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【参院選】比例区・一人のTPP反対派を当選させるために複数の推進派を当選させてしまう戦術をJAは見直すべきである

<当ブログ参院選シリーズ> ①奢り高ぶる安倍自民・壊滅に向かう健全野党と危機に陥る民主主義/私の山本太郎擁護論 ②【参院選】「地方の反乱」こそが日本を守る。ふざけきった安倍・新自由主義政権を信任してはならない!<比例代表・全選挙区推奨候補リスト付> ③【続報・参院選】自民党全候補者78名中TPP反対はたったの7名であることが判明 /それでもまだ安倍自民を支持しますか? <当ブログ重要記事> 安倍政権は紛れもない新自由主義政権である。茶番と嘘の上塗りとナイーブな傷の舐め合いをやめ、現実を直視せよ! 安倍自民と橋下維新のウルトラ新自由主義亡国連立が近づいている。安倍と橋下を結びつけるもの TPP反対運動が失敗に終わる理由。本当にこのまま国を売られてよいのか。 今回の記事は当ブログ参院選シリーズ第4弾である。以下の記事もご参照いただければ幸いである。 ①奢り高ぶる安倍自民・壊滅に向かう健全野党と危機に陥る民主主義/私の山本太郎擁護論 ②【参院選】「地方の反乱」こそが日本を守る。ふざけきった安倍・新自由主義政権を信任してはならない!<比例代表・全選挙区推奨候補リスト付> ③【続報・参院選】自民党全候補者78名中TPP反対はたったの7名であることが判明 /それでもまだ安倍自民を支持しますか? [安倍晋三を見限っている中野剛志] ペンネーム東田剛(恐らく中野剛志)が三橋貴明のサイト『新日本経済新聞』に寄稿した最新の記事「竹中先生、日本経済 次はどうなりますか?」が示唆に富んでいたのでご紹介したい。 冒頭で東田(中野)は、 『竹中平蔵先生が「アベノミクスは理論的に100%正しい」と絶賛しています。 ということは、アベノミクスは新自由主義100%だということになります。』 と述べ、竹中が称賛する安倍政権の経済政策について述べ、批判をしている。 そして後半部が面白かったので、引用する。 <引用開始>----------- 昨年末に自民党は政権を奪還しました。そして今度の選挙でねじれを解消して政治を安定化させ、日本が世界に先駆けて新自由主義から脱却するはずでした。 そして、竹中先生はほとんど過去の人になっていて、ブレーンをつとめる維新の会と共に凋落していたはずでした。 そんな竹中先生を、周囲の反対を押し切って復活させたのは、安倍首相です。 <引用終わり>---------- 注目すべきは、全体の基調は竹中を批判するように見えるものの、最後で安倍晋三を批判している点である。これは三橋貴明が決してやらないことである。中野は自らの信条理念に誠実であり、三橋は自らの商売に誠実である。 そして東田(中野)は追記のところでまた面白いことを書いている。 <引用開始>----------- PPS 東田剛の分断工作のせいで、朝から気分が悪くなった方は、気を取り直して、この二冊で理論武装しましょう。 日本を取り戻すまで、先はまだまだ長いぞ! http://amzn.to/10XzXGK http://amzn.to/1aao2uo <引用終わり>---------- 「分断工作」という言葉は、チャンネル桜を見ている方ならすぐにピンとくるものだと思う。チャンネル桜の水島聡氏が「安倍政権への批判は保守分断」であるとする強引な意見を主張しているのであるが、東田(中野)は敢えてこの言葉を使って自らの言説を「分断工作」つまり「安倍政権への批判」としてあてつけ的に使用したのだと私は思った。 そして最後の一文「日本を取り戻すまで、先はまだまだ長いぞ!」が強烈な皮肉になっていることにも読者は容易に気づくはずである。東田(中野)がここに示唆しているだろうことは「安倍政権だと日本を取り戻すことはできない」ということに他ならないだろう。 [JAは比例区の戦術を根本的に見直すべきである] 前回の記事で自民党の候補者全78名の中でTPP反対は僅か7人しかいないということをお伝えした。「どちらかと言えば反対」という本当に反対票を投じるかどうか疑わしい消極的反対の10人をあわせても17人に過ぎない。 特にひどいのが比例代表の候補で、下の図(朝日新聞ANN調査より作成)にあるように、全29人中、反対の候補はJA出身の山田俊男候補ただ一人で、「どちらかと言えば反対」も2人だけという惨状である。 … Continue reading

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【参院選】「地方の反乱」こそが日本を守る。ふざけきった安倍・新自由主義政権を信任してはならない!<比例代表・全選挙区推奨候補リスト付>

<当ブログ重要記事> 安倍政権は紛れもない新自由主義政権である。茶番と嘘の上塗りとナイーブな傷の舐め合いをやめ、現実を直視せよ! TPP反対運動が失敗に終わる理由。本当にこのまま国を売られてよいのか。 奢り高ぶる安倍自民・壊滅に向かう健全野党と危機に陥る民主主義/私の山本太郎擁護論 安倍政権を信任するか否かのかかった参院選が公示された。投票日は7月21日(日)である。マスコミの報道では自民圧勝の情勢が伝えられているが、それは高い投票率を想定していないものであり、投票率が上がれば情勢は変わる。決して諦めてはならない。ぜひ皆様には棄権することなく、ご近所ご友人をお誘いの上、投票に行っていただきたいと願う。 今回の選挙からネット選挙が解禁となったので、拙ブログでも記事下に推奨投票先を付すことにした。ご参照いただければ幸いである。私はTPPに反対するという観点で、今回の参院選において、みんな・維新・公明は全候補を非推奨、自民は2名を除く全候補を非推奨、民主もほぼ全候補を非推奨とする。TPP反対の読者の皆様におかれては、これらの党以外の党及びその候補者に票を投じていただければ幸いである。なおここに付す表はあくまでも私個人が仮にそこの選挙区の有権者であったらこの候補に入れるという私的見解であり、投票は各自の判断で行っていただきたい。 <安倍自民を信任することはTPPを信任することに等しい> [壊国兵器・アベノドリルの前に立たされている「抵抗勢力」とは99%の国民である] 安倍晋三については拙ブログでは昨年末の衆院選の前からその危険性を指摘してきたのであるが、政権発足直後から私が従来から危惧していた通り、安倍政権は極端な新自由主義グローバリズム・構造改革路線に邁進している。日本を極端な格差社会に突き落とした張本人で、橋下維新のブレーンであり、かつ米韓FTAを強行批准採決した韓国の李明博・新自由主義政権の大統領顧問を務めた竹中平蔵を安倍はブレーンとして政権に加え、また伊藤元重・楽天の三木谷浩史といった人物を起用するという新自由主義グローバリズム丸出しの非常にふざけた布陣を敷いた。 安倍は早々と国民を裏切ってTPP交渉加盟を宣言し、さらに自らを構造改革をやり抜く「ドリルの刃」に例え、固い岩盤を突き破ると宣言した(ポン吉のブログ「安倍晋三VS安倍信者」より)。安倍政権がTPP交渉から離脱などしないというのはこうしたことからもはや明白である。 「アベノドリル」の仕組みを見ていこう。ドリルの刃は安倍であり、その刃を回転させているドリルの本体は竹中平蔵・伊藤元重などの新自由主義者たちと売国官僚そしてグローバル企業の代表者たちである。そのドリルに電気を供給しているのが日米多国籍資本である。それを素晴らしいドリルであるかのように報じるのが大手マスコミだ。そのマスコミに電気を供給しているのもやはり日米多国籍資本である。それを見て喝采しているのが安倍支持者やマスコミを鵜呑みにする一般国民という構図になる。 そして安倍がそのドリルで打ち砕く「岩盤」とは一体何であろうか。それは「抵抗勢力」「既得権益者」である。 新自由主義者たちから「抵抗勢力」「既得権益者」と呼ばれるこれらの人たちは、不思議なことに、高級官僚や法人税も収めぬグローバル化した大企業やそれらの大株主といった、日常生活で決してお目にかかることのない上位1%側のことでは決してない。 新自由主義者たちの言う「抵抗勢力」「既得権益者」とは、具体的にはサラリーマンであり、農家の人々であり、役場の下っ端職員であり、学校の教員であり、中小企業であり、低賃金労働者であり、社会的弱者といった人々である。つまり私やあなたのことであり、私たちの身の回りにいる日常生活で出会う人たちのことなのだ。つまるところ「抵抗勢力」「既得権益者」とは、99%の国民なのであり、国民生活を野蛮で無慈悲な弱肉強食の競争から守る国民国家そのものなのである。つまりアベノドリルとは99%の国民生活を打ち砕くためのドリルであり、国民国家を破壊するためのドリルであり、究極の売国・壊国兵器なのである。 [自民が撤回したのはワタミ公認ではなく、ブラック企業対策の方だった] 前回の記事では自民党がブラック企業対策を参院選の公約に盛り込むことを検討している一方、安倍晋三が直々に世間ではブラック企業と言われているワタミの渡邉美樹に党の看板である比例候補として出馬を要請したという滑稽で皮肉極まりないニュースをお伝えした。 自民党のワタミ擁立は大きな批判を浴び、ワタミで過労の末に自殺した社員の遺族が自民党にワタミ公認を撤回するよう求め抗議をする事態になった(田中龍作ジャーナル記事リンク)。 ところが自民党が撤回したのは、ワタミ公認ではなく、ブラック企業対策の方だったというから、開いた口が塞がらない。安倍自民がどちらの方向を向いているのか、このことから推して知るべきである。安倍政権の行く末、日本の行く末は決してバラ色ではなく、「ブラック」に相違ない。決して日本は「瑞穂の国」ではなく、終わってみれば「黄泉の国」となっていることだろう。 私自身はこれまで無闇な反自民を主張してきたつもりはないが、安倍のおふざけは度を過ぎており、今回だけは許し難いものがある。 [ネオ植民地から脱しスノーデン亡命受け入れを表明した南米諸国 / 盗聴するような国と貿易交渉をしネオ植民地化される日本] この後来るメニューは、日米二国間協議及びTPP推進、それに並行して規制緩和・構造改革・更なる民営化といった新自由主義路線が進められ、そこに原発再稼働・消費税増税・サラリーマン使い捨て・弱者切り捨てが断行され、憲法改正や児童ポルノ法という「児童を守るため」などという美名に名を借りた言論弾圧法案や刑務所の民営化に見られるように、新自由主義型警察国家化が一気に進められることになるだろう。そして日本は「新自由主義・コーポレート・ファシズム」と呼ぶべき政体の国になるだろう。それはかつての中南米であり、現在の米国であり、「多国籍資本のネオ植民地化」が完成した韓国と同じである。 南米諸国はかつて「米国の裏庭」と呼ばれていたが、近年ベネズエラを筆頭に相次いで社会主義政権が誕生し、米国を事実上駆逐した。米国はかつてキューバに仕掛けたのと同様に、2002年4月ベネズエラに対してもベネズエラ1%富裕層と結託してクーデターを側面支援して政権転覆を仕掛けたが、チャベスは大統領辞任を拒否して、身柄を拘束監禁された。民衆が結束してチャベスを支持し、軍もチャベス側に寝返ることでクーデターは3日で失敗に終わった。この顛末はアイルランドのドキュメンタリー映画『The Revolution Will Not Be Televised – Chavez: Inside the Coup』(「マスコミが決して報じない革命」と意訳すればよいか)に詳しい。 こうした結果米国は南米から締め出され、北米のNAFTAに閉じ込められる結果となった。米国及び多国籍資本がアジア太平洋地域に覇権を求めだしたのは、南米から排除されたことも重要な背景としてあるだろう。 米国政府機関・国家安全保障局(NSA)が「テロ対策」という口実の下に秘密裏にインターネットの個人情報を収集し、事実上国民を監視してきたことが元CIA職員のエドワード・スノーデン氏によって暴露された。その後暴露された情報によれば、同盟国の大使館も諜報の対象にされており、日本大使館も含まれていたという。 その後スノーデン氏はロシアに逃れ、そこから欧州諸国・中南米諸国に向けて亡命申請をした。 ところが普段は自由やら人権やらを声高に叫ぶ欧州諸国は、米国という国家による犯罪を暴露したスノーデン氏の亡命を拒否。スノーデン氏の亡命受け入れを表明したのは、ベネズエラ・ニカラグア・ボリビアという米国からの「独立」を果たした南米諸国であった。欧州の掲げる人権とは一体何なのか。「ジャイアンがいない間だけの人権」なのであろうか。いま世界で起きているのは価値の逆転現象である。米国の振りかざす「正義」のメッキがブッシュの時から一気に剥げ落ちてきている。 さて話がそれたが、日本は自国の大使館が米国の諜報のターゲットにされてきた疑惑が暴露されたというのに、安倍政権の対応は「外交ルートを通じて問い合わせる」というのみの非常に弱腰の情けないもので、かつその米国と二国間協議を続け、TPP交渉にも加盟するのだという。通常の神経とは思われない。対米従属に慣らされ続けた国の成れの果ての姿である。この一事のみをとっても、十分なTPP撤退の理由となりうるものである。安倍政権ではTPP交渉撤退はありえないことだというのがこの異常なまでの対米従属姿勢からも明らかである。 [岐路に立たされた日本 / 自ら首を絞めた韓国国民の失敗から学ぶべし] 97年から98年にかけてのアジア通貨危機は多国籍資本がIMFと米国のバックアップでアジア各国に仕掛けた乗っ取り戦争の様相を呈したものであったことは当ブログでお伝えしてきた。マレーシアはマハティールがIMFの罠を看破し、IMF策を拒否して自力で短期に国内経済を立て直すことに成功したのに対し、インドネシア・タイ・韓国はIMFの勧告を受け入れたがために、国民は大きな被害を蒙ることとなった。中でも韓国はIMF支配を通じて、極端な民営化と構造改革を無理強いされ、国内経済を事実上外資に乗っ取られ、更に米韓FTAでネオ植民地化が完成し、トドメを刺されたといって等しい状況である。以下の過去記事をご参照いただければ幸いである。 IMFと戦い国民・国家を守ったマハティールに学ぶべし!②IMF「救済策」が明暗を分けた … Continue reading

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奢り高ぶる安倍自民・壊滅に向かう健全野党と危機に陥る民主主義/私の山本太郎擁護論

<当ブログ「橋下維新は答えではない!」シリーズ:橋下維新の正体↓> その①ファシストは人々の心に巣食うファシズムに囁きかける その②形骸化する民主主義:選挙で選ばれぬ人たちが政治を動かしている その③選挙で選ばれぬ新自由主義者たちによって売りに出される大阪:大前研一と竹中平蔵の影 その④【地下鉄利権】関西私鉄幹部が大量に大阪市参与に就任していたことが判明。裏で進められる公共財の解体と簒奪。/一刻も早く橋下リコール運動を開始すべし。 その⑤【大阪地下鉄民営化利権続報】在阪マスコミは関西私鉄の事実上支配下にある!マスコミが橋下維新・地下鉄「民営化」問題を報じない理由 [壮絶な参院選選挙予想・自民党の圧勝と新自由主義翼賛体制の成立] 7月の参院選の選挙予想が週刊現代(5月25日号)と産経新聞(5月29日付)で出ていたのでご紹介したい。産経の方は比例代表のみの予想である。週刊現代の方は各選挙区も含めた詳細な予想が出ている。 なお参議院は定数242で任期は6年。衆議院のような任期途中の解散はなく、定数の半分を3年ごとに改選する方式。選挙は都道府県ごとの大選挙区(定数1~5)と全国区の比例代表制(非拘束名簿)の並立制で、選挙区と比例の重複立候補はできない。 この資料の見方―左の「現有議席数」は現在の議席であり、すぐ右の「非改選」は現有議席数に占める非改選議席数。「予想獲得議席数」は今回の選挙で獲得が予想される議席数。先程の非改選議席数と予想獲得議席数を併せたものが太字で示した「予想議席数」となる。この「予想議席数」が次期参議院の勢力分布の予想となる。「予想議席数」から「現有議席数」を引くと、今回の選挙での増減の予想となる。 右側の累計は与党の自民・公明(青色)及びそこに「ゆ党」である維新・みんな・民主を足していった累積議席数とそれが全議席に占める割合、さらに完全野党と言える共産・生活・社民・みどりの累積議席数と割合を「与ゆ党」と「野党」にわけて表示。 <予想される自民の圧勝> 週刊現代は、自民党は選挙区の1人区全てで勝利し、2~5人区の全てでも当選者を出す「完全勝利」という圧勝を予測している。もちろんこれは単なる調査に基づく予想でしかなく、これがそのまま当たるとは限らない。投票率が上がれば、大きく異なる結果となる可能性もある。しかし現在の内閣支持率の高さやマスコミの報道も鑑みれば、7月までに波乱が起きず、このままの情勢であるとしたら、これに近い結果となるのではないかと私は思う。 大きく異なるとすれば維新が獲得議席を減らす可能性があるということであろう。週刊現代の調査では2~5人区で維新の候補の当選が見込まれているが、ひょっとすれば調査の時期が古く、直近の橋下徹の騒動の余波を反映していない可能性がある。他の政党が付け入るチャンスがあるとすればこうした選挙区であるはずだ。 しかし、週刊現代よりも調査データが新しいと思われる産経の比例代表の調査の1月と5月を比較すれば、維新が徐々に支持を失っている分を他の野党が吸収できず、自公が吸収していることが見て取れる。生活がかろうじて1議席を取れるかどうかというところである。 仮にこの選挙予測で示された通りの結果になれば、最初の表で示したように、自民は単独過半数を獲得し、公明とあわせて安定多数を確保する。さらに維新あるいはみんなの党のいずれかの協力を取り付けることができれば絶対安定多数を確保する。 そしてみんなの党と維新の双方の協力を取り付ければ、参議院の3分の2を制することとなる。憲法96条の改正について、維新はそもそも賛成である。みんなの党に関しては党首の渡辺喜美が「公務員制度改革などが実現しない場合は反対する考え」(毎日、5月10日付)を示しているものの、憲法改正そのものについて反対しているのではない。 民主は改憲に反対するということを参議院選の公約に掲げることにしている(ANN、5月31日)。しかし民主党内部でも改憲派はおり、一旦改憲案が提出されれば、それをきっかけに党が二分する可能性もある。 <新自由主義翼賛体制の成立> 民主党はそもそも政権与党時代から、菅・野田内閣のTPP推進・消費税増税という財界マスコミ重視・反国民生活路線によって党内で二分し、その結果民主党内の意見集約をせず、党内反対派を干しあげ、野党である自民党・公明党と「民自公」協力関係を築くという、非常に歪な形で自民・公明と協力関係を維持してきた間柄である。こうした経緯から民主党も健全な野党と呼ぶには程遠く、与党と野党の間の「ゆ党」と呼ぶに相応しい。 また極端な新自由主義・構造改革路線の政策を掲げる維新とみんなの党はそもそもから政策に大きな隔たりはなく、両党は共同公約を掲げるべく作業を進めてきた。選挙協力が破談になったのは橋下徹の一連の慰安婦騒動のためである。そして従来から指摘してきた通り、安倍晋三と橋下徹は蜜月関係にあり、安倍は橋下を「同志」と呼んできた。安倍政権が維新のブレーンだった竹中平蔵を起用し、TPP推進・道州制推進・構造改革推進・憲法改正という新自由主義路線に突き進み、もはや自民と維新の路線は同じものとなってしまった。みんなの党も維新も当然健全な野党とは言えず、民主党よりもより自民に近い「ゆ党」と言えるであろう。これら政策的に同質的な自民・公明・維新・みんな・民主をあわせると、なんと参議院の94%を占めるという恐るべき事態になろうとしている。 