などと回答する候補者の多いことである。菅直人がTPPを持ち出して2年にもなるのであるが、TPPという国の在り方を大きく左右する事案に対して、いやしくも国会議員になろうと名乗りをあげる者が自らの態度を表明できぬというのである。 あるいは既に結論は決まっているが、TPP反対の有権者の手前、選挙戦の間は態度を曖昧にしてごまかしているのである。その点で「どちらかと言えば賛成/反対」という回答も非常にまどろっこしく、誠意を欠いたものである。 そもそも自民党候補者はTPPを推進している政権与党から公認を得て出馬をしているわけで、いざTPP交渉が妥結し批准に持ち込まれれば、「どちらかと言えば反対」と言っている候補も含め、圧倒的多数の議員は執行部に逆らわず、批准に賛成するであろうと思う。いま「反対」と言っている候補者も怪しいものだと私は思う。恐らく批准で実際に造反するのは西田昌司氏と山田俊男氏だけではないだろうか。 TPP反対の有権者が自民党に投票するのは自殺行為に等しいものであり、決してすべきでない選択であるということが、候補者へのアンケートのデータからも裏付けられた格好だと言える。 また自民党に投票することでワタミを当選させてしまうという点でも、私は今回全く自民を推さないということを再度述べておく。 (* 京都選挙区の西田昌司候補に関しては推奨候補リストに加えるかどうか迷ったのだが、氏はTPPやJAL問題などで国会で鋭い追及をこれまでしてきており、また西田昌司氏には新自由主義者・安倍晋三を担いだ重大な責任があり、落とし前をつけさせるためにも再度国会に送り込んで、責任を取らさせないといけないと考え、推奨リストに加えた。) こちらの続編記事もあわせてどうぞ。 「【参院選】比例区・一人のTPP反対派を当選させるために複数の推進派を当選させてしまう戦術をJAは見直すべきである」(7月14日)

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【参院選】「地方の反乱」こそが日本を守る。ふざけきった安倍・新自由主義政権を信任してはならない!<比例代表・全選挙区推奨候補リスト付>

<当ブログ重要記事> 安倍政権は紛れもない新自由主義政権である。茶番と嘘の上塗りとナイーブな傷の舐め合いをやめ、現実を直視せよ! TPP反対運動が失敗に終わる理由。本当にこのまま国を売られてよいのか。 奢り高ぶる安倍自民・壊滅に向かう健全野党と危機に陥る民主主義/私の山本太郎擁護論 安倍政権を信任するか否かのかかった参院選が公示された。投票日は7月21日(日)である。マスコミの報道では自民圧勝の情勢が伝えられているが、それは高い投票率を想定していないものであり、投票率が上がれば情勢は変わる。決して諦めてはならない。ぜひ皆様には棄権することなく、ご近所ご友人をお誘いの上、投票に行っていただきたいと願う。 今回の選挙からネット選挙が解禁となったので、拙ブログでも記事下に推奨投票先を付すことにした。ご参照いただければ幸いである。私はTPPに反対するという観点で、今回の参院選において、みんな・維新・公明は全候補を非推奨、自民は2名を除く全候補を非推奨、民主もほぼ全候補を非推奨とする。TPP反対の読者の皆様におかれては、これらの党以外の党及びその候補者に票を投じていただければ幸いである。なおここに付す表はあくまでも私個人が仮にそこの選挙区の有権者であったらこの候補に入れるという私的見解であり、投票は各自の判断で行っていただきたい。 <安倍自民を信任することはTPPを信任することに等しい> [壊国兵器・アベノドリルの前に立たされている「抵抗勢力」とは99%の国民である] 安倍晋三については拙ブログでは昨年末の衆院選の前からその危険性を指摘してきたのであるが、政権発足直後から私が従来から危惧していた通り、安倍政権は極端な新自由主義グローバリズム・構造改革路線に邁進している。