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マハティール元首相がTPPに警鐘、「我々は再度植民地化される」

<当ブログ重要記事> 世界的に見ても異常に高額な供託金制度が国民の参政権を侵害している/1%代理人ばかりが選出されるインチキ民主主義のカラクリ 供託金廃止運動のサイトが立ち上がりました(三宅洋平氏も署名済み) ⇒供託金をタダにしよう!または、限りなくタダに近くしよう! マレーシア・コタキナバルでTPPの第18回会合が7月15日から25日まで開かれたが、それに先立つ7月12日にマハティール・マレーシア元首相がブログでTPPに重大な警告を発した。それが若干編集されたものが同日付の現地有力英字紙「ニュー・ストレート・タイムズ」に掲載されている。幸いブログ「マスコミに載らない海外記事」様がマハティールのブログ記事を訳出してくださっているので、この記事の下に転載させていただく(ここではマハティールのブログの訳出部分のみ転載させていただくが、当該ブログ記事にはブログ主さまのコメントも書かれているので、そちらもご参照いただければ幸いである)。 拙ブログでは、マハティール元首相が2012年5月に来日し、国会議員と懇談した際に、「私が現役ならTPPに絶対参加しない」と述べたことをお伝えした。またマハティール(当時首相)が1997年から98年にかけてのアジア通貨危機の際に、IMF救済策を拒否し、国内のグローバル派(BKD)との戦いを制し、資本統制策と財政出動によって短期で危機を脱出することに成功したことを特集を組んでお伝えした。 マレーシアとは対照的に、同様の通貨危機に陥らされたタイ・インドネシア・韓国はIMF勧告に従ったがために、さらに大打撃を蒙ることとなったこともお伝えした。特に韓国はIMFの直接支配を受け、極端な民営化・構造改革・外資への門戸開放をさせられ、国内経済を多国籍資本に事実上乗っ取られ、ネオ植民地となり、未だにそこから抜け出ることができないでいることもお伝えした。これらの詳細に関しては以下の4本の記事をご参照いただければ幸いである。 IMFと戦い国民・国家を守ったマハティールに学ぶべし! ②IMF「救済策」が明暗を分けた ③:野党指導者アンワルとその「グローバル」人脈 日本の「韓国化」を阻止せよ!:TPPによって日本の「韓国化」「ネオ植民地化」完成を目論むBKDを討て! マハティール元首相「私が首相ならTPPに絶対参加しない」「日本人よ、いつまで米国の言いなりなのか!目を覚ませ!」 マハティールは今回の記事で、まずTPPが秘密交渉であること及びマレーシア政府の交渉能力そのものに率直に疑問を呈し、TPPの危険性に警鐘を鳴らし、かつマレーシアがこの条約によって再度植民地化されると述べている。当ブログの認識とも全く一致する。マハティールは、ISD条項などのTPPに仕掛けられた罠も完全に見抜いて警鐘を鳴らしている。アジア通貨危機当時、首相として、通貨危機そのものが多国籍資本とIMFによって仕掛けられたことを見抜き、それらと国内BKDとを敵に回して戦い、国家と国民を守ったマハティールの言葉だけに非常に重いものがある。 マハティールが「通商産業省が既にTPPに合意することに決めているのを私は知っている。省はいかなる反論も、決して受け入れようとしない」と述べているのは非常に印象深い。ここでマハティールが述べている通商産業省とは勿論マレーシアのそれであるが、全く同じことが日本の経済産業省についても言えるからだ。日本で新自由主義グローバリズムの旗を振る宗像直子などの現役経産官僚や岸博幸などの経産省OBは、なぜか揃いも揃って官僚時代に米国に公費留学しMBAを取得して戻ってきているのであるが(ちなみに同じ経産官僚でもTPP反対の急先鋒として知られる中野剛志は英国エジンバラ大学に留学し政治思想を専攻)、ひょっとするとマレーシアの通産官僚も日本と同じようなことになっているのかも知れない。 マレーシアの通産官僚がマハティールの苦言すら聞き入れないというのであれば、アジア通貨危機の教訓が全く生きていないばかりか、すでに日本と同様内側から切り崩され、骨抜きにされ、1%に仕えるBKDと化してしまっているのかも知れない。 しかし、マレーシアの状況は日本よりも数倍マシであろう。少なくともマレーシアではマハティールのTPPに関する鋭い分析と警鐘が単にブログでの発信だけに終わることなく、大手紙に掲載され、広く国民に発信されている。 それとは対照的に、日本は国家・国民を守る勇気と知性を持ち合わせたマハティールのような政治家が出ることもなく、愛国を気取りながら国を売る卑劣な売国奴が権力の座にある。そして大手紙・放送局はジャーナリズムを気取りながら、TPPの危険性について殆ど国民に報じず、根拠なき楽観論ばかりを垂れ流して国民を意図的に誘導するBKDプロパガンダ機関と成り下がっている。恥も外聞もない状態だ。マスコミがこのような状態で民主主義が健全に機能するはずがない。 先日日本郵政がアフラックと提携し、アフラックのがん保険を郵便局で販売することに合意したというニュースが報じられた。しかし殆どのマスコミは、この提携合意以前に、日本郵政が独自のがん保険を販売しようとしたところ政府の介入でそれを阻止されたという前段を詳しく報じていない。つまり日本政府はアフラックの独占を取り締まるどころか、日本郵政のがん保険市場参入を阻止し、アフラックとの提携に無理矢理追い込んだのである。つまり外資企業の市場独占を手助けしているのである。到底こんなものは「自由で公正な競争」とは程遠い代物だ。 そして驚くべきことにこの屈辱的な取り決めをさせられた後、来日した米通商代表部のカトラー次席代表代行が『日本郵政傘下のかんぽ生命保険は「民間企業との競争条件が平等ではない」と批判』(共同通信、8月9日)し、更に攻勢を強める姿勢を示している。日本政府はどれだけ見通しが甘いのであろう。あるいは確信犯でやっているのかと疑いたくなる。そして、この間の事情や客観的な分析を報じてこなかったマスコミも同罪である。 また、国家主権を多国籍資本の下に置くことを事実上制度化してしまうISD条項に関して、日本政府は賛成の立場であるという、開いた口の塞がらぬニュースも飛び込んできた。これは実は5月1日に森健良駐米公使が、ワシントンのセミナーで述べていたのだという。それが最近になって発覚した。これに関しては東田剛氏(恐らく中野剛志)が記事にしているので、そちらもご参照いただきたい。 エリートの堕落とモラル喪失は恐らく戦後始まって以来のレベルであろうと思う。間もなく日本は敗戦記念日を迎えるが、日本はずっと占領軍に基地を持たれた属国状態で、今度はいよいよ多国籍資本のネオ植民地に成り下がろうとしている。国を守るために最後まで戦った英霊たちに彼らエリートと呼ばれる人種は一体どうやって顔見世できるというのだろうか。 国民はいい加減マスコミやエリートに対する信頼や認識を改め、自ら行動を起こさねばならない。何でもエリート任せにして惰眠を貪っていては、このまま国は売られてしまい、植民地化されてしまうことだろう。 マハティール元首相ブログ 7月12日(「マスコミに載らない海外記事」さまより転載) 「THE TRANS PACIFIC PARTNERSHIP」 ————————————— 1. 通商産業大臣は、通商交渉は秘密裏に(担当官僚によってだろうと私は推測するが)行われなければならないと断言した。国民的論議がなされてはならず、政府内部でさえ議論されてはならないのだ。 2. もし実際にそれが習慣なのであれば、それは良い習慣だとは思わない。マレーシア政府が交渉した通商や他の協定の実績を検討してみよう。さほどマレーシアの役に立ったようには見えない。実際、協定類で、マレーシアは不利な条件を飲まされる結果となっているように見える。 3. 最初に、シンガポールとの水契約を見てみよう。マレーシアは原水1000ガロンを3セントで売ることに合意した。引き換えに、マレーシアは、12パーセント、あるいはそれ以下の処理済み水を、50セントで購入できる。価格改訂には、両国の合意が必要だ。 4. もしマレーシアが、価格を、1000ガロン6セント(つまり100パーセント)に上げれば、シンガポールは、同じ比率で、処理済み水1000ガロン、1ドルに値上げできる。これではマレーシアに恩恵はない。それで我々は決して価格再交渉をしようとしていない。 5. 最初の協定は、2011年に期限が切れたが、我々は全く再交渉しなかった。次の協定は、2060年に期限が切れる。そこで、生活費はおそらく何層倍も上がっているだろうのに、原水1000ガロンにつき、3セントの収入を得ることとなる。 6. マレーシアが原水価格を上げた場合に、シンガポールが水価格を改訂するのを防ぐべく、ジョホールは自前の浄水場建設に十分な資金を与えられた。シンガポールからの供給に依存する必要がなくなれば、シンガポールに処理済み水価格を上げさせずに、原水価格を上げることが可能になろうというわけだ。 … Continue reading

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TPP反対運動が失敗に終わる理由。本当にこのまま国を売られてよいのか。