マスコミは国民に対して、あたかも自民・公明の与党に対して、民主・みんな・維新が野党として存立しているかのように構図を描いて報じ、維新・みんなを「第三極」などと名付け、朝日新聞などはあたかも民主が「リベラル勢力」であるかのような取り扱いをしているが、こうしたマスコミの報道は欺瞞も甚だしく、実態を覆い隠してしまうものだ。 TPP反対派の国民が非新自由主義グローバリズムの選択を託して誕生させた安倍政権が、政権発足と同時に瞬く間に人々を裏切って新自由主義グローバリズム路線に走った今となっては、これらの政党は表面に見える差異はあれど、全てバックボーンは新自由主義によって貫かれており、もはや大きな違いはないといっていい状況である。 このまま参院選に突入すれば、衆参ともに立法府が新自由主義勢力によってほぼ占拠されるという異常事態が訪れることになる。 <TPPの批准阻止は絶望的・日米協議を潰すべし> このような状況下で、TPP交渉が妥結すれば、批准阻止は絶望的である。安倍政権がTPPを推進している以上はたとえ自民党の半数がTPP反対を言っても、実際に批准で造反し反対に回るのはごく少数にとどまることが予想される。自民が選挙予想の通り圧勝すれば、安倍政権の基盤は盤石となり、造反はより難しいものとなる。しかも名目は「野党」とされる民主・維新・みんなが賛成に回れば、自民から多少の造反が出たとしても容易に過半数を取れてしまう。衆議院においても同様で、条約の批准は衆議院の優越が認められている。 繰り返しになるが、安倍政権発足直後からの暴走ぶりを見てもわかる通り、TPPで被害を蒙ることが必至の中間団体は選挙に際してより高いハードルを設定しなければ、また容易に裏切られることになるであろう。自民が圧勝すれば、それは安倍政権の信任であり、安倍政権の進めるTPP・道州制・新自由主義構造改革も全て信任されたと見做される公算が高く、少なくともマスコミはその論調で報じ、ムードを作ってくるに違いないからだ。 TPPが潰れる可能性があるとすれば、交渉そのものが妥結しないこと、そして日米協議が合意に至らないことである。TPPは表面上の報道とは異なり、実際は交渉が難航していると言われる。交渉が決裂すれば、TPPは潰える。しかし我々が注意を払わなければならないのが日米交渉である。TPPが潰れたとしても、日米交渉が残れば、日米FTAに持ち込まれる可能性がある。グローバル資本による韓国のネオ植民地化の総仕上げである米韓FTAと同じ結果になることが予想される。我々は今後自民党の圧勝がそのままTPP信任と見做されぬよう工夫を凝らすとともに、TPP反対派を一人でも多く当選させ、かつ日米協議の動向を監視し、これを潰すべく戦術を転換していく必要がある。 [調子に乗り傲慢になる自民] <ブラック・ワタミを参院選の看板候補として比例で擁立> 「自民党はブラック企業対策として、社名の公表も含めて検討すべきだとする提言をまとめた。今夏の参院選の公約にも反映させる方向」(弁護士ドットコム)という記事は5月28日付のものであるが、驚くべきことに自民党は7月の参院選で、ネット上では「ブラック企業」として名高いワタミ会長の渡邉美樹を比例で擁立することを決めた。安倍晋三が直接会って出馬を要請したという(記事リンク)。 ブラック企業対策を公約に盛り込む政党が、党の顔である看板候補としてブラック企業の経営者を擁立するというのであるから、まさに「安倍こべ」であり、「ブラック・ジョーク」そのものである。こんな党が掲げるブラック企業対策なるものも有名無実のもので、却ってブラック企業にお墨付きを与え跋扈させるものになるだろうことは想像に難くない。 *関連記事『ワタミ社内文書入手 渡辺美樹会長が「365日24時間死ぬまで働け」』(週刊文春、6月5日) <反旗を翻したJA山形県連と農家を恫喝した自民党・西川公也衆議院議員> 5月30日、山形県農協政治連盟が反TPPを掲げる現職でみどりの風政調会長の舟山康江の推薦を決めた。翌31日、自民党TPP対策委員長の西川公也衆院議員が来県。『米沢市内で農業関係者や地元議員ら約50人を前に「いま自民党を敵にして農業が大丈夫だと思っているのか」と、県農政連の対応に怒りをあらわにした』(毎日新聞6月2日)。 選挙の際には支持者にペコペコと頭を下げる政治家も、一旦権力を手にすれば豹変するという見本のようである。一体何様のつもりなのであろうか。彼らはTPPに邁進する安倍の暴走を体を張って止めようとしただろうか。民主党政権時代の山田正彦元農水相を筆頭に民主党TPP反対派の方が断然TPP阻止のために努力をしたと言える。自民党に政権交代をしてからというもの、権力中枢からの情報が全くといっていいほど出てこなくなったのはどうしてなのか。 私はJA山形の英断に心から拍手を送りたい。また、舟山康江氏の健闘を祈る。こうした動きが大きくなることで、前述の選挙予想も覆ることにつながり、またTPP反対の民意を選挙結果に反映させることができるであろうと思う。他のJAもJA山形に続くべきであろう。 [選挙協力すらままならぬ野党の惨状と山本太郎の奮闘] ここで論じる野党とは民主・維新・みんなの党というTPP推進を掲げる新自由主義「ゆ党」のことではなく、TPP反対を掲げる非新自由主義勢力の生活・社民・みどり・共産のことである。上記の選挙予想では、これらの政党の予想獲得議席数は全国組織を維持している共産党の5議席のみで、辛うじて生活が比例で1議席取れるかどうかという情勢である。そして非改選の議席を含めた予想議席数ではこれら全ての政党をあわせても12議席・全体の5%という存亡の危機に立たされている。 一般国民にすればなぜこれらの政党が選挙協力を大々的にしないのか謎であると思う。党の当事者・関係者にすれば護持すべき主張やプライドといったものが当然あるだろう。しかし、一般国民の殆どは例えば社民党と共産党の政策の差異、みどりの風と生活の党の政策の差異を明確に説明することができるであろうか。 … Continue reading

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安倍自民と橋下維新のウルトラ新自由主義亡国連立が近づいている。安倍と橋下を結びつけるもの

<当ブログ「橋下維新は答えではない!」シリーズ:橋下維新の正体↓> その①ファシストは人々の心に巣食うファシズムに囁きかける その②形骸化する民主主義:選挙で選ばれぬ人たちが政治を動かしている その③選挙で選ばれぬ新自由主義者たちによって売りに出される大阪:大前研一と竹中平蔵の影 その④【地下鉄利権】関西私鉄幹部が大量に大阪市参与に就任していたことが判明。裏で進められる公共財の解体と簒奪。/一刻も早く橋下リコール運動を開始すべし。 その⑤【大阪地下鉄民営化利権続報】在阪マスコミは関西私鉄の事実上支配下にある!マスコミが橋下維新・地下鉄「民営化」問題を報じない理由 [安倍と橋下維新の蜜月関係:「橋下氏は戦いの同志」] 今回は前回の記事の続編である。前回記事「安倍政権は紛れもない新自由主義政権である。茶番と嘘の上塗りとナイーブな傷の舐め合いをやめ、現実を直視せよ!」を先にお読みいただければ幸いである。 ここでは安倍のここに至るまでの動向を橋下維新の関係を交えて時系列的に追いたいと思う。当ブログの読者の皆様には橋下維新が新自由主義グローバリズム政党であることはもうお分かりのことと思う。当ブログでは「橋下維新は答えではない!」シリーズを組んで、その政策・人脈について検証してきた。詳しくはこのページの上部にあるリンクをご参照いただきたい。最も重要な記事は「選挙で選ばれぬ新自由主義者たちによって売りに出される大阪:大前研一と竹中平蔵の影」である。また橋下維新については中野剛志や藤井聡をはじめとする多くの保守系論者が既にその新自由主義グローバリズムの性格と危険性を指摘してきたので、敢えて繰り返す必要もないことと思う。 今回の記事では安倍晋三と橋下維新との結びつきやバックグラウンドを追っていき、参院選後に予期される安倍自民と橋下維新との連立・連携構想について述べたい。 <TPP・構造改革・道州制・憲法改正> 前回の記事では、安倍はTPPに反対する西田昌司らに推されて自民総裁となり、首相に返り咲いたのであるが、政権発足直後から新自由主義者やグローバル資本の代表者ばかりをブレーンにかき集め、TPP交渉参加を安倍は恐らく昨年末には決意し、党内の慎重論を安倍自身が押し切ってTPP交渉参加表明を強行したことを述べ、安倍内閣は極端な新自由主義政権となっていることをお伝えした。安倍は訪米から帰国した直後に維新の橋下徹と松井一郎に電話を入れ、「TPP交渉への参加問題をめぐるオバマ米大統領との会談内容を伝えていた」(リンク)。 また以前の記事でお伝えした通り、橋下維新のブレーンには竹中平蔵に連なる構造改革派が大量に登用されており、あたかも竹中残党の集まりのような状態となっている。竹中は維新の黒幕的存在となって、維新の政策策定や候補者選定に携わってきた。これは前回の記事で既に書いたが、その竹中を安倍はまず経済財政諮問会議の民間委員に起用しようとしたが、飯島勲内閣参与の反対で断念、その後産業競争力会議のメンバーに登用した。そして安倍は産業競争力会議の提言に基づき、今後構造改革を推進していくことを表明した。つまり維新と安倍自民の路線にもはや大差はないということである。 橋下維新が道州制推進のブレーンを集めていることも以前の記事で既にお伝えした。橋下維新のブレーンの大半が道州制賛成と見て間違いないと思う。橋下の指南役の大前研一もまた過去に元祖新自由主義政党「平成維新の会」を立ち上げ、道州制を訴えていたことが想起される。橋下徹大阪市長と村井嘉浩宮城県知事が共同代表の「道州制推進知事・指定都市市長連合」は2月12日、2回目の総会を東京都内で開き、地方の声を反映した道州制の早期実現を求める要請文をまとめた(リンク)。 安倍もまた道州制の推進を明言しており、3月8日、「道州制基本法制定についての、日本維新の会との協力に前向きな姿勢を示した」(リンク)。