Category Archives: マスコミ問題

マハティール元首相がTPPに警鐘、「我々は再度植民地化される」

<当ブログ重要記事> 世界的に見ても異常に高額な供託金制度が国民の参政権を侵害している/1%代理人ばかりが選出されるインチキ民主主義のカラクリ 供託金廃止運動のサイトが立ち上がりました(三宅洋平氏も署名済み) ⇒供託金をタダにしよう!または、限りなくタダに近くしよう! マレーシア・コタキナバルでTPPの第18回会合が7月15日から25日まで開かれたが、それに先立つ7月12日にマハティール・マレーシア元首相がブログでTPPに重大な警告を発した。それが若干編集されたものが同日付の現地有力英字紙「ニュー・ストレート・タイムズ」に掲載されている。幸いブログ「マスコミに載らない海外記事」様がマハティールのブログ記事を訳出してくださっているので、この記事の下に転載させていただく(ここではマハティールのブログの訳出部分のみ転載させていただくが、当該ブログ記事にはブログ主さまのコメントも書かれているので、そちらもご参照いただければ幸いである)。 拙ブログでは、マハティール元首相が2012年5月に来日し、国会議員と懇談した際に、「私が現役ならTPPに絶対参加しない」と述べたことをお伝えした。またマハティール(当時首相)が1997年から98年にかけてのアジア通貨危機の際に、IMF救済策を拒否し、国内のグローバル派(BKD)との戦いを制し、資本統制策と財政出動によって短期で危機を脱出することに成功したことを特集を組んでお伝えした。 マレーシアとは対照的に、同様の通貨危機に陥らされたタイ・インドネシア・韓国はIMF勧告に従ったがために、さらに大打撃を蒙ることとなったこともお伝えした。特に韓国はIMFの直接支配を受け、極端な民営化・構造改革・外資への門戸開放をさせられ、国内経済を多国籍資本に事実上乗っ取られ、ネオ植民地となり、未だにそこから抜け出ることができないでいることもお伝えした。これらの詳細に関しては以下の4本の記事をご参照いただければ幸いである。 IMFと戦い国民・国家を守ったマハティールに学ぶべし! ②IMF「救済策」が明暗を分けた ③:野党指導者アンワルとその「グローバル」人脈 日本の「韓国化」を阻止せよ!:TPPによって日本の「韓国化」「ネオ植民地化」完成を目論むBKDを討て! マハティール元首相「私が首相ならTPPに絶対参加しない」「日本人よ、いつまで米国の言いなりなのか!目を覚ませ!」 マハティールは今回の記事で、まずTPPが秘密交渉であること及びマレーシア政府の交渉能力そのものに率直に疑問を呈し、TPPの危険性に警鐘を鳴らし、かつマレーシアがこの条約によって再度植民地化されると述べている。当ブログの認識とも全く一致する。マハティールは、ISD条項などのTPPに仕掛けられた罠も完全に見抜いて警鐘を鳴らしている。アジア通貨危機当時、首相として、通貨危機そのものが多国籍資本とIMFによって仕掛けられたことを見抜き、それらと国内BKDとを敵に回して戦い、国家と国民を守ったマハティールの言葉だけに非常に重いものがある。 マハティールが「通商産業省が既にTPPに合意することに決めているのを私は知っている。省はいかなる反論も、決して受け入れようとしない」と述べているのは非常に印象深い。ここでマハティールが述べている通商産業省とは勿論マレーシアのそれであるが、全く同じことが日本の経済産業省についても言えるからだ。日本で新自由主義グローバリズムの旗を振る宗像直子などの現役経産官僚や岸博幸などの経産省OBは、なぜか揃いも揃って官僚時代に米国に公費留学しMBAを取得して戻ってきているのであるが(ちなみに同じ経産官僚でもTPP反対の急先鋒として知られる中野剛志は英国エジンバラ大学に留学し政治思想を専攻)、ひょっとするとマレーシアの通産官僚も日本と同じようなことになっているのかも知れない。 マレーシアの通産官僚がマハティールの苦言すら聞き入れないというのであれば、アジア通貨危機の教訓が全く生きていないばかりか、すでに日本と同様内側から切り崩され、骨抜きにされ、1%に仕えるBKDと化してしまっているのかも知れない。 しかし、マレーシアの状況は日本よりも数倍マシであろう。少なくともマレーシアではマハティールのTPPに関する鋭い分析と警鐘が単にブログでの発信だけに終わることなく、大手紙に掲載され、広く国民に発信されている。 それとは対照的に、日本は国家・国民を守る勇気と知性を持ち合わせたマハティールのような政治家が出ることもなく、愛国を気取りながら国を売る卑劣な売国奴が権力の座にある。そして大手紙・放送局はジャーナリズムを気取りながら、TPPの危険性について殆ど国民に報じず、根拠なき楽観論ばかりを垂れ流して国民を意図的に誘導するBKDプロパガンダ機関と成り下がっている。恥も外聞もない状態だ。マスコミがこのような状態で民主主義が健全に機能するはずがない。 先日日本郵政がアフラックと提携し、アフラックのがん保険を郵便局で販売することに合意したというニュースが報じられた。しかし殆どのマスコミは、この提携合意以前に、日本郵政が独自のがん保険を販売しようとしたところ政府の介入でそれを阻止されたという前段を詳しく報じていない。つまり日本政府はアフラックの独占を取り締まるどころか、日本郵政のがん保険市場参入を阻止し、アフラックとの提携に無理矢理追い込んだのである。つまり外資企業の市場独占を手助けしているのである。到底こんなものは「自由で公正な競争」とは程遠い代物だ。 そして驚くべきことにこの屈辱的な取り決めをさせられた後、来日した米通商代表部のカトラー次席代表代行が『日本郵政傘下のかんぽ生命保険は「民間企業との競争条件が平等ではない」と批判』(共同通信、8月9日)し、更に攻勢を強める姿勢を示している。日本政府はどれだけ見通しが甘いのであろう。あるいは確信犯でやっているのかと疑いたくなる。そして、この間の事情や客観的な分析を報じてこなかったマスコミも同罪である。 また、国家主権を多国籍資本の下に置くことを事実上制度化してしまうISD条項に関して、日本政府は賛成の立場であるという、開いた口の塞がらぬニュースも飛び込んできた。これは実は5月1日に森健良駐米公使が、ワシントンのセミナーで述べていたのだという。それが最近になって発覚した。これに関しては東田剛氏(恐らく中野剛志)が記事にしているので、そちらもご参照いただきたい。 エリートの堕落とモラル喪失は恐らく戦後始まって以来のレベルであろうと思う。間もなく日本は敗戦記念日を迎えるが、日本はずっと占領軍に基地を持たれた属国状態で、今度はいよいよ多国籍資本のネオ植民地に成り下がろうとしている。国を守るために最後まで戦った英霊たちに彼らエリートと呼ばれる人種は一体どうやって顔見世できるというのだろうか。 国民はいい加減マスコミやエリートに対する信頼や認識を改め、自ら行動を起こさねばならない。何でもエリート任せにして惰眠を貪っていては、このまま国は売られてしまい、植民地化されてしまうことだろう。 マハティール元首相ブログ 7月12日(「マスコミに載らない海外記事」さまより転載) 「THE TRANS PACIFIC PARTNERSHIP」 ————————————— 1. 通商産業大臣は、通商交渉は秘密裏に(担当官僚によってだろうと私は推測するが)行われなければならないと断言した。国民的論議がなされてはならず、政府内部でさえ議論されてはならないのだ。 2. もし実際にそれが習慣なのであれば、それは良い習慣だとは思わない。マレーシア政府が交渉した通商や他の協定の実績を検討してみよう。さほどマレーシアの役に立ったようには見えない。実際、協定類で、マレーシアは不利な条件を飲まされる結果となっているように見える。 3. 最初に、シンガポールとの水契約を見てみよう。マレーシアは原水1000ガロンを3セントで売ることに合意した。引き換えに、マレーシアは、12パーセント、あるいはそれ以下の処理済み水を、50セントで購入できる。価格改訂には、両国の合意が必要だ。 4. もしマレーシアが、価格を、1000ガロン6セント(つまり100パーセント)に上げれば、シンガポールは、同じ比率で、処理済み水1000ガロン、1ドルに値上げできる。これではマレーシアに恩恵はない。それで我々は決して価格再交渉をしようとしていない。 5. 最初の協定は、2011年に期限が切れたが、我々は全く再交渉しなかった。次の協定は、2060年に期限が切れる。そこで、生活費はおそらく何層倍も上がっているだろうのに、原水1000ガロンにつき、3セントの収入を得ることとなる。 6. マレーシアが原水価格を上げた場合に、シンガポールが水価格を改訂するのを防ぐべく、ジョホールは自前の浄水場建設に十分な資金を与えられた。シンガポールからの供給に依存する必要がなくなれば、シンガポールに処理済み水価格を上げさせずに、原水価格を上げることが可能になろうというわけだ。 … Continue reading

