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マハティール元首相がTPPに警鐘、「我々は再度植民地化される」

<当ブログ重要記事> 世界的に見ても異常に高額な供託金制度が国民の参政権を侵害している/1%代理人ばかりが選出されるインチキ民主主義のカラクリ 供託金廃止運動のサイトが立ち上がりました(三宅洋平氏も署名済み) ⇒供託金をタダにしよう!または、限りなくタダに近くしよう! マレーシア・コタキナバルでTPPの第18回会合が7月15日から25日まで開かれたが、それに先立つ7月12日にマハティール・マレーシア元首相がブログでTPPに重大な警告を発した。それが若干編集されたものが同日付の現地有力英字紙「ニュー・ストレート・タイムズ」に掲載されている。幸いブログ「マスコミに載らない海外記事」様がマハティールのブログ記事を訳出してくださっているので、この記事の下に転載させていただく(ここではマハティールのブログの訳出部分のみ転載させていただくが、当該ブログ記事にはブログ主さまのコメントも書かれているので、そちらもご参照いただければ幸いである)。 拙ブログでは、マハティール元首相が2012年5月に来日し、国会議員と懇談した際に、「私が現役ならTPPに絶対参加しない」と述べたことをお伝えした。またマハティール(当時首相)が1997年から98年にかけてのアジア通貨危機の際に、IMF救済策を拒否し、国内のグローバル派(BKD)との戦いを制し、資本統制策と財政出動によって短期で危機を脱出することに成功したことを特集を組んでお伝えした。 マレーシアとは対照的に、同様の通貨危機に陥らされたタイ・インドネシア・韓国はIMF勧告に従ったがために、さらに大打撃を蒙ることとなったこともお伝えした。特に韓国はIMFの直接支配を受け、極端な民営化・構造改革・外資への門戸開放をさせられ、国内経済を多国籍資本に事実上乗っ取られ、ネオ植民地となり、未だにそこから抜け出ることができないでいることもお伝えした。これらの詳細に関しては以下の4本の記事をご参照いただければ幸いである。 IMFと戦い国民・国家を守ったマハティールに学ぶべし! ②IMF「救済策」が明暗を分けた ③:野党指導者アンワルとその「グローバル」人脈 日本の「韓国化」を阻止せよ!:TPPによって日本の「韓国化」「ネオ植民地化」完成を目論むBKDを討て! マハティール元首相「私が首相ならTPPに絶対参加しない」「日本人よ、いつまで米国の言いなりなのか!目を覚ませ!」 マハティールは今回の記事で、まずTPPが秘密交渉であること及びマレーシア政府の交渉能力そのものに率直に疑問を呈し、TPPの危険性に警鐘を鳴らし、かつマレーシアがこの条約によって再度植民地化されると述べている。当ブログの認識とも全く一致する。マハティールは、ISD条項などのTPPに仕掛けられた罠も完全に見抜いて警鐘を鳴らしている。アジア通貨危機当時、首相として、通貨危機そのものが多国籍資本とIMFによって仕掛けられたことを見抜き、それらと国内BKDとを敵に回して戦い、国家と国民を守ったマハティールの言葉だけに非常に重いものがある。 マハティールが「通商産業省が既にTPPに合意することに決めているのを私は知っている。省はいかなる反論も、決して受け入れようとしない」と述べているのは非常に印象深い。ここでマハティールが述べている通商産業省とは勿論マレーシアのそれであるが、全く同じことが日本の経済産業省についても言えるからだ。日本で新自由主義グローバリズムの旗を振る宗像直子などの現役経産官僚や岸博幸などの経産省OBは、なぜか揃いも揃って官僚時代に米国に公費留学しMBAを取得して戻ってきているのであるが(ちなみに同じ経産官僚でもTPP反対の急先鋒として知られる中野剛志は英国エジンバラ大学に留学し政治思想を専攻)、ひょっとするとマレーシアの通産官僚も日本と同じようなことになっているのかも知れない。 マレーシアの通産官僚がマハティールの苦言すら聞き入れないというのであれば、アジア通貨危機の教訓が全く生きていないばかりか、すでに日本と同様内側から切り崩され、骨抜きにされ、1%に仕えるBKDと化してしまっているのかも知れない。 しかし、マレーシアの状況は日本よりも数倍マシであろう。少なくともマレーシアではマハティールのTPPに関する鋭い分析と警鐘が単にブログでの発信だけに終わることなく、大手紙に掲載され、広く国民に発信されている。 それとは対照的に、日本は国家・国民を守る勇気と知性を持ち合わせたマハティールのような政治家が出ることもなく、愛国を気取りながら国を売る卑劣な売国奴が権力の座にある。そして大手紙・放送局はジャーナリズムを気取りながら、TPPの危険性について殆ど国民に報じず、根拠なき楽観論ばかりを垂れ流して国民を意図的に誘導するBKDプロパガンダ機関と成り下がっている。恥も外聞もない状態だ。マスコミがこのような状態で民主主義が健全に機能するはずがない。 先日日本郵政がアフラックと提携し、アフラックのがん保険を郵便局で販売することに合意したというニュースが報じられた。しかし殆どのマスコミは、この提携合意以前に、日本郵政が独自のがん保険を販売しようとしたところ政府の介入でそれを阻止されたという前段を詳しく報じていない。つまり日本政府はアフラックの独占を取り締まるどころか、日本郵政のがん保険市場参入を阻止し、アフラックとの提携に無理矢理追い込んだのである。つまり外資企業の市場独占を手助けしているのである。到底こんなものは「自由で公正な競争」とは程遠い代物だ。 そして驚くべきことにこの屈辱的な取り決めをさせられた後、来日した米通商代表部のカトラー次席代表代行が『日本郵政傘下のかんぽ生命保険は「民間企業との競争条件が平等ではない」と批判』(共同通信、8月9日)し、更に攻勢を強める姿勢を示している。日本政府はどれだけ見通しが甘いのであろう。あるいは確信犯でやっているのかと疑いたくなる。そして、この間の事情や客観的な分析を報じてこなかったマスコミも同罪である。 また、国家主権を多国籍資本の下に置くことを事実上制度化してしまうISD条項に関して、日本政府は賛成の立場であるという、開いた口の塞がらぬニュースも飛び込んできた。これは実は5月1日に森健良駐米公使が、ワシントンのセミナーで述べていたのだという。それが最近になって発覚した。これに関しては東田剛氏(恐らく中野剛志)が記事にしているので、そちらもご参照いただきたい。 エリートの堕落とモラル喪失は恐らく戦後始まって以来のレベルであろうと思う。間もなく日本は敗戦記念日を迎えるが、日本はずっと占領軍に基地を持たれた属国状態で、今度はいよいよ多国籍資本のネオ植民地に成り下がろうとしている。国を守るために最後まで戦った英霊たちに彼らエリートと呼ばれる人種は一体どうやって顔見世できるというのだろうか。 国民はいい加減マスコミやエリートに対する信頼や認識を改め、自ら行動を起こさねばならない。何でもエリート任せにして惰眠を貪っていては、このまま国は売られてしまい、植民地化されてしまうことだろう。 マハティール元首相ブログ 7月12日(「マスコミに載らない海外記事」さまより転載) 「THE TRANS PACIFIC PARTNERSHIP」 ————————————— 1. 通商産業大臣は、通商交渉は秘密裏に(担当官僚によってだろうと私は推測するが)行われなければならないと断言した。国民的論議がなされてはならず、政府内部でさえ議論されてはならないのだ。 2. もし実際にそれが習慣なのであれば、それは良い習慣だとは思わない。マレーシア政府が交渉した通商や他の協定の実績を検討してみよう。さほどマレーシアの役に立ったようには見えない。実際、協定類で、マレーシアは不利な条件を飲まされる結果となっているように見える。 3. 最初に、シンガポールとの水契約を見てみよう。マレーシアは原水1000ガロンを3セントで売ることに合意した。引き換えに、マレーシアは、12パーセント、あるいはそれ以下の処理済み水を、50セントで購入できる。価格改訂には、両国の合意が必要だ。 4. もしマレーシアが、価格を、1000ガロン6セント(つまり100パーセント)に上げれば、シンガポールは、同じ比率で、処理済み水1000ガロン、1ドルに値上げできる。これではマレーシアに恩恵はない。それで我々は決して価格再交渉をしようとしていない。 5. 最初の協定は、2011年に期限が切れたが、我々は全く再交渉しなかった。次の協定は、2060年に期限が切れる。そこで、生活費はおそらく何層倍も上がっているだろうのに、原水1000ガロンにつき、3セントの収入を得ることとなる。 6. マレーシアが原水価格を上げた場合に、シンガポールが水価格を改訂するのを防ぐべく、ジョホールは自前の浄水場建設に十分な資金を与えられた。シンガポールからの供給に依存する必要がなくなれば、シンガポールに処理済み水価格を上げさせずに、原水価格を上げることが可能になろうというわけだ。 … Continue reading