<当ブログ「橋下維新は答えではない!」シリーズ:橋下維新の正体↓> その①ファシストは人々の心に巣食うファシズムに囁きかける その②形骸化する民主主義:選挙で選ばれぬ人たちが政治を動かしている その③選挙で選ばれぬ新自由主義者たちによって売りに出される大阪:大前研一と竹中平蔵の影 その④【地下鉄利権】関西私鉄幹部が大量に大阪市参与に就任していたことが判明。裏で進められる公共財の解体と簒奪。/一刻も早く橋下リコール運動を開始すべし。 その⑤【大阪地下鉄民営化利権続報】在阪マスコミは関西私鉄の事実上支配下にある!マスコミが橋下維新・地下鉄「民営化」問題を報じない理由 (5月13日追記: この記事はアップした直後から多数のアクセスを頂きました。お読みいただいた皆様、拡散して下さった皆様に御礼申し上げます。なお、当ブログでは党派・団体を超えた救国戦線と「1%新自由主義グローバリズムvs99%国民国家・国民経済」の争点を浮上させることの重要性を度々訴えてきましたが、以下の記事もご参照いただければ幸いです。 1%新自由主義グローバリズムに対抗する政治思潮を顕在化させる必要性。現代日本の政治はなぜ行き詰るのか。後編 2012年4月3日) [論争で敗れた上にさらに恥の上塗りをするTPP推進派/論理性の崩壊した風景] TPPに関する米国政府との事前交渉で、安倍政権は結局日本側の主張を通すことはできず、一方的な譲歩を強いられ、相手の言い分ばかりを飲まされたことが明らかになった。当初は安倍支持の論客からは盛んに「安倍さんの交渉力はハンパない」などという根拠なき主張が行われ、「安倍さんを信じよう」というなどというもはや新興宗教の如きキャンペーンが張られていた。 日本政府が譲歩をしたのは米国ばかりではない。その後事前交渉を行った豪州・ニュージーランド・カナダといった国々にも早期交渉参加の承認を得るために譲歩を行ったことが明らかになった。しかしTPP参加をさんざん煽ってきた大手マスコミは、これらの国々との事前交渉で日本政府がいかなる譲歩をしたのかについて、政府の無言をそのまま報じるのみで、自ら取材して内容を明らかにするといったことは全く行っていない。 事態はTPP反対論者が当初から危惧していた通りの展開となっているにも拘らず、推進論者は自らの誤りを認めるどころか、挙句の果てには日米安保まで持ち出すトンデモぶりを発揮している。 しかも、皆様によくよく思い出していただきたいのであるが、「交渉参加をしてみて内容が日本に不利になるのであれば途中離脱すればよい」と主張したのは他ならぬ推進論者である。反対論者はそもそもから一旦交渉参加すれば途中離脱は不能と繰り返し警告をしてきた。事前交渉において、いわゆる「聖域」の確保は何ら保障されぬまま各国に対して譲歩を繰り返す有様で、これでは本交渉では、「聖域」どころかより過酷な条件を飲まされるであろうことがもはや明白になったのであるから、「国益がないのなら離脱すればよい」と主張した推進論者は、なぜ今その主張を声高に叫ばないのであろうか。 この論理性の崩壊は一体何なのであろうか。彼らは撤退を主張する気など端から毛頭ないのだ。最初から離脱できぬのを承知で、ただ交渉に参加させ、既成事実化させるためだけにこうしたことを言っているからだ。彼らは国民が彼らの発言をすぐに忘れてしまうと踏んでいるのだろう。推進派は最初から国民の利益など考える連中ではなく、その主張は常に嘘と詭弁にまみれてきた。 5月3日に茂木敏充経済産業相が訪米した際に述べた以下のコメントが推進派の詭弁を象徴している。「(民主党の)前政権は2年かけても結局、参加を表明することはできなかった。安倍政権では非常に速いスピードで物事が進んでいる」(リンク)。茂木の言う「物事」とは「売国」に他ならず、茂木はそのスピードが民主党政権よりも自民党政権の方が早いと誇示して、居直り、胸を張ってみせたのである。恥の上塗りである。 グローバリストと化した彼らは国民なんぞとうに裏切っている。だからTPPで国民がいかなるメリットを享受するのか全く提示することができない。1%側TPP推進派の狙いはもう国益云々の話ではないのだ。彼らの狙いは、多国籍資本が国家を事実上形骸化・ネオ植民地化してその上に君臨し、民主的手段をもってしても覆せぬようにすることである。それを何としても達成せんがために、論拠が完全崩壊し、論理破綻をしたこの期に及んでも、強硬になし崩し的に参加して抜けられなくすることを目論んでいるのであろう。巨大多国籍資本1%側の利益のために99%の国民を犠牲にするのがTPPの本質である。推進派は国を売ってでも1%側のおこぼれにあずかろうというさもしい性根の連中なのであろう。 [自民党「農業所得倍増」に騙されるな/企業経営化される農業] 自民党は4月25日に参院選公約に盛り込む「農業・農村所得倍増目標10カ年戦略」なるものを決めた(リンク)。しかし、この背後にあるものは「農地集積の加速化」であり、「農業の企業化」である。 これに先立つ4月19日及び23日に、政府は産業競争力会議において、TPP参加を前提として見据え、「生産性向上に向けた農地の集約化と経営の大規模化」が議論された(リンク1 / リンク2)。自民党の「農業所得倍増」なるものはそれを受けて発表されたものであり、農をマーケットの俎上にのせるという市場原理主義思想の上に立脚したものであることに注意を払う必要がある。 早い話が、「農業所得倍増」は「農業」の所得倍増なのであって、今ある「農家」の所得を倍増するということを意味しているのではないということに注意すべきである。農地集約化と大規模化とはすなわち企業の農業参入を前提としたものである。そうした企業経営者になりうる農家の数は非常に限られたものとなる。企業が農業に参入することとなれば、既存の農家が農業を続けるためには、今の独立した個々の農家としてではなく、企業の下で雇われて働く賃金労働者となることになるのではないだろうか。独立した農家から現代の小作人へと転落させられるのがオチである。その過程で多くの農家が廃業に追い込まれ、失業者となるであろう。つまり淘汰の過程で生き残った「農業企業家」だけが「農業所得倍増」の恩恵に浴するという代物である可能性が高い。 先程のリンク記事中にあるように、これは「TPP参加を見据え」(産経)たものであり、「TPP参加に対する農家の不安を払拭する狙い」(時事)なのである。前回の総選挙でTPP反対を掲げて当選した議員たちは、安倍政権がTPP交渉に参加するとなった途端、それを阻止するどころか、TPP加盟を前提にした農業の企業化に邁進しているのである。つまりTPP推進の立場に転換したものと見なされてしかるべきである。 農家の有権者が衆院選で自民の候補者に票を投じたとき、TPP阻止を彼らに託したのであって、TPP参加を見据えた農業企業化などというものを姑息にオブラートに包んだ「農業所得倍増」なんぞを提示するよう依頼したのでは決してないのである。こんな馬鹿な話があるだろうか。ここでも我々は論理性の崩壊を見ることができるのである。農家の方々にはTPPを前提とした「農業所得倍増」などに騙されることなく、衆院選での彼らの公約である「TPP反対」を遵守するよう代議士たちに迫っていただきたいと希望する。条件闘争には決して乗ってはならない。 [TPP反対運動が失敗する理由/党派・団体・個人の壁と「不作為の作為」] これまで当ブログでもお伝えしてきた通り、TPP反対派は論争という点では完勝を収めている。しかしながら実際の政治戦では推進派に完敗している。このまま何の手だても講じないのであれば、きっとこのまま負け続け、TPPに加盟することになるだろう。 では論争上は圧勝しているにも拘らず、現実には推進派に完全にしてやられている理由は何であろうか。いくつか理由は挙げられる。 1)瀕死のジャーナリズム 本来中立的立場で、賛成の立場も反対の立場も公平に扱って広く国民に情報を提供すべきである大手メディアが推進の立場であり、推進論ばかりを垂れ流す一方、反対論を農業ないし農協の問題として矮小化すると同時に、反対論を殆どと言っていいほど取り扱ってこなかった。現在ジャーナリストと呼びうる人たちは非常に少なく、そうした人々は限られた予算の中で、ネットメディアを駆使して必死にジャーナリズムを死守しようとしている。その一方、大手マスコミで働く人々はもはやジャーナリストと呼びうる状態ではなく、マスコミそのものが報道機関というよりも、プロパガンダ機関と言うべき役割を担っている。 2)瀕死のアカデミズム 資本の側に立ってテレビ雑誌やネットメディアや政府諮問会議で推進論を展開する夥しい数の「資本の御用学者」たちがいる一方で、批判的精神を有するとされる知識人なるものが非常に少ない状態であり、アカデミズムが機能不全に陥っており瀕死状態といって差し支えない状態である。 3)アトム化された個人 今生きる人々の多くはアトム化されている。都市になればなるほどその傾向は強いものとなる。土地・郷土・共同体から切り離される。そして非正規雇用が増えるに従い、組織における繋がりも希薄なものとなる。「自由で個性的な生き方」と呼べば体裁も良いが、同じ現象は同時に切り離された多数の個々人が彷徨う様にも見える。他と繋がるために現代人は共同体ではなく、永続性の保証のない「場」を求める。 1)のマスコミ問題に関しては当ブログではブログを開始した当時から関心を寄せてきた問題であり、当ブログの読者の皆様にはお馴染みのことであると思われるので、詳細をここでは省く。 2)のアカデミズムの問題に関しては、過去の記事でなぜ機能不全に陥ったのかについての仮説を立ててきたが、詳しくは検証してこなかった。最近興味深い小論文を読んだところであり、近くこの問題について書きたいと思う。 さて、そもそもTPP反対運動は1)も2)も織り込み済みの状態でスタートした。つまりTPP反対運動はジャーナリズムもアカデミズムも当てにならぬという条件で始まったわけだ。そして3)も言うなれば所与の条件といって等しい。私自身もアトム化された個人に過ぎない。しかしアトム化された個々人は微力ながらもネットを使ってリアルのネットワークを緩いながらも築く努力をしてきている。 一方の推進派である1%側は、数は少ないのであるが、1)マスコミを味方につけ、というよりもマスコミそのものを宣伝媒体として駆使し、2)御用学者を子飼いにし、政府諮問会議に送り込んだり、テレビのコメンテーターに出して宣伝をさせ、3)しかも国民をアトム化した状態においている状態である。つまり1%資本の側は宣伝媒体を有するという圧倒的に有利な条件から始まり、反対派は圧倒的に不利な条件で始まったわけである。 しかし反対派はこれらのハンディキャップを跳ね除け、論戦においては推進派を完全に粉砕するに至っている。だが実際の政治戦では勝つことができないでいる。その要因は何なのか。 私は「党派・団体・個人の壁」なのだと思う。 … Continue reading

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維新の躍進と中道左派の壊滅に見る民主主義の危機と新自由主義の病巣