3月22日には自民・公明の幹事長が会談し、「道州制基本法案や児童買春・ポルノ禁止法改正案など十数本程度」を議員立法で今国会に提出する方針を確認している(リンク)。今回道州制がまたもや俎上に上ってきているが、これは各州が規制緩和競争を繰り広げる市場原理主義の極みとも言えるもので、国家の解体と言える代物である。これはTPPと密接に関連したものであると言えるだろう。 安倍がさらに狙うのは憲法改正である。私は改憲議論自体を否定しないが、以前にも述べたように在日米軍総撤退・基地の総返還なしの憲法9条改正には断固反対である。自主憲法を言う前に、在日米軍という敗戦以来続く占領軍の総撤退と自主防衛を先に議論をして道筋をつけなければならない。現在の改憲論は本末転倒しているのだ。TPPすら蹴れずに、国を売り払うような人間が自主憲法を言うこと自体がそもそもおかしいのである。このような人物たちが主導する改憲など、ろくな結果にならないと思う。 IMFに屈服し、外資に食い荒らされて資本のネオ植民地となった韓国は、昔から軍隊を有しているが、米軍が駐留しており、韓国軍の有事指揮権は米軍にある。軍を持ったところで、外国軍の駐留を認める間は、真の独立国家となりえないのは韓国の例が示している。韓国の如く、戦争屋の儲けのために、米国の言いなりで大義名分なき局地紛争に遣い走り的に派兵されられ、巻き込まれるだけというオチになりかねない危険な代物だ。 <「親学」による結びつき> 安倍と橋下を結びつけるもう一つの点は「教育改革」なるものである。安倍は「維新の会が進めてきた教育条例について、(第一次)安倍政権で改正した教育基本法の精神を現場で実行していこうとするものだ」として評価している(リンク)。ところが、この維新の教育条例は市民の大きな批判を浴びて撤回されている。安倍と維新の「教育改革」なるものに横たわっているのは、疑似科学と批判を浴びている「親学」である。 安倍と橋下維新の接触は2012年2月の教育関係の講演会で、松井一郎と対談したことに始まると安倍自身がインタビューで述べている(リンク)。このインタビュー記事では触れられていないが、この「教育関係の講演会での対談」とは、「日本教育再生機構」という団体が発行する雑誌が企画したパネルディスカッションで、2012年2月26日に行われた(リンク)。 この「日本教育再生機構」という団体は「新しい教科書を作る会」の元メンバーで安倍のブレーンであった八木秀次が結成した保守系団体で、この安倍と松井が対談した時のパネルディスカッションに八木もパネリストとして参加している。この団体の理事には「親学」を提唱する高橋史郎も理事に名を連ねている。これらの団体・人脈は安倍の教育観に大きな影響を与えており、安倍は親学推進議員連盟の会長となっている。また「日本教育再生機構」は維新の会との関係を深めており、また排外主義団体である在特会関係者もパネルディスカッションに招いたりしている(リンク)。在特会と維新の会の関係についてはさまざまな所で指摘されている(リンク1 / リンク2 / リンク3)。また小林よしのり氏は安倍晋三の背後にも在特会の存在があると指摘している(リンク)。 大阪維新の会は高橋の助言を得て「家庭教育支援条例」案を2012年5月に提出したが、条例案の内容が公になり、医師や市民から大きな批判を浴び、橋下徹大阪市長がその批判に同調する体裁を取って維新の会のみに責任をなすりつけて梯子を外し、撤回に追い込まれる騒ぎとなった(リンク)。 <カジノとパチンコによる類似性と結びつき> さて前項で見てきたように、復古的な教育を目指すという点で共通し関係性を持つに至った維新の会と安倍であるが、その「復古的な教育」のイメージとは全く対照的に、両者は賭博関連においても結びついている。 大阪カジノ構想は橋下が大阪府知事だった2009年から立ち上げられ、企画は着実に進められている。2010年10月28日にカジノ議連所属の国会議員を招いて東京都内で開かれた「ギャンブリング・ゲーミング学会」の総会に出席した橋下知事(当時)は「日本はギャンブルを遠ざけてお坊ちゃま、お嬢ちゃまの国になっている。ちっちゃい頃からギャンブルを積み重ね、勝負師にならないと世界に勝てない」と、自身の教育観を披歴している(リンク)。 2013年1月11日に安倍が大阪まで出向き、橋下と会談した際、橋下は安倍にカジノ実現のための法整備を要請した(リンク)。そのすぐ後の1月23日に安倍首相直属の「産業競争力会議」の第1回会合で、委員である三木谷浩史・楽天社長がカジノの開設と風営法の緩和を提案した(リンク)。1月26日、大阪市はカジノ・リゾート施設の誘致に向けて調査費用を2013年度予算に計上する案を示した。日本維新の会も通常国会にカジノ合法化法案を提出する予定だという。 この「大阪カジノ構想」の過程でこれに興味を示した在日韓国系パチンコ大手マルハンと橋下との結びつきについては週刊誌で既に報じられている(リンク)(*なおマルハンの経営者は日本国籍取得済みとのことである)。その他橋下維新の有力パトロンとしてこの記事で報じられている南部靖之・パソナ社長と、橋下と意見交換をした孫正義とは第一次安倍政権の経済ブレーンである。 橋下が大阪カジノ構想をぶち上げたのは2009年9月のことであるが、ちょうどそれに呼応するように、翌2010年4月10日に通称「カジノ議連」と呼ばれる国際観光産業振興議員連盟が結成された。実は安倍晋三はその議連の最高顧問に名を連ねている。ウィキペディアによれば、『初期の報道では、この議連は通称カジノ議連と呼ばれ、「カジノの合法化による観光産業の振興を行うと同時に、パチンコの換金合法化を目的としている」とされたが、あたかもそれだけを目的とするものであるかのような誤解を招くことから、略称を正式にIR議連とした』とのことである。しかし、別の略称を定めたとて、「パチンコの換金合法化」をその目的から外したわけではない。 安倍晋三の父・晋太郎は義父の岸信介と同様、韓国政界と太いパイプを有していたことで知られるが、在日韓国系のコネクションも強かった模様である。晋太郎は地元の在日韓国系パチンコ企業である七洋物産の経営者と親密な関係で、晋太郎の福岡事務所はそのパチンコ企業の所有であったといい、息子・安倍晋三の下関事務所も同じくそのパチンコ企業のものだ報じられている。同じ記事によれば安倍家とこのパチンコ経営者の関係は、「1980年代末に癒着批判が出るほど緊密だった」という(ウィキペディア「安倍晋太郎」 / 朝鮮日報記事(ウェブ魚拓)リンク)(*なおこのパチンコ企業の経営者は日本国籍取得済みとのことである)。 <安倍晋三と暴力団関係者のスキャンダル> 話は少々脱線するが、週刊ポストが2012年10月15日の記事で流した、2008年に撮影された安倍晋三と暴力団関係者とマイク・ハッカビー元アーカンソー州知事の3人が映った写真について述べておく。ハッカビーは2008年の大統領選挙に立候補を表明し共和党予備選を戦ったが後に撤退。その後来日した。写真はその時のものである。ハッカビーのブログからは、氏が6月16日頃に来日して数日間日本に滞在し、東京や東北大学で講演を行ったということがわかるのだが、前年9月まで日本の首相であった安倍と会談したことについてはなぜか触れられていない。2012年末にこのスキャンダルが明るみに出た後、ハッカビーはこの暴力団関係者については初めて会った、会談のセッティングは第三者によって行われたとし、自身と暴力団との結びつきを否定している(リンク)。 安倍とハッカビーと共に写真に写っているこの渦中の人物は永本壹桂こと孫壹桂(ソン・イルジュ)という男で、山口組系暴力団の企業舎弟の実質オーナーで大物金融マフィアと言われるばかりでなく、北朝鮮にカネを大量送金をしている疑いのある在日朝鮮人でもある(国籍は韓国となっているが、もともとは北朝鮮系とのこと)。孫は井上工業架空増資事件で無登録貸付の疑いで2012年3月に逃亡先の韓国から戻った後逮捕され(リンク)、12月に東京地裁によって懲役3年、執行猶予5年、罰金2500万円の判決を言い渡された(リンク)。週刊ポストに流出写真が掲載されたのは、孫への判決が出る前の10月のことである。 孫壹桂の関与が疑われたのは井上工業の事件のみではない。2008年4月に発覚したインデックス所有の学研株が流出した事件でも関与が取り沙汰された。また、同年6月12日には、サハダイヤモンド所有の田崎真珠株が孫が実質支配する「神商」に渡っていたことも発覚している(リンク)。 更に同年8月にはトランスデジタルの株券乱発事件に関連して、またしてもその名が浮上している。このトランスデジタル事件に関しては、8月7日にトランスデジタルの子会社であるメディア241がチャンネル桜の協力で『ガンバレ自衛隊!』という番組の制作を発表し、「歴代の防衛大臣をはじめ自民党防衛族、在日米軍や防衛省関係者など400人を招いた。出席した歴代の防衛大臣は、現職の林芳正のほか、石波茂、小池百合子の3氏。トランス社が不渡りを出す3週間前のことであった」(リンク)。この盛大な制作発表会は、前もって仕組まれたトランスデジタルの計画倒産の一部として利用されたのではないかと指摘する声もあり、メディア241の親会社トランスデジタルと反社会勢力の関連から、チャンネル桜の水島聡は苦しい弁明に追われている(リンク)。 孫は捜査当局が長らくマークを続けていた人物であったのだが、井上工業架空増資事件でようやく逮捕にこぎつけたと言える。 また孫壹桂の北朝鮮送金疑惑に関しては実態はどのようなものかわからぬが、以下のような孫の知人の証言がある。 … Continue reading

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安倍政権は紛れもない新自由主義政権である。茶番と嘘の上塗りとナイーブな傷の舐め合いをやめ、現実を直視せよ!