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世界的に見ても異常に高額な供託金制度が国民の参政権を侵害している / 1%代理人ばかりが選出されるインチキ民主主義のカラクリ

<8月9日追記> この記事を出した後、Yoshida Umeさまが供託金を廃止するための署名運動を立ち上げてくださりました。供託金の問題に選挙戦のさなか言及していた三宅洋平氏も署名し、拡散に協力くださっています。ぜひ皆様にもご協力いただければ幸いです。以下のサイトで署名できます。 供託金をタダにしよう!または、限りなくタダに近くしよう! [被選挙権を制限する供託金制度] 前回の記事で書きたかった話を今回書きたい。 「参政権」という言葉を聞くとき、殆どの人が真っ先に思い浮かべるのは、選挙権のことであると思うが、投票する権利である「選挙権」に加え、立候補する権利である「被選挙権」も参政権の重要な一部である。 大日本帝国憲法の下に置かれた帝国議会での選挙権は当初直接国税を既定の額以上を収めた男子のみに与えられていたが、普選運動の盛り上がりに連れて徐々にその範囲は広められ、1925年(大正14年)の衆議院選挙法改正で20歳以上の男子全てに選挙権が与えられた。これは普通選挙と呼ばれているが、選挙権は依然として男子に限定された制限選挙であった。戦後新憲法の下では、選挙権は20歳以上の日本国籍保有者に与えられている。 もう一つの参政権である「被選挙権」については、現在では投票日時点の年齢で25歳以上の日本国籍保有者に衆議院議員・都道府県及び市町村議会議員・市町村長の選挙に出馬する権利が与えられ、30歳以上の日本国籍保有者に参議院議員・都道府県知事の選挙に出馬する権利が与えられることと教科書的には説明されている。 一見すると、戦後日本は高度に開かれた民主主義を普通選挙によって実現しているように見える。しかし「被選挙権」に関しては戦前から一貫して事実上制限されており、その制限は戦後においても取り払われたとは言い難い状況である。この「被選挙権」を制限しているのがここで取り上げる供託金である。 供託金制度は男子普通選挙と同時に導入されたものである。売名行為をするためだけに立候補をするような泡沫候補を排除するという名目でこの高額な供託金が導入されているのだが、これは当時盛り上がっていた無産者運動の候補者を排除する目的であったのは明らかである。 この「被選挙権」を事実上制限する供託金制度は戦後になっても廃止されることなく、しかも額面が高騰し続けていることが上の表からわかる(サイト:「選挙供託金制度」参照)。現在の供託金の詳細は以下の通りとなっている(ウィキペディアより)。 [世界的に見ても異常に高い日本の供託金] 供託金制度は日本に限った制度ではないが、下の表からもわかる通り、日本だけ世界的に見ても異常に高額の供託金を課せられていることがわかる。シンガポールは供託金が高額であるが事実上一党独裁の国家であり、開かれた民主主義の国とは言い難い。また韓国・台湾が高額であるが、詳細は知らないが、長らく日本の植民地であったことと関係があるかも知れない。 いわゆる西側先進諸国ではイギリス・カナダ・アイルランド・豪州・ニュージーランド等に供託金制度があるが、日本とは物価水準を考慮に入れても比較にならないほど安い金額が設定されていることがわかる。簡単に言えば、日本の市議会議員選挙に出るための供託金だけで、イギリスでは3回国政選挙に出ることができる。日本の衆議院選挙小選挙区に1回出馬するための供託金で、イギリスではおよそ39回も国政選挙に出ることができるのである。比例重複であれば、イギリスではその倍の78回選挙に出ることができるのだ。 また米国・フランス・ドイツ・イタリアには供託金制度そのものがない。つまりこうした国々では、日本と比べるとはるかに容易に国民が選挙に出ることができるのである。日本の供託金がいかに高額で馬鹿げたものであるかがこのことからもわかる。被選挙権は年齢を満たせば与えられるのではなく、実際には300万円ないし600万円ものカネが供託金として準備できる者のみに与えられているのである。この異常に高額な供託金によって日本の選挙は普通選挙ではなく、事実上の制限選挙になってしまっているのだ。 バブルに沸いた80年代ならまだしも、こんなデフレ経済で庶民が喘いでいるご時世で一体どこの庶民がポッと300万から600万のカネを用意できるというのだろうか。しかもバブル経済が崩壊した1991年2月以後も、1992年に供託金は200万円から一気に300万円まで引き上げられているのだから驚きである。 [憲法に違反する供託金制度] 法の下の平等を規定した日本国憲法第14条の第1項では「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」とされている。 また、両議院の議員及び選挙人の資格を規定した日本国憲法第44条では「両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によつて差別してはならない」と定められている。 被選挙権を異常に高額な供託金によって制限する現在の供託金制度は、これらの条文にも明らかに違反していると言えるのではないだろうか。 高額なカネが用意できる才能と、優れた政策・法律を立案する能力とは本来全く関係のないことであるのは明らかである。売名行為の為だけに立候補する類の泡沫候補を排除するのが本当の目的であるのならば、米国やフランスで導入されている「一定数の有権者からの推薦署名を集める」といった措置で代替できるものである。またウィキペディアによれば、「イギリスでは供託金が低く日本よりも簡単に立候補できるため売名候補は多いものの、それにより目立った弊害が起きているとは認識されていない」。 つまりこれは組織力・資金力のない候補を排除するものでしかない。巨大資本が政治を牛耳るのに誠に都合の良い制度である。中間団体が弱体化してしまい、資本の力がかつてないほど強大化した現在、もたらされるのは資本による政治の露骨な買収である。 [中間団体の弱体化、個人のアトム化と日本型民主主義の衰退 / 1%による政治の買収] 従来も供託金が高額であったにも拘らず、さして問題視されることがなかった背景には、それまで中間団体が資金力もあり、それなりに力を持ち、日本の政治が比較的バランスの取れたものであったということが考えられる。中間団体は政党に対して影響力を行使しえたため、アクター間の押し合いへし合いは結果としてバランスをとることに寄与した。また中選挙区制という日本独特の選挙制度も、この日本型民主主義と呼ぶべき微妙なバランスの維持に寄与してきたと言える。 戦後長らく自民党の一党独裁体制であったが、最大野党として社会党が君臨し権力の監視機能を果たし、その中でマスコミも権力監視の一定の役割を果たしてきたと言える。自民党の中の派閥が事実上の政党の役割を果たしており、派閥抗争は政権交代が起こらぬ中で政治の流動性を維持する役目を果たしたと考えられる。当時は官僚もマスコミもまだ国民を裏切ってはいなかった。 