<当ブログ「橋下維新は答えではない!」シリーズ:橋下維新の正体↓> その①ファシストは人々の心に巣食うファシズムに囁きかける その②形骸化する民主主義:選挙で選ばれぬ人たちが政治を動かしている その③選挙で選ばれぬ新自由主義者たちによって売りに出される大阪:大前研一と竹中平蔵の影 その④【地下鉄利権】関西私鉄幹部が大量に大阪市参与に就任していたことが判明。裏で進められる公共財の解体と簒奪。/一刻も早く橋下リコール運動を開始すべし。 その⑤【大阪地下鉄民営化利権続報】在阪マスコミは関西私鉄の事実上支配下にある!マスコミが橋下維新・地下鉄「民営化」問題を報じない理由 本来であれば総選挙が終わった後、12月中にブログを更新すべきであった。ツイッターでつぶやいてきた断片的な意見・感想を基に、ここで長い文章にまとめておきたいと思う。 自民党が圧勝するであろうことは当初から予測されていたが、私が何よりも愕然としたのは、新自由主義勢力の維新がいきなり50議席も獲得する大躍進をし、みんなの党も議席を伸ばし、さらに民主党ではTPP・消費税増税・再稼動を積極的に推進した議員ばかりが生き残ってあたかも松下政経・新自由主義党となったかのような形で中途半端に残って、これら新自由主義3党で野党の主要構成員となるその一方で、TPP・消費税増税・再稼動のいずれにも反対を掲げた中道左派政党が壊滅状態に追い込まれたということである。自民党が勝ちすぎたせいで、維新がキャスティング・ボートを握ることもなく、連立にも加われなかったということは不幸中の幸いであると言える。 前回の選挙前の記事ではタイトルを「踏み止まることができるのかが問われる総選挙」としたが、野党の現状を見れば「踏み止まれなかった」と言わざるをえない。 今回の記事では中道左派の壊滅・維新の躍進から考えたことと、なぜ日本の民主主義は窮地に追い込まれたのかということ、そして今後の政治をどう見ていくのかについて私見を書きたい。 [新自由主義との対決を鮮明にできなかった中道左派の壊滅:未来の党の失敗] 消費税増税法案に反対して民主党を離党した小沢グループの大きな失敗の一つは、単純に「民自公」を敵と想定したことだと思う。民自公3党が賛成した消費税増税を主要な軸としてしまったがために、そのまま「民自公」を敵としてしまったということであろう。 そのために当初から反増税・脱原発のみ打ち出すことで、維新との連携にも色目を使うという中途半端な戦術を引きずり、結果として反TPP・反新自由主義の明確な受け皿にならず、維新との明確な差別化にも失敗した。これがもしTPPを軸とした政界再編に持ち込んでいたとしたならば、かなり異なる対立構図となっていたに違いないと思う。 そして小沢氏が起死回生のために土壇場で担ぎ出した人間も問題が多かった。「もったいない」緊縮路線の嘉田由紀子氏では反デフレ・経済政策重視の国民をひきつけることは到底できず、また原発停止よりも再生可能エネルギー普及に重点を置くことが突出した飯田氏では、脱原発派の支持も十分に得られるようには思われなかった。 嘉田氏の側近とされる飯田哲也氏はそもそも橋下維新のブレーンであり、また嘉田氏の主催する未来政治塾の講師には古賀茂明や上山信一といった橋下維新のブレーンである新自由主義者が名を連ねている。嘉田氏はイメージ的には左派リベラルと見えるが、実のところは、その「もったいない」緊縮路線と相まって、新自由主義と親和性が高く、橋下維新とも政策的にも似通った部分が大きいように思われる。このことに関しては選挙前のブログ記事ですでに懸念を述べておいた。 代表代行である飯田氏が恐らく自分の小選挙区での敗北を見越して自らは3位であったところの比例順位を上げるためであろう、未来の党の比例名簿の小選挙区重複候補を各ブロックの同列1位とするように公示日に全面差し替えを命じ、大混乱を引き起こして醜態を晒した。しかもこれによって比例単独候補は順位を下げられた。一例を挙げると、票の掘り起こしを期待され長崎2区からわざわざ近畿ブロックに回り、比例2位で出馬する予定で嘉田氏と記者会見まで開いた福田衣里子候補は、当選圏外であることが出馬前からわかりきった最下位の14位とされてしまった。飯田氏の横暴と飯田氏をかばった嘉田氏の独善性がこの時点で既に垣間見られ、未来の党の分裂は既に始まっていたといえるだろう。選挙後に分裂に至ったのは至極当然のことと言える。しかし拭えぬ疑問は、何故に小沢氏は嘉田氏や飯田氏のような橋下維新ともつながるこのような人物たちに白羽の矢を立てたのであろうということだ。 選挙結果を見ても明らかなように、政策ではバラバラの集団である自民が団結を維持することで小選挙区制の特性を十分に活かし一人勝ちした。つまり民主を大きく分裂させることができず、さらに自民を政界再編に巻き込めなかった時点で小沢グループは負けが半分確定していたようなものと言える。 知名度では従来からマスコミに頻繁に取り上げられた維新に分があり、急ごしらえの未来は分が悪かった。従来から拙ブログでは主張してきたことであるが、同じ賭けに出るのであれば、小沢Gが自ら据えた「反増税・脱原発」という軸よりも、「反TPP・反新自由主義・反デフレ」を軸として自民にも揺さぶりをかけて早い段階で再編をしかけてほしかったと思う。 自民一人勝ちの裏で維新とみんなという新自由主義勢力が躍進し、中道左派が新自由主義との対決を明確にできず、迷走した挙句壊滅状態になり、更に予期された内紛で分断に至ったのは非常に残念に思う。マスコミの偏向報道も響いたことは間違いなかろうが、何よりも反省の上での再出発が必要と思う。 [維新の躍進に見る瀕死の民主主義/「政治改革」の失敗とエリートの裏切り・1%化] 今回の選挙で新自由主義政党の維新がいきなり50議席も獲得して大躍進した(これがもし完全比例代表制であったとしたら100議席近くも獲得していたという計算もある)ということは非常に重く受け止めるべき事態である。有権者がその掲げる政策を正しく理解して合理的な投票をしたとは到底思えない。庶民は自分で自分の首を絞める選択をしたとしか私には思えない。これが意味するものは何なのかを考えてみたいと思う。 政治学者・山口二郎らが旗を振った小選挙区制を中心とする所謂「政治改革」というものは、この20年を振り返れば、失敗であったと思う。政権交代が可能となったという評価もあるだろうし、確かに希望を抱かせるような時期があったことは確かである。まだ過渡期にあるからだという見方もあるだろう。 しかし、ここまでの結果として言えるのは、「政治改革」がもたらしたものは「不安定化」である。小選挙区制であれ、比例代表制であれ、「国民が直接政権を選択する」というキャッチフレーズはいかにも聞こえがよいが、それは民主主義の健全な基盤が機能している上での話である。残念なことではあるが、その基盤が失われ、国民がアトム化した現状でもたらされたものは、マスコミによる扇動・操作であると思う。私はそもそも比例代表制が相応しいと思っているが、かくなる現状を見ると、民主主義の基盤の再構築を急ぐと共に、こうした現状に追い込んだ要因を逆方向に修正しながら除去していくことの方が急務であると思うに至った。 「風まかせ」の選挙によって、「チルドレン」と呼ばれる未熟な議員が大量生産され、政治家を育てるシステムが崩壊し、議員の立法力が弱められ、結果として立法府たる議会そのものが弱体化する結果を招き、過去記事でも既に述べたが、諮問機関などを根城にした「選挙で選ばれることのない権力者たち」の力を肥大化させてしまった。今では地方公共団体にまで彼らの影響力が広まっている。「選挙で選ばれる者たち」の力が弱まり、「選挙で選ばれぬ者たち」の力が強大化することは、即ち民主主義の形骸化・弱体化であり敗北である。 そして維新を躍進させた「民意」というものを考えるとき、民主主義を支える社会的基盤の弱体化も顕著となっていると思う。「B層」という言葉があるが、事態はより深刻であり、マスコミにさんざんかき回され、論点の整理もされぬまま、理性的・合理的な判断などそもそもできないような状態に多くの国民は置かれているのが現実なのだろうと思う。 中間層の没落と中間団体の弱体化が80年代から続き、都市部を中心に国民がバラバラに切り離されアトム化が進んでしまった。こうした現象が小選挙区制と相乗効果を引き起こし、結果マスコミが猛威を振るう土壌を生み出してしまったのだと思う。 ベストだとは決して思わないし、異論もあることは承知だが、現在の状況を見ると、中選挙区制の下ながらく続いたところの所謂「55年体制」(社会党は最大野党でありながらも政権を取ることはなく、自民党の事実上一党支配体制であった)は、硬直的な体制ではあったものの(ダイナミクスは自民党内部の抗争によって生じた)、今の状態よりは庶民にとっては随分マシであったと思う。当時は社会党が最大野党として存在し、その他は中道左派と共産党であり、それらの政党が政権を監視することとなり、結果自民党政権は極端な方向にブレることは殆どなく、再分配も現在よりは随分とまともに機能していた。また当時は官僚は財界を指導する優位的な立場であり、力関係でも勝っていたことから、天下りをする官僚はあっても、カネで買われて露骨に国を売る官僚というものは出現しなかった。またマスコミはここまで露骨に政治介入をすることがなかった。 こうした政治体制が大きく転換し始めたのがバブル崩壊後の90年代であろう。これは山口二郎の「政治改革」や中谷巌・宮内義彦らが率先した新自由主義と軌を一にしている。「改革」がもてはやされ、「リベラル」という言葉の意味が変質し、いつしか「ネオ・リベラル」をも指す言葉になってしまった。その裏では規制緩和と雇用流動化が推し進められ、それが中間団体に打撃を与え、中間層の没落を惹起することとなった。こうして民主主義の基盤たるべき中間団体・中間層の解体が促進されてしまい、その一方で外資の国内経済乗っ取りが進み、従来保たれていたアクター間のバランスが崩壊し、資本の力がかつてないほど強大化し、他を圧倒するに至った。経団連の政策に悉く追随する最大労組の連合はこの現状をよく表していると思う。 このような中で、売国政策を推進する政治家というものが資本の後押しで出現し始め、さらには国を売る政策を立案する官僚という従来では考えられなかった「新しいタイプ」の官僚が生まれてきただろうことは想像に難くない。そして資本によって買われて送り込まれる「資本の御用学者・エコノミスト」(単なる資本の要求を、あたかも国家全体が推し進めるべき合理的な政策であるかのように学術的な装飾を施してお墨付きを与える)と呼ぶべき人々がメディアや政府諮問会議や「民間有識者会議」なるものに跋扈し始めたのもこの時期であろう。アカデミズムそのものも国立大学独立行政法人化や産官学連携による資本への依存が進み、大学そのものの新自由主義化が進行し、学問の独立性は脅かされ堕落が進んだ。 エリートの裏切りと新自由主義化とそれらの談合による「1%化」というものはこのようにして形成されてきたものだと思う。 そして大手マスコミの変質もこの時期から始まり、他のエリートたちと同様に、小泉政権の頃に決定的に国民を裏切り1%新自由主義側につくことを決めたかのように思われる。 政治家がテレビに出演して政策を訴えることを「テレポリティクス」と呼ぶが、今ではマスコミは中立をかなぐり捨て、国民を扇動し「民意」なるものを形成するために積極的にプロパガンダ的報道を行う「ネオ・テレポリティクス」と呼ぶべき事態が進行しており、古典的な意味における「テレポリティクス」とは区別をすべきである。郵政民営化・郵政選挙における報道でそれが顕著に現れ、近年は「テレビがひり出した汚物」(辺見庸)と形容される橋下徹のゴリ押しが進められてきたことも皆様の記憶に新しいことと思う。今ではTPP問題に関して大手マスコミは根拠なき楽観論を振りまく「資本の御用学者」やコメンテーターばかりをメディアに登場させ、推進論ばかりを垂れ流すという異常事態になっている。