<参考資料:識者・技術者の見解>
内容の評価・判断は皆様にお任せしたい。
後藤政志氏(元東芝・原子炉納容器設計者)「危機的事態!!どうなる福島原発事故」”INsideOUT” (3月23日)
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国民の命を軽視する無責任体制を原発推進派の武田邦彦・中部大学教授が糾弾”たかじんのそこまで言って委員会”(3月19日)関東エリア未放送
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広瀬隆氏/広河隆一氏「福島原発現地報告と『原発震災』の真実」(3月23日)
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また、少し古い記事であるが、電気業界の新聞である『電気新聞』の記事がツイッターで紹介されていたので、このような見解もあるということをここでもご紹介する。少し古い記事(3月18日付)であることにご留意いただきたい。
石川 迪夫氏 (日本原子力技術協会最高顧問)「福島第一 燃料棒、密封性は確保」(『電気新聞』3月18日付)
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<お知らせ①:暫定基準値の問題について>
前回の記事でお伝えした基準値の大幅緩和に関して、情報が錯綜し、誤解が広まり、デマではないかとの情報も散見される。東大の早野龍五教授はツイッターで以下のように述べている。
hayano ryugo hayano
【放射性ヨウ素等国際基準】(僕は専門外ですが)IAEAの資料 http://bit.ly/hTSs1a のp.43,水やミルクを飲んではいけない国際基準は 3000 Bq/kgです.日本の暫定基準値 300 Bq/kg は,国際基準より10倍厳しい.
【じゃ,WHOは何と言っている?】放射性ヨウ素の国際基準は日本暫定基準の10倍.これ,WHOと違うじゃん,と思った人は,WHOが出しているSITREP http://bit.ly/i2e2ZM の13ページに,日本の基準は国際基準より一桁低いと明記してあること,ご確認下さい.
ここで早野氏が述べている「WHOの基準」は通常時の基準を指しているのではなく、「国際的に認知された作業介入をするレベル」”the internationally agreed Operational Intervention Levels”、つまり非常事態時での基準を指しており、それよりも日本の「暫定基準」は厳しいと早野氏は述べていることに留意する必要がある。つまり非常時の基準を比較しているわけであり、通常時の基準の比較ではない。早野氏のツイートはこの点に関して述べていない。
ツイッター上で出回り、私も前回の記事でご紹介したWHO資料は通常時のものであり、それを日本で3月17日から適用された今回の「暫定基準」と比較しているわけである。なので、議論に混乱が生じていると思われる。私自身も混乱を招く記述をしたかもしれず、皆様にご迷惑をおかけしたかもしれない。ここで論点を整理させていただいた。
問題は、政府の十分でわかりやすい説明がないままに、いつの間にか「通常時」ではなく「非常時」の基準が適用された(結果として国民にとっては突然基準値が大幅に緩和されたと同じ)ことにあると思う。そのことで誤解を生みやすい素地が出来上がったように思える。政府はもはや「通常時」ではなく「非常事態」であることを国民にしっかりと伝えるべきであると思う。
なお、ツイッター・ユーザーの方から、300Bq/Lという日本の暫定基準値に関しては、少なくとも2010年8月までに既に決められていたものであるとのご連絡をいただいた。よってこれが事実であれば、この日本の「暫定基準」の値に関しては、場当たり的に決められたものではないことがわかることから、緊急事態時の基準として妥当なものと信頼してよいのではないかと思う。人体への影響に関しては、専門家の説明を要するであろう。
<お知らせ②:放射性ヨウ素I-131の入った水は煮沸しないで!>
放射性ヨウ素I-131の混入した水を煮沸すればヨウ素は幾分取り除けるとの情報が東大病院放射線治療チームからツイッターで出回ったが、それは間違いであることが判明した。煮沸すると、むしろI-131は濃縮されてしまうとのことである。以下ツイッターより引用する。
team_nakagawa 東大病院放射線治療チーム
昨日”高揮発性のため、水に含まれたヨウ素は煮沸することで幾分取り除くことができる”、と言いましたが、 固体状のヨウ素分子(I2)の場合でした。水中に存在するヨウ素では、揮発効果はほとんどないため、 煮沸はお勧めできません。お詫びの上、訂正させて頂きます。申し訳ありませんでした。
ある方にお願いして、煮沸によるヨウ素の濃度変化を検証する実験を、水道水中に含まれるI-131を対象に行いました。その結果、水道水を煮沸すればするほど水蒸気だけが飛んで、I-131が濃縮されました。もし、煮沸しようとされている方がいれば、直ちにやめるようお伝え願います。
なお、厚生労働省は、活性炭を使えばある程度I-131を取り除けるという知見があることを紹介している(これは厚生労働省の見解ではないことに留意)。この文書の4-5ページ参照。これも専門家のさらなる説明を要すると思う。
何よりも、今なお処理できない福島原発の問題が一刻も早く収束することを願うのみである。