日本を極端な格差社会に突き落とした張本人で、橋下維新のブレーンであり、かつ米韓FTAを強行批准採決した韓国の李明博・新自由主義政権の大統領顧問を務めた竹中平蔵を安倍はブレーンとして政権に加え、また伊藤元重・楽天の三木谷浩史といった人物を起用するという新自由主義グローバリズム丸出しの非常にふざけた布陣を敷いた。 安倍は早々と国民を裏切ってTPP交渉加盟を宣言し、さらに自らを構造改革をやり抜く「ドリルの刃」に例え、固い岩盤を突き破ると宣言した(ポン吉のブログ「安倍晋三VS安倍信者」より)。安倍政権がTPP交渉から離脱などしないというのはこうしたことからもはや明白である。 「アベノドリル」の仕組みを見ていこう。ドリルの刃は安倍であり、その刃を回転させているドリルの本体は竹中平蔵・伊藤元重などの新自由主義者たちと売国官僚そしてグローバル企業の代表者たちである。そのドリルに電気を供給しているのが日米多国籍資本である。それを素晴らしいドリルであるかのように報じるのが大手マスコミだ。そのマスコミに電気を供給しているのもやはり日米多国籍資本である。それを見て喝采しているのが安倍支持者やマスコミを鵜呑みにする一般国民という構図になる。 そして安倍がそのドリルで打ち砕く「岩盤」とは一体何であろうか。それは「抵抗勢力」「既得権益者」である。 新自由主義者たちから「抵抗勢力」「既得権益者」と呼ばれるこれらの人たちは、不思議なことに、高級官僚や法人税も収めぬグローバル化した大企業やそれらの大株主といった、日常生活で決してお目にかかることのない上位1%側のことでは決してない。 新自由主義者たちの言う「抵抗勢力」「既得権益者」とは、具体的にはサラリーマンであり、農家の人々であり、役場の下っ端職員であり、学校の教員であり、中小企業であり、低賃金労働者であり、社会的弱者といった人々である。つまり私やあなたのことであり、私たちの身の回りにいる日常生活で出会う人たちのことなのだ。つまるところ「抵抗勢力」「既得権益者」とは、99%の国民なのであり、国民生活を野蛮で無慈悲な弱肉強食の競争から守る国民国家そのものなのである。つまりアベノドリルとは99%の国民生活を打ち砕くためのドリルであり、国民国家を破壊するためのドリルであり、究極の売国・壊国兵器なのである。 [自民が撤回したのはワタミ公認ではなく、ブラック企業対策の方だった] 前回の記事では自民党がブラック企業対策を参院選の公約に盛り込むことを検討している一方、安倍晋三が直々に世間ではブラック企業と言われているワタミの渡邉美樹に党の看板である比例候補として出馬を要請したという滑稽で皮肉極まりないニュースをお伝えした。 自民党のワタミ擁立は大きな批判を浴び、ワタミで過労の末に自殺した社員の遺族が自民党にワタミ公認を撤回するよう求め抗議をする事態になった(田中龍作ジャーナル記事リンク)。 ところが自民党が撤回したのは、ワタミ公認ではなく、ブラック企業対策の方だったというから、開いた口が塞がらない。安倍自民がどちらの方向を向いているのか、このことから推して知るべきである。安倍政権の行く末、日本の行く末は決してバラ色ではなく、「ブラック」に相違ない。決して日本は「瑞穂の国」ではなく、終わってみれば「黄泉の国」となっていることだろう。 私自身はこれまで無闇な反自民を主張してきたつもりはないが、安倍のおふざけは度を過ぎており、今回だけは許し難いものがある。 [ネオ植民地から脱しスノーデン亡命受け入れを表明した南米諸国 / 盗聴するような国と貿易交渉をしネオ植民地化される日本] この後来るメニューは、日米二国間協議及びTPP推進、それに並行して規制緩和・構造改革・更なる民営化といった新自由主義路線が進められ、そこに原発再稼働・消費税増税・サラリーマン使い捨て・弱者切り捨てが断行され、憲法改正や児童ポルノ法という「児童を守るため」などという美名に名を借りた言論弾圧法案や刑務所の民営化に見られるように、新自由主義型警察国家化が一気に進められることになるだろう。