<当ブログ「橋下維新は答えではない!」シリーズ:橋下維新の正体↓> その①ファシストは人々の心に巣食うファシズムに囁きかける その②形骸化する民主主義:選挙で選ばれぬ人たちが政治を動かしている その③選挙で選ばれぬ新自由主義者たちによって売りに出される大阪:大前研一と竹中平蔵の影 その④【地下鉄利権】関西私鉄幹部が大量に大阪市参与に就任していたことが判明。裏で進められる公共財の解体と簒奪。/一刻も早く橋下リコール運動を開始すべし。 その⑤【大阪地下鉄民営化利権続報】在阪マスコミは関西私鉄の事実上支配下にある!マスコミが橋下維新・地下鉄「民営化」問題を報じない理由 [安倍晋三による売国宣言] なぜ書くのかと自問することがよくある。このブログを書き始めてから、時折自分のブログは日本の滅亡の歴史の克明な記録になるのではないかと感じることがよくあるからだ。安倍政権によって日本は確実に「資本によるネオ植民地化=韓国化」が進められようとしている。 2013年3月15日夕、中身を全く伴わぬ既に反対派に論破されたところの推進論と同じ内容の宣言文を、安倍晋三はなにやら悦に入ったような調子で読み上げた。 「TPPはアジア・太平洋の「未来の繁栄」を約束する枠組みです」 「こうした国々と共に、アジア太平洋地域における新たなルールをつくり上げていく」 「その先にある東アジア地域包括的経済連携/RCEPや、もっと大きな構想であるアジア太平洋自由貿易圏/FTAAPにおいて、ルールづくりのたたき台となるはずです」 「今がラストチャンスです。この機会を逃すということは、すなわち、日本が世界のルールづくりから取り残されることにほかなりません」 「TPPへの交渉参加はまさに国家百年の計であると私は信じます」 これまでのTPP反対派から提示された議論や指摘を悉く無視した、推進派のこれまで繰り返してきた空疎なキャッチコピーの羅列の如きこの駄文によって、日本は売り出されたのだ。 私が従来から安倍に対して抱いていた不安は選挙前の記事で既に書いておいたが、それが不幸にも的中した。かつここまでぬけぬけとやられると、何を言ってよいのやら言葉を失った。予想を大きく裏切って欲しいと内心はずっと思っていたのであるが、安倍はやはり従来からの言動の延長線上に、ブレることなく「スピード感をもって」売国TPP交渉参加へと突き進んだ。 そして何よりも絶望的な気分にさせられるのは、安倍が交渉参加宣言をした直後に行われた世論調査で安倍政権の支持率がむしろ上がって7割を超えるに至ったということだ。マスコミが数字に下駄をはかせている可能性もあるが、それを差し引いても6割はあるだろう。TPP反対派の声は広く国民に届かなかったと言って等しい。ネットは情報が玉石混交であるが、ネットの外の現実の世界はまるで別世界のようである。 民主党政権のひどさと、安倍政権発足早々の円安・株高を見て、疲弊した国民が藁にもすがる気持ちで安倍政権を支持するという心情は理解できないこともない。自民党にかつての「古き良き」時代の面影を見出だしている人たちもいることであろう。(尤もそのような自民党は小泉の時代に「ぶっ壊され」、失われてしまったものであるが)。 しかし株価やGDPは国民の生活の向上を示す指標ではないことは小泉・竹中の構造改革の後を見れば明らかで、(カラ求人を除く)実質の求人率・就職率・給与の上昇や失業率・非正規雇用・生活保護受給者の減少などが伴って初めて庶民の暮らしは向上に向かう。たとえ企業業績が快方に向かったとしても、それがこうした「庶民の為の指標」の動きを伴わず、株主配当と役員報酬と内部留保に充てられるのみでは、庶民の生活が良くなることはない。 そしてこうした国民の期待は、この後に来るであろう、規制緩和・構造改革・消費税増税・TPP加盟・道州制によって大きく裏切られることになるのではないだろうか。泣きを見るのは現在安倍政権を支持している大多数の庶民に他ならない。 安倍がTPP交渉参加宣言をした翌日、これまで最もTPP問題を詳しく報じてきた日本農業新聞は渾身の論説「主権放棄の売国許すな」を掲載し、TPP交渉加盟を決断した安倍を強く非難した。以下冒頭部分を引用する。 <引用開始>————————————————– 満腔(まんこう)の怒りをもって、安倍晋三首相の環太平洋連携協定(TPP)交渉参加表明を糾弾する。表明は民意無視の暴挙であり、重大な公約違反と断ずる。国益に反する「壊国」協定に何の成算もないまま突き進むことは、主権放棄に等しい。情報開示や国民的議論がないまま、国家の根幹に関わる政治決断が下されたことは、不信任に値する。売国的参加に一片の大義なし。首相は国民に信を問え。 <引用終わり>————————————————– また同日の日本農業新聞には田代洋一・大妻女子大学教授の談話も掲載された(リンク『田代洋一大妻女子大学教授に聞く 幻想の排除を 粘り強く訴える』にゃんとま~様によるまとめ)。この中で田代教授が訴える「まずは一切の幻想を捨てる」という点に感銘を受けた。「自民党への幻想」「聖域確保という幻想」「条件闘争という幻想」、こうした幻想を一切捨てて、推進派の仕掛ける分断の罠に陥らず、情報を自ら取りに行き、訴えを拡散することを徹底するよう、田代教授は述べている。 [安倍晋三:愛国者を騙る新自由主義グローバリスト] さてTPPを阻止していく上での前提条件として、私が上の田代教授の話に付け加えるならば、「安倍晋三という幻想」も捨てよということである。安倍晋三はいかにも愛国者であるかのようなイメージが付き纏っているが、それは安倍が再軍備を主張し、国家主義的に聞こえる政策を主張をするタカ派の政治家であることに依るところが大きい。これは、国家が国民に対して大きな力を持つか、あるいは国民が力を持つのかという「国権論vs民権論」の中で論ずべき範疇のものである。国権論者やタカ派であることが即ち愛国者であることを意味するものではないのは明白だが、こうした国権論者には「愛国者」の称号が与えられて持ち上げるということがしばしば行われる。安倍の掲げる「美しい国」の中身が一体何であるのかを問うことなく、そうした称号が与えられているということであろう。ところが安倍は従来からTPPに賛成であり、かつ道州制にも賛成である。安倍は一見国家主義者に見えるものの、道州制にも賛成であることから実は国権論者でもないことになる。 私が見るところ安倍晋三は紛れもない新自由主義グローバリストである。事実を子細に分析していけば、逆に安倍が新自由主義者でないということを主張することの方が著しく困難であることがおわかりいただけることと思う。 私は衆議院選挙公示直前のブログ記事で以下のように書いた。少し長くなるが極めて重要な部分であるので引用する。 <引用開始>————————————————– [安倍晋三に対する拭えぬ不安・危険だった東アジアサミット] 冒頭に述べたように、未来の党などが300人規模の候補者を擁立できないのであれば、安倍晋三が首相となって民自公体制が続くものと思われる。自民党内のTPP反対派が安倍を擁立したので様子を見守っていたのであるが、安倍は従来からTPP容認の立場であったし、最近になってTPP交渉参加容認の発言をしており、それが非常に気になる点である。 オバマが米大統領に再選された直後、狙いすましたかのように日本の大手マスコミは各社一斉にTPP推進キャンペーンを始めた。日米財界人会議が日本で開かれ、その後野田首相が東アジアサミットに出席するという日程の中で、このキャンペーンは張られた。野田に東アジアサミットの場で交渉参加表明をさせようという意図がありありとわかる露骨なキャンペーンであったのだが、安倍はこの最中に「TPP交渉参加容認発言」をしている。 TPP反対派は交渉に参加すれば抜けられぬことを知っているのであるから、本当に反対であるのなら、交渉参加容認発言は出ないはずである。ところが安倍はそれをした。そしてすぐさま米倉・経団連会長がそれを持ち上げるという展開になった。 その後、経済産業省側が「まだ事前交渉が終わっていないので交渉参加表明はできない」と言い出した。つまりこの一連のキャンペーンは、野田政権がマスコミを使ってやったものではなく、財界側がマスコミを使って行ったものである可能性が非常に高いと思われる。要は死に体の野田首相に最後の役目として交渉参加表明だけさせて使い捨て、交渉から抜けられなくしておいてから、次の安倍政権に交渉を引き継がせようという魂胆であったのだろうと思う。この過程に自民が一枚噛んでいるのかどうかはわからないものの、それではなぜ安倍はあのタイミングで交渉参加容認発言をしたのだろうか。 野田が交渉参加表明をこの時にできなかったのは非常に幸運であった。しかしまだ野田が首相である限り同様のことをする可能性は残されているわけであり、警戒を要する。 安倍はその後自民党内の反対派の突き上げを食らい、「聖域なき関税撤廃をするTPPには反対」という文言にとりあえずは落ち着いている。しかしTPPは関税だけが問題ではないのは明らかであり、この文言も相当に不十分で不安を惹起するものと言わざるを得ない。 <引用終わり>————————— 最近になってこの当時から安倍がTPP交渉参加宣言をするに至るまでの舞台裏の一端が読売新聞によって記事にされた。それによるとなんと安倍の盟友・麻生太郎が選挙戦のさなか、野田首相(当時)に電話して、TPP交渉参加を宣言するよう依頼していたというのである。 <引用開始>————————————————– … Continue reading