しかしバブル崩壊後、ビッグバンを経て外資による国内経済乗っ取りが進むと同時に、中間団体は「抵抗勢力」「既得権益者」として叩かれ弱体化、労働組合も終身雇用制の崩壊と正規雇用の減少と並行して急激に弱体化した。中間団体が弱体化することで、個々人におけるアトム化が特に都市部において顕著となった。従来保たれていたアクター間のパワーバランスがここで一気に崩壊し、(外資も含めた)巨大資本の力だけが突出することとなった。マスコミの新自由主義への「転向」はこうした事情を背景にしていると私は考える。そして勝者総取りの小選挙区制が、これまでの共存型の日本型民主主義の破壊を加速したと言える。 中間団体が弱体化する一方で、巨大資本の力だけが突出するようになった今日の状況で、今回の記事で検証してきた高額の供託金はどのような意味を持つだろうか。それは1%巨大資本による政治の買収であると私は思う。 安倍自民は、「古き良き自民」の復活とTPP反対を託した地方の人々の願いを踏みにじり、竹中平蔵や伊藤元重といった新自由主義者やグローバル資本の代表たちをブレーンに起用し、TPP交渉に加盟、更に構造改革・道州制を推し進めようとしている。つまり安倍政権は、地方や国民に寄り添う政権なのではなく、巨大グローバル資本に寄り添う政権であることはもはや明白である。 一方の中道左派野党は、今回の参院選でその弱体化が顕著に表れた。地方組織が脆弱なだけでなく、もはや候補を擁立する力がないのである。選挙費用がかかるのみならず、最初に供託金を用意できなければならないことも重くのしかかる。このまま手をこまねいていては、敗北が弱体化を招き、更なる敗北を呼ぶ負のスパイラルから抜けられなくなるだろう。共産党ですら近年では候補者数を減らす傾向にある。 中道左派が益々弱体化する一方で、みんなの党・橋下維新・民主という新自由主義勢力が政界再編で結集しようとしている。つまり今後国民の前に提示される選択肢は「新自由主義の安倍自民」か「新自由主義の野党連合」か(あるいは政権を取る気もないガス抜きのための共産党)の選択、つまり「1%による二大政党制」というおぞましい構図である。 中間団体が淘汰に追い込まれた後に残るのは、どちらも上位1%支配層の利害を反映する勢力でしかない。どっちを選んでももたらされる結果に大差はない。政権交代が起ころうが起こらまいが、政治を実際に牛耳るのは巨大資本であり、もはやここには庶民の選択の自由はないのである。その時点で民主主義はインチキであり、茶番となる。 ここに至って、新たな政治勢力が出現するのを大きく阻む高額な供託金という壁に直面するのである。現在その権力を手にしている1%側の利害を代弁している政党は、決して供託金を廃止しようとしないだろう。これは彼らのパトロンである巨大資本が権力を維持するために必要な経費なのである。 かつて2008年に一度だけ当時の自民党政権が供託金を3分の2まで引き下げようと試みたことがあった。これは当時既に資金難から擁立候補数を絞り込む傾向にあった共産党に候補を多数擁立させ、民主党の政権奪取を阻止するのが狙いの、自民党の利害を著しく反映したものであった。このとき、政権交代を目前にした民主党(代表:小沢一郎)は反対に回っている。その後2009年7月衆議院が解散されたため廃案となった(リンク)。 供託金を廃止するためには、裁判で違憲判決を勝ち取るか、あるいは供託金廃止を掲げる政治勢力に権力を取らせて公職選挙法を改正するしかない。 我々はなんとしても地方・中小企業者・サラリーマン・非正規雇用・各種中間団体といった99%の利害を代表する政治勢力をこの3年間で結集しなければならないのは明らかである。私はその運動の核になるのは山本太郎であると思っている(これについては次回の記事で述べる予定)。なんとか最後の力を振り絞って旗を掲げ、候補者を選出し、資金を集めるということを着実に進めていかなければならない。そして、新たな政治勢力を旗揚げできる暁には、世界的に見ても異常かつ憲法の趣旨にも明らかに違反している供託金の廃止をその公約に掲げて頂きたいと希望する。 <参考サイト> 選挙供託金制度 … Continue reading

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安倍自民圧勝と冬の時代の到来 / 山本太郎当選の意義:オールタナティブ運動の核となれ

[参院選:立法府の9割を新自由主義勢力が占める結果に / 窮地に陥ったTPP反対運動] 参院選が終わった。マスコミの事前の予想とほぼたがわず、自民の単独過半数はならなかったものの、自公で単独過半数を達成し、衆参のねじれが解消された。自公が圧勝した昨年末の衆院選、先の都議会選挙と、安倍自民への追い風がずっと続いている状態である。維新・みんなも公示前勢力を上回った。自民や民主の中にTPP反対派がいるとされるが、安倍政権は今回の選挙で事実上信任された形となった。いよいよ夏本番だが、日本には冬の時代が訪れようとしている。 TPP反対の民意を投票結果に反映させることができなかったばかりか、却って新自由主義グローバリズム勢力を伸長させることとなった。私も含め、ネット言論の非力さを痛感する。そしてこれは既に当ブログ記事「TPP反対運動が失敗する理由」にて述べたことだが、TPP反対運動を統一できずに、党派・団体別にバラバラで行っている現在のTPP反対運動の生ぬるさを認識せざるをえない。党派団体の壁を越えられなかった「不作為の作為」の招いた結果であると言えるだろう。今後の見通しは暗いものと言わざるを得ない。 第一次安倍内閣が短命に終わったのは2007年の参院選で大敗したことが大きな原因である。今回の参院選で大勝し衆参のねじれを解消したことで、安倍政権は長期政権となることが予想される。何らかの事情で衆議院が解散されない限り、今後3年は選挙がない。選挙でTPPの賛否を国民が判断する機会がもはや失われたといって等しい。 TPP反対派は国政選挙においてその民意を票に反映させ形にすることに失敗し続けている。昨年末の衆院選ではまだ「騙された」という言い訳もできたが、安倍政権がTPP推進に邁進しているさなかに行われた今回の参院選ではそうした言い訳はもはやできないことは明白であった。推進派の思う壺である。 今回の選挙においても自民から比例区候補者で唯一TPP反対のJA出身の山田俊男は前回の45万票よりは大幅に得票を減らしたものの、33万8千票を集め、同党2位で余裕の当選を果たした。選挙前に既にこの問題を指摘したが、その集票力によって同党から出馬した他の推進派候補の当選に寄与したことになる。例えば、推進派であるワタミの渡辺美樹は10万票、最下位当選の太田房江は7万7千票だけで当選した。この意味は、緑の党から立候補した三宅洋平が、ほぼ渡辺美樹と太田の票をあわせた票数である約17万7千票を獲得したが、党への基礎票が少なく落選したという事例からもよくわかることである。 多数の推進派候補が当選した一方、民主党時代からTPP反対運動に多大な貢献をしてきた山田正彦元農水相(みどりの風・比例)がわずか4万4千票しか得られず落選したということも、TPP反対派が今回の選挙でなんら有効な対策を打ち出せていなかったということを示唆している。 (私は今回山田正彦元農水相への投票を呼びかけ、ツイッターやブログを見てくださった方から山田氏へ投票したという声も寄せて頂いた。当ブログ推奨投票先に投票して下さった方々にこの場を借りて感謝申し上げる。) TPPを推進する自民・公明・維新・みんな・民主という新自由主義勢力をあわせると、参議院の91%をも占める状態となった。衆議院ではこれらの政党で衆議院の93.5%を占めている。TPP交渉がもし妥結し、批准に持ち込まれる事態となれば、否決はほぼ不可能となったと言える。安倍政権にお墨付きが与えられたことでTPP反対派は益々窮地に追い込まれる形となった。このような状態でTPPを潰すためには、海外の団体と協力してTPP交渉そのものを潰しにかかることと同時に、秘密交渉であるところのTPPの情報をできるかぎり収集し、安倍政権・自民党の掲げた政策や衆参農水委員会での決議との矛盾を突き、抗議運動を拡大していくほかない。 