Posted in anti TPP, ネオリベ, マスコミ問題, マレーシア, 偏向報道, 反ネオリベ, 反TPP, 反新自由主義, 新自由主義, 日本, 日本社会, 民主主義

安倍自民圧勝と冬の時代の到来 / 山本太郎当選の意義:オールタナティブ運動の核となれ

[参院選:立法府の9割を新自由主義勢力が占める結果に / 窮地に陥ったTPP反対運動] 参院選が終わった。マスコミの事前の予想とほぼたがわず、自民の単独過半数はならなかったものの、自公で単独過半数を達成し、衆参のねじれが解消された。自公が圧勝した昨年末の衆院選、先の都議会選挙と、安倍自民への追い風がずっと続いている状態である。維新・みんなも公示前勢力を上回った。自民や民主の中にTPP反対派がいるとされるが、安倍政権は今回の選挙で事実上信任された形となった。いよいよ夏本番だが、日本には冬の時代が訪れようとしている。 TPP反対の民意を投票結果に反映させることができなかったばかりか、却って新自由主義グローバリズム勢力を伸長させることとなった。私も含め、ネット言論の非力さを痛感する。そしてこれは既に当ブログ記事「TPP反対運動が失敗する理由」にて述べたことだが、TPP反対運動を統一できずに、党派・団体別にバラバラで行っている現在のTPP反対運動の生ぬるさを認識せざるをえない。党派団体の壁を越えられなかった「不作為の作為」の招いた結果であると言えるだろう。今後の見通しは暗いものと言わざるを得ない。 第一次安倍内閣が短命に終わったのは2007年の参院選で大敗したことが大きな原因である。今回の参院選で大勝し衆参のねじれを解消したことで、安倍政権は長期政権となることが予想される。何らかの事情で衆議院が解散されない限り、今後3年は選挙がない。選挙でTPPの賛否を国民が判断する機会がもはや失われたといって等しい。 TPP反対派は国政選挙においてその民意を票に反映させ形にすることに失敗し続けている。昨年末の衆院選ではまだ「騙された」という言い訳もできたが、安倍政権がTPP推進に邁進しているさなかに行われた今回の参院選ではそうした言い訳はもはやできないことは明白であった。推進派の思う壺である。 今回の選挙においても自民から比例区候補者で唯一TPP反対のJA出身の山田俊男は前回の45万票よりは大幅に得票を減らしたものの、33万8千票を集め、同党2位で余裕の当選を果たした。選挙前に既にこの問題を指摘したが、その集票力によって同党から出馬した他の推進派候補の当選に寄与したことになる。例えば、推進派であるワタミの渡辺美樹は10万票、最下位当選の太田房江は7万7千票だけで当選した。この意味は、緑の党から立候補した三宅洋平が、ほぼ渡辺美樹と太田の票をあわせた票数である約17万7千票を獲得したが、党への基礎票が少なく落選したという事例からもよくわかることである。 多数の推進派候補が当選した一方、民主党時代からTPP反対運動に多大な貢献をしてきた山田正彦元農水相(みどりの風・比例)がわずか4万4千票しか得られず落選したということも、TPP反対派が今回の選挙でなんら有効な対策を打ち出せていなかったということを示唆している。 (私は今回山田正彦元農水相への投票を呼びかけ、ツイッターやブログを見てくださった方から山田氏へ投票したという声も寄せて頂いた。当ブログ推奨投票先に投票して下さった方々にこの場を借りて感謝申し上げる。) TPPを推進する自民・公明・維新・みんな・民主という新自由主義勢力をあわせると、参議院の91%をも占める状態となった。衆議院ではこれらの政党で衆議院の93.5%を占めている。TPP交渉がもし妥結し、批准に持ち込まれる事態となれば、否決はほぼ不可能となったと言える。安倍政権にお墨付きが与えられたことでTPP反対派は益々窮地に追い込まれる形となった。このような状態でTPPを潰すためには、海外の団体と協力してTPP交渉そのものを潰しにかかることと同時に、秘密交渉であるところのTPPの情報をできるかぎり収集し、安倍政権・自民党の掲げた政策や衆参農水委員会での決議との矛盾を突き、抗議運動を拡大していくほかない。 日本は今回マレーシアで行われているTPP交渉に日程の途中である7月23日午後、「鶴岡公二首席交渉官が交渉の前提となる守秘契約に署名し日本が12か国目の交渉参加国となった」(読売新聞、7月23日)。 前回の記事でもお伝えしたように、今回の交渉では最重要の関税に関する協議は日本が参加する前にすでに終了しており、日本が参加するのは「交渉」なのではなく、実際は日本への「説明会」なのである。日本ができるのは23日午後に開示された情報を大急ぎで翻訳して情報収集し、24日25日に参加国から説明を受けるだけなのだ。マスコミはこの重大点に関して報道せず、あたかも日本がすぐさま各国との交渉に参加するかのような印象を与える報道に終始している。 日本は既に決まった内容に関して蒸し返して再交渉をすることは認められていない。内容も事前に開示されぬものに対して、これまでに決まったことを全て受け入れるという約束をして交渉に参加するというのだから、愚の骨頂である。しかも妥結すれば内容は4年間非公開とされる。その一方で、一握りの選ばれた大企業の代表は事前に内容を知らされているのである。この交渉の性質自体が、TPPが99%のためのものではなく、1%のためのものであることを強く示唆していると言えよう。 [戦争のできる国へ /武器輸出三原則撤廃・集団的自衛権容認・憲法改正] 安倍首相は参院選の勝利を受けて、選挙戦の間は明確に訴えていなかったきな臭い政策を次々と発表した。選挙翌日の22日、安倍は武器輸出三原則の撤廃の指針を表明(共同通信、7月23日)、また現在の憲法の政府解釈で禁じられている集団的自衛権の行使をできるように解釈を変更する方針も示した(東京新聞、7月23日)。 また共同通信による今回の参院選当選者と非改選の議員をあわせた全参議院議員へのアンケート調査で、全体の72%にあたる196人が憲法改正に賛成という結果が発表された(共同通信、7月22日)。 多くの国民が危機感すら感じない状態のまま、日本は新自由主義コーポレートファシズムと呼ぶべき方向へと急激に、着実に向かっている。TPPが一握りの多国籍資本が国家の上位に位置して、国家と国民を食い物にするのと同様に、軍需産業がその儲けのために国家に戦争をさせ、それを「愛国」の名の下に国民に強いるということが行われるといったことになりかねない。「戦争は公共事業」に「兵役は貧者救済」に、そんなグロテスクな未来図が見えてくる。この国は一体だれのものなのか。 関連記事『日本が「死の商人」に-安倍政権、武器輸出三原則撤廃を目指す』(志葉玲) [中道左派の壊滅と共産党の伸張] 今回の選挙でも先の衆院選や都議会選挙の流れがそのままで、自公が圧勝し、みんな・維新が漸進し、共産党も伸張する一方で、民主が大敗し、中道左派が壊滅状態に追い込まれた。中道左派勢力は先の衆院選で弱体化し、候補も十分たてられず、選挙協力も不十分で、またその政策も十分有権者に伝わっていなかったことが想像される。有権者は中道左派にも民主と同じ罪を着せたのであろう。比例で社民が1議席を取るのがやっとで、生活の党もみどりの風も候補者全員が落選の憂き目にあった。社民党は1議席獲得で非改選をあわせて3議席、生活の党は獲得議席ゼロで非改選の2議席のみとなった。そしてみどりの風は議席そのものがゼロとなり、参議院から消滅、谷岡郁子は代表を辞任した。みどりの風は衆議院に亀井静香・阿部知子の2名を残すのみで、政党要件を失い、党の存続自体が難しい情勢となっている。 一方、全国組織を維持し、資金力もある共産党は都議会選挙で勢いをつけ、東京・京都・大阪というかつて共産党が知事を輩出したことのある定員が複数の選挙区で当選者を出し、比例でも5人当選し、計8人が当選した。中道への期待が民主党政権の失敗によって、自民・みんな・維新へと流れた多くの票と、共産党に流れた少数の票とに分かれた格好である。 民主の大敗は想定内のことであるが、日本の民主主義にとって中道左派が壊滅することはとてつもなく大きい意味を持つ。私が推奨していた舟山康江(みどり・山形)・森ゆうこ(生活・新潟)は激戦の末敗れ、山田正彦(みどり・比例)・亀井亜紀子(みどり・島根)・三宅雪子(生活・比例)といった筋金入りのTPP反対派候補も敗れることとなった。 