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維新の躍進と中道左派の壊滅に見る民主主義の危機と新自由主義の病巣

<当ブログ「橋下維新は答えではない!」シリーズ:橋下維新の正体↓> その①ファシストは人々の心に巣食うファシズムに囁きかける その②形骸化する民主主義:選挙で選ばれぬ人たちが政治を動かしている その③選挙で選ばれぬ新自由主義者たちによって売りに出される大阪:大前研一と竹中平蔵の影 その④【地下鉄利権】関西私鉄幹部が大量に大阪市参与に就任していたことが判明。裏で進められる公共財の解体と簒奪。/一刻も早く橋下リコール運動を開始すべし。 その⑤【大阪地下鉄民営化利権続報】在阪マスコミは関西私鉄の事実上支配下にある!マスコミが橋下維新・地下鉄「民営化」問題を報じない理由 本来であれば総選挙が終わった後、12月中にブログを更新すべきであった。ツイッターでつぶやいてきた断片的な意見・感想を基に、ここで長い文章にまとめておきたいと思う。 自民党が圧勝するであろうことは当初から予測されていたが、私が何よりも愕然としたのは、新自由主義勢力の維新がいきなり50議席も獲得する大躍進をし、みんなの党も議席を伸ばし、さらに民主党ではTPP・消費税増税・再稼動を積極的に推進した議員ばかりが生き残ってあたかも松下政経・新自由主義党となったかのような形で中途半端に残って、これら新自由主義3党で野党の主要構成員となるその一方で、TPP・消費税増税・再稼動のいずれにも反対を掲げた中道左派政党が壊滅状態に追い込まれたということである。自民党が勝ちすぎたせいで、維新がキャスティング・ボートを握ることもなく、連立にも加われなかったということは不幸中の幸いであると言える。 前回の選挙前の記事ではタイトルを「踏み止まることができるのかが問われる総選挙」としたが、野党の現状を見れば「踏み止まれなかった」と言わざるをえない。 今回の記事では中道左派の壊滅・維新の躍進から考えたことと、なぜ日本の民主主義は窮地に追い込まれたのかということ、そして今後の政治をどう見ていくのかについて私見を書きたい。 [新自由主義との対決を鮮明にできなかった中道左派の壊滅:未来の党の失敗] 消費税増税法案に反対して民主党を離党した小沢グループの大きな失敗の一つは、単純に「民自公」を敵と想定したことだと思う。民自公3党が賛成した消費税増税を主要な軸としてしまったがために、そのまま「民自公」を敵としてしまったということであろう。 そのために当初から反増税・脱原発のみ打ち出すことで、維新との連携にも色目を使うという中途半端な戦術を引きずり、結果として反TPP・反新自由主義の明確な受け皿にならず、維新との明確な差別化にも失敗した。これがもしTPPを軸とした政界再編に持ち込んでいたとしたならば、かなり異なる対立構図となっていたに違いないと思う。 そして小沢氏が起死回生のために土壇場で担ぎ出した人間も問題が多かった。「もったいない」緊縮路線の嘉田由紀子氏では反デフレ・経済政策重視の国民をひきつけることは到底できず、また原発停止よりも再生可能エネルギー普及に重点を置くことが突出した飯田氏では、脱原発派の支持も十分に得られるようには思われなかった。 嘉田氏の側近とされる飯田哲也氏はそもそも橋下維新のブレーンであり、また嘉田氏の主催する未来政治塾の講師には古賀茂明や上山信一といった橋下維新のブレーンである新自由主義者が名を連ねている。嘉田氏はイメージ的には左派リベラルと見えるが、実のところは、その「もったいない」緊縮路線と相まって、新自由主義と親和性が高く、橋下維新とも政策的にも似通った部分が大きいように思われる。このことに関しては選挙前のブログ記事ですでに懸念を述べておいた。 代表代行である飯田氏が恐らく自分の小選挙区での敗北を見越して自らは3位であったところの比例順位を上げるためであろう、未来の党の比例名簿の小選挙区重複候補を各ブロックの同列1位とするように公示日に全面差し替えを命じ、大混乱を引き起こして醜態を晒した。しかもこれによって比例単独候補は順位を下げられた。一例を挙げると、票の掘り起こしを期待され長崎2区からわざわざ近畿ブロックに回り、比例2位で出馬する予定で嘉田氏と記者会見まで開いた福田衣里子候補は、当選圏外であることが出馬前からわかりきった最下位の14位とされてしまった。飯田氏の横暴と飯田氏をかばった嘉田氏の独善性がこの時点で既に垣間見られ、未来の党の分裂は既に始まっていたといえるだろう。選挙後に分裂に至ったのは至極当然のことと言える。しかし拭えぬ疑問は、何故に小沢氏は嘉田氏や飯田氏のような橋下維新ともつながるこのような人物たちに白羽の矢を立てたのであろうということだ。 選挙結果を見ても明らかなように、政策ではバラバラの集団である自民が団結を維持することで小選挙区制の特性を十分に活かし一人勝ちした。つまり民主を大きく分裂させることができず、さらに自民を政界再編に巻き込めなかった時点で小沢グループは負けが半分確定していたようなものと言える。 知名度では従来からマスコミに頻繁に取り上げられた維新に分があり、急ごしらえの未来は分が悪かった。従来から拙ブログでは主張してきたことであるが、同じ賭けに出るのであれば、小沢Gが自ら据えた「反増税・脱原発」という軸よりも、「反TPP・反新自由主義・反デフレ」を軸として自民にも揺さぶりをかけて早い段階で再編をしかけてほしかったと思う。 自民一人勝ちの裏で維新とみんなという新自由主義勢力が躍進し、中道左派が新自由主義との対決を明確にできず、迷走した挙句壊滅状態になり、更に予期された内紛で分断に至ったのは非常に残念に思う。マスコミの偏向報道も響いたことは間違いなかろうが、何よりも反省の上での再出発が必要と思う。 [維新の躍進に見る瀕死の民主主義/「政治改革」の失敗とエリートの裏切り・1%化] 今回の選挙で新自由主義政党の維新がいきなり50議席も獲得して大躍進した(これがもし完全比例代表制であったとしたら100議席近くも獲得していたという計算もある)ということは非常に重く受け止めるべき事態である。有権者がその掲げる政策を正しく理解して合理的な投票をしたとは到底思えない。庶民は自分で自分の首を絞める選択をしたとしか私には思えない。これが意味するものは何なのかを考えてみたいと思う。 政治学者・山口二郎らが旗を振った小選挙区制を中心とする所謂「政治改革」というものは、この20年を振り返れば、失敗であったと思う。政権交代が可能となったという評価もあるだろうし、確かに希望を抱かせるような時期があったことは確かである。まだ過渡期にあるからだという見方もあるだろう。 しかし、ここまでの結果として言えるのは、「政治改革」がもたらしたものは「不安定化」である。小選挙区制であれ、比例代表制であれ、「国民が直接政権を選択する」というキャッチフレーズはいかにも聞こえがよいが、それは民主主義の健全な基盤が機能している上での話である。残念なことではあるが、その基盤が失われ、国民がアトム化した現状でもたらされたものは、マスコミによる扇動・操作であると思う。私はそもそも比例代表制が相応しいと思っているが、かくなる現状を見ると、民主主義の基盤の再構築を急ぐと共に、こうした現状に追い込んだ要因を逆方向に修正しながら除去していくことの方が急務であると思うに至った。 「風まかせ」の選挙によって、「チルドレン」と呼ばれる未熟な議員が大量生産され、政治家を育てるシステムが崩壊し、議員の立法力が弱められ、結果として立法府たる議会そのものが弱体化する結果を招き、過去記事でも既に述べたが、諮問機関などを根城にした「選挙で選ばれることのない権力者たち」の力を肥大化させてしまった。今では地方公共団体にまで彼らの影響力が広まっている。「選挙で選ばれる者たち」の力が弱まり、「選挙で選ばれぬ者たち」の力が強大化することは、即ち民主主義の形骸化・弱体化であり敗北である。 そして維新を躍進させた「民意」というものを考えるとき、民主主義を支える社会的基盤の弱体化も顕著となっていると思う。「B層」という言葉があるが、事態はより深刻であり、マスコミにさんざんかき回され、論点の整理もされぬまま、理性的・合理的な判断などそもそもできないような状態に多くの国民は置かれているのが現実なのだろうと思う。 中間層の没落と中間団体の弱体化が80年代から続き、都市部を中心に国民がバラバラに切り離されアトム化が進んでしまった。こうした現象が小選挙区制と相乗効果を引き起こし、結果マスコミが猛威を振るう土壌を生み出してしまったのだと思う。 ベストだとは決して思わないし、異論もあることは承知だが、現在の状況を見ると、中選挙区制の下ながらく続いたところの所謂「55年体制」(社会党は最大野党でありながらも政権を取ることはなく、自民党の事実上一党支配体制であった)は、硬直的な体制ではあったものの(ダイナミクスは自民党内部の抗争によって生じた)、今の状態よりは庶民にとっては随分マシであったと思う。当時は社会党が最大野党として存在し、その他は中道左派と共産党であり、それらの政党が政権を監視することとなり、結果自民党政権は極端な方向にブレることは殆どなく、再分配も現在よりは随分とまともに機能していた。