日本は今回マレーシアで行われているTPP交渉に日程の途中である7月23日午後、「鶴岡公二首席交渉官が交渉の前提となる守秘契約に署名し日本が12か国目の交渉参加国となった」(読売新聞、7月23日)。 前回の記事でもお伝えしたように、今回の交渉では最重要の関税に関する協議は日本が参加する前にすでに終了しており、日本が参加するのは「交渉」なのではなく、実際は日本への「説明会」なのである。日本ができるのは23日午後に開示された情報を大急ぎで翻訳して情報収集し、24日25日に参加国から説明を受けるだけなのだ。マスコミはこの重大点に関して報道せず、あたかも日本がすぐさま各国との交渉に参加するかのような印象を与える報道に終始している。 日本は既に決まった内容に関して蒸し返して再交渉をすることは認められていない。内容も事前に開示されぬものに対して、これまでに決まったことを全て受け入れるという約束をして交渉に参加するというのだから、愚の骨頂である。しかも妥結すれば内容は4年間非公開とされる。その一方で、一握りの選ばれた大企業の代表は事前に内容を知らされているのである。この交渉の性質自体が、TPPが99%のためのものではなく、1%のためのものであることを強く示唆していると言えよう。 [戦争のできる国へ /武器輸出三原則撤廃・集団的自衛権容認・憲法改正] 安倍首相は参院選の勝利を受けて、選挙戦の間は明確に訴えていなかったきな臭い政策を次々と発表した。選挙翌日の22日、安倍は武器輸出三原則の撤廃の指針を表明(共同通信、7月23日)、また現在の憲法の政府解釈で禁じられている集団的自衛権の行使をできるように解釈を変更する方針も示した(東京新聞、7月23日)。 また共同通信による今回の参院選当選者と非改選の議員をあわせた全参議院議員へのアンケート調査で、全体の72%にあたる196人が憲法改正に賛成という結果が発表された(共同通信、7月22日)。 多くの国民が危機感すら感じない状態のまま、日本は新自由主義コーポレートファシズムと呼ぶべき方向へと急激に、着実に向かっている。TPPが一握りの多国籍資本が国家の上位に位置して、国家と国民を食い物にするのと同様に、軍需産業がその儲けのために国家に戦争をさせ、それを「愛国」の名の下に国民に強いるということが行われるといったことになりかねない。「戦争は公共事業」に「兵役は貧者救済」に、そんなグロテスクな未来図が見えてくる。この国は一体だれのものなのか。 関連記事『日本が「死の商人」に-安倍政権、武器輸出三原則撤廃を目指す』(志葉玲) [中道左派の壊滅と共産党の伸張] 今回の選挙でも先の衆院選や都議会選挙の流れがそのままで、自公が圧勝し、みんな・維新が漸進し、共産党も伸張する一方で、民主が大敗し、中道左派が壊滅状態に追い込まれた。中道左派勢力は先の衆院選で弱体化し、候補も十分たてられず、選挙協力も不十分で、またその政策も十分有権者に伝わっていなかったことが想像される。有権者は中道左派にも民主と同じ罪を着せたのであろう。比例で社民が1議席を取るのがやっとで、生活の党もみどりの風も候補者全員が落選の憂き目にあった。社民党は1議席獲得で非改選をあわせて3議席、生活の党は獲得議席ゼロで非改選の2議席のみとなった。そしてみどりの風は議席そのものがゼロとなり、参議院から消滅、谷岡郁子は代表を辞任した。みどりの風は衆議院に亀井静香・阿部知子の2名を残すのみで、政党要件を失い、党の存続自体が難しい情勢となっている。 一方、全国組織を維持し、資金力もある共産党は都議会選挙で勢いをつけ、東京・京都・大阪というかつて共産党が知事を輩出したことのある定員が複数の選挙区で当選者を出し、比例でも5人当選し、計8人が当選した。中道への期待が民主党政権の失敗によって、自民・みんな・維新へと流れた多くの票と、共産党に流れた少数の票とに分かれた格好である。 民主の大敗は想定内のことであるが、日本の民主主義にとって中道左派が壊滅することはとてつもなく大きい意味を持つ。私が推奨していた舟山康江(みどり・山形)・森ゆうこ(生活・新潟)は激戦の末敗れ、山田正彦(みどり・比例)・亀井亜紀子(みどり・島根)・三宅雪子(生活・比例)といった筋金入りのTPP反対派候補も敗れることとなった。 今回の参院選の前に山本太郎が「このままだと根絶やしにされる」と警鐘を鳴らし、これら中道左派や共産党に統一戦線を組むことを提唱したのであるが、各党はそれぞれの事情や思惑(そして個人的な人間関係もあるだろう)によって共闘を拒否した。生活・みどり・社民の3党は選挙協力をしたが、それは部分的なものにすぎない。一番の失敗例は社民党が候補を立てて現職・森ゆうこ(生活)の足を引っ張った新潟選挙区で、結果、森も社民候補も共倒れとなった。 この表は今回の参院選比例区の得票と獲得議席数である。生活・社民・みどり・大地・緑の党の5党からの当選は社民の1議席だけであるが、すぐ右の表に示したように、これらの党の票をあわせたら、3議席は獲得できていた計算になる(その場合、1議席目は三宅洋平に、2・3議席目は社民党候補に回る形になる)。もし共闘が実現していたなら、相乗効果も出て、それ以上の議席を獲得できた可能性もある。中道左派は勢力が弱体化してもなお共闘すら実現できなかった結果、山本太郎が選挙前に危惧した通り、文字通り「根絶やし」にされてしまった。 選挙戦のさなかから選挙が終わってもなお、山本太郎への執拗なネガティブキャンペーンが展開されているのだが、選挙後生活の党支持者の一部からも山本太郎への批判が再び噴出しているようだ。これらの批判者たちは昨年末の衆院選のあと、未来の党が失敗したのは山本太郎に引きずられたのが原因(これに対する私の反論は既に過去記事で述べた)だとして、純化路線で参院選に挑むことを主張していた。そして今回の参院選では、党が勝手連的に山本太郎を支援するということのみに留め、山本太郎の提唱した統一戦線については拒否し、これら山本批判者たちの主張する通り各党が純化路線で参院選に挑み、結果敗れたのでる。 ここに至って、組織的背景を持たず、ボランティアのスタッフに支えられ、草の根運動的に東京の有権者の間に支持が広がって当選を果たした山本太郎を、この期に及んで批判するのは筋違いではなかろうか。しかも山本太郎の出馬した東京選挙区では生活の党は候補者を擁立しておらず、なんら敵対するような関係にはなかったにもかかわらずである。こうした批判は如何にその批判を尤もらしく理論づけようとも、選挙直後という時期が時期だけに、第三者が見るとそれは山本太郎への嫉妬と勘繰られる恐れもある。他者を批判するよりも、何故に自党の訴えが有権者を動かせなかったのかを見つめなおすことが、今後の立て直しに必須なのではないだろうか。今後TPP・消費税増税・原発再稼働・憲法改正といった重要課題が目白押しの状況で、敵を見誤るべきではない。 生活の党には国会で働いて頂きたい人材が豊富なのだが、このように周りでゴタゴタが続いていて、残念ながらどうにもならない様相を呈してきていると思う。衆院選の未来の党の失敗のあと、一部の支持者が不正選挙騒ぎを起こし、そして選挙期間中に某陰謀論者一派が党の候補に接近し食い込むという騒動があり、参院選が終わってみれば、支持者はなぜか山本太郎支持派と批判派に分かれてしまった。党とは直接関係のない話で更に分断を深めているのである。弱り目に祟り目である。残念ながら当分の間は党勢を立て直すのは難しいだろうと思う。下手をすると、今後橋下維新やみんなの党が仕掛けてくるであろう民主を巻き込んだ政界再編に飲み込まれてしまう可能性すらある。 逆に山本太郎は、頼まれもしないのであれば、山本の側から生活の党にアプローチをかける必要はなく、当分近づかない方がむしろ身の為である。再度野党共闘の話が出るのだとしたら、その時は中道左派政党の側が山本太郎に頭を下げてお願いするのが筋ではなかろうか。これらの政党は2度にわたり山本の統一戦線の提唱を蹴ったのだから。 [山本太郎が当選したことの意味: 「もう一人じゃない」。しかし「いまだに一人」] さて今回の参院選は安倍自民を是認する風が強い中での選挙、つまり当ブログの主張からは大逆風の吹きすさぶ中での選挙であったが、全体としてみれば悲惨な結果となった。