今回の参院選の前に山本太郎が「このままだと根絶やしにされる」と警鐘を鳴らし、これら中道左派や共産党に統一戦線を組むことを提唱したのであるが、各党はそれぞれの事情や思惑(そして個人的な人間関係もあるだろう)によって共闘を拒否した。生活・みどり・社民の3党は選挙協力をしたが、それは部分的なものにすぎない。一番の失敗例は社民党が候補を立てて現職・森ゆうこ(生活)の足を引っ張った新潟選挙区で、結果、森も社民候補も共倒れとなった。 この表は今回の参院選比例区の得票と獲得議席数である。生活・社民・みどり・大地・緑の党の5党からの当選は社民の1議席だけであるが、すぐ右の表に示したように、これらの党の票をあわせたら、3議席は獲得できていた計算になる(その場合、1議席目は三宅洋平に、2・3議席目は社民党候補に回る形になる)。もし共闘が実現していたなら、相乗効果も出て、それ以上の議席を獲得できた可能性もある。中道左派は勢力が弱体化してもなお共闘すら実現できなかった結果、山本太郎が選挙前に危惧した通り、文字通り「根絶やし」にされてしまった。 選挙戦のさなかから選挙が終わってもなお、山本太郎への執拗なネガティブキャンペーンが展開されているのだが、選挙後生活の党支持者の一部からも山本太郎への批判が再び噴出しているようだ。これらの批判者たちは昨年末の衆院選のあと、未来の党が失敗したのは山本太郎に引きずられたのが原因(これに対する私の反論は既に過去記事で述べた)だとして、純化路線で参院選に挑むことを主張していた。そして今回の参院選では、党が勝手連的に山本太郎を支援するということのみに留め、山本太郎の提唱した統一戦線については拒否し、これら山本批判者たちの主張する通り各党が純化路線で参院選に挑み、結果敗れたのでる。 ここに至って、組織的背景を持たず、ボランティアのスタッフに支えられ、草の根運動的に東京の有権者の間に支持が広がって当選を果たした山本太郎を、この期に及んで批判するのは筋違いではなかろうか。しかも山本太郎の出馬した東京選挙区では生活の党は候補者を擁立しておらず、なんら敵対するような関係にはなかったにもかかわらずである。こうした批判は如何にその批判を尤もらしく理論づけようとも、選挙直後という時期が時期だけに、第三者が見るとそれは山本太郎への嫉妬と勘繰られる恐れもある。他者を批判するよりも、何故に自党の訴えが有権者を動かせなかったのかを見つめなおすことが、今後の立て直しに必須なのではないだろうか。今後TPP・消費税増税・原発再稼働・憲法改正といった重要課題が目白押しの状況で、敵を見誤るべきではない。 生活の党には国会で働いて頂きたい人材が豊富なのだが、このように周りでゴタゴタが続いていて、残念ながらどうにもならない様相を呈してきていると思う。衆院選の未来の党の失敗のあと、一部の支持者が不正選挙騒ぎを起こし、そして選挙期間中に某陰謀論者一派が党の候補に接近し食い込むという騒動があり、参院選が終わってみれば、支持者はなぜか山本太郎支持派と批判派に分かれてしまった。党とは直接関係のない話で更に分断を深めているのである。弱り目に祟り目である。残念ながら当分の間は党勢を立て直すのは難しいだろうと思う。下手をすると、今後橋下維新やみんなの党が仕掛けてくるであろう民主を巻き込んだ政界再編に飲み込まれてしまう可能性すらある。 逆に山本太郎は、頼まれもしないのであれば、山本の側から生活の党にアプローチをかける必要はなく、当分近づかない方がむしろ身の為である。再度野党共闘の話が出るのだとしたら、その時は中道左派政党の側が山本太郎に頭を下げてお願いするのが筋ではなかろうか。これらの政党は2度にわたり山本の統一戦線の提唱を蹴ったのだから。 [山本太郎が当選したことの意味: 「もう一人じゃない」。しかし「いまだに一人」] さて今回の参院選は安倍自民を是認する風が強い中での選挙、つまり当ブログの主張からは大逆風の吹きすさぶ中での選挙であったが、全体としてみれば悲惨な結果となった。私が強く推奨した候補の中で唯一当選を果たしたのが山本太郎である。私たちのために立ち上がってくれたその勇気とあわせ、心から祝福をさせていただきたい。また山本太郎を支えたスタッフの皆様、山本に票を投じた有権者の方々に感謝の意を表する。 山本太郎の当選が意味するものは、上記のように日本の民主主義がどんどんとデッドロックに陥り、多くの人が共産党に投票するほどまでに、もはや希望の芽が見いだせないものとなりつつある中で、山本太郎という存在が、政治と言うものを従来とは全く異なる新たな視点で捉え直し、ひょっとしたらどこかの地点でひっくり返す起爆剤になるのではないかと予感させるものがあったという点だと思っている。少なくとも私は山本太郎が昨年の衆院選に出馬するときの模様を見てそう思った。 山本太郎は多くの人のバックアップで当選した。その意味で「もはや一人ではない」。しかし、山本太郎が当初声を掛けたところの、国会で組むべき中道左派の候補が壊滅状態となってしまい、その点で「いまだに一人」と言える状態だ。中道左派の壊滅は本当に痛手である。これまで山本太郎には選挙で戦うための参謀が必要であったのだが、ここからは政治全体を見渡すことのできる目の効くいい参謀が必要になる。また実務に通じた経験豊かな秘書も必要になるだろう。 山本が組むべき中道左派がほぼ壊滅状態となってしまったことで、山本は野党連合を作るといった当初の構想は当面は考えず、田中康夫がやっていたように他党の政治家と連携しつつも機動力を生かして、一人でできること、おもしろいことをどんどんやっていったらいいと思う。 記事下で紹介する動画で山本を激励している作曲家のなかにし礼が奇しくも同じことを言っているのであるが、山本太郎の賞味期限は、山本がどこかの勢力に抱き込まれ、他の党が抱える類の単なるタレント政治家のような、毒にも薬にもならぬこじんまりとまとまった存在と化した瞬間に切れると思う。恐らく聡明な山本本人も重々承知していることと思う。 私が山本太郎にぜひやっていただきたいと思うのが、これまでやってきたように草の根レベルの活動を続け(つまり雲の上の人とならず)、ネット配信を充実させるとともに、言いたい放題のネット討論番組を企画して流していただきたいということである。テレビ新聞で名を馳せたような人たちではなく、三宅洋平やフリージャーナリストや政治ブロガーや無名の研究者や他党の政治家たちを招き、議論をし、質問を受け付け、一般支持者も議論に加わるというものを、定期的にやっていただければと願う。 そしてもう一つ山本太郎にぜひやっていただきたいのが、以前にも同じことを書いたのだが、亀井静香に個人的に弟子入りすることである。周囲に異論もあるかも知れないが、これだけはどうしてもやっていただきたい。江川紹子が山本太郎に小沢一郎か共産党への弟子入りを勧めているのだが、それは山本太郎には似つかわしくない。山本太郎をスケールの小さいものへと変化させ、賞味期限切れを早めてしまうことになりかねない。 また上に述べたように、山本太郎自身は小沢一郎に迷惑をかけたつもりはないはずであるが、小沢一郎の支持者の一部から山本は反感を持たれている。共産党にしても、一部の支持者が熱心に山本太郎へのネガキャンを選挙戦中に行っていた。そうしたことを鑑みれば、どちらも山本が選択すべきものではないのは明白だ。 恐らく山本太郎が最もウマが合い、かつ学ぶところの多い政治家が亀井静香だと私は思う。山本は参院選も亀井の盟友・山田正彦と共闘して戦ったこともあり、山本が亀井の門を叩くのは至極自然である。冬の時代を耐えるため、人々を勇気づけるために、ぜひとも亀井静香X山本太郎のコラボレーションを見せて頂きたい。そしていつまでも賞味期限の切れない政治家になって頂きたいと願う。 山本太郎の支持者の皆様におかれても、この状況では山本がたった一人で国会で活動せざるを得ず、掲げた政策の実現は早期にはほぼ不可能であることを念頭においた上で、叱咤激励しつつ粘り強く支援していっていただきたいと願う。ふわっとした民意ではなく、それを形のあるものにしていくことが山本太郎にはできると私は思う。有権者にも忍耐強さが求められる。山本太郎一人を屋根の上に上げて、梯子を外すまねをしてはいけない。山本太郎を皆で守り、育てる心意気で支えよう。 … Continue reading