今やマスコミこそが日本の民主主義を阻害する直接的な最大の敵と呼ぶべき状況となっている。TPP反対の抗議運動は大手マスコミそのものやそれらの覚えのめでたい「資本の御用学者」たちに対しても向けられるべきであると強く思う。 [野党が新自由主義勢力に占められた意味/「野党力」が安倍政権を1%側にシフトさせる危険性] 中道左派が壊滅状態に追い込まれ、それに取って代わるように維新・みんな・民主残党という新自由主義勢力が野党の主要な勢力となってしまったことは悲劇である。庶民側に寄り添う野党が主勢力としては存在しないに等しいような状況となってしまったのであり、我々は事態を深刻に受け止めるべきである。TPPに関して見れば、内部に大量の反対派を抱えた「慎重」な自民政権を、「推進」の野党が取り囲む状況になっているわけで、極めて危険な状況にある。TPPを国内で潰せるとしたら、それは自民の内部によってのみという状況になった。 仮にかつての社会党が野党第一党として存在していたとしたならば、そのチェック機能によって政権が庶民サイドに振れることはあっても、1%側に振れることは難しかったであろう。TPPは頓挫し、軍国主義的な政策も頓挫することで、結果として安倍政権は経済政策に集中し、後から振り返って見れば上出来の政権と言われることになったかも知れない。「野党力」というものは実は非常に重要であると思う。 ところが現状はその逆で、1%側代理人勢力が野党の主勢力であることから、彼らは絶えず自民政権を1%側の視点から監視するということになる。これでは政権が庶民サイドに振れることは難しく、絶えず1%側に振れるベクトルで圧力が働くことになる。 安倍晋三はそもそも西田昌司らTPP反対派に担がれて自民総裁となったのであるが、安倍自身は従来からTPP推進の立場であり、更に産業競争力会議の委員として、橋下維新の黒幕的存在でかつ韓国の李明博・新自由主義政権の顧問であった竹中平蔵を筆頭にTPP推進派を大量に登用しており、更に国会審議を巡って橋下徹に協力を求めるなど、早くも危険信号が点っている。維新は現在のところ与党入りしていない状況であるが、今後の政局や参院選の結果次第では竹中平蔵をブリッジにして維新との連携や連立に走り、大きく1%新自由主義グローバリズム側に傾く可能性がある。 自民が選挙で掲げたキャッチフレーズは「日本を取り戻す」であったが、自民の内部は実のところは、「日本を取り戻す」派と「日本を売り払う」派が暗闘する構図で、民主党政権で見られたのと同様、安倍政権でもTPPを巡ってこの両派及び日和見派を巻き込んだせめぎあいが続くものと思われる。この戦いの結果如何で「日本を取り戻す」の意味は大きく変質することになりかねない。日本を新自由主義グローバリストたちの手から国民に取り戻すのか、あるいは、単に民主党から利権を取り戻してそれを売り払うというだけのことなのか、我々は細心の注意を払う必要がある。 ひとつまかり間違えば、アジア通貨危機後、IMF支配による門戸開放と構造改革の貫徹によって外資に国内経済を乗っ取られた韓国と同じ轍を踏むことになるやも知れぬ瀬戸際にあると言える。 [中道左派は周回遅れの緊縮脳から脱却せよ/反緊縮・反新自由主義グローバリズムこそが本来掲げるべき旗である] … Continue reading

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踏み止まることができるのかが問われる総選挙

<当ブログ「橋下維新は答えではない!」シリーズ:橋下維新の正体↓> その①ファシストは人々の心に巣食うファシズムに囁きかける その②形骸化する民主主義:選挙で選ばれぬ人たちが政治を動かしている その③選挙で選ばれぬ新自由主義者たちによって売りに出される大阪:大前研一と竹中平蔵の影 その④【地下鉄利権】関西私鉄幹部が大量に大阪市参与に就任していたことが判明。裏で進められる公共財の解体と簒奪。/一刻も早く橋下リコール運動を開始すべし。 その⑤【大阪地下鉄民営化利権続報】在阪マスコミは関西私鉄の事実上支配下にある!マスコミが橋下維新・地下鉄「民営化」問題を報じない理由 [選挙後もせめぎあいの状態は続く] 日々情勢が目まぐるしく変化する中で、ツイッターでは逐一情報を追いかけていたが、多忙のためじっくりブログを書く時間がなかった。そうこうしているうちに4日の衆議院選公示を迎えることとなった。公示後は特定候補への投票を呼びかける内容をネット上で書くことができないとのことである。評論や自分の意見表明であれば問題はないと私は判断している。 このまま行けば、自民党が第一党となり、自民中心の政権が誕生する可能性が高いと思われる。大手マスコミはこれまで盛んに自民・民主・維新のみを取り上げ、未来の党に合流する前の「国民の生活が第一」を徹底して無視して報道しないという偏向報道を行い、あたかも自民・民主・維新の3政党が合い競っているかのような報道をしてきていた。しかし現実を見れば、民主・自民・公明の3党こそが野田内閣が推進した消費税増税法案を成立させたのである。対立しているかのように見えたのは解散の時期を巡ってのことであり、今回の解散前から民自公3党は協力体制をとっており、また参議院のねじれがあることから、恐らくこの枠組みは選挙後も変わらない可能性が非常に高い。石破茂・自民党幹事長はすでに選挙後も民自公体制を維持することを表明している。つまり民自公の3党が過半数を制すれば、首相の座が民主から自民に移ることはあっても、与党の枠組みは変わらないということになる。 マスコミが「第3極」として大々的に報じていた維新に関しては、当ブログで指摘した通り、国政への野心を顕わにし、それまで黒幕的存在であった竹中平蔵が候補者選定や政策作成で前面に出てくる形となり、新自由主義色の濃い政策を発表していた。当初、同じくTPP推進を掲げる新自由主義政党であるみんなの党と政策協定を結んだりしていたのだが、維新が石原慎太郎らと合流し、みんなの党は合流をしないことになった。維新の政策は当初から新自由主義色の極めて強い庶民にとってみればまさに自分の首を絞めるだけのように思われる政策がずらりと並んでいたのであるが、石原一派が加わって、数少ない目玉政策であったはずの増税反対は増税容認へと変わり、脱原発は一体何がどうなのか判然とせぬいかがわしいものとなり、ますます支離滅裂で一体誰が支持するのだろうかというグロテスクな内容のものとなった。ここにきて失速気味で、恐らく増税反対や脱原発の政策に期待した人の票は未来の党へと流れ、保守票は自民へと流れることが予想される。が、依然としてマスコミの調査では支持率が9%前後もあり、油断できぬ状況である。 嘉田知事の呼びかけで脱原発・反TPP・消費税増税反対を掲げる勢力の結集が行われ、未来の党が誕生した。しかしながら、未来の党・社民・大地などが300人規模の候補者を擁立できず、現状で伝えられている150名ほどの候補者数に留まるのであれば、これらの枠組みだけで政権を担うことはできないことは明らかである。また参議院の勢力も少数に留まっていることから、政権担当は難しいと思われる。政権に食い込む場合も、他党との連立は避けられないことになるだろう。今回の選挙では勢力拡大をして基盤を築くことが現実的には当面の目標となるのではないだろうか。 以下政策別に投票するのであれば、どこがよいかということについて述べたいが、これはあくまで私の個人的見解であることをご了承いただきたい。 [脱原発という観点で見た投票先] 【社民党・共産党・大地・新党日本・未来の党】 民主・自民・公明・国民新党・新党改革では原発は当面止まることはないだろうと思う。そしてみんなの党及び維新の会はTPPに賛成であることから、脱原発に本気で取り組む政党であるとは私は看做さない。むしろこれらに票を投じるべきではないと言える。 脱原発を重視するのであれば上記【】内の政党に票を投じるべきであると思う。 しかし未来の党の掲げる「卒原発」の内容は「国民の生活が第一」が掲げていた「脱原発政策」よりも残念ながら後退した内容となっていることは指摘しておかねばならない。「国民の生活が第一」の政策案ではガス・コンバインド・サイクル発電の増強で原発を「ただちに稼動ゼロ」を謳っていた。ところが、未来の党の「卒原発」では「再生可能エネルギーの普及」に重点が置かれているのが特徴で、即戦力であるはずのガス・コンバインド・サイクル発電に関する言及はない。恐らく代表代行となった環境エネルギー政策研究所所長で日本総合研究所主任研究員の飯田哲也氏の意向でこのようになったと思われる。「原発稼動ゼロから遅くとも10年以内の完全廃炉」と謳われているが、これは「今から10年後の2022年」のことを指しているのか、「いつの日か再生可能エネルギーが普及して原発を止めることができるようになってから10年後」(つまりいつのことかわからない)なのか、読みようによっては異なる解釈に理解できる。この点に関しては支持者は党に意見を述べたり、問い合わせをすべきであると思う。しかし、「未来の党」は脱原発派のせっかくの一大勢力結集であるのだから、これを失敗させてはならないと同時に思う。 [消費税増税反対という観点で見た投票先] 民自公・国民新・維新以外の政党が消費税増税に反対している。 [経済政策で見た投票先] 経済政策では「国土強靭化案」を発表した自民党が最も優れていると私は思う。藤井聡教授の魂のこもった政策であり、欧州で高まりつつある「反緊縮」とも合致し、高く評価している。残念ながら他党ではこれに比肩する政策が見当たらない。しかしながら、経済政策を除いては、時代錯誤のような憲法改正案や生活保護叩きなど目に余るものがあり、私は自民党を支持する気にはなれない。 維新やみんなの党は純然たる新自由主義・構造改革路線であり、全く支持できない。 未来の党は「デフレ脱却」を掲げているものの、「国民の生活が第一」の政策にはあった「積極的な財政出動」という文言が、未来の党の政策からは抜けてしまっているのがいただけない。代わりに「規制緩和」・「行政改革」といった構造改革・緊縮路線の文言が目立ち、民主党の失敗を繰り返すことが懸念される。「特別会計の見直し」は目玉と言えるが、これを実現するためには官僚との壮絶な戦いになるだろうことは想像に難くない。経済政策に関しては是非亀井静香を使って早急に書き改めていただきたいと思う。 「原発・消費税・TPP」のみが争点として言われているが、経済政策は非常に重要で、有権者がそれを投票の判断材料にする可能性は非常に高いといえる。これを政党は軽視すべきではない。 [反TPPで見た投票先] TPPは間近に迫った脅威であり、私個人は今回の選挙で最も重視している。