私が強く推奨した候補の中で唯一当選を果たしたのが山本太郎である。私たちのために立ち上がってくれたその勇気とあわせ、心から祝福をさせていただきたい。また山本太郎を支えたスタッフの皆様、山本に票を投じた有権者の方々に感謝の意を表する。 山本太郎の当選が意味するものは、上記のように日本の民主主義がどんどんとデッドロックに陥り、多くの人が共産党に投票するほどまでに、もはや希望の芽が見いだせないものとなりつつある中で、山本太郎という存在が、政治と言うものを従来とは全く異なる新たな視点で捉え直し、ひょっとしたらどこかの地点でひっくり返す起爆剤になるのではないかと予感させるものがあったという点だと思っている。少なくとも私は山本太郎が昨年の衆院選に出馬するときの模様を見てそう思った。 山本太郎は多くの人のバックアップで当選した。その意味で「もはや一人ではない」。しかし、山本太郎が当初声を掛けたところの、国会で組むべき中道左派の候補が壊滅状態となってしまい、その点で「いまだに一人」と言える状態だ。中道左派の壊滅は本当に痛手である。これまで山本太郎には選挙で戦うための参謀が必要であったのだが、ここからは政治全体を見渡すことのできる目の効くいい参謀が必要になる。また実務に通じた経験豊かな秘書も必要になるだろう。 山本が組むべき中道左派がほぼ壊滅状態となってしまったことで、山本は野党連合を作るといった当初の構想は当面は考えず、田中康夫がやっていたように他党の政治家と連携しつつも機動力を生かして、一人でできること、おもしろいことをどんどんやっていったらいいと思う。 記事下で紹介する動画で山本を激励している作曲家のなかにし礼が奇しくも同じことを言っているのであるが、山本太郎の賞味期限は、山本がどこかの勢力に抱き込まれ、他の党が抱える類の単なるタレント政治家のような、毒にも薬にもならぬこじんまりとまとまった存在と化した瞬間に切れると思う。恐らく聡明な山本本人も重々承知していることと思う。 私が山本太郎にぜひやっていただきたいと思うのが、これまでやってきたように草の根レベルの活動を続け(つまり雲の上の人とならず)、ネット配信を充実させるとともに、言いたい放題のネット討論番組を企画して流していただきたいということである。テレビ新聞で名を馳せたような人たちではなく、三宅洋平やフリージャーナリストや政治ブロガーや無名の研究者や他党の政治家たちを招き、議論をし、質問を受け付け、一般支持者も議論に加わるというものを、定期的にやっていただければと願う。 そしてもう一つ山本太郎にぜひやっていただきたいのが、以前にも同じことを書いたのだが、亀井静香に個人的に弟子入りすることである。周囲に異論もあるかも知れないが、これだけはどうしてもやっていただきたい。江川紹子が山本太郎に小沢一郎か共産党への弟子入りを勧めているのだが、それは山本太郎には似つかわしくない。山本太郎をスケールの小さいものへと変化させ、賞味期限切れを早めてしまうことになりかねない。 また上に述べたように、山本太郎自身は小沢一郎に迷惑をかけたつもりはないはずであるが、小沢一郎の支持者の一部から山本は反感を持たれている。共産党にしても、一部の支持者が熱心に山本太郎へのネガキャンを選挙戦中に行っていた。そうしたことを鑑みれば、どちらも山本が選択すべきものではないのは明白だ。 恐らく山本太郎が最もウマが合い、かつ学ぶところの多い政治家が亀井静香だと私は思う。山本は参院選も亀井の盟友・山田正彦と共闘して戦ったこともあり、山本が亀井の門を叩くのは至極自然である。冬の時代を耐えるため、人々を勇気づけるために、ぜひとも亀井静香X山本太郎のコラボレーションを見せて頂きたい。そしていつまでも賞味期限の切れない政治家になって頂きたいと願う。 山本太郎の支持者の皆様におかれても、この状況では山本がたった一人で国会で活動せざるを得ず、掲げた政策の実現は早期にはほぼ不可能であることを念頭においた上で、叱咤激励しつつ粘り強く支援していっていただきたいと願う。ふわっとした民意ではなく、それを形のあるものにしていくことが山本太郎にはできると私は思う。有権者にも忍耐強さが求められる。山本太郎一人を屋根の上に上げて、梯子を外すまねをしてはいけない。山本太郎を皆で守り、育てる心意気で支えよう。 … Continue reading

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TPP交渉撤退の民意を投票に反映させるのは今しかない!「地方の反乱」を! / TPP:都市部でより深刻な影響が出ることが試算で明らかに / 米国「全品目が対象」「再交渉、蒸し返しを認めぬ」

<当ブログ参院選シリーズ> ①奢り高ぶる安倍自民・壊滅に向かう健全野党と危機に陥る民主主義/私の山本太郎擁護論(6月5日) ②【参院選】「地方の反乱」こそが日本を守る。ふざけきった安倍・新自由主義政権を信任してはならない!<比例代表・全選挙区推奨候補リスト付>(7月9日) ③【続報・参院選】自民党全候補者78名中TPP反対はたったの7名であることが判明 /それでもまだ安倍自民を支持しますか?(7月11日) ④【参院選】比例区・一人のTPP反対派を当選させるために複数の推進派を当選させてしまう戦術をJAは見直すべきである(7月14日) ⑤新自由主義ファシズム体制完成を目論む安倍自民 / 山田正彦・山本太郎らを国会に送り抵抗の橋頭堡を築くべし!(7月17日) <当ブログ重要記事> 安倍政権は紛れもない新自由主義政権である。茶番と嘘の上塗りとナイーブな傷の舐め合いをやめ、現実を直視せよ! 安倍自民と橋下維新のウルトラ新自由主義亡国連立が近づいている。安倍と橋下を結びつけるもの TPP反対運動が失敗に終わる理由。本当にこのまま国を売られてよいのか。 当ブログによる参院選全選挙区・比例区推奨候補リスト(記事下部) [米通商代表「全品目が交渉の対象」「再交渉、蒸し返しを認めぬ」] TPPの第18回交渉が7月15日からマレーシアで始まった。日本が交渉に参加するのは早くて23日の午後からであるのだが、実は今回の会合の日程では最も肝心な関税交渉(市場アクセスの会議)が19日までに終了してしまっているのである。 米国通商代表部(USTR)のフローマン代表は18日、オバマ政権の通商政策について下院歳入委員会で証言した。この中でフローマン代表は日本のTPP交渉参加を巡る事前協議で、『「日本はすべての品目を交渉のテーブルに乗せる事で合意した」と述べると共に、「農業分野の例外品目を事前に設ける合意はない」と強調』(TBS、7月19日)すると同時に、『「(まとまった交渉文書の)再交渉も、蒸し返すことも日本に認めない」』(読売新聞、7月19日)とし、交渉の年内妥結を「実現可能」としている。 安倍首相は日米首脳会談終了後、「聖域なき関税撤廃が前提でないことが確認できた」などとしていたが、日本は米国側との事前交渉において聖域の確保の確約を取れなかったばかりか、全品目を交渉の対象にすることに合意していたことが明らかにされたわけである。安倍首相の弁は参加ありきの詭弁的言辞にすぎぬのは明らかであろう。 現在進められているTPP交渉において農業分野の交渉がどこまで合意されたのかは不明であるが、既に妥結した内容に関しては再交渉の余地はないことは明らかだ。また参加各国は年内妥結を目指していることから、日本がこれまでの協議内容を今回の交渉で知りえたとしても、殆ど日本側の意向を反映させるのは現実的に厳しいことも明白である。 衆参両院の農水委員会は「重要品目の関税撤廃からの例外確保ができないと明らかになった場合は即時脱退も辞さない」と決議していたが、今回の交渉日程が終われば、現実的に日本側が短い交渉で例外品目を設けさせることのできる可能性はほぼゼロに等しいことが明らかになるだろう。この際に衆参の農水委員会は具体的な行動をとるであろうか。 安倍自民が今回の参院選で勝利を収めれば、そうした行動は起こされず、グローバリズム関東軍と化して暴走する経産官僚や、安倍首相の抱える新自由主義ブレーンや、さんざんTPP参加を煽ったマスコミ論客たちが、またもやその文学的才能を発揮して新たな詭弁をひねり出すということが行われるだけであろうと私は思う。 