Posted in ネオリベ, ファシズム, マスコミ問題, 参院選2013, 反ネオリベ, 反TPP, 反新自由主義, 政治, 政治・時事問題, 新自由主義, 日本, 日本社会, 民主主義 | 2 Comments

TPP交渉撤退の民意を投票に反映させるのは今しかない!「地方の反乱」を! / TPP:都市部でより深刻な影響が出ることが試算で明らかに / 米国「全品目が対象」「再交渉、蒸し返しを認めぬ」

<当ブログ参院選シリーズ> ①奢り高ぶる安倍自民・壊滅に向かう健全野党と危機に陥る民主主義/私の山本太郎擁護論(6月5日) ②【参院選】「地方の反乱」こそが日本を守る。ふざけきった安倍・新自由主義政権を信任してはならない!<比例代表・全選挙区推奨候補リスト付>(7月9日) ③【続報・参院選】自民党全候補者78名中TPP反対はたったの7名であることが判明 /それでもまだ安倍自民を支持しますか?(7月11日) ④【参院選】比例区・一人のTPP反対派を当選させるために複数の推進派を当選させてしまう戦術をJAは見直すべきである(7月14日) ⑤新自由主義ファシズム体制完成を目論む安倍自民 / 山田正彦・山本太郎らを国会に送り抵抗の橋頭堡を築くべし!(7月17日) <当ブログ重要記事> 安倍政権は紛れもない新自由主義政権である。茶番と嘘の上塗りとナイーブな傷の舐め合いをやめ、現実を直視せよ! 安倍自民と橋下維新のウルトラ新自由主義亡国連立が近づいている。安倍と橋下を結びつけるもの TPP反対運動が失敗に終わる理由。本当にこのまま国を売られてよいのか。 当ブログによる参院選全選挙区・比例区推奨候補リスト(記事下部) [米通商代表「全品目が交渉の対象」「再交渉、蒸し返しを認めぬ」] TPPの第18回交渉が7月15日からマレーシアで始まった。日本が交渉に参加するのは早くて23日の午後からであるのだが、実は今回の会合の日程では最も肝心な関税交渉(市場アクセスの会議)が19日までに終了してしまっているのである。 米国通商代表部(USTR)のフローマン代表は18日、オバマ政権の通商政策について下院歳入委員会で証言した。この中でフローマン代表は日本のTPP交渉参加を巡る事前協議で、『「日本はすべての品目を交渉のテーブルに乗せる事で合意した」と述べると共に、「農業分野の例外品目を事前に設ける合意はない」と強調』(TBS、7月19日)すると同時に、『「(まとまった交渉文書の)再交渉も、蒸し返すことも日本に認めない」』(読売新聞、7月19日)とし、交渉の年内妥結を「実現可能」としている。 安倍首相は日米首脳会談終了後、「聖域なき関税撤廃が前提でないことが確認できた」などとしていたが、日本は米国側との事前交渉において聖域の確保の確約を取れなかったばかりか、全品目を交渉の対象にすることに合意していたことが明らかにされたわけである。安倍首相の弁は参加ありきの詭弁的言辞にすぎぬのは明らかであろう。 現在進められているTPP交渉において農業分野の交渉がどこまで合意されたのかは不明であるが、既に妥結した内容に関しては再交渉の余地はないことは明らかだ。また参加各国は年内妥結を目指していることから、日本がこれまでの協議内容を今回の交渉で知りえたとしても、殆ど日本側の意向を反映させるのは現実的に厳しいことも明白である。 衆参両院の農水委員会は「重要品目の関税撤廃からの例外確保ができないと明らかになった場合は即時脱退も辞さない」と決議していたが、今回の交渉日程が終われば、現実的に日本側が短い交渉で例外品目を設けさせることのできる可能性はほぼゼロに等しいことが明らかになるだろう。この際に衆参の農水委員会は具体的な行動をとるであろうか。 安倍自民が今回の参院選で勝利を収めれば、そうした行動は起こされず、グローバリズム関東軍と化して暴走する経産官僚や、安倍首相の抱える新自由主義ブレーンや、さんざんTPP参加を煽ったマスコミ論客たちが、またもやその文学的才能を発揮して新たな詭弁をひねり出すということが行われるだけであろうと私は思う。 自民党はこうしたことも既に見越した上で、今回の参院選の公約から「重要品目の関税撤廃からの例外確保」を外しているのだ。既に当ブログ記事で述べたように、今回の参院選で自民党が擁立した全78名の候補でTPP反対の候補はたった7名しかいない。比例区では反対はJA出身の山田俊男候補ただ一人だけであり、しかも山田候補に個人名で投票しても、他の推進派の当選に寄与してしまうのである。反対派を多数擁立しているのであればまだしも、実際には反対派はごく少数であり、党として安倍自民はもはやTPP推進勢力となったと考えるのが妥当である。 もう彼らの詭弁に淡い期待を抱いて騙されるのはやめる時だ。今後3年選挙が行われないだろう現実を考えれば、ここで安倍・新自由主義政権に信任を与えてはならないのである。 [TPPは地方に加え、都市部にも甚大な被害をもたらすことが試算で明らかに] 約900名の有識者が名を連ねる「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」のTPP影響試算・大学教員作業チームはこれまで3度にわたり、TPPによる日本への影響を試算し、発表してきた。これらは極めて深刻な内容なのであるが、これを報じてきたメディアは日本農業新聞・IWJ・しんぶん赤旗のみである。これは極めて異常な事態であり、会の呼びかけ人である醍醐聡・東京大学名誉教授も驚くと同時に、大手マスコミに対して鋭い批判を自身のブログで浴びせている。 これまでの試算発表で明らかにされた重要な点は以下の通りである(「大学教員の会」ホームページ及びIWJ記事から要点を抜粋)。詳細はリンクをつけた同会のページ及びIWJのページをご参照いただきたい。また「大学教員の会」ホームページに詳しい資料が掲載されている。 これを見れば、TPPがまさに1%の利益のために、99%の人々が犠牲にされるという代物であることがありありとわかる。醍醐名誉教授も7月13日のブログで以下のように述べている。全く同感である。 「TPPは農業の問題といって傍観しているわけにはいかない。わが国の国民益を投げ捨て、アメリカ企業や多国籍企業に営利の機会を広げる売国的なTPP交渉から即時脱退することこそ日本の国民益を守る唯一の道なのである」 <第1回目試算発表 5月22日> 全産業で10兆5000億円減、GDP4兆8000億円減、190万人が雇用喪失 ・「政府統一試算」 ベースによる農林水産物等の生産減少額(2兆9,680億円)により、全産業の生産減少額は、約10兆5千億円にのぼる。 ・「政府統一試算」でいう農林水産物の生産減少額は、他産業への影響からの「跳ね返り効果」5千億円を含めて、最終的に約3兆4,700億円の減少 となる。 ・就業者に与える影響(雇用効果)は、「政府統一試算」の対象品目の生産に係る農林水産業で約146万人、全産業で、約190万人の減少となる。 ・企業・家計の所得など国民総生産(GDP)に与える影響は、約4兆8千億円の減少となり、GDPを1.0%押し下げる。 ※ GDPは、09~11年度平均約489兆円(内閣府経済社会総合研究所) ・生産減少、就業者数の減少を通じた家計消費の減少額は、約2兆7千億円となり、GDPの1.0%低下のうち、0.6%分の寄与となる。 「大学教員の会」リンク IWJ記事リンク … Continue reading

Posted in anti TPP, ネオリベ, ファシズム, マスコミ問題, 反ネオリベ, 反TPP, 反新自由主義, 政治, 政治・時事問題, 新自由主義, 日本, 日本社会, 民主主義 | 1 Comment