そして日本は「新自由主義・コーポレート・ファシズム」と呼ぶべき政体の国になるだろう。それはかつての中南米であり、現在の米国であり、「多国籍資本のネオ植民地化」が完成した韓国と同じである。 南米諸国はかつて「米国の裏庭」と呼ばれていたが、近年ベネズエラを筆頭に相次いで社会主義政権が誕生し、米国を事実上駆逐した。米国はかつてキューバに仕掛けたのと同様に、2002年4月ベネズエラに対してもベネズエラ1%富裕層と結託してクーデターを側面支援して政権転覆を仕掛けたが、チャベスは大統領辞任を拒否して、身柄を拘束監禁された。民衆が結束してチャベスを支持し、軍もチャベス側に寝返ることでクーデターは3日で失敗に終わった。この顛末はアイルランドのドキュメンタリー映画『The Revolution Will Not Be Televised – Chavez: Inside the Coup』(「マスコミが決して報じない革命」と意訳すればよいか)に詳しい。 こうした結果米国は南米から締め出され、北米のNAFTAに閉じ込められる結果となった。米国及び多国籍資本がアジア太平洋地域に覇権を求めだしたのは、南米から排除されたことも重要な背景としてあるだろう。 米国政府機関・国家安全保障局(NSA)が「テロ対策」という口実の下に秘密裏にインターネットの個人情報を収集し、事実上国民を監視してきたことが元CIA職員のエドワード・スノーデン氏によって暴露された。その後暴露された情報によれば、同盟国の大使館も諜報の対象にされており、日本大使館も含まれていたという。 その後スノーデン氏はロシアに逃れ、そこから欧州諸国・中南米諸国に向けて亡命申請をした。 ところが普段は自由やら人権やらを声高に叫ぶ欧州諸国は、米国という国家による犯罪を暴露したスノーデン氏の亡命を拒否。スノーデン氏の亡命受け入れを表明したのは、ベネズエラ・ニカラグア・ボリビアという米国からの「独立」を果たした南米諸国であった。欧州の掲げる人権とは一体何なのか。「ジャイアンがいない間だけの人権」なのであろうか。いま世界で起きているのは価値の逆転現象である。米国の振りかざす「正義」のメッキがブッシュの時から一気に剥げ落ちてきている。 さて話がそれたが、日本は自国の大使館が米国の諜報のターゲットにされてきた疑惑が暴露されたというのに、安倍政権の対応は「外交ルートを通じて問い合わせる」というのみの非常に弱腰の情けないもので、かつその米国と二国間協議を続け、TPP交渉にも加盟するのだという。通常の神経とは思われない。対米従属に慣らされ続けた国の成れの果ての姿である。この一事のみをとっても、十分なTPP撤退の理由となりうるものである。安倍政権ではTPP交渉撤退はありえないことだというのがこの異常なまでの対米従属姿勢からも明らかである。 [岐路に立たされた日本 / 自ら首を絞めた韓国国民の失敗から学ぶべし] 97年から98年にかけてのアジア通貨危機は多国籍資本がIMFと米国のバックアップでアジア各国に仕掛けた乗っ取り戦争の様相を呈したものであったことは当ブログでお伝えしてきた。マレーシアはマハティールがIMFの罠を看破し、IMF策を拒否して自力で短期に国内経済を立て直すことに成功したのに対し、インドネシア・タイ・韓国はIMFの勧告を受け入れたがために、国民は大きな被害を蒙ることとなった。中でも韓国はIMF支配を通じて、極端な民営化と構造改革を無理強いされ、国内経済を事実上外資に乗っ取られ、更に米韓FTAでネオ植民地化が完成し、トドメを刺されたといって等しい状況である。以下の過去記事をご参照いただければ幸いである。 IMFと戦い国民・国家を守ったマハティールに学ぶべし!②IMF「救済策」が明暗を分けた … Continue reading