自民党はこうしたことも既に見越した上で、今回の参院選の公約から「重要品目の関税撤廃からの例外確保」を外しているのだ。既に当ブログ記事で述べたように、今回の参院選で自民党が擁立した全78名の候補でTPP反対の候補はたった7名しかいない。比例区では反対はJA出身の山田俊男候補ただ一人だけであり、しかも山田候補に個人名で投票しても、他の推進派の当選に寄与してしまうのである。反対派を多数擁立しているのであればまだしも、実際には反対派はごく少数であり、党として安倍自民はもはやTPP推進勢力となったと考えるのが妥当である。 もう彼らの詭弁に淡い期待を抱いて騙されるのはやめる時だ。今後3年選挙が行われないだろう現実を考えれば、ここで安倍・新自由主義政権に信任を与えてはならないのである。 [TPPは地方に加え、都市部にも甚大な被害をもたらすことが試算で明らかに] 約900名の有識者が名を連ねる「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」のTPP影響試算・大学教員作業チームはこれまで3度にわたり、TPPによる日本への影響を試算し、発表してきた。これらは極めて深刻な内容なのであるが、これを報じてきたメディアは日本農業新聞・IWJ・しんぶん赤旗のみである。これは極めて異常な事態であり、会の呼びかけ人である醍醐聡・東京大学名誉教授も驚くと同時に、大手マスコミに対して鋭い批判を自身のブログで浴びせている。 これまでの試算発表で明らかにされた重要な点は以下の通りである(「大学教員の会」ホームページ及びIWJ記事から要点を抜粋)。詳細はリンクをつけた同会のページ及びIWJのページをご参照いただきたい。また「大学教員の会」ホームページに詳しい資料が掲載されている。 これを見れば、TPPがまさに1%の利益のために、99%の人々が犠牲にされるという代物であることがありありとわかる。醍醐名誉教授も7月13日のブログで以下のように述べている。全く同感である。 「TPPは農業の問題といって傍観しているわけにはいかない。わが国の国民益を投げ捨て、アメリカ企業や多国籍企業に営利の機会を広げる売国的なTPP交渉から即時脱退することこそ日本の国民益を守る唯一の道なのである」 <第1回目試算発表 5月22日> 全産業で10兆5000億円減、GDP4兆8000億円減、190万人が雇用喪失 ・「政府統一試算」 ベースによる農林水産物等の生産減少額(2兆9,680億円)により、全産業の生産減少額は、約10兆5千億円にのぼる。 ・「政府統一試算」でいう農林水産物の生産減少額は、他産業への影響からの「跳ね返り効果」5千億円を含めて、最終的に約3兆4,700億円の減少 となる。 ・就業者に与える影響(雇用効果)は、「政府統一試算」の対象品目の生産に係る農林水産業で約146万人、全産業で、約190万人の減少となる。 ・企業・家計の所得など国民総生産(GDP)に与える影響は、約4兆8千億円の減少となり、GDPを1.0%押し下げる。 ※ GDPは、09~11年度平均約489兆円(内閣府経済社会総合研究所) ・生産減少、就業者数の減少を通じた家計消費の減少額は、約2兆7千億円となり、GDPの1.0%低下のうち、0.6%分の寄与となる。 「大学教員の会」リンク IWJ記事リンク … Continue reading

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新自由主義ファシズム体制完成を目論む安倍自民 / 山田正彦・山本太郎らを国会に送り抵抗の橋頭堡を築くべし!

<当ブログ参院選シリーズ> ①奢り高ぶる安倍自民・壊滅に向かう健全野党と危機に陥る民主主義/私の山本太郎擁護論(6月5日) ②【参院選】「地方の反乱」こそが日本を守る。ふざけきった安倍・新自由主義政権を信任してはならない!<比例代表・全選挙区推奨候補リスト付>(7月9日) ③【続報・参院選】自民党全候補者78名中TPP反対はたったの7名であることが判明 /それでもまだ安倍自民を支持しますか?(7月11日) ④【参院選】比例区・一人のTPP反対派を当選させるために複数の推進派を当選させてしまう戦術をJAは見直すべきである(7月14日) <当ブログ重要記事> 安倍政権は紛れもない新自由主義政権である。茶番と嘘の上塗りとナイーブな傷の舐め合いをやめ、現実を直視せよ! 安倍自民と橋下維新のウルトラ新自由主義亡国連立が近づいている。安倍と橋下を結びつけるもの TPP反対運動が失敗に終わる理由。本当にこのまま国を売られてよいのか。 当ブログによる参院選全選挙区・比例区推奨候補リスト(記事下部) マスコミ各社が自民の圧勝の予測を伝えている。以前当ブログでお伝えした週刊現代の予想や従来のメディアの報道よりは若干控えめなものの、自公で70議席台に乗せ、安定多数を確保するのは確実とされている。 しかしこれらの予想は高い投票率を想定したものではない。各紙の報道においても、「ただ、投票態度を決めていない有権者が一定数おり、流動的な要素もある」(産経新聞、7月16日付)、「投票態度を明らかにしていない有権者は選挙区選で約3割弱、比例選で約2割弱おり、情勢はなお変わる可能性がある」(読売新聞、7月17日付)というように、有権者の動向で情勢が大きく変わる可能性を示唆している。情勢を大きく変えることができるか否かは有権者にかかっている。ぜひご家族・ご友人・ご近所にお声掛けの上、投票に行っていただきたいと切に希望する。 [中道左派が壊滅すれば、新自由主義勢力だけが残る] 当ブログでお伝えしてきたように、このままの情勢で中道左派が壊滅状態に追い込まれれば、立法府は新自由主義勢力によってほぼ占拠されるという恐るべき事態になる。 マスコミは安倍自民と公明を「与党」、民主を「野党」、みんな・維新を「第三極」として、あたかも対立構図が存在するかのように描くが、これは資本にとっては誠に好都合な構図であり、罠である。早い話が興行プロレスである。 第三極は純然たる新自由主義政党で、安倍自民も民主も新自由主義色が非常に濃く、全てTPP推進勢力である点で違いはない。みんな・維新の「第三極」は事実上政権与党の「新自由主義サイドからの応援団」なのであり、民主も新自由主義色の強い人ばかりが党の分裂を経て残った。安倍自民は再三にわたってお伝えしている通り、もはや新自由主義色を隠そうともせず、暴走を始めた。 参院選で共産以外の中道・左派が淘汰されれば、せいぜい国民に残される選択肢は、安倍自民・橋下維新の「極右風新自由主義」か、民主・みんなの「リベラル風新自由主義」か、絶対に政権を取らない(つまり体制にとって脅威とはならない)共産か、という選択肢だけになる。 共産党は不満層のガス抜きの役割を果たすのみで、決して政権を取ることはなく、事実上の新自由主義一極体制が構築されることになるだろう。99%側を代弁する勢力が淘汰されるという状態に追い込まれ、1%側の利害を代表する勢力しか選択肢がなくなるのである。米国のように。 今回の参院選で安倍自民を勝たせるのは非常に筋が悪い。今後3年選挙が行われないだろうから、致命的である。TPPで多国籍資本によるネオ植民地化が完成し、かつ軍国化・警察国家化が一気に進むだろう。資本が国家を食い潰すのに他ならぬものが、皮肉なことに「愛国」の名において進められる。一定数の大局を見据えぬ「愛国馬鹿」が釣られる。世間はマスコミに乗せられ、「アベノミクス」で浮かれているが、このままでは恐らく「アベノドリル」という大量破壊兵器によって甚大な被害がもたらされることになるだろうと思う。 「我々は自由主義を選んだんだから、自由主義社会にすべきで、それはイコール競争社会なんだから下流にいれば飯が食えなくなって野垂れ死にするしかない」 これは自民党が比例区で擁立したワタミの渡辺美樹候補の言葉である。これは安倍晋三が政権発足直後にブレーンに招き入れた竹中平蔵の言葉「みなさんには貧しくなる自由がある」「貧しさをエンジョイしたらいい」に通じるものがある。