TPP反対運動が失敗に終わる理由。本当にこのまま国を売られてよいのか。

<当ブログ「橋下維新は答えではない!」シリーズ:橋下維新の正体↓> その①ファシストは人々の心に巣食うファシズムに囁きかける その②形骸化する民主主義:選挙で選ばれぬ人たちが政治を動かしている その③選挙で選ばれぬ新自由主義者たちによって売りに出される大阪:大前研一と竹中平蔵の影 その④【地下鉄利権】関西私鉄幹部が大量に大阪市参与に就任していたことが判明。裏で進められる公共財の解体と簒奪。/一刻も早く橋下リコール運動を開始すべし。 その⑤【大阪地下鉄民営化利権続報】在阪マスコミは関西私鉄の事実上支配下にある!マスコミが橋下維新・地下鉄「民営化」問題を報じない理由 (5月13日追記: この記事はアップした直後から多数のアクセスを頂きました。お読みいただいた皆様、拡散して下さった皆様に御礼申し上げます。なお、当ブログでは党派・団体を超えた救国戦線と「1%新自由主義グローバリズムvs99%国民国家・国民経済」の争点を浮上させることの重要性を度々訴えてきましたが、以下の記事もご参照いただければ幸いです。 1%新自由主義グローバリズムに対抗する政治思潮を顕在化させる必要性。現代日本の政治はなぜ行き詰るのか。後編 2012年4月3日) [論争で敗れた上にさらに恥の上塗りをするTPP推進派/論理性の崩壊した風景] TPPに関する米国政府との事前交渉で、安倍政権は結局日本側の主張を通すことはできず、一方的な譲歩を強いられ、相手の言い分ばかりを飲まされたことが明らかになった。当初は安倍支持の論客からは盛んに「安倍さんの交渉力はハンパない」などという根拠なき主張が行われ、「安倍さんを信じよう」というなどというもはや新興宗教の如きキャンペーンが張られていた。 日本政府が譲歩をしたのは米国ばかりではない。その後事前交渉を行った豪州・ニュージーランド・カナダといった国々にも早期交渉参加の承認を得るために譲歩を行ったことが明らかになった。しかしTPP参加をさんざん煽ってきた大手マスコミは、これらの国々との事前交渉で日本政府がいかなる譲歩をしたのかについて、政府の無言をそのまま報じるのみで、自ら取材して内容を明らかにするといったことは全く行っていない。 事態はTPP反対論者が当初から危惧していた通りの展開となっているにも拘らず、推進論者は自らの誤りを認めるどころか、挙句の果てには日米安保まで持ち出すトンデモぶりを発揮している。 しかも、皆様によくよく思い出していただきたいのであるが、「交渉参加をしてみて内容が日本に不利になるのであれば途中離脱すればよい」と主張したのは他ならぬ推進論者である。反対論者はそもそもから一旦交渉参加すれば途中離脱は不能と繰り返し警告をしてきた。事前交渉において、いわゆる「聖域」の確保は何ら保障されぬまま各国に対して譲歩を繰り返す有様で、これでは本交渉では、「聖域」どころかより過酷な条件を飲まされるであろうことがもはや明白になったのであるから、「国益がないのなら離脱すればよい」と主張した推進論者は、なぜ今その主張を声高に叫ばないのであろうか。 この論理性の崩壊は一体何なのであろうか。彼らは撤退を主張する気など端から毛頭ないのだ。最初から離脱できぬのを承知で、ただ交渉に参加させ、既成事実化させるためだけにこうしたことを言っているからだ。彼らは国民が彼らの発言をすぐに忘れてしまうと踏んでいるのだろう。推進派は最初から国民の利益など考える連中ではなく、その主張は常に嘘と詭弁にまみれてきた。 5月3日に茂木敏充経済産業相が訪米した際に述べた以下のコメントが推進派の詭弁を象徴している。「(民主党の)前政権は2年かけても結局、参加を表明することはできなかった。安倍政権では非常に速いスピードで物事が進んでいる」(リンク)。茂木の言う「物事」とは「売国」に他ならず、茂木はそのスピードが民主党政権よりも自民党政権の方が早いと誇示して、居直り、胸を張ってみせたのである。恥の上塗りである。 グローバリストと化した彼らは国民なんぞとうに裏切っている。だからTPPで国民がいかなるメリットを享受するのか全く提示することができない。1%側TPP推進派の狙いはもう国益云々の話ではないのだ。彼らの狙いは、多国籍資本が国家を事実上形骸化・ネオ植民地化してその上に君臨し、民主的手段をもってしても覆せぬようにすることである。それを何としても達成せんがために、論拠が完全崩壊し、論理破綻をしたこの期に及んでも、強硬になし崩し的に参加して抜けられなくすることを目論んでいるのであろう。巨大多国籍資本1%側の利益のために99%の国民を犠牲にするのがTPPの本質である。推進派は国を売ってでも1%側のおこぼれにあずかろうというさもしい性根の連中なのであろう。 [自民党「農業所得倍増」に騙されるな/企業経営化される農業] 自民党は4月25日に参院選公約に盛り込む「農業・農村所得倍増目標10カ年戦略」なるものを決めた(リンク)。しかし、この背後にあるものは「農地集積の加速化」であり、「農業の企業化」である。 これに先立つ4月19日及び23日に、政府は産業競争力会議において、TPP参加を前提として見据え、「生産性向上に向けた農地の集約化と経営の大規模化」が議論された(リンク1 / リンク2)。自民党の「農業所得倍増」なるものはそれを受けて発表されたものであり、農をマーケットの俎上にのせるという市場原理主義思想の上に立脚したものであることに注意を払う必要がある。 早い話が、「農業所得倍増」は「農業」の所得倍増なのであって、今ある「農家」の所得を倍増するということを意味しているのではないということに注意すべきである。農地集約化と大規模化とはすなわち企業の農業参入を前提としたものである。そうした企業経営者になりうる農家の数は非常に限られたものとなる。企業が農業に参入することとなれば、既存の農家が農業を続けるためには、今の独立した個々の農家としてではなく、企業の下で雇われて働く賃金労働者となることになるのではないだろうか。独立した農家から現代の小作人へと転落させられるのがオチである。その過程で多くの農家が廃業に追い込まれ、失業者となるであろう。つまり淘汰の過程で生き残った「農業企業家」だけが「農業所得倍増」の恩恵に浴するという代物である可能性が高い。 先程のリンク記事中にあるように、これは「TPP参加を見据え」(産経)たものであり、「TPP参加に対する農家の不安を払拭する狙い」(時事)なのである。前回の総選挙でTPP反対を掲げて当選した議員たちは、安倍政権がTPP交渉に参加するとなった途端、それを阻止するどころか、TPP加盟を前提にした農業の企業化に邁進しているのである。つまりTPP推進の立場に転換したものと見なされてしかるべきである。 農家の有権者が衆院選で自民の候補者に票を投じたとき、TPP阻止を彼らに託したのであって、TPP参加を見据えた農業企業化などというものを姑息にオブラートに包んだ「農業所得倍増」なんぞを提示するよう依頼したのでは決してないのである。こんな馬鹿な話があるだろうか。ここでも我々は論理性の崩壊を見ることができるのである。農家の方々にはTPPを前提とした「農業所得倍増」などに騙されることなく、衆院選での彼らの公約である「TPP反対」を遵守するよう代議士たちに迫っていただきたいと希望する。条件闘争には決して乗ってはならない。 [TPP反対運動が失敗する理由/党派・団体・個人の壁と「不作為の作為」] これまで当ブログでもお伝えしてきた通り、TPP反対派は論争という点では完勝を収めている。しかしながら実際の政治戦では推進派に完敗している。このまま何の手だても講じないのであれば、きっとこのまま負け続け、TPPに加盟することになるだろう。 では論争上は圧勝しているにも拘らず、現実には推進派に完全にしてやられている理由は何であろうか。いくつか理由は挙げられる。 1)瀕死のジャーナリズム 本来中立的立場で、賛成の立場も反対の立場も公平に扱って広く国民に情報を提供すべきである大手メディアが推進の立場であり、推進論ばかりを垂れ流す一方、反対論を農業ないし農協の問題として矮小化すると同時に、反対論を殆どと言っていいほど取り扱ってこなかった。現在ジャーナリストと呼びうる人たちは非常に少なく、そうした人々は限られた予算の中で、ネットメディアを駆使して必死にジャーナリズムを死守しようとしている。その一方、大手マスコミで働く人々はもはやジャーナリストと呼びうる状態ではなく、マスコミそのものが報道機関というよりも、プロパガンダ機関と言うべき役割を担っている。 2)瀕死のアカデミズム 資本の側に立ってテレビ雑誌やネットメディアや政府諮問会議で推進論を展開する夥しい数の「資本の御用学者」たちがいる一方で、批判的精神を有するとされる知識人なるものが非常に少ない状態であり、アカデミズムが機能不全に陥っており瀕死状態といって差し支えない状態である。 3)アトム化された個人 今生きる人々の多くはアトム化されている。都市になればなるほどその傾向は強いものとなる。土地・郷土・共同体から切り離される。そして非正規雇用が増えるに従い、組織における繋がりも希薄なものとなる。「自由で個性的な生き方」と呼べば体裁も良いが、同じ現象は同時に切り離された多数の個々人が彷徨う様にも見える。他と繋がるために現代人は共同体ではなく、永続性の保証のない「場」を求める。 1)のマスコミ問題に関しては当ブログではブログを開始した当時から関心を寄せてきた問題であり、当ブログの読者の皆様にはお馴染みのことであると思われるので、詳細をここでは省く。 2)のアカデミズムの問題に関しては、過去の記事でなぜ機能不全に陥ったのかについての仮説を立ててきたが、詳しくは検証してこなかった。最近興味深い小論文を読んだところであり、近くこの問題について書きたいと思う。 さて、そもそもTPP反対運動は1)も2)も織り込み済みの状態でスタートした。つまりTPP反対運動はジャーナリズムもアカデミズムも当てにならぬという条件で始まったわけだ。そして3)も言うなれば所与の条件といって等しい。私自身もアトム化された個人に過ぎない。しかしアトム化された個々人は微力ながらもネットを使ってリアルのネットワークを緩いながらも築く努力をしてきている。 一方の推進派である1%側は、数は少ないのであるが、1)マスコミを味方につけ、というよりもマスコミそのものを宣伝媒体として駆使し、2)御用学者を子飼いにし、政府諮問会議に送り込んだり、テレビのコメンテーターに出して宣伝をさせ、3)しかも国民をアトム化した状態においている状態である。つまり1%資本の側は宣伝媒体を有するという圧倒的に有利な条件から始まり、反対派は圧倒的に不利な条件で始まったわけである。 しかし反対派はこれらのハンディキャップを跳ね除け、論戦においては推進派を完全に粉砕するに至っている。だが実際の政治戦では勝つことができないでいる。その要因は何なのか。 私は「党派・団体・個人の壁」なのだと思う。 … Continue reading