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奢り高ぶる安倍自民・壊滅に向かう健全野党と危機に陥る民主主義/私の山本太郎擁護論

<当ブログ「橋下維新は答えではない!」シリーズ:橋下維新の正体↓> その①ファシストは人々の心に巣食うファシズムに囁きかける その②形骸化する民主主義:選挙で選ばれぬ人たちが政治を動かしている その③選挙で選ばれぬ新自由主義者たちによって売りに出される大阪:大前研一と竹中平蔵の影 その④【地下鉄利権】関西私鉄幹部が大量に大阪市参与に就任していたことが判明。裏で進められる公共財の解体と簒奪。/一刻も早く橋下リコール運動を開始すべし。 その⑤【大阪地下鉄民営化利権続報】在阪マスコミは関西私鉄の事実上支配下にある!マスコミが橋下維新・地下鉄「民営化」問題を報じない理由 [壮絶な参院選選挙予想・自民党の圧勝と新自由主義翼賛体制の成立] 7月の参院選の選挙予想が週刊現代(5月25日号)と産経新聞(5月29日付)で出ていたのでご紹介したい。産経の方は比例代表のみの予想である。週刊現代の方は各選挙区も含めた詳細な予想が出ている。 なお参議院は定数242で任期は6年。衆議院のような任期途中の解散はなく、定数の半分を3年ごとに改選する方式。選挙は都道府県ごとの大選挙区(定数1~5)と全国区の比例代表制(非拘束名簿)の並立制で、選挙区と比例の重複立候補はできない。 この資料の見方―左の「現有議席数」は現在の議席であり、すぐ右の「非改選」は現有議席数に占める非改選議席数。「予想獲得議席数」は今回の選挙で獲得が予想される議席数。先程の非改選議席数と予想獲得議席数を併せたものが太字で示した「予想議席数」となる。この「予想議席数」が次期参議院の勢力分布の予想となる。「予想議席数」から「現有議席数」を引くと、今回の選挙での増減の予想となる。 右側の累計は与党の自民・公明(青色)及びそこに「ゆ党」である維新・みんな・民主を足していった累積議席数とそれが全議席に占める割合、さらに完全野党と言える共産・生活・社民・みどりの累積議席数と割合を「与ゆ党」と「野党」にわけて表示。 <予想される自民の圧勝> 週刊現代は、自民党は選挙区の1人区全てで勝利し、2~5人区の全てでも当選者を出す「完全勝利」という圧勝を予測している。もちろんこれは単なる調査に基づく予想でしかなく、これがそのまま当たるとは限らない。投票率が上がれば、大きく異なる結果となる可能性もある。しかし現在の内閣支持率の高さやマスコミの報道も鑑みれば、7月までに波乱が起きず、このままの情勢であるとしたら、これに近い結果となるのではないかと私は思う。 大きく異なるとすれば維新が獲得議席を減らす可能性があるということであろう。週刊現代の調査では2~5人区で維新の候補の当選が見込まれているが、ひょっとすれば調査の時期が古く、直近の橋下徹の騒動の余波を反映していない可能性がある。他の政党が付け入るチャンスがあるとすればこうした選挙区であるはずだ。 しかし、週刊現代よりも調査データが新しいと思われる産経の比例代表の調査の1月と5月を比較すれば、維新が徐々に支持を失っている分を他の野党が吸収できず、自公が吸収していることが見て取れる。生活がかろうじて1議席を取れるかどうかというところである。 仮にこの選挙予測で示された通りの結果になれば、最初の表で示したように、自民は単独過半数を獲得し、公明とあわせて安定多数を確保する。さらに維新あるいはみんなの党のいずれかの協力を取り付けることができれば絶対安定多数を確保する。 そしてみんなの党と維新の双方の協力を取り付ければ、参議院の3分の2を制することとなる。憲法96条の改正について、維新はそもそも賛成である。みんなの党に関しては党首の渡辺喜美が「公務員制度改革などが実現しない場合は反対する考え」(毎日、5月10日付)を示しているものの、憲法改正そのものについて反対しているのではない。 