ワタミの出馬は安倍が直々に要請したものであり、安倍自民のカラーを如実に反映したものだ。つまり安倍カラーはブラックということを示唆している。 マスコミの選挙情勢報道が正しいのだとすれば、多数派の国民はいま、国民がメシが食えなくなるのを当然視し正当化するような人物・政党に票を投じて信任を与えようとしているのである。前回の記事でお伝えした通り、現行の選挙制度では、比例で自民党と書いて投票しようが、ワタミ以外の個人候補者名で投票しようが、ワタミの当選に貢献することになる。 [本性を現した安倍自民 / 新自由主義コーポレートファシズム体制の完成が近づいている] <安倍が9条改正を明言 / 石破が国防軍命令に従わぬ兵は極刑に処すと発言> 7月15日、安倍晋三が憲法9条改正を明言した(産経新聞7月16日付)。また石破茂・自民党幹事長は出演したBS番組において、国防軍及び軍事法廷の設置を明言し、命令に従わぬ者には最高刑(死刑なら死刑、無期懲役なら無期懲役。懲役300年なら懲役300年)などと発言した(velvetmorining blog様 16日付)。憲法96条の改正だけだと安易に思って高を括っていたら、一気に9条改正まで進められることになるだろう。(石破幹事長の問題発言の動画リンク。2分10秒頃から。) このような軍国化の動きに対して、千葉県議を30年務めた自民党千葉県連元幹事長が、共産党の機関紙しんぶん赤旗に寄稿し、今回の参院選で共産党への投票を公然と呼び掛けているのだという(リンク)。世間はマスコミに乗せられてアベノミクスで浮かれているが、保守でも真摯に国の行方を心配する良識のある人ほど、安倍自民の危険性を察知し危惧しているのだろう。自民党に長く貢献した人物が共産党への投票を呼びかけるほどであるから、相当な危機感である。拙ブログの危機感とも一致する。 私自身は9条改正よりも何よりも、自主防衛の確立こそが最も肝要であると考えている。在日米軍の総撤退をさせ、独立することがまず達成されなければならない。議論があってよいと思うが、自衛隊のみで自主防衛が確立できるのであれば、わざわざ9条を改正する必要もないと考える。 たとえ軍隊を持ってもそれをもってして独立国家になりえないのは、隣国の韓国を見れば明白だ。韓国は軍隊があり男子徴兵制のある国だが、米国から独立できず、有事指揮権は米軍が持ち、そして米韓FTAによって多国籍資本のネオ植民地化が達成された。昨今の改憲論は本末が転倒しており、騙されぬように注意を払う必要がある。 <戦争は起きるのではなく、起こされる / 「戦争は公共事業」に、「兵役は貧者救済」に> いま日本の改憲論者は在日米軍撤退に関して全く触れぬまま、9条改正などと馬鹿げたことを言っているのだが、これは対米従属を固定したままの状態で、戦争ビジネスで儲けたい軍需産業の要求を反映したものだと思う。武器輸出解禁の動向からこうした方向性が察知される。 TPP反対を掲げつつ、TPP推進の安倍を熱狂的に支持し、読者に矛盾を飲みこませ、安倍支持へと巧みに誘導してきた三橋貴明は、『日本経済と国防の教科書』という著作で、防衛費の増額でデフレ脱却ができるなどと主張しているのであるが、三橋がこれまで担ってきた役割や上のような事情を考慮すれば、その主張からきな臭さと胡散臭さを感じ取ることができるであろう。 … Continue reading

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【参院選】比例区・一人のTPP反対派を当選させるために複数の推進派を当選させてしまう戦術をJAは見直すべきである

<当ブログ参院選シリーズ> ①奢り高ぶる安倍自民・壊滅に向かう健全野党と危機に陥る民主主義/私の山本太郎擁護論 ②【参院選】「地方の反乱」こそが日本を守る。ふざけきった安倍・新自由主義政権を信任してはならない!<比例代表・全選挙区推奨候補リスト付> ③【続報・参院選】自民党全候補者78名中TPP反対はたったの7名であることが判明 /それでもまだ安倍自民を支持しますか? <当ブログ重要記事> 安倍政権は紛れもない新自由主義政権である。茶番と嘘の上塗りとナイーブな傷の舐め合いをやめ、現実を直視せよ! 安倍自民と橋下維新のウルトラ新自由主義亡国連立が近づいている。安倍と橋下を結びつけるもの TPP反対運動が失敗に終わる理由。本当にこのまま国を売られてよいのか。 今回の記事は当ブログ参院選シリーズ第4弾である。以下の記事もご参照いただければ幸いである。 ①奢り高ぶる安倍自民・壊滅に向かう健全野党と危機に陥る民主主義/私の山本太郎擁護論 ②【参院選】「地方の反乱」こそが日本を守る。ふざけきった安倍・新自由主義政権を信任してはならない!<比例代表・全選挙区推奨候補リスト付> ③【続報・参院選】自民党全候補者78名中TPP反対はたったの7名であることが判明 /それでもまだ安倍自民を支持しますか? [安倍晋三を見限っている中野剛志] ペンネーム東田剛(恐らく中野剛志)が三橋貴明のサイト『新日本経済新聞』に寄稿した最新の記事「竹中先生、日本経済 次はどうなりますか?」が示唆に富んでいたのでご紹介したい。 冒頭で東田(中野)は、 『竹中平蔵先生が「アベノミクスは理論的に100%正しい」と絶賛しています。 ということは、アベノミクスは新自由主義100%だということになります。』 と述べ、竹中が称賛する安倍政権の経済政策について述べ、批判をしている。 そして後半部が面白かったので、引用する。 <引用開始>----------- 昨年末に自民党は政権を奪還しました。そして今度の選挙でねじれを解消して政治を安定化させ、日本が世界に先駆けて新自由主義から脱却するはずでした。 そして、竹中先生はほとんど過去の人になっていて、ブレーンをつとめる維新の会と共に凋落していたはずでした。 そんな竹中先生を、周囲の反対を押し切って復活させたのは、安倍首相です。 <引用終わり>---------- 注目すべきは、全体の基調は竹中を批判するように見えるものの、最後で安倍晋三を批判している点である。これは三橋貴明が決してやらないことである。中野は自らの信条理念に誠実であり、三橋は自らの商売に誠実である。 そして東田(中野)は追記のところでまた面白いことを書いている。 <引用開始>----------- PPS 東田剛の分断工作のせいで、朝から気分が悪くなった方は、気を取り直して、この二冊で理論武装しましょう。 日本を取り戻すまで、先はまだまだ長いぞ! http://amzn.to/10XzXGK http://amzn.to/1aao2uo <引用終わり>---------- 「分断工作」という言葉は、チャンネル桜を見ている方ならすぐにピンとくるものだと思う。チャンネル桜の水島聡氏が「安倍政権への批判は保守分断」であるとする強引な意見を主張しているのであるが、東田(中野)は敢えてこの言葉を使って自らの言説を「分断工作」つまり「安倍政権への批判」としてあてつけ的に使用したのだと私は思った。 そして最後の一文「日本を取り戻すまで、先はまだまだ長いぞ!」が強烈な皮肉になっていることにも読者は容易に気づくはずである。東田(中野)がここに示唆しているだろうことは「安倍政権だと日本を取り戻すことはできない」ということに他ならないだろう。 [JAは比例区の戦術を根本的に見直すべきである] 前回の記事で自民党の候補者全78名の中でTPP反対は僅か7人しかいないということをお伝えした。「どちらかと言えば反対」という本当に反対票を投じるかどうか疑わしい消極的反対の10人をあわせても17人に過ぎない。 特にひどいのが比例代表の候補で、下の図(朝日新聞ANN調査より作成)にあるように、全29人中、反対の候補はJA出身の山田俊男候補ただ一人で、「どちらかと言えば反対」も2人だけという惨状である。 … Continue reading

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【続報・参院選】自民党全候補者78名中TPP反対はたったの7名であることが判明 /それでもまだ安倍自民を支持しますか?