仮に交渉参加となった場合、TPP反対論者が既に警告を発しているように、交渉からの離脱は事実上不可能であることを我々は肝に銘じておくべきである。推進派は「交渉に入って見て、嫌なら離脱すればいい」などと吹聴して回っているが、彼らは離脱が現実に不可能なのを承知の上でこのような戯言を言って国民を騙しているのである。詐欺に等しい。入り口はあっても出口はないのである。一旦交渉参加となった場合、TPPを拒否しうるのは、①交渉が決裂する場合か、②国会の批准において否決する場合のみとなる。つまり次期議会はTPPの批准を判断するものとなる可能性が高い以上、反対派を過半数にしておかねばならないのである。 政党でTPP反対を掲げているのは、脱原発と同じく、未来の党・社民党・大地・新党日本・共産党である。しかし一番重要な点は先も述べたとおり、これらの政党だけでは過半数を取ることができないということである。 自民党や民主党内部にも反対派はいることから、反TPPに関しては政党名で単純に票を投じることよりも、各選挙区ごとで異なる対応が求められると言えよう。私が重要と思う点は、候補者の主張をよく聞き、問い合わせ、「本物の」TPP反対派候補を当選させることに力を注ぐと同時に、隠れ推進派・日和見派を含む推進派候補を徹底的に落選させるということである。これは支持政党関係なく、徹底すべきである。 そして言うまでもないことであるが、TPP拒否を実現するためには、TPP推進の維新の会・みんなの党には絶対に投票してはならない。 [安倍晋三に対する拭えぬ不安・危険だった東アジアサミット] 冒頭に述べたように、未来の党などが300人規模の候補者を擁立できないのであれば、安倍晋三が首相となって民自公体制が続くものと思われる。自民党内のTPP反対派が安倍を擁立したので様子を見守っていたのであるが、安倍は従来からTPP容認の立場であったし、最近になってTPP交渉参加容認の発言をしており、それが非常に気になる点である。 オバマが米大統領に再選された直後、狙いすましたかのように日本の大手マスコミは各社一斉にTPP推進キャンペーンを始めた。日米財界人会議が日本で開かれ、その後野田首相が東アジアサミットに出席するという日程の中で、このキャンペーンは張られた。野田に東アジアサミットの場で交渉参加表明をさせようという意図がありありとわかる露骨なキャンペーンであったのだが、安倍はこの最中に「TPP交渉参加容認発言」をしている。 TPP反対派は交渉に参加すれば抜けられぬことを知っているのであるから、本当に反対であるのなら、交渉参加容認発言は出ないはずである。ところが安倍はそれをした。そしてすぐさま米倉・経団連会長がそれを持ち上げるという展開になった。 その後、経済産業省側が「まだ事前交渉が終わっていないので交渉参加表明はできない」と言い出した。つまりこの一連のキャンペーンは、野田政権がマスコミを使ってやったものではなく、財界側がマスコミを使って行ったものである可能性が非常に高いと思われる。要は死に体の野田首相に最後の役目として交渉参加表明だけさせて使い捨て、交渉から抜けられなくしておいてから、次の安倍政権に交渉を引き継がせようという魂胆であったのだろうと思う。この過程に自民が一枚噛んでいるのかどうかはわからないものの、それではなぜ安倍はあのタイミングで交渉参加容認発言をしたのだろうか。 野田が交渉参加表明をこの時にできなかったのは非常に幸運であった。しかしまだ野田が首相である限り同様のことをする可能性は残されているわけであり、警戒を要する。 安倍はその後自民党内の反対派の突き上げを食らい、「聖域なき関税撤廃をするTPPには反対」という文言にとりあえずは落ち着いている。しかしTPPは関税だけが問題ではないのは明らかであり、この文言も相当に不十分で不安を惹起するものと言わざるを得ない。 自民党もTPP反対派と推進派の寄り合い世帯であり、今は政権奪還という目標で一体化しているが、TPPが浮上すれば民主と同様分裂騒ぎに陥りかねない。TPPに関しては、候補者の主張をよく見極める必要がある。 [自民+維新の連立は最悪の結果を招く] そして自民に対するもう一つの不安は(自民に限らず他の政党にも勿論あるのであるが)、維新の会と連立を組むかも知れないということである。こうなればアジア外交は行き詰まり、改憲・再軍備・徴兵制などの議論が一気に沸き起こり、対中関係が非常に悪化するものと懸念される。安倍自民のみでもそうした不安が起こるのであるが、そこに維新も加わる連立であるならば、その傾向が増幅され、一気におかしな方向に暴走を始めるやも知れぬ。今は被災地の復興と国内経済の建て直し・雇用の促進に力を注ぐべきときであり、極右軍事ごっこに戯れている時ではないのである。 自民の経済政策は高く評価しているし、TPP反対で奮闘している議員諸氏も数多くおられることは承知であるが、私はこうした点からも自民に対する不安は拭えず、全体としての評価は低い。日本をいよいよ破滅に追い込む可能性のある維新の会に関しては勢力を削げるだけ削いでおくべきである。 … Continue reading

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イタリアにおける「反緊縮」オールタナティブ運動、世界で同時進行する新自由主義との戦い:イタリア人友人との会話

<当ブログ「橋下維新は答えではない!」シリーズ:橋下維新の正体↓> その①ファシストは人々の心に巣食うファシズムに囁きかける その②形骸化する民主主義:選挙で選ばれぬ人たちが政治を動かしている その③選挙で選ばれぬ新自由主義者たちによって売りに出される大阪:大前研一と竹中平蔵の影 その④【地下鉄利権】関西私鉄幹部が大量に大阪市参与に就任していたことが判明。裏で進められる公共財の解体と簒奪。/一刻も早く橋下リコール運動を開始すべし。 その⑤【大阪地下鉄民営化利権続報】在阪マスコミは関西私鉄の事実上支配下にある!マスコミが橋下維新・地下鉄「民営化」問題を報じない理由 先日までイタリア人の友人がこちらに1週間来ていた。5年ぶりの再会である。当時彼はイギリスの大学院に在籍し、博士論文のフィールドワークのためにこちらに長期滞在していて、その時知り合い、すっかり仲良くなった。こちらではなかなか政治・社会・思想・芸術・文化といった事柄について深く話し合える人と出会うのが難しく、彼は貴重な友人となった。約1年の滞在の後、彼は欧州に戻って博士号を無事取得し、来年初頭には彼の論文が本となって出版されることとなった。今回の訪問は最終稿の仕上げのための最終確認と、世話になった人々への挨拶を兼ねたものであった。私は当時とは別の町に移り住んでいたが、時間を割いて遊びに来てくれた。 当時も政治について様々な議論をしたものだったが、まさかこの5年の間に双方の母国がこれほどの惨状になるとは二人とも思いもよらなかった。この間私は、皆様もご承知のように、遅まきながら事態の深刻さに気がつき、ブログとツイッターを開始した。そしてこの友人はイタリアのオールタナティブ運動に深く関わっていくことになる。この間お互い頻繁に連絡を取り合っていたわけではないのだが、他の多くの人々と同様、マスメディアの偏向報道に疑問を覚え、新自由主義グローバリズムとの戦いに身を投じることになったのだ。マスコミはこうした民衆の運動を殆ど報じることはないのだが、今や発展途上国のみならず、先進国においても同時進行的に新自由主義グローバリズム・1%支配に対する抵抗運動に火がつき始めている。 「ウォール街を占拠せよ」から波及した「占拠せよ」運動は瞬く間に全米から世界へと飛び火したが、当初は「対岸の火事」的な論調で報じていたマスコミも、その後全くと言っていいほど報じなくなった。新自由主義金融体制から劇的に転換したアイスランドやギリシャ・イタリア・スペインにおける民衆の激しいデモについても殆どマスコミは報じることはない。 当ブログでたびたび取り上げている隣国の韓国に関して、日本のマスコミは「IMFの優等生」として「日本がモデルにすべき対象」として取り扱うのであるが、韓国がアジア通貨危機後、IMF支配を通じて極端な新自由主義構造改革・民営化・外資への門戸開放を貫徹され、事実上国内経済を外資に乗っ取られて「ネオ植民地」と化し、極端な格差社会・自殺大国となったことや、著しい不平等条約である米韓FTAの詳しい内容や、それに対する民衆の激しい抗議行動を報じることは皆無に等しい。非常に偏った報道であることは言うまでもない。不都合な事実を主流マスコミは極力報じないのだ。我々は世界で同時進行的に起こっている重要な事象について、断片的な報道や主流メディア以外の情報でしか、お互いの様子を知ることができない状況に置かれている。権力を監視するはずであったマスコミは、カネで買われ1%支配のための道具と成り果て、こうした各国で沸き起こる新自由主義・1%支配への抗議をわざと報じないのであろうということは想像に難くない。 私の友人も私がブログで論じてきたような事柄について殆ど知らなかったし、私はイタリアで勢いを増しているオールタナティブ運動について殆ど知らなかった。今回の対談は情報と意見を交換するまたとない機会となった。そして私たちはお互いの国が直面している問題の根は同じであることを再確認することができたのは非常に有意義であった。すなわち、新自由主義グローバリズムとの戦いであり、カネで買われた政治とマスコミ・堕落した既存のアカデミズムとの戦いなのだということだ。1%のための新自由主義グローバリズムに対抗するには各国庶民の情報交換と連携が必須であることをつくづくと認識させられた。 [イタリアにおけるオールタナティブ運動] イタリア現首相マリオ・モンティは「スーパー・マリオ」との異名を取ることで知られるが、友人の話では、最近のイタリアでは欧州中央銀行総裁のマリオ・ドラギと合わせて「スーパー・マリオ・ブラザーズ」と呼ばれ、決して肯定的な意味ではなく、忌み嫌う人が増えているという。 ベルルスコーニ政権末期の2011年11月にイタリアはIMFの監視下に入ることが決められた。11月9日ジョルジョ・ナポリターノ大統領はマリオ・モンティを終身上院議員に任命する。11月12日にベルルスコーニ首相が辞任に追い込まれ、その翌日の13日にモンティはナポリターノ大統領によって首相に任命される。モンティの上院議員任命はそもそもからベルルスコーニ辞任を見越して、その後継にするためにナポリターノ大統領が画策したものとの見方が支配的である。 イタリアでは通常は議会多数派が政権を担当するのが通例であるが、首相任命権は大統領にあり、議院内閣制に基づかぬ「超然内閣」を組閣することも可能である。戦前の日本の制度に似ている。