また当時は官僚は財界を指導する優位的な立場であり、力関係でも勝っていたことから、天下りをする官僚はあっても、カネで買われて露骨に国を売る官僚というものは出現しなかった。またマスコミはここまで露骨に政治介入をすることがなかった。 こうした政治体制が大きく転換し始めたのがバブル崩壊後の90年代であろう。これは山口二郎の「政治改革」や中谷巌・宮内義彦らが率先した新自由主義と軌を一にしている。「改革」がもてはやされ、「リベラル」という言葉の意味が変質し、いつしか「ネオ・リベラル」をも指す言葉になってしまった。その裏では規制緩和と雇用流動化が推し進められ、それが中間団体に打撃を与え、中間層の没落を惹起することとなった。こうして民主主義の基盤たるべき中間団体・中間層の解体が促進されてしまい、その一方で外資の国内経済乗っ取りが進み、従来保たれていたアクター間のバランスが崩壊し、資本の力がかつてないほど強大化し、他を圧倒するに至った。経団連の政策に悉く追随する最大労組の連合はこの現状をよく表していると思う。 このような中で、売国政策を推進する政治家というものが資本の後押しで出現し始め、さらには国を売る政策を立案する官僚という従来では考えられなかった「新しいタイプ」の官僚が生まれてきただろうことは想像に難くない。そして資本によって買われて送り込まれる「資本の御用学者・エコノミスト」(単なる資本の要求を、あたかも国家全体が推し進めるべき合理的な政策であるかのように学術的な装飾を施してお墨付きを与える)と呼ぶべき人々がメディアや政府諮問会議や「民間有識者会議」なるものに跋扈し始めたのもこの時期であろう。アカデミズムそのものも国立大学独立行政法人化や産官学連携による資本への依存が進み、大学そのものの新自由主義化が進行し、学問の独立性は脅かされ堕落が進んだ。 エリートの裏切りと新自由主義化とそれらの談合による「1%化」というものはこのようにして形成されてきたものだと思う。 そして大手マスコミの変質もこの時期から始まり、他のエリートたちと同様に、小泉政権の頃に決定的に国民を裏切り1%新自由主義側につくことを決めたかのように思われる。 政治家がテレビに出演して政策を訴えることを「テレポリティクス」と呼ぶが、今ではマスコミは中立をかなぐり捨て、国民を扇動し「民意」なるものを形成するために積極的にプロパガンダ的報道を行う「ネオ・テレポリティクス」と呼ぶべき事態が進行しており、古典的な意味における「テレポリティクス」とは区別をすべきである。郵政民営化・郵政選挙における報道でそれが顕著に現れ、近年は「テレビがひり出した汚物」(辺見庸)と形容される橋下徹のゴリ押しが進められてきたことも皆様の記憶に新しいことと思う。今ではTPP問題に関して大手マスコミは根拠なき楽観論を振りまく「資本の御用学者」やコメンテーターばかりをメディアに登場させ、推進論ばかりを垂れ流すという異常事態になっている。今やマスコミこそが日本の民主主義を阻害する直接的な最大の敵と呼ぶべき状況となっている。TPP反対の抗議運動は大手マスコミそのものやそれらの覚えのめでたい「資本の御用学者」たちに対しても向けられるべきであると強く思う。 [野党が新自由主義勢力に占められた意味/「野党力」が安倍政権を1%側にシフトさせる危険性] 中道左派が壊滅状態に追い込まれ、それに取って代わるように維新・みんな・民主残党という新自由主義勢力が野党の主要な勢力となってしまったことは悲劇である。庶民側に寄り添う野党が主勢力としては存在しないに等しいような状況となってしまったのであり、我々は事態を深刻に受け止めるべきである。TPPに関して見れば、内部に大量の反対派を抱えた「慎重」な自民政権を、「推進」の野党が取り囲む状況になっているわけで、極めて危険な状況にある。TPPを国内で潰せるとしたら、それは自民の内部によってのみという状況になった。 仮にかつての社会党が野党第一党として存在していたとしたならば、そのチェック機能によって政権が庶民サイドに振れることはあっても、1%側に振れることは難しかったであろう。TPPは頓挫し、軍国主義的な政策も頓挫することで、結果として安倍政権は経済政策に集中し、後から振り返って見れば上出来の政権と言われることになったかも知れない。「野党力」というものは実は非常に重要であると思う。 ところが現状はその逆で、1%側代理人勢力が野党の主勢力であることから、彼らは絶えず自民政権を1%側の視点から監視するということになる。これでは政権が庶民サイドに振れることは難しく、絶えず1%側に振れるベクトルで圧力が働くことになる。 安倍晋三はそもそも西田昌司らTPP反対派に担がれて自民総裁となったのであるが、安倍自身は従来からTPP推進の立場であり、更に産業競争力会議の委員として、橋下維新の黒幕的存在でかつ韓国の李明博・新自由主義政権の顧問であった竹中平蔵を筆頭にTPP推進派を大量に登用しており、更に国会審議を巡って橋下徹に協力を求めるなど、早くも危険信号が点っている。維新は現在のところ与党入りしていない状況であるが、今後の政局や参院選の結果次第では竹中平蔵をブリッジにして維新との連携や連立に走り、大きく1%新自由主義グローバリズム側に傾く可能性がある。 自民が選挙で掲げたキャッチフレーズは「日本を取り戻す」であったが、自民の内部は実のところは、「日本を取り戻す」派と「日本を売り払う」派が暗闘する構図で、民主党政権で見られたのと同様、安倍政権でもTPPを巡ってこの両派及び日和見派を巻き込んだせめぎあいが続くものと思われる。この戦いの結果如何で「日本を取り戻す」の意味は大きく変質することになりかねない。日本を新自由主義グローバリストたちの手から国民に取り戻すのか、あるいは、単に民主党から利権を取り戻してそれを売り払うというだけのことなのか、我々は細心の注意を払う必要がある。 ひとつまかり間違えば、アジア通貨危機後、IMF支配による門戸開放と構造改革の貫徹によって外資に国内経済を乗っ取られた韓国と同じ轍を踏むことになるやも知れぬ瀬戸際にあると言える。 [中道左派は周回遅れの緊縮脳から脱却せよ/反緊縮・反新自由主義グローバリズムこそが本来掲げるべき旗である] … Continue reading

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踏み止まることができるのかが問われる総選挙

<当ブログ「橋下維新は答えではない!」シリーズ:橋下維新の正体↓> その①ファシストは人々の心に巣食うファシズムに囁きかける その②形骸化する民主主義:選挙で選ばれぬ人たちが政治を動かしている その③選挙で選ばれぬ新自由主義者たちによって売りに出される大阪:大前研一と竹中平蔵の影 その④【地下鉄利権】関西私鉄幹部が大量に大阪市参与に就任していたことが判明。裏で進められる公共財の解体と簒奪。/一刻も早く橋下リコール運動を開始すべし。 その⑤【大阪地下鉄民営化利権続報】在阪マスコミは関西私鉄の事実上支配下にある!マスコミが橋下維新・地下鉄「民営化」問題を報じない理由 [選挙後もせめぎあいの状態は続く] 日々情勢が目まぐるしく変化する中で、ツイッターでは逐一情報を追いかけていたが、多忙のためじっくりブログを書く時間がなかった。そうこうしているうちに4日の衆議院選公示を迎えることとなった。公示後は特定候補への投票を呼びかける内容をネット上で書くことができないとのことである。評論や自分の意見表明であれば問題はないと私は判断している。 このまま行けば、自民党が第一党となり、自民中心の政権が誕生する可能性が高いと思われる。大手マスコミはこれまで盛んに自民・民主・維新のみを取り上げ、未来の党に合流する前の「国民の生活が第一」を徹底して無視して報道しないという偏向報道を行い、あたかも自民・民主・維新の3政党が合い競っているかのような報道をしてきていた。しかし現実を見れば、民主・自民・公明の3党こそが野田内閣が推進した消費税増税法案を成立させたのである。対立しているかのように見えたのは解散の時期を巡ってのことであり、今回の解散前から民自公3党は協力体制をとっており、また参議院のねじれがあることから、恐らくこの枠組みは選挙後も変わらない可能性が非常に高い。石破茂・自民党幹事長はすでに選挙後も民自公体制を維持することを表明している。つまり民自公の3党が過半数を制すれば、首相の座が民主から自民に移ることはあっても、与党の枠組みは変わらないということになる。 マスコミが「第3極」として大々的に報じていた維新に関しては、当ブログで指摘した通り、国政への野心を顕わにし、それまで黒幕的存在であった竹中平蔵が候補者選定や政策作成で前面に出てくる形となり、新自由主義色の濃い政策を発表していた。当初、同じくTPP推進を掲げる新自由主義政党であるみんなの党と政策協定を結んだりしていたのだが、維新が石原慎太郎らと合流し、みんなの党は合流をしないことになった。維新の政策は当初から新自由主義色の極めて強い庶民にとってみればまさに自分の首を絞めるだけのように思われる政策がずらりと並んでいたのであるが、石原一派が加わって、数少ない目玉政策であったはずの増税反対は増税容認へと変わり、脱原発は一体何がどうなのか判然とせぬいかがわしいものとなり、ますます支離滅裂で一体誰が支持するのだろうかというグロテスクな内容のものとなった。ここにきて失速気味で、恐らく増税反対や脱原発の政策に期待した人の票は未来の党へと流れ、保守票は自民へと流れることが予想される。