<当ブログ重要記事> 安倍政権は紛れもない新自由主義政権である。茶番と嘘の上塗りとナイーブな傷の舐め合いをやめ、現実を直視せよ! TPP反対運動が失敗に終わる理由。本当にこのまま国を売られてよいのか。 奢り高ぶる安倍自民・壊滅に向かう健全野党と危機に陥る民主主義/私の山本太郎擁護論 【参院選】「地方の反乱」こそが日本を守る。ふざけきった安倍・新自由主義政権を信任してはならない!<比例代表・全選挙区推奨候補リスト付> 前回の記事では安倍政権の新自由主義的性格について述べ、この政権の下ではTPP撤退はあり得ないということを述べた。それに加え、TPP反対という観点から、当ブログによる全選挙区・比例区での推奨候補リストも前回記事の下に付したので、投票の際のご参考にしていただければ幸いである。 比例区の社民党に関して私は特定の候補を推奨しなかったが、記事をお読みになられた方から、鴨桃代氏を推す声が寄せられたので、この場を借りてご紹介しておきたい。 また大阪選挙区の方から、地元の共産党候補に投票するのは嫌だという声が寄せられた。大阪選挙区では、新党大地から吉羽美華という候補が出馬しているので、共産党候補に入れるのが嫌な方はそちらに投票されればよいかと思う。 私自身は吉羽候補がどのような候補でどういう経緯で新党大地から出馬することになったのか知らず、また吉羽氏のブログを以前に見たことがあるが、感心するような内容ではなかったので、推奨しなかった。 私は共産党について支持しているのではなく、むしろ実際にはこの党は時に不可解な動きをすることもあり、首をかしげることも多いというのが正直なところだ。だが現在のような状況では、売国TPPを推進するようなふざけた政党の候補に投票するよりははるかにマシな選択であると思う。各選挙区においてよりよい現実的な選択肢を合理的に選んでいって、共産党候補を推さざるを得ない選挙区についてやむなくそうしているだけなのであるが、その結果大量の共産党候補を推奨する羽目になった。勿論やりたくてそうしているのではないということは当ブログの読者の皆様にはご理解いただけるものと信じている。 自分の選挙区で選択肢に困るという声もよく聞くのであるが、そもそもこのような状況をもたらした元凶は、昨年末の衆院選で国民が自民を圧勝させ、一方中道政党を壊滅状態に追いやったことにあることは言うまでもない。中道政党は息も絶え絶えの状態となり、満足に候補を立てることすらできない状況に追い込まれたわけである。昨年末の衆院選は致命的であったと言える。安倍政権が暴走するのを止める手だてが非常に限定的になり、案の定、安倍政権は好き勝手に新自由主義グローバリズム路線の暴走を始めた。平時の思考をしていては庶民は殺られることは間違いない。 [自民党全候補者78名中TPP反対は僅か7名であることが判明 /それでもまだ安倍自民を支持しますか?] 前回のブログ記事を書いたあと、念のために参考にした朝日新聞ANNによるアンケート調査の自民党候補者のTPPに対する賛否を調べていて、愕然とした。なんとTPPに「反対」と回答した候補者は全78名中僅か7名しかいないことが判明したのである。下の表にまとめた。(* 取り急ぎまとめたものであるので、間違いがあるかも知れない。詳細はソースをあたっていただければ幸いである。) 選挙区の自民党候補全49名中、「反対」は僅か6名、「どちらかと言えば反対」の8名とあわせて14名に過ぎない。 更にひどいのが比例区の候補者の方で、全29名中「反対」と答えたのはJA出身で現職の山田俊男候補1名だけで、「どちらかと言えば反対」も2名しかいない。あわせてもたったの3名だ。 選挙区と比例区をあわせると、全78名中「反対」はたったの7名、「どちらかと言えば反対」は10名だけという寒々とした結果になる。 これに対し、「賛成」は9名、「どちらかと言えば賛成」は13名で、「反対」「どちらかと言えば反対」をそれぞれ上回っている。 そして嘆かわしいのが、未だに「どちらとも言えない」などと回答する候補者の多いことである。菅直人がTPPを持ち出して2年にもなるのであるが、TPPという国の在り方を大きく左右する事案に対して、いやしくも国会議員になろうと名乗りをあげる者が自らの態度を表明できぬというのである。 あるいは既に結論は決まっているが、TPP反対の有権者の手前、選挙戦の間は態度を曖昧にしてごまかしているのである。その点で「どちらかと言えば賛成/反対」という回答も非常にまどろっこしく、誠意を欠いたものである。 そもそも自民党候補者はTPPを推進している政権与党から公認を得て出馬をしているわけで、いざTPP交渉が妥結し批准に持ち込まれれば、「どちらかと言えば反対」と言っている候補も含め、圧倒的多数の議員は執行部に逆らわず、批准に賛成するであろうと思う。いま「反対」と言っている候補者も怪しいものだと私は思う。恐らく批准で実際に造反するのは西田昌司氏と山田俊男氏だけではないだろうか。 TPP反対の有権者が自民党に投票するのは自殺行為に等しいものであり、決してすべきでない選択であるということが、候補者へのアンケートのデータからも裏付けられた格好だと言える。 また自民党に投票することでワタミを当選させてしまうという点でも、私は今回全く自民を推さないということを再度述べておく。 (* 京都選挙区の西田昌司候補に関しては推奨候補リストに加えるかどうか迷ったのだが、氏はTPPやJAL問題などで国会で鋭い追及をこれまでしてきており、また西田昌司氏には新自由主義者・安倍晋三を担いだ重大な責任があり、落とし前をつけさせるためにも再度国会に送り込んで、責任を取らさせないといけないと考え、推奨リストに加えた。) こちらの続編記事もあわせてどうぞ。 「【参院選】比例区・一人のTPP反対派を当選させるために複数の推進派を当選させてしまう戦術をJAは見直すべきである」(7月14日)

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