マスコミはモンティ内閣を「実務者内閣」とか「テクノクラート内閣」などと報じているわけだが、日本ではこうした形態の内閣は「超然内閣」と呼ばれるのが通常である。 モンティ内閣発足当初は支持率70%を誇ったのであるが、これについて私の友人は、「ベルルスコーニ以外であれば誰でもよかったという空気があった。それだけベルルスコーニに嫌気がさしていた。左翼陣営までもがベルルスコーニ辞任を喜ぶあまり、モンティを歓迎してしまった」と分析している。 モンティは、ウィキペディアの記述によれば、「2005年に設立されたヨーロッパのシンクタンク、ブリューゲルの初代議長である。また1973年にデイヴィッド・ロックフェラーによって設立されたシンクタンク日米欧三極委員会のヨーロッパ委員長を務め、ビルダーバーグ会議の主導的メンバーでもある。またゴールドマン・サックスとザ・ コカ・コーラ ・カンパニーの国際的顧問」である。つまり典型的な金融資本1%サイドの人間であり、IMF「緊縮」路線を着実に遂行するための人選であることは言うまでもない。 こうした実態が明るみになり、また企業が業績悪化の際に容易に解雇をできる法案を2012年6月に成立させたことから、わずか1年足らずで支持率は急落し、最近では30%前後となっている。 そして国民の不信は大政翼賛会的にモンティ内閣を支える左右両翼の既成政党、そしてモンティを任命したナポリターノ大統領に向けられている。ナポリターノは元々レジスタンス戦士であり、その後共産党に籍を置き政治家となり、初の共産党出身の大統領となったのであるが、そうした経緯からよけいに、今回の金融側のモンティ指名に関してナポリターノへの失望と怒りは非常に大きいものになっていると友人は言う。イタリアにおけるオールタナティブ運動の急速な拡大にはこうした背景がある。彼らは旧態依然とした左右両翼の既成政党およびそれらを支える旧態依然とした支持母体に対して批判的である。 私がこの話を聞いたとき想起したのが、消費税増税・TPP加盟という経団連と全く同じ主張をする左翼陣営の支持母体である「連合」である。もはや「連合」は労働者のための組織でもなんでもなく、単なる経団連翼賛団体と成り果ててしまっており、TPPに反対する人々から経団連とともに痛烈な批判を浴びせられている。イタリアのオールタナティブ運動に携わる人々の既成政党やその支持母体への批判とよく似ていると咄嗟に思った。私も従来から当ブログで主張しているように、TPP反対運動は旧態依然とした「左右の対立軸という枠組み」を越えて、1%新自由主義グローバリズムに対抗するための新たな思潮を内包していると思う。「左右の対立軸という枠組み」は現在進行している事態への対処を見つけ出すことをより困難にするものであり、いわば「目くらまし的効果」を発揮する。左右の枠に拘泥していると、現在進行している事象に関して、却って物事が見えなくなるのであり、我々はこのことに自覚的であるべきである。(⇒拙ブログ過去記事「1%新自由主義グローバリズムに対抗する政治思潮を顕在化させる必要性。現代日本の政治はなぜ行き詰るのか。後編」4月3日付) さて話をイタリアに戻そう。イタリアにおけるオールタナティブ運動の中心人物は著名な喜劇俳優であるベッペ・グリッロ氏である。2009年10月にグリッロ氏は「五つ星運動」を開始した。グリッロ氏らは「反緊縮」を掲げ、環境保護や汚職根絶、ネットへの無料接続、公的債務のデフォルト、ユーロからの離脱検討などを政策として訴えている。既成政党への不信から、若者を中心に絶大な支持を集めている。集会を開催すれば数万人が集まる。グリッロ氏のブログのコメント欄では白熱した政治議論が行われている。このブログは政治のイタリア語版のほかに英語版と日本語版がある(日本語版の方は最近の記事が翻訳されていない模様)。私の友人はこの運動に積極的に関わっている。 グリッロ氏率いる「五つ星運動」が開始されたのはベルルスコーニ政権当時の2009年であるが、モンティ政権とそれを支える既成政党への批判が高まる中、勢いを増し、今年2012年4月の地方選挙で、パルマ・ミーラ・コマッキオなどの4都市で首長ポストを獲得した。現在「五つ星運動」の支持率は20%に達し、左右両陣営それぞれの支持率に並ぶほどにまでなっており、次期総選挙での躍進が期待されている。 朝日新聞6月14日付の記事『イタリアでも「反緊縮」台頭 人気芸人が率い支持拡大』は比較的冷静にこのオールタナティブ運動を報じているので、ご参照いただきたい。 しかし、このイタリアにおける運動を「イタリアの橋下」などと報じた日本経済新聞は異常という他ない(記事リンク⇒『国政にらむ「イタリアの橋下」、台風の目の予感 』)。橋下維新は当ブログでお伝えしてきた通り、その政策・人脈から紛れもない新自由主義政党であることは明白であり、その性質はあえてイタリアの政治勢力に喩えるのであれば、モンティやベルルスコーニに近いと言えるだろう。新自由主義路線と真っ向から反する「反緊縮」を掲げるグリッロ氏の「五つ星運動」を、新自由主義路線の橋下維新に喩えること自体が荒唐無稽である。橋下維新は新自由主義者たちの砦であり、最後の悪あがきである。あるいは日本経済新聞は意図的に国民を欺くためにわざわざグリッロ氏を橋下に喩えることで、逆に橋下維新があたかも日本の庶民が選択すべきオールタナティブであるかのような演出を意図的にしているのかも知れない。この場合はかなり悪質である。 「五つ星運動」への支持も、橋下維新への支持も「不満」を背景にしているという点では似ているといえるのかも知れないが、友人と話してわかったのは、「五つ星運動」支持者のベクトルは非常に建設的であり、集会やネットにおけるディスカッションを通して新たなものを下から作り出していこうという衝動が強いということである。 これに対して橋下維新の方は、ルサンチマンを支持の背景にしているが、「維新の会」そのものは橋下のワンマン経営であり、その背後には竹中平蔵を筆頭とした選挙で選ばれることのない得体の知れない新自由主義者たちのブレーンが控えている。独裁者であるはずの橋下はそれらブレーン集団や背後のパトロンのパペット状態だ。維新支持者による熱心な集会や議論などというものも皆無といっていい状態で、ベクトルは破壊的な方向であると私は感じる。 また「五つ星運動」は既存のマスコミに批判的であるが、「橋下維新人気」というものはそもそもマスコミによって演出されたものであるのは明白であり、橋下がマスコミに時折噛み付くのは、橋下が既存メディアに批判的であるからでは決してなく、マスコミがたまたま橋下に都合の悪いことを報じたときだけである。基本的にマスコミのヨイショがなく、政策や実績を客観的に国民が検証できる状態となれば「橋下人気」などというものもすぐさま雲散霧消してしまうものであると思う。最近では橋下維新への支持も急落してきているが、これは橋下維新の正体がネットを通じて知れ渡ってきたからであろうと思う。拙ブログもそれに少しでも寄与できたのだとすれば光栄である。 結論としては「五つ星運動」と「橋下維新」は全く似ても似つかない代物で、橋下維新をオールタナティブ運動に模すこと自体が馬鹿げたものであると私は思う。維新のような「偽オールタナティブ」に惑わされては決してならない。むしろ我々は日本における形を伴った本物の建設的オールタナティブ運動の不在を嘆くべきであろう。 [新自由主義グローバリズムの砦IMFの声明と金融支配に屈する日本] この友人とは当然「緊縮」新自由主義カルトの砦と化したIMFやギリシャ・イタリア・スペインの問題についても話し合った。ギリシャにおいても既成政党への不信からユーロ離脱派の新党が躍進したが、土壇場で勝利を手にすることはできなかった。ユーロに残留するのも脱退するのもいばらの道であることに変わりはないのなら、ユーロに残留して金融の残したツケを国民が払わされるよりは、脱退して中央銀行を国民の手に取り戻すことの方が合理的な選択に見える。私と友人はこれは「ユーロを脱退すれば、今あるものを失うという恐れに由来するものだろう」という点で一致した。この恐れはそれほどまでに強大なのだ。 イタリアはもしオールタナティブ運動が政権を取ることになったら、ギリシャ・スペイン・フランスを誘って共にユーロを脱退し、主要金融機関を暫定的に国有化すればいいという話を友人とした。ユーロ誕生の結果、各国は国家主権を保持したまま中央銀行を失うという宙ぶらりんの状態にあるわけだが、論理的に考えれば残された方向は、加盟各国が個々の国家主権を放棄して政治的にも統合してしまうか、あるいは、ユーロから脱退して国が中央銀行を取り戻すかしかないだろう。 友人が帰ったあとに大きなニュースが2つ飛び込んできた。ひとつはEUのノーベル平和賞受賞である。ノーベル平和賞は極めて政治的な賞であるが、今回のEUの受賞もそう言えるだろう。NATOでもなくユーロ圏諸国でもなく、EUの受賞であるのがミソだが、加盟国が米国と共にアフガニスタン介入を経て、「大量破壊兵器が存在する」という事実無根の口実でイラクの体制を転覆し、さらにリビアの体制転覆を支援し、シリアの体制転覆をも目論んで軍事支援を行っている最中に、「平和賞」をEUが受賞するというのはある意味悪い冗談にすら聞こえてくる。 そしてその発表の直後に東京で行われたIMF総会を見ると、このタイミングでEUにノーベル平和賞を授与したのは、南欧諸国のユーロ離脱とユーロの崩壊を防ぐためなのではないだろうかと勘ぐりたくなる。 以前にもこのブログでお伝えしたが(⇒拙ブログ過去記事「グローバル資本主義の悪循環を断ち切れ!自国民を救済せず他国に大盤振る舞いをする日本。消費税増税など論外である。」4月23日付)、日本がIMFに4.7兆円もの資金を拠出することが今回のIMF総会で正式に決められた。「日本は財政が破綻するから緊縮財政を敷き、増税しろ」とIMF幹部は高飛車に言い放ち、消費税増税をけしかけていたのであるが、その財政が破綻するはずの日本が、自国の大震災後の復興もよそに4.7兆円もの資金をIMFに差し出すというのだから滑稽である。国民を馬鹿にするにも程がある。「反緊縮」を訴える政治家・政治勢力はこのIMFへの資金拠出を政治問題化すべきである。見て見ぬふりをするのなら、茶番ではないか。 そしてIMFの声明が10月13日に発表された。これを伝える毎日新聞の記事『<IMF声明>欧州の財政統合要望 日本は公債法成立を』は短いもので、内容の詳細はわからぬのであるが、重要なことが書かれている。記事から部分引用する。 ——————– 「声明は、欧州の債務危機への対応について、金融安全網の「欧州安定メカニズム(ESM)」発足や、欧州中央銀行(ECB)による財政危機国の国債買い支えなどの取り組みを歓迎。しかし、「さらなる措置が必要」として、金融監督を一元化する銀行同盟や財政統合の実施、成長と雇用を促進する構造改革に期待を示した。」 ——————– … Continue reading