が、依然としてマスコミの調査では支持率が9%前後もあり、油断できぬ状況である。 嘉田知事の呼びかけで脱原発・反TPP・消費税増税反対を掲げる勢力の結集が行われ、未来の党が誕生した。しかしながら、未来の党・社民・大地などが300人規模の候補者を擁立できず、現状で伝えられている150名ほどの候補者数に留まるのであれば、これらの枠組みだけで政権を担うことはできないことは明らかである。また参議院の勢力も少数に留まっていることから、政権担当は難しいと思われる。政権に食い込む場合も、他党との連立は避けられないことになるだろう。今回の選挙では勢力拡大をして基盤を築くことが現実的には当面の目標となるのではないだろうか。 以下政策別に投票するのであれば、どこがよいかということについて述べたいが、これはあくまで私の個人的見解であることをご了承いただきたい。 [脱原発という観点で見た投票先] 【社民党・共産党・大地・新党日本・未来の党】 民主・自民・公明・国民新党・新党改革では原発は当面止まることはないだろうと思う。そしてみんなの党及び維新の会はTPPに賛成であることから、脱原発に本気で取り組む政党であるとは私は看做さない。むしろこれらに票を投じるべきではないと言える。 脱原発を重視するのであれば上記【】内の政党に票を投じるべきであると思う。 しかし未来の党の掲げる「卒原発」の内容は「国民の生活が第一」が掲げていた「脱原発政策」よりも残念ながら後退した内容となっていることは指摘しておかねばならない。「国民の生活が第一」の政策案ではガス・コンバインド・サイクル発電の増強で原発を「ただちに稼動ゼロ」を謳っていた。ところが、未来の党の「卒原発」では「再生可能エネルギーの普及」に重点が置かれているのが特徴で、即戦力であるはずのガス・コンバインド・サイクル発電に関する言及はない。恐らく代表代行となった環境エネルギー政策研究所所長で日本総合研究所主任研究員の飯田哲也氏の意向でこのようになったと思われる。「原発稼動ゼロから遅くとも10年以内の完全廃炉」と謳われているが、これは「今から10年後の2022年」のことを指しているのか、「いつの日か再生可能エネルギーが普及して原発を止めることができるようになってから10年後」(つまりいつのことかわからない)なのか、読みようによっては異なる解釈に理解できる。この点に関しては支持者は党に意見を述べたり、問い合わせをすべきであると思う。しかし、「未来の党」は脱原発派のせっかくの一大勢力結集であるのだから、これを失敗させてはならないと同時に思う。 [消費税増税反対という観点で見た投票先] 民自公・国民新・維新以外の政党が消費税増税に反対している。 [経済政策で見た投票先] 経済政策では「国土強靭化案」を発表した自民党が最も優れていると私は思う。藤井聡教授の魂のこもった政策であり、欧州で高まりつつある「反緊縮」とも合致し、高く評価している。残念ながら他党ではこれに比肩する政策が見当たらない。しかしながら、経済政策を除いては、時代錯誤のような憲法改正案や生活保護叩きなど目に余るものがあり、私は自民党を支持する気にはなれない。 維新やみんなの党は純然たる新自由主義・構造改革路線であり、全く支持できない。 未来の党は「デフレ脱却」を掲げているものの、「国民の生活が第一」の政策にはあった「積極的な財政出動」という文言が、未来の党の政策からは抜けてしまっているのがいただけない。代わりに「規制緩和」・「行政改革」といった構造改革・緊縮路線の文言が目立ち、民主党の失敗を繰り返すことが懸念される。「特別会計の見直し」は目玉と言えるが、これを実現するためには官僚との壮絶な戦いになるだろうことは想像に難くない。経済政策に関しては是非亀井静香を使って早急に書き改めていただきたいと思う。 「原発・消費税・TPP」のみが争点として言われているが、経済政策は非常に重要で、有権者がそれを投票の判断材料にする可能性は非常に高いといえる。これを政党は軽視すべきではない。 [反TPPで見た投票先] TPPは間近に迫った脅威であり、私個人は今回の選挙で最も重視している。仮に交渉参加となった場合、TPP反対論者が既に警告を発しているように、交渉からの離脱は事実上不可能であることを我々は肝に銘じておくべきである。推進派は「交渉に入って見て、嫌なら離脱すればいい」などと吹聴して回っているが、彼らは離脱が現実に不可能なのを承知の上でこのような戯言を言って国民を騙しているのである。詐欺に等しい。入り口はあっても出口はないのである。一旦交渉参加となった場合、TPPを拒否しうるのは、①交渉が決裂する場合か、②国会の批准において否決する場合のみとなる。つまり次期議会はTPPの批准を判断するものとなる可能性が高い以上、反対派を過半数にしておかねばならないのである。 政党でTPP反対を掲げているのは、脱原発と同じく、未来の党・社民党・大地・新党日本・共産党である。しかし一番重要な点は先も述べたとおり、これらの政党だけでは過半数を取ることができないということである。 自民党や民主党内部にも反対派はいることから、反TPPに関しては政党名で単純に票を投じることよりも、各選挙区ごとで異なる対応が求められると言えよう。私が重要と思う点は、候補者の主張をよく聞き、問い合わせ、「本物の」TPP反対派候補を当選させることに力を注ぐと同時に、隠れ推進派・日和見派を含む推進派候補を徹底的に落選させるということである。これは支持政党関係なく、徹底すべきである。 そして言うまでもないことであるが、TPP拒否を実現するためには、TPP推進の維新の会・みんなの党には絶対に投票してはならない。 [安倍晋三に対する拭えぬ不安・危険だった東アジアサミット] 冒頭に述べたように、未来の党などが300人規模の候補者を擁立できないのであれば、安倍晋三が首相となって民自公体制が続くものと思われる。自民党内のTPP反対派が安倍を擁立したので様子を見守っていたのであるが、安倍は従来からTPP容認の立場であったし、最近になってTPP交渉参加容認の発言をしており、それが非常に気になる点である。 オバマが米大統領に再選された直後、狙いすましたかのように日本の大手マスコミは各社一斉にTPP推進キャンペーンを始めた。日米財界人会議が日本で開かれ、その後野田首相が東アジアサミットに出席するという日程の中で、このキャンペーンは張られた。野田に東アジアサミットの場で交渉参加表明をさせようという意図がありありとわかる露骨なキャンペーンであったのだが、安倍はこの最中に「TPP交渉参加容認発言」をしている。 TPP反対派は交渉に参加すれば抜けられぬことを知っているのであるから、本当に反対であるのなら、交渉参加容認発言は出ないはずである。ところが安倍はそれをした。そしてすぐさま米倉・経団連会長がそれを持ち上げるという展開になった。 その後、経済産業省側が「まだ事前交渉が終わっていないので交渉参加表明はできない」と言い出した。つまりこの一連のキャンペーンは、野田政権がマスコミを使ってやったものではなく、財界側がマスコミを使って行ったものである可能性が非常に高いと思われる。要は死に体の野田首相に最後の役目として交渉参加表明だけさせて使い捨て、交渉から抜けられなくしておいてから、次の安倍政権に交渉を引き継がせようという魂胆であったのだろうと思う。この過程に自民が一枚噛んでいるのかどうかはわからないものの、それではなぜ安倍はあのタイミングで交渉参加容認発言をしたのだろうか。 野田が交渉参加表明をこの時にできなかったのは非常に幸運であった。しかしまだ野田が首相である限り同様のことをする可能性は残されているわけであり、警戒を要する。 安倍はその後自民党内の反対派の突き上げを食らい、「聖域なき関税撤廃をするTPPには反対」という文言にとりあえずは落ち着いている。しかしTPPは関税だけが問題ではないのは明らかであり、この文言も相当に不十分で不安を惹起するものと言わざるを得ない。 自民党もTPP反対派と推進派の寄り合い世帯であり、今は政権奪還という目標で一体化しているが、TPPが浮上すれば民主と同様分裂騒ぎに陥りかねない。TPPに関しては、候補者の主張をよく見極める必要がある。 [自民+維新の連立は最悪の結果を招く] そして自民に対するもう一つの不安は(自民に限らず他の政党にも勿論あるのであるが)、維新の会と連立を組むかも知れないということである。こうなればアジア外交は行き詰まり、改憲・再軍備・徴兵制などの議論が一気に沸き起こり、対中関係が非常に悪化するものと懸念される。安倍自民のみでもそうした不安が起こるのであるが、そこに維新も加わる連立であるならば、その傾向が増幅され、一気におかしな方向に暴走を始めるやも知れぬ。今は被災地の復興と国内経済の建て直し・雇用の促進に力を注ぐべきときであり、極右軍事ごっこに戯れている時ではないのである。 自民の経済政策は高く評価しているし、TPP反対で奮闘している議員諸氏も数多くおられることは承知であるが、私はこうした点からも自民に対する不安は拭えず、全体としての評価は低い。日本をいよいよ破滅に追い込む可能性のある維新の会に関しては勢力を削げるだけ削いでおくべきである。 … Continue reading

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