民主は改憲に反対するということを参議院選の公約に掲げることにしている(ANN、5月31日)。しかし民主党内部でも改憲派はおり、一旦改憲案が提出されれば、それをきっかけに党が二分する可能性もある。 <新自由主義翼賛体制の成立> 民主党はそもそも政権与党時代から、菅・野田内閣のTPP推進・消費税増税という財界マスコミ重視・反国民生活路線によって党内で二分し、その結果民主党内の意見集約をせず、党内反対派を干しあげ、野党である自民党・公明党と「民自公」協力関係を築くという、非常に歪な形で自民・公明と協力関係を維持してきた間柄である。こうした経緯から民主党も健全な野党と呼ぶには程遠く、与党と野党の間の「ゆ党」と呼ぶに相応しい。 また極端な新自由主義・構造改革路線の政策を掲げる維新とみんなの党はそもそもから政策に大きな隔たりはなく、両党は共同公約を掲げるべく作業を進めてきた。選挙協力が破談になったのは橋下徹の一連の慰安婦騒動のためである。そして従来から指摘してきた通り、安倍晋三と橋下徹は蜜月関係にあり、安倍は橋下を「同志」と呼んできた。安倍政権が維新のブレーンだった竹中平蔵を起用し、TPP推進・道州制推進・構造改革推進・憲法改正という新自由主義路線に突き進み、もはや自民と維新の路線は同じものとなってしまった。みんなの党も維新も当然健全な野党とは言えず、民主党よりもより自民に近い「ゆ党」と言えるであろう。これら政策的に同質的な自民・公明・維新・みんな・民主をあわせると、なんと参議院の94%を占めるという恐るべき事態になろうとしている。 マスコミは国民に対して、あたかも自民・公明の与党に対して、民主・みんな・維新が野党として存立しているかのように構図を描いて報じ、維新・みんなを「第三極」などと名付け、朝日新聞などはあたかも民主が「リベラル勢力」であるかのような取り扱いをしているが、こうしたマスコミの報道は欺瞞も甚だしく、実態を覆い隠してしまうものだ。 TPP反対派の国民が非新自由主義グローバリズムの選択を託して誕生させた安倍政権が、政権発足と同時に瞬く間に人々を裏切って新自由主義グローバリズム路線に走った今となっては、これらの政党は表面に見える差異はあれど、全てバックボーンは新自由主義によって貫かれており、もはや大きな違いはないといっていい状況である。 このまま参院選に突入すれば、衆参ともに立法府が新自由主義勢力によってほぼ占拠されるという異常事態が訪れることになる。 <TPPの批准阻止は絶望的・日米協議を潰すべし> このような状況下で、TPP交渉が妥結すれば、批准阻止は絶望的である。安倍政権がTPPを推進している以上はたとえ自民党の半数がTPP反対を言っても、実際に批准で造反し反対に回るのはごく少数にとどまることが予想される。自民が選挙予想の通り圧勝すれば、安倍政権の基盤は盤石となり、造反はより難しいものとなる。しかも名目は「野党」とされる民主・維新・みんなが賛成に回れば、自民から多少の造反が出たとしても容易に過半数を取れてしまう。衆議院においても同様で、条約の批准は衆議院の優越が認められている。 繰り返しになるが、安倍政権発足直後からの暴走ぶりを見てもわかる通り、TPPで被害を蒙ることが必至の中間団体は選挙に際してより高いハードルを設定しなければ、また容易に裏切られることになるであろう。自民が圧勝すれば、それは安倍政権の信任であり、安倍政権の進めるTPP・道州制・新自由主義構造改革も全て信任されたと見做される公算が高く、少なくともマスコミはその論調で報じ、ムードを作ってくるに違いないからだ。 TPPが潰れる可能性があるとすれば、交渉そのものが妥結しないこと、そして日米協議が合意に至らないことである。TPPは表面上の報道とは異なり、実際は交渉が難航していると言われる。交渉が決裂すれば、TPPは潰える。