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石原慎太郎の「愛国」は「有罪」である。領土問題の火遊びよりも復興が先だ。

<当ブログ「橋下維新は答えではない!」シリーズ:橋下維新の正体↓> その①ファシストは人々の心に巣食うファシズムに囁きかける その②形骸化する民主主義:選挙で選ばれぬ人たちが政治を動かしている その③選挙で選ばれぬ新自由主義者たちによって売りに出される大阪:大前研一と竹中平蔵の影 その④【地下鉄利権】関西私鉄幹部が大量に大阪市参与に就任していたことが判明。裏で進められる公共財の解体と簒奪。/一刻も早く橋下リコール運動を開始すべし。 その⑤【大阪地下鉄民営化利権続報】在阪マスコミは関西私鉄の事実上支配下にある!マスコミが橋下維新・地下鉄「民営化」問題を報じない理由 ブログの更新がすっかり遅くなってしまった。 さて、皆様もご存知の通り、中国における反日デモは過去最大の規模となり、一部は暴徒化し、現地の日系企業やデパートなどが襲われる事態となった。在留邦人の生活に多大な支障をきたしているほか、日本車に乗っていた中国人までもが、自称「愛国者」に襲われ、意識不明の重体になったとの情報も出ている。 日本製品を買った中国人までもが同じ中国人に襲われるというニュースによって、今後日本製商品を買い控えたり、日系スーパーやデパートの利用を控える傾向が中国人消費者の間に出たとしてもなんら不思議ではない。今回の暴動の背景には、中国国民の間で広がる格差への不満があり、「日本車を買えるような富裕層」への反感もあるとのことであるが、暴動による物理的被害に加えて、今後もたらされるであろう影響を考慮に入れれば、今回の一件による損失は計り知れないものとなっている。 中国に対する好悪というものも人によってまちまちであろうが、中国は現在日本の最大貿易相手国であるという現実から目を背けると、「国益」を大きく損ねることになりかねない。仮に事態がエスカレートし、日本企業が中国で商売をできない状況になったとして、利益を得るものは誰なのかということに注意を払うべきである。石原慎太郎のような対中関係をひたすら悪化させようとする勢力の主張する「国益」とは一体何なのであろうか。日本企業や在留邦人や日本製品の消費者まで襲われるというのが、「国益」だというのであろうか。 [猪瀬直樹の見苦しい言い訳] 猪瀬直樹・東京都副知事は中国におけるデモが暴徒化したニュースが流れた後、ツイッターで以下のようにツイートをしている。以下引用する。 「尖閣買収そもそも論。石垣市の漁船は5トン、無線機1W、漁業資源が豊富な尖閣まで行くのはリスクが高い。中国や台湾の大きな船が操業している、無線も10W。そういう事情があり石垣市長が小さな船だまりと電波塔があればと求めていたところ、地権者との連絡が山東昭子議員経由でできそう① ②山東昭子議員から石原知事へ。石原知事は地権者と会ったのが1年前。地権者は相続の問題が発生する前に譲ると言った。ふつうならそこからすぐに展開するはずがうなぎのようにぬるぬるとしている。負債があるからだが調べればわかる。資産もあるからバランスシートで見ると10~15億円。③ ③地権者は手付金を要求したが、納税者への説明責任と民主主義のルールの基づいた手続きのためそれはできない、島を調査し財産価格審議会に諮り適正価格を示し議会の議決を要する旨を伝えた。すると野田政権が地権者が大儲けできる金額20億5000万円+αを提示して地権者に接近した。④ ④地権者から東京都へという国内の所有権移転にすぎない話がいきなり国有化となった。賃貸料年額約2500万円から国有化するなら意味がなければ。野田・石原会談で船だまりは前向き検討する、近く返事をするだった。しかし外務省は官邸の言うことを聞かない。官邸には全く威光がないのだ。⑤ ⑤外務省は中国に何らかの形でお伺いを立てたが役人は余計なことで失点したくないので形通りで引っ込んだ。では何のために札束で国有にしたのかさっぱりわからなくなった。宙ぶらりんな政府の姿を晒して中国側に足下を見透かされただけだった。国有化の語感は中国では全然違う。口実をつくった。⑥ ⑥香港の活動家を上陸させたのは野田政権・外務省の明らかな判断ミスだった。領土問題は既成事実がつくられると、さらにつぎにはエスカレートする。水際で処理すべきだった。繰り返すが、尖閣が自国の領土、だから日本企業への暴行・略奪をしてよい、では論が立たない。あとは中国人の誇りの問題。」 早い話が猪瀬は、都による尖閣購入は「地権者から東京都へという所有移転にすぎない話」であり「国有化」とはわけが違うと主張しているのだが、石原都知事のぶちあげた尖閣購入はそのような政治色のないものではないことは明らかだ。猪瀬の論理は政府に責任をなすりつけて、都は責任から逃れようという魂胆が丸見えの言い訳に過ぎない。 「尖閣国有化」という言葉が独り歩きしているが、そもそも今回の反日デモ・暴動を誘起した直接的原因は石原慎太郎・東京都知事が言い出した東京都による尖閣買収とそれへの募金騒動であったことは言うまでもない。石原は一部のメディアと結託して尖閣の都による購入をぶち上げ、さらには上陸が許可されていない尖閣に上陸すると公言し、「逮捕してみろ」と日本政府を挑発してきた。 仮に猪瀬の言うように都が所有していれば、日中関係は平穏に過ぎるというのであろうか。きっと石原はまたもや「都の所有した」尖閣に上陸したりして、より日中関係を悪化させる結果を招くであろうことは想像に難くない。従来散々日中関係を悪化させる言動を行ってきた石原は、尖閣を購入してさらに中国を挑発する愚行をやりかねないと政府や官僚は判断し、石原の暴走を防ぐためにやむを得ず国有化に踏み切ったというのが真相であろう。猪瀬は国有化した政府を非難しているが、そもそも、もし石原がこのような真似をしなければ、最初から政府は国有化をしなかったであろう。 猪瀬の論理は倒錯しており、当事者意識もそこには感じられない。単なる責任逃れのための言い訳のようにしか聞こえない。尖閣購入のために行われた募金が今後どうなるのかわからぬ状態であるが、子どもじみた言い訳をしている暇があるのなら、暴徒に襲撃された商店や企業への献金でも募るべきではないのだろうか。 [日本に有利であった「尖閣棚上げ論」] 二国間あるいは多国間における領土問題というのは珍しい話ではない。A国とB国の間に領土問題があり、A国が実効支配している。そしてA・B両国の間で領土問題については棚上げし、友好関係を促進することで両国が合意していたとする。これはA国の実効支配を事実上認めているものであり、A国にとっては非常に都合のよい合意である。 この場合、A国にしてみれば、自分が実効支配しており、かつB国も事実上その支配を黙認しているようなに土地に関してわざわざ「これはA国の領土であり、B国の領土ではない」と派手に喧伝することは、単にこの問題を顕在化させ、B国の国民のA国に対する反感を高め、両国間の関係を悪化させることにしかならない。今回の石原都知事が引き起こした騒動はまさにそのケースであると言える。 [尖閣問題の発端は前原の火遊び/油を注いだ石原] そもそも尖閣諸島は沖縄返還まで米国の統治下にあった。沖縄の返還の際に米国が尖閣諸島を沖縄の一部として共に日本に引き渡したのである。孫崎亨・元外務省国際情報局長はこれを米国の仕掛けた領土問題の罠であると指摘している。1978年の日中平和友好条約締結時に、鄧小平の提案によって尖閣問題は「棚上げ」することが決められた。事実上日本の実効支配を中国が容認したことになる。漁船の操業に関しては従来は海上保安庁は漁船を追い払うことはしたが、拿捕するような真似はしなかった。 この方針を転換し、尖閣諸島を政治問題化したのは、民主党対米従属派の筆頭であり、当時海上保安庁を所管する国土交通省の大臣であった前原誠司である(当時菅直人内閣)。2010年9月7日海上保安庁は巡視艇に衝突した漁船の乗組員を逮捕し、一気に政治問題化したのは皆様の記憶に新しいことと思われる。 中国漁船船長の逮捕から釈放までの経緯でビデオ流出問題などがあり、仙谷由人と馬渕澄夫に対して責任追及の声が上がったにもかかわらず、なぜか一番の当事者であるはずの前原に対して責任を問う声はメディアや政治家の中から出ず、前原は9月17日の内閣改造で外務大臣に就任している。 この背景には、東アジア共同体構想を打ち上げ、普天間基地の辺野古移転に反対し、県外か海外への移設を目指した鳩山政権の対米自立派と、対米従属派との暗闘があったものと思われる。マスコミと対米従属派は自主外交路線の鳩山政権を激しく攻撃して倒し、菅を傀儡として担いだのだ。 尖閣漁船事件が起こった当時、マスコミからは「日米同盟の重要性が再確認された」などというキャンペーンが盛んに行われた。尖閣事件の後、前原が外務大臣に横滑りした直後に、なぜかアーミテージが折りよく来日し、在日米軍に対する「思いやり予算」増額を要求したのであるが、アーミテージはブッシュJr政権の要人ではあったがオバマ政権とは関係のない人物である。しかもこの尖閣問題は基地問題が大きな争点となった沖縄県知事選挙の投票が迫った中で引き起こされた。 前原によって引き起こされた一連の騒動が下火になって、ようやく落ち着きを取り戻そうとしていた矢先に、今度は石原慎太郎によって再び油を注がれたといえるだろう。 [米軍は日本を守るのか/「日米同盟の重要性再確認」キャンペーンの虚妄] さて、尖閣問題が前原によって引き起こされたとき、マスコミや対米従属派論客から盛んに「日米同盟の重要性が再確認された」との説が流布されたのであるが、果たしてこれは真実であろうか。 2005年に日米間で合意された「日米同盟~変革と再編」には、日本周辺の島嶼部は日本側が防衛することが明記されている。そして米軍はたとえ尖閣諸島が軍事占領されたとしても、米議会の承認がない限り出動することはない。さらに、今月17日来日したパネッタ米国防長官は「主権に対する紛争は、いずれの国の肩も持たない。平和的解決を望んでいる」と語り、米国は尖閣問題が紛争に発展しても中立を保つとの立場を明らかにしている(関連記事リンク)。 これらのことからわかるのは、尖閣をめぐって日中双方が紛争を起こしたとしても、米国は主体的に関わることはないということである。島嶼部防衛は日本側がすることとされ、米軍は議会の承認なしに出動することはなく、また現政権はこの問題に対して「中立」の立場をとることを表明しているのである。日本の対米従属派からは尖閣問題を機にさかんに「日米同盟の重要性」や「日米同盟の深化」なるものが唱えられるのであるが、実際には尖閣の防衛には役に立たないものであることがわかる。 [対米従属派による改憲論の危険性/米国からの独立はなく米国の使い走りで局地紛争をする羽目になる] 近年になって愛国的な装いをつけた憲法9条改正論が唱えられているのであるが、このことにも我々は注意を払う必要がある。従来の「自主憲法制定」というのは対米独立派が中心に唱えていたものであるからである。「自主憲法制定」と「米国からの独立(駐留米軍の撤退)」は表裏一体のものであったのだ。ところが現在は対米従属派が憲法9条改正を狙っている。これは危険極まりないという他ない。 米軍の完全撤退のないままに、軍を持つことになったとしたら、恐らく引き起こされる結果は、米国の指図のままに世界各地の紛争に派兵を強いられることとなるだろう。このことは隣国の韓国を見れば明らかである。恐らく軍需産業は武器の販売・輸出で儲けたいのであろうが、貧困層の受け皿は兵役という恐ろしくグロテスクな構図になるに違いない。田中康夫は「米国は戦争が公共事業」と喝破したが、そのようなことが日本においても起こることになるだろう。このような改憲は断固拒否すべきであることは明らかである。 少なくとも憲法9条を改正したいというのであれば、国内に駐留する米軍の完全撤退・米国からの独立というものが担保されぬ限り、非常に割の合わぬ取引となる。現在愛国者よろしく勇ましい改憲を唱えている人たちに、ぜひ訊いていただきたいと思う。あなたの唱えている9条改正は在日米軍の撤退と表裏一体のものであるのかと。 … Continue reading