Posted in anti TPP, ネオリベ, マスコミ問題, 生活, 社会, 偏向報道, 反ネオリベ, 反TPP, 反新自由主義, 政治, 政治・時事問題, 新自由主義, 日本, 日本社会 | 18 Comments

完全崩壊したTPP推進派の論拠/現代日本の論理性の崩壊/今こそ声を届けよう

<当ブログ「橋下維新は答えではない!」シリーズ:橋下維新の正体↓> その①ファシストは人々の心に巣食うファシズムに囁きかける その②形骸化する民主主義:選挙で選ばれぬ人たちが政治を動かしている その③選挙で選ばれぬ新自由主義者たちによって売りに出される大阪:大前研一と竹中平蔵の影 その④【地下鉄利権】関西私鉄幹部が大量に大阪市参与に就任していたことが判明。裏で進められる公共財の解体と簒奪。/一刻も早く橋下リコール運動を開始すべし。 その⑤【大阪地下鉄民営化利権続報】在阪マスコミは関西私鉄の事実上支配下にある!マスコミが橋下維新・地下鉄「民営化」問題を報じない理由 [震災から2年・紳士面した詐欺師たちと分断された民] 震災から2年が経った。それまでも一部の人たちの間で意識されつつあった日本の末期的な症状がこの震災を経てより多くの人々に認知されるところとなったのであるが、何よりも愕然とさせられるのは、「団結」「絆」「頑張ろう日本」といった表面的に語られるフレーズとは裏腹に、社会の疲弊が進み、国民の分断がかなり深いレベルで進行していたということも、この震災によって明らかになってきたのではないかということである。 中野剛志がTPP反対論を唱え始めたのは2010年末で、当ブログでTPP反対3部作(リンク1・リンク2・リンク3)を掲載したのが翌2011年1月、震災のおよそ2ヵ月前である。原発事故を伴った大震災が起こった後、流石にこれで政府も役人も目を覚まし、TPPなどというおよそ馬鹿げたものを断念して復興に専念するだろうし、原発も廃止に向かうだろうなどと私はその時は思ったのであるが、その見通しは非常に甘かった。 財界・政界・官界・学界・報道界や言論界のエリートと呼ばれる人たちが、復興が何よりも先に優先されるべき事態となってなお、TPPという、被災地の民に壊滅的打撃を与えるのは勿論のこと日本国民全体がもはや二度と立ち上がれなくなるであろう代物を、事もあろうに「復興のため」(日本経済新聞2011年4月19日社説)などと事実とは全く反対のことを主張してメディアを使った推進論の大合唱をする様を見て、彼らが、個々に差異はあれ、総体としては、実は大した国家観や哲学、そして何よりも社会全体を考える公共性を持ち合わせておらず、極めて利己的で不謹慎とも言える動機から民を詐欺的言辞で騙し、国家を食い物にして動かしてきたのではないかという、信じたくはない疑念が益々強まった。 「やったもん勝ち」「騙したもん勝ち」「自分さえよければそれでいい」といった軽佻浮薄でふざけた価値観に政官財界やマスコミのエリートの中心がかぶれているのかと想像すると恐ろしいのだが、あながち外れていない気がする。世界的に見てもクリントン・ブッシュ・小泉竹中・サルコジらが出てきた90年代あたりから特にそうした風潮が顕著になってきているように思う。 [ポストモダンというふざけた時代と論理性・倫理性の崩壊] 同時にそれは我々庶民の多くにも巣食うごく一般的な価値観であるのかも知れない。エリートが先に堕落したのか、民の堕落がエリートに反映されたのかという議論は鶏と卵の議論と同じで、問うてもさしたる意味もない。 ただ現実として言えるのは、「近代」の咀嚼を半ばに、80年代に「ポストモダン」という非常に嘲笑的かつふざけた時代に突入し、その「ポストモダン」ブームなるものは、説得力ある議論をもってしてではなく、ただ単に「近代」を根拠なく嘲笑い、建設・論理といったものを破壊し尽くしたということである。我々はその荒涼たる廃墟の中に取り残され、せっかくの「近代」の僅かばかりの果実すら手放そうとしているようだ。 調子に乗って最先端を走っていたはずが、いつの間にか、ぐるりと周り回って「前近代」--論理や建設が崩壊した廃墟の中に、巨大な力の横暴がオブラートに包まれて正当化され、アトム化され無力化された民にはシニカルな娯楽のみが与えられ、その象徴としてのネオンだけが不気味に輝く「前近代」--に行きついてしまうのではなかろうかと思う。しかもこの達成されつつある「新たな前近代」においては、もはや人は帰るべき場所すら持ってはいない。我々は一体何を目指してきたのであろうか。そしてどこへ向かうのであろうか。 政財官界・マスコミに君臨する戯れの度が過ぎたエリートたちはこの「ポストモダン」時代の産物なのだと考えると納得がいく。 理性的で論理的な建設的な思考という近代の遺産を見直すことを時間をかけてでも行ってゆかねばならない。 [完全崩壊した推進派の論拠/論理性の崩壊] この2年間、推進論者や大手マスコミは極めて抽象的なTPP推進イメージキャンペーンを展開してきた。「日本は貿易立国である」「アジアの成長を取り込む」などという推進論(?)は、具体的な中身を伴わぬキャッチコピーの如きものであり、データを駆使した論理的反証によって悉く論破されてきた。そして反対論者からは夥しい数の危険性を指摘する意見がだされているにも拘らず、それに対する推進論者側による正面からの反論は皆無といって等しい状態で、反対論者との論戦から逃げ回っているというのが率直な感想である。つまり論戦にすらなっていないという異常な状態が2年以上も続いていることになる。 そして恐ろしいと思うのが、一体何がTPPのメリットであるのか、誰がどのような恩恵に浴するのか、何故にそこまでしてTPPに加入せねばならぬのかという理由説明が全くと言っていいほどないままに、交渉参加するかどうかについて意思決定が行われようとしているということである。これだけの数のデメリットや危険性が指摘されているにも拘らず、ただ「交渉によって聖域を勝ち取る可能性がある」という極めて不可解なこの一点を語るのみで、なぜ参加せねばならぬのかの理由の説明もなく、出口がない密室交渉参加が決められようとしているのだ。まさに論理性が崩壊しているのである。 しかも日本が交渉参加宣言を行ったとしても、事前交渉があるために、本交渉に入れるのは早くて今年9月の1回のみ。更に、後から交渉に参入したカナダ・メキシコに対しては、「〈1〉合意済みの部分をそのまま受け入れ、議論を蒸し返さない〈2〉交渉の進展を遅らせない〈3〉包括的で高いレベルの貿易自由化を約束する」(読売新聞3月8日付)といった条件を受け入れさせていたことが判明した。しかもカナダ・メキシコは「交渉終結権を手放したことによって、新たなルールづくりの協議で先発九カ国が交渉をまとめようとした際に、拒否権を持てなくなる」(東京新聞3月7日付)ことも判明した。 これに加えて、3月11日、民主党でTPP推進の旗を振っていた前原誠司が衆議院予算委員会で、「(野田政権が)最後まで(TPPへの)交渉参加表明をできなかったのはなぜかというと、米国の要求、事前協議の中身が余りにも不公平」であったからだと舞台裏を暴露した(リンク HEAT氏ツイート)。鈴木宣弘・東京大学教授によれば前原が暴露したことに対して米国が怒っているとのことである(リンク HEAT氏ツイート)。米国が怒っているという話が本当であれば、米国が無理難題を押し付けているという話も本当であろう。 こうしたことから、たった1度の交渉において「聖域」なるものを勝ち取る可能性はほぼゼロに等しいことが益々明白になった。さらに後から参加表明をしたカナダとメキシコは事前交渉において、「聖域を勝ち取る」どころか、米国らに過酷な条件を飲まされていたことが明らかになったのである。つまり交渉の余地など現実には残されてはいないのである。TPPはもはや「交渉に参加するか否か」ではなく、「他国が決めた内容を丸のみしてTPPに加入するか否か」なのである。「交渉力」だの「交渉によって聖域を勝ち取る」だのという推進派の最後の論拠も崩壊したことになる。 交渉に一旦参加すれば、撤退は事実上不可能であり、かつ野党の主勢力は民主党・橋下維新・みんなの党という新自由主義TPP推進勢力であることから、交渉が妥結すれば、現在での議席配分のままでは批准段階での否決はほぼ不可能である。つまり「TPP交渉参加」は、交渉が妥結する限り「TPP加盟」を意味することに等しい。 我々は抽象的な言葉で推進を主張する論者に対して、「TPPのメリットは具体的に何なのか、TPPによって一体誰がどのような恩恵を得るのか」を具体的に語ることをまず要求すべきであって、「聖域があるやなしや」ということ(もはや崩壊した論拠なのであるが)はTPP加盟を決める条件とはなりえないということを明確に示しておく必要がある。この線を譲ってはならない。 推進論者はなぜTPPに入りたいのかを具体的に語ることを決してせず、今後とも逃げ回ることと思う。なぜならば、TPPのメリットが巨大資本1%側にしかないことが明白になるからだ。推進論の最後の論拠が崩壊してもなおTPPに加盟するというのであれば、他に一体どんな理由があるというのだろうか。 TPPは単なる貿易協定ではない。推進論の論拠が悉く崩壊した後に残されたものは、「国家という枠組みの上位に多国籍資本が君臨し、民主的手続きによってそれを覆すことがもはやできぬようにした上で、99%の民の犠牲の上に1%だけの繁栄を目指す」新自由主義グローバリズムによる「売国」の本質である。同時に、彼ら推進論者が1%に仕える「資本の御用イデオローグ」であることが露呈してくる。 彼らは「非論理」を貫くだろうが、それに対抗するのは「論理」でしかない。こちらが相手の「非論理」の土俵に乗っても、話が噛み合うはずもない。相手を「論理」の土俵に引きずり出すしかないのである。 [声をあげること・声を届けることの重要性] こうした「非論理」の前に民主主義は崩壊の危機を迎えている。橋下維新という究極のある意味でわかりやすい売国派が出現したせいで、それへの警戒感から安倍自民に投票した有権者も多いことと思う。しかしいざ自民が大勝し、安倍政権が誕生した途端、安倍は橋下維新の黒幕である竹中平蔵を筆頭に、楽天の三木谷浩史やローソンの新浪剛史らTPP推進の新自由主義グローバリストばかりを首相直属の諮問機関である産業競争力会議のメンバーに指名した。安倍は自民党内のTPP反対派が支持して総裁となったのであるが、従来から安倍はTPP賛成の立場であり、安倍の選挙前のTPPに関する言動から抱いた懸念は当ブログで既に皆様にお伝えした。予想通り安倍首相はTPP交渉参加に前のめりになっているのはもはや明白である。 ところが、安倍を支持したTPP反対派の自称保守の論客たちはなぜか安倍を非難せず、逆に「TPP交渉参加やむなし」などと最近になって言い出した。更には「安倍政権への批判は保守分断と見なす」などと逃げ口上なのか居直りなのかわからぬ暴論を唱えるに至っては、国民を愚弄するにも程があり言語道断である。この人たちの言葉を信じて自民政権がTPPを蹴るものと思って自民に投票した人たちはかなり多いことと思う。 我々が今なすべきことは、こうした論客に惑わされることなく、TPP反対の声をあげ、その声を地元選出の政治家たちに届け、叱咤激励することである。この写真のような公約を掲げて政権の座を獲得した政党がTPP参加を言い出すなど言語道断であり、決して許されることではない(論理性の崩壊である)。ぜひ皆様には諦めることなく、今こそTPP反対の声を緊急に届けて頂きたい。 *このリンク先(カレイドスコープ様)に「TPP参加の即時撤回を求める会」の名簿及びFAX番号が掲載されています。