しかし我々が注意を払わなければならないのが日米交渉である。TPPが潰れたとしても、日米交渉が残れば、日米FTAに持ち込まれる可能性がある。グローバル資本による韓国のネオ植民地化の総仕上げである米韓FTAと同じ結果になることが予想される。我々は今後自民党の圧勝がそのままTPP信任と見做されぬよう工夫を凝らすとともに、TPP反対派を一人でも多く当選させ、かつ日米協議の動向を監視し、これを潰すべく戦術を転換していく必要がある。 [調子に乗り傲慢になる自民] <ブラック・ワタミを参院選の看板候補として比例で擁立> 「自民党はブラック企業対策として、社名の公表も含めて検討すべきだとする提言をまとめた。今夏の参院選の公約にも反映させる方向」(弁護士ドットコム)という記事は5月28日付のものであるが、驚くべきことに自民党は7月の参院選で、ネット上では「ブラック企業」として名高いワタミ会長の渡邉美樹を比例で擁立することを決めた。安倍晋三が直接会って出馬を要請したという(記事リンク)。 ブラック企業対策を公約に盛り込む政党が、党の顔である看板候補としてブラック企業の経営者を擁立するというのであるから、まさに「安倍こべ」であり、「ブラック・ジョーク」そのものである。こんな党が掲げるブラック企業対策なるものも有名無実のもので、却ってブラック企業にお墨付きを与え跋扈させるものになるだろうことは想像に難くない。 *関連記事『ワタミ社内文書入手 渡辺美樹会長が「365日24時間死ぬまで働け」』(週刊文春、6月5日) <反旗を翻したJA山形県連と農家を恫喝した自民党・西川公也衆議院議員> 5月30日、山形県農協政治連盟が反TPPを掲げる現職でみどりの風政調会長の舟山康江の推薦を決めた。翌31日、自民党TPP対策委員長の西川公也衆院議員が来県。『米沢市内で農業関係者や地元議員ら約50人を前に「いま自民党を敵にして農業が大丈夫だと思っているのか」と、県農政連の対応に怒りをあらわにした』(毎日新聞6月2日)。 選挙の際には支持者にペコペコと頭を下げる政治家も、一旦権力を手にすれば豹変するという見本のようである。一体何様のつもりなのであろうか。彼らはTPPに邁進する安倍の暴走を体を張って止めようとしただろうか。民主党政権時代の山田正彦元農水相を筆頭に民主党TPP反対派の方が断然TPP阻止のために努力をしたと言える。自民党に政権交代をしてからというもの、権力中枢からの情報が全くといっていいほど出てこなくなったのはどうしてなのか。 私はJA山形の英断に心から拍手を送りたい。また、舟山康江氏の健闘を祈る。こうした動きが大きくなることで、前述の選挙予想も覆ることにつながり、またTPP反対の民意を選挙結果に反映させることができるであろうと思う。他のJAもJA山形に続くべきであろう。 [選挙協力すらままならぬ野党の惨状と山本太郎の奮闘] ここで論じる野党とは民主・維新・みんなの党というTPP推進を掲げる新自由主義「ゆ党」のことではなく、TPP反対を掲げる非新自由主義勢力の生活・社民・みどり・共産のことである。上記の選挙予想では、これらの政党の予想獲得議席数は全国組織を維持している共産党の5議席のみで、辛うじて生活が比例で1議席取れるかどうかという情勢である。そして非改選の議席を含めた予想議席数ではこれら全ての政党をあわせても12議席・全体の5%という存亡の危機に立たされている。 一般国民にすればなぜこれらの政党が選挙協力を大々的にしないのか謎であると思う。党の当事者・関係者にすれば護持すべき主張やプライドといったものが当然あるだろう。しかし、一般国民の殆どは例えば社民党と共産党の政策の差異、みどりの風と生活の党の政策の差異を明確に説明することができるであろうか。 … Continue reading

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