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坂道を転がり落ち「韓国化」する日本・新自由主義グローバリズムの否定こそが事態を打開する

TPPを断固拒否する国民行動  TPP反対!7・19経団連前抗議行動 <当ブログ「橋下維新は答えではない!」シリーズ:橋下維新の正体↓> その①ファシストは人々の心に巣食うファシズムに囁きかける その②形骸化する民主主義:選挙で選ばれぬ人たちが政治を動かしている その③選挙で選ばれぬ新自由主義者たちによって売りに出される大阪:大前研一と竹中平蔵の影 その④【地下鉄利権】関西私鉄幹部が大量に大阪市参与に就任していたことが判明。裏で進められる公共財の解体と簒奪。/一刻も早く橋下リコール運動を開始すべし。 その⑤【大阪地下鉄民営化利権続報】在阪マスコミは関西私鉄の事実上支配下にある!マスコミが橋下維新・地下鉄「民営化」問題を報じない理由 (久々のブログ更新です。自分のパソコンが壊れ、古いものなので修理を断念するも、新しいものを買うのも懐が痛むので、だらだらと別の人のものを借りている状態で、なかなかゆっくりとブログを書けません。今後もこの状態が続くものと思われます。また明日から以前から気になっていた国を訪れる予定で、来月までブログが更新できません。ツイッターの方もしばらくお休みになります。 更新が滞りがちですので、今度から日々のツイッターのつぶやきのまとめをブログに載せようかとも考えています。) [「韓国化」する日本・40歳定年制の狂気] 当ブログではアジア通貨危機の際にIMFやヘッジファンドを敵に回し敢然と戦って国を守ったマハティール首相(当時)率いるマレーシアと、IMFの言うがままに市場を極端に開いた結果経済を乗っ取られ、政治まで乗っ取られ、公共領域の解体が進められ、仕上げの米韓FTAによって国民国家としてはもはや終了したとも言える韓国とを比較検証してきた。 そして残念ながら日本はマレーシアの採った道を選ばずに、小泉・竹中構造改革・市場原理主義路線を採用し、外資にわざわざ門戸を開放した結果、韓国に非常に近い状態になってしまったということも指摘した。日韓両国は経済面でも乗っ取りが進み、また軍事的にも独立していない点でも酷似している。 外資がある国の経済を自由の名の下に乗っ取りを進め、さらに政治家もその配下において国家そのものをいわば食い物にすることを「ネオ植民地化」と呼び、それが具現化したものが韓国であるということを指摘してきた。つまり「ネオ植民地化」は「韓国化」と呼べばわかりやすいと思う。詳しくは当ブログ記事「日本の「韓国化」を阻止せよ!:TPPによって日本の「韓国化」「ネオ植民地化」完成を目論むBKDを討て!」をご参照いただきたい。 日本は現在の新自由主義路線を採り続ける限り、「IMFの優等生」である韓国は財界からは見習うべき手本であるとして賞賛されると同時に、一方で、日本よりも自殺大国となってしまうなどの様々な社会問題を内包するもはや社会とは呼べないような社会は日本が迎えるであろう近未来を提示し続けることになるのだ。 韓国は45歳定年制で雇用率が59%まで低下したという衝撃的ニュースが朝鮮日報で報じられたのは先月6月27日のことであるが、その直後の7月6日に野田佳彦首相を議長とする国家戦略会議のフロンティア分科会がなんと「40歳定年制」を打ち出しているのだ。ちなみにこの分科会のメンバーは財界人ばかりで、野田内閣の「資本直轄内閣」という性格を浮き彫りにしている。 ちなみに韓国の若年失業率は政府発表では7.6%となっているのだが、実質は16.7%である。政府統計は就職準備中や就職を諦めた人を統計から除外するという小細工をしているのである。また45歳定年制ということだから、45歳より上の失業者をカウントしていない可能性もある。 この提言では「皆が75歳まで働くため」などと銘打っているのだが、実際に導入すればどうなるかは韓国の事例が示している。皆が75歳まで働くなどということはありえないのであり、それは目標なのではない。実際の目標は「40歳定年制」の実現であり、「75歳まで働けるようにする」というのはその目標を達成するための言い訳(ネオリベ流ニュー・スピーク)に過ぎない。この事例を見ても、日本の経済界がいかに韓国の後追いをしているのかがわかる。 私はこの「韓国化」という視点は非常に重要であると考えている。マクロ政治や比較国家論においてある国家を分析する尺度としても有効であると考えている。日本の学界の現状がどうなのか知る由もないのだが、政治学者で同様の視点で事態の進行を分析している人はいるのだろうか。もしいないのだとすればそれは非常に憂慮すべき事態である。高い学費を払って大学で学ぶ意味があるのであろうか。 [坂道を転がり落ちる日本] 「知識人の転向は、新聞記者、ジャーナリストの転向からはじまる」と丸山真男は述べているが、今の日本はまさにその状態にある。しかも過去の「転向」に見られたような良心の呵責や深いレベルでの苦悩というものが見出しがたいという点で、「近代」の理解・受容も中途のままポストモダン・テレビ衆愚時代を経てしまった、哲学も倫理もなき日本の深刻な病理を示していると言える。 マスコミはジャーナリズム機関であることをやめ、資本のプロパガンダ機関となり、知識人なるものは声を潜め、ニセモノの知識人がテレビの画面で減らず口を叩いている。民衆のためになる政策は「バラマキだ」「大衆迎合だ」などと非難する一方で、少数支配層にのみ都合の良い政策をその国民への不利益も説明せず民意を無視して決めることを「決定する政治」などという「ニュースピーク」を編み出して賞賛しているのである。議会制民主主義も形骸化し、風前の灯となっている。 こうした危機的状況に対して正面から異を唱える政治学者が皆無に等しいということに私は正直愕然としている。多方面での社会制度の劣化が決定的となってきている。大手マスコミのジャーナリズムは既に窒息死したと言える状態であるが、アカデミズムなるものにも同様の診断がなされるべきなのだと思う。旧来のアカデミズムは無視して、新たなアカデミズム、ある意味アカデミズムの再興とでも呼ぶべきものを我々は目指すべきであると思っている。アカデミズムのみならず、労働界・財界やその他のまだ生き残っている中間団体など多くの分野で同様のことが言える。 日本は長らく坂道を降り続けている。下り坂が長く、しかも当初は傾きの緩いものであったのだが、上りに向かうように見せかけるだけで、実際には傾きは徐々に下方へと向かっており、日本という国の転落のスピードは加速してきている。なかなか中にいる人は気づかないのであるが、それを操縦している連中の目的地は最初から定められており、それに向かって進んでいる。 TPP問題が出てきたおかげでやっとこのことに気づく人もでてきたと言える。新自由主義グローバリズムを今ここで踏ん張って阻止し、この流れを止めることができるか否かで日本の将来は決まる。民衆側が国民国家を取り戻すことができるのか、それができずに「ネオ植民地」となるのか、2012年という年は後から振り返って見れば、歴史上の大きな分岐点となると思う。 <参考記事> 韓国の雇用率 EUの危機国家イタリア(56.9%)・スペイン(59.4%)未満の59.1% 【雇用】韓国の若年失業率、実質16.7% 政府の統計「7.6%」と大きな差 【雇用】「韓国の失業率3%」はホント? 就業準備中の人は集計から除外、体感失業率は11.8% 【韓国】韓国の年間自殺者数、10年間で2.4倍に!OECD加盟国で自殺率トップ [米韓FTAとTPPに関する記事2本] 最後に日本農業新聞が報じた重要記事2本を引用する。引用元は日本農業新聞のツイッターとにゃんとま~さまのツイッターである。 記事①:KBSプロデューサーで全国言論労組委員長の李康澤(イ・ガンテク)氏による「韓国大統領選挙、米韓FTAに関わる報道の現状」での7月15日の講演より。韓国の「ネオ植民地」の実態が浮き彫りとなっていることがおわかりいただけることと思う。 KBS李康澤氏の話 「もともともっと体格良かったのですが、21日ハンガーストライキに入り以前より痩せました」 「FTAとはフリートレードアグリメントと訳すが、フリーでもトレードでもアグリメントでもない。これは詐偽である。誰が自由になるのか。国民は全く自由にならないが、多国籍の企業が自由になる。」 「協定は部分的であるべきたが、FTAは他の国の法律の上位にあることが問題。(李康澤氏はNAFTAとメキシコの現状について、KBSで特集を制作した)」 「貿易以外の安全措置を全て排除し、全て貨幣価値で判断しようとするものである。」 「FTAは経済的な国境そのものを自由にするものであり、多国籍企業にはメリットがあるが、農民や国民にはメリットはありません。FTAでは農業の多面的機能や環境への価値などは全く換算されておりません。」 「表には衝突は見えていないが、韓国ではソフトウェアへのライセンス契約などの支払いが急増している。薬価についても上昇している。」 … Continue reading

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