Posted in anti TPP, ネオリベ, マスコミ問題, 反ネオリベ, 反TPP, 反新自由主義, 政治, 政治・時事問題, 新自由主義, 日本, 民主主義

維新の躍進と中道左派の壊滅に見る民主主義の危機と新自由主義の病巣

<当ブログ「橋下維新は答えではない!」シリーズ:橋下維新の正体↓> その①ファシストは人々の心に巣食うファシズムに囁きかける その②形骸化する民主主義:選挙で選ばれぬ人たちが政治を動かしている その③選挙で選ばれぬ新自由主義者たちによって売りに出される大阪:大前研一と竹中平蔵の影 その④【地下鉄利権】関西私鉄幹部が大量に大阪市参与に就任していたことが判明。裏で進められる公共財の解体と簒奪。/一刻も早く橋下リコール運動を開始すべし。 その⑤【大阪地下鉄民営化利権続報】在阪マスコミは関西私鉄の事実上支配下にある!マスコミが橋下維新・地下鉄「民営化」問題を報じない理由 本来であれば総選挙が終わった後、12月中にブログを更新すべきであった。ツイッターでつぶやいてきた断片的な意見・感想を基に、ここで長い文章にまとめておきたいと思う。 自民党が圧勝するであろうことは当初から予測されていたが、私が何よりも愕然としたのは、新自由主義勢力の維新がいきなり50議席も獲得する大躍進をし、みんなの党も議席を伸ばし、さらに民主党ではTPP・消費税増税・再稼動を積極的に推進した議員ばかりが生き残ってあたかも松下政経・新自由主義党となったかのような形で中途半端に残って、これら新自由主義3党で野党の主要構成員となるその一方で、TPP・消費税増税・再稼動のいずれにも反対を掲げた中道左派政党が壊滅状態に追い込まれたということである。自民党が勝ちすぎたせいで、維新がキャスティング・ボートを握ることもなく、連立にも加われなかったということは不幸中の幸いであると言える。 前回の選挙前の記事ではタイトルを「踏み止まることができるのかが問われる総選挙」としたが、野党の現状を見れば「踏み止まれなかった」と言わざるをえない。 今回の記事では中道左派の壊滅・維新の躍進から考えたことと、なぜ日本の民主主義は窮地に追い込まれたのかということ、そして今後の政治をどう見ていくのかについて私見を書きたい。 [新自由主義との対決を鮮明にできなかった中道左派の壊滅:未来の党の失敗] 消費税増税法案に反対して民主党を離党した小沢グループの大きな失敗の一つは、単純に「民自公」を敵と想定したことだと思う。民自公3党が賛成した消費税増税を主要な軸としてしまったがために、そのまま「民自公」を敵としてしまったということであろう。 そのために当初から反増税・脱原発のみ打ち出すことで、維新との連携にも色目を使うという中途半端な戦術を引きずり、結果として反TPP・反新自由主義の明確な受け皿にならず、維新との明確な差別化にも失敗した。これがもしTPPを軸とした政界再編に持ち込んでいたとしたならば、かなり異なる対立構図となっていたに違いないと思う。 そして小沢氏が起死回生のために土壇場で担ぎ出した人間も問題が多かった。「もったいない」緊縮路線の嘉田由紀子氏では反デフレ・経済政策重視の国民をひきつけることは到底できず、また原発停止よりも再生可能エネルギー普及に重点を置くことが突出した飯田氏では、脱原発派の支持も十分に得られるようには思われなかった。 嘉田氏の側近とされる飯田哲也氏はそもそも橋下維新のブレーンであり、また嘉田氏の主催する未来政治塾の講師には古賀茂明や上山信一といった橋下維新のブレーンである新自由主義者が名を連ねている。嘉田氏はイメージ的には左派リベラルと見えるが、実のところは、その「もったいない」緊縮路線と相まって、新自由主義と親和性が高く、橋下維新とも政策的にも似通った部分が大きいように思われる。このことに関しては選挙前のブログ記事ですでに懸念を述べておいた。 代表代行である飯田氏が恐らく自分の小選挙区での敗北を見越して自らは3位であったところの比例順位を上げるためであろう、未来の党の比例名簿の小選挙区重複候補を各ブロックの同列1位とするように公示日に全面差し替えを命じ、大混乱を引き起こして醜態を晒した。しかもこれによって比例単独候補は順位を下げられた。一例を挙げると、票の掘り起こしを期待され長崎2区からわざわざ近畿ブロックに回り、比例2位で出馬する予定で嘉田氏と記者会見まで開いた福田衣里子候補は、当選圏外であることが出馬前からわかりきった最下位の14位とされてしまった。飯田氏の横暴と飯田氏をかばった嘉田氏の独善性がこの時点で既に垣間見られ、未来の党の分裂は既に始まっていたといえるだろう。選挙後に分裂に至ったのは至極当然のことと言える。しかし拭えぬ疑問は、何故に小沢氏は嘉田氏や飯田氏のような橋下維新ともつながるこのような人物たちに白羽の矢を立てたのであろうということだ。 選挙結果を見ても明らかなように、政策ではバラバラの集団である自民が団結を維持することで小選挙区制の特性を十分に活かし一人勝ちした。つまり民主を大きく分裂させることができず、さらに自民を政界再編に巻き込めなかった時点で小沢グループは負けが半分確定していたようなものと言える。 知名度では従来からマスコミに頻繁に取り上げられた維新に分があり、急ごしらえの未来は分が悪かった。従来から拙ブログでは主張してきたことであるが、同じ賭けに出るのであれば、小沢Gが自ら据えた「反増税・脱原発」という軸よりも、「反TPP・反新自由主義・反デフレ」を軸として自民にも揺さぶりをかけて早い段階で再編をしかけてほしかったと思う。 自民一人勝ちの裏で維新とみんなという新自由主義勢力が躍進し、中道左派が新自由主義との対決を明確にできず、迷走した挙句壊滅状態になり、更に予期された内紛で分断に至ったのは非常に残念に思う。マスコミの偏向報道も響いたことは間違いなかろうが、何よりも反省の上での再出発が必要と思う。 [維新の躍進に見る瀕死の民主主義/「政治改革」の失敗とエリートの裏切り・1%化] 今回の選挙で新自由主義政党の維新がいきなり50議席も獲得して大躍進した(これがもし完全比例代表制であったとしたら100議席近くも獲得していたという計算もある)ということは非常に重く受け止めるべき事態である。有権者がその掲げる政策を正しく理解して合理的な投票をしたとは到底思えない。庶民は自分で自分の首を絞める選択をしたとしか私には思えない。これが意味するものは何なのかを考えてみたいと思う。 政治学者・山口二郎らが旗を振った小選挙区制を中心とする所謂「政治改革」というものは、この20年を振り返れば、失敗であったと思う。政権交代が可能となったという評価もあるだろうし、確かに希望を抱かせるような時期があったことは確かである。まだ過渡期にあるからだという見方もあるだろう。 しかし、ここまでの結果として言えるのは、「政治改革」がもたらしたものは「不安定化」である。小選挙区制であれ、比例代表制であれ、「国民が直接政権を選択する」というキャッチフレーズはいかにも聞こえがよいが、それは民主主義の健全な基盤が機能している上での話である。残念なことではあるが、その基盤が失われ、国民がアトム化した現状でもたらされたものは、マスコミによる扇動・操作であると思う。私はそもそも比例代表制が相応しいと思っているが、かくなる現状を見ると、民主主義の基盤の再構築を急ぐと共に、こうした現状に追い込んだ要因を逆方向に修正しながら除去していくことの方が急務であると思うに至った。 「風まかせ」の選挙によって、「チルドレン」と呼ばれる未熟な議員が大量生産され、政治家を育てるシステムが崩壊し、議員の立法力が弱められ、結果として立法府たる議会そのものが弱体化する結果を招き、過去記事でも既に述べたが、諮問機関などを根城にした「選挙で選ばれることのない権力者たち」の力を肥大化させてしまった。今では地方公共団体にまで彼らの影響力が広まっている。「選挙で選ばれる者たち」の力が弱まり、「選挙で選ばれぬ者たち」の力が強大化することは、即ち民主主義の形骸化・弱体化であり敗北である。 そして維新を躍進させた「民意」というものを考えるとき、民主主義を支える社会的基盤の弱体化も顕著となっていると思う。「B層」という言葉があるが、事態はより深刻であり、マスコミにさんざんかき回され、論点の整理もされぬまま、理性的・合理的な判断などそもそもできないような状態に多くの国民は置かれているのが現実なのだろうと思う。 中間層の没落と中間団体の弱体化が80年代から続き、都市部を中心に国民がバラバラに切り離されアトム化が進んでしまった。こうした現象が小選挙区制と相乗効果を引き起こし、結果マスコミが猛威を振るう土壌を生み出してしまったのだと思う。 ベストだとは決して思わないし、異論もあることは承知だが、現在の状況を見ると、中選挙区制の下ながらく続いたところの所謂「55年体制」(社会党は最大野党でありながらも政権を取ることはなく、自民党の事実上一党支配体制であった)は、硬直的な体制ではあったものの(ダイナミクスは自民党内部の抗争によって生じた)、今の状態よりは庶民にとっては随分マシであったと思う。当時は社会党が最大野党として存在し、その他は中道左派と共産党であり、それらの政党が政権を監視することとなり、結果自民党政権は極端な方向にブレることは殆どなく、再分配も現在よりは随分とまともに機能していた。また当時は官僚は財界を指導する優位的な立場であり、力関係でも勝っていたことから、天下りをする官僚はあっても、カネで買われて露骨に国を売る官僚というものは出現しなかった。またマスコミはここまで露骨に政治介入をすることがなかった。 こうした政治体制が大きく転換し始めたのがバブル崩壊後の90年代であろう。これは山口二郎の「政治改革」や中谷巌・宮内義彦らが率先した新自由主義と軌を一にしている。「改革」がもてはやされ、「リベラル」という言葉の意味が変質し、いつしか「ネオ・リベラル」をも指す言葉になってしまった。その裏では規制緩和と雇用流動化が推し進められ、それが中間団体に打撃を与え、中間層の没落を惹起することとなった。こうして民主主義の基盤たるべき中間団体・中間層の解体が促進されてしまい、その一方で外資の国内経済乗っ取りが進み、従来保たれていたアクター間のバランスが崩壊し、資本の力がかつてないほど強大化し、他を圧倒するに至った。経団連の政策に悉く追随する最大労組の連合はこの現状をよく表していると思う。 このような中で、売国政策を推進する政治家というものが資本の後押しで出現し始め、さらには国を売る政策を立案する官僚という従来では考えられなかった「新しいタイプ」の官僚が生まれてきただろうことは想像に難くない。そして資本によって買われて送り込まれる「資本の御用学者・エコノミスト」(単なる資本の要求を、あたかも国家全体が推し進めるべき合理的な政策であるかのように学術的な装飾を施してお墨付きを与える)と呼ぶべき人々がメディアや政府諮問会議や「民間有識者会議」なるものに跋扈し始めたのもこの時期であろう。アカデミズムそのものも国立大学独立行政法人化や産官学連携による資本への依存が進み、大学そのものの新自由主義化が進行し、学問の独立性は脅かされ堕落が進んだ。 エリートの裏切りと新自由主義化とそれらの談合による「1%化」というものはこのようにして形成されてきたものだと思う。 そして大手マスコミの変質もこの時期から始まり、他のエリートたちと同様に、小泉政権の頃に決定的に国民を裏切り1%新自由主義側につくことを決めたかのように思われる。 政治家がテレビに出演して政策を訴えることを「テレポリティクス」と呼ぶが、今ではマスコミは中立をかなぐり捨て、国民を扇動し「民意」なるものを形成するために積極的にプロパガンダ的報道を行う「ネオ・テレポリティクス」と呼ぶべき事態が進行しており、古典的な意味における「テレポリティクス」とは区別をすべきである。郵政民営化・郵政選挙における報道でそれが顕著に現れ、近年は「テレビがひり出した汚物」(辺見庸)と形容される橋下徹のゴリ押しが進められてきたことも皆様の記憶に新しいことと思う。今ではTPP問題に関して大手マスコミは根拠なき楽観論を振りまく「資本の御用学者」やコメンテーターばかりをメディアに登場させ、推進論ばかりを垂れ流すという異常事態になっている。今やマスコミこそが日本の民主主義を阻害する直接的な最大の敵と呼ぶべき状況となっている。TPP反対の抗議運動は大手マスコミそのものやそれらの覚えのめでたい「資本の御用学者」たちに対しても向けられるべきであると強く思う。 [野党が新自由主義勢力に占められた意味/「野党力」が安倍政権を1%側にシフトさせる危険性] 中道左派が壊滅状態に追い込まれ、それに取って代わるように維新・みんな・民主残党という新自由主義勢力が野党の主要な勢力となってしまったことは悲劇である。庶民側に寄り添う野党が主勢力としては存在しないに等しいような状況となってしまったのであり、我々は事態を深刻に受け止めるべきである。TPPに関して見れば、内部に大量の反対派を抱えた「慎重」な自民政権を、「推進」の野党が取り囲む状況になっているわけで、極めて危険な状況にある。TPPを国内で潰せるとしたら、それは自民の内部によってのみという状況になった。 仮にかつての社会党が野党第一党として存在していたとしたならば、そのチェック機能によって政権が庶民サイドに振れることはあっても、1%側に振れることは難しかったであろう。TPPは頓挫し、軍国主義的な政策も頓挫することで、結果として安倍政権は経済政策に集中し、後から振り返って見れば上出来の政権と言われることになったかも知れない。「野党力」というものは実は非常に重要であると思う。 ところが現状はその逆で、1%側代理人勢力が野党の主勢力であることから、彼らは絶えず自民政権を1%側の視点から監視するということになる。これでは政権が庶民サイドに振れることは難しく、絶えず1%側に振れるベクトルで圧力が働くことになる。 安倍晋三はそもそも西田昌司らTPP反対派に担がれて自民総裁となったのであるが、安倍自身は従来からTPP推進の立場であり、更に産業競争力会議の委員として、橋下維新の黒幕的存在でかつ韓国の李明博・新自由主義政権の顧問であった竹中平蔵を筆頭にTPP推進派を大量に登用しており、更に国会審議を巡って橋下徹に協力を求めるなど、早くも危険信号が点っている。維新は現在のところ与党入りしていない状況であるが、今後の政局や参院選の結果次第では竹中平蔵をブリッジにして維新との連携や連立に走り、大きく1%新自由主義グローバリズム側に傾く可能性がある。 自民が選挙で掲げたキャッチフレーズは「日本を取り戻す」であったが、自民の内部は実のところは、「日本を取り戻す」派と「日本を売り払う」派が暗闘する構図で、民主党政権で見られたのと同様、安倍政権でもTPPを巡ってこの両派及び日和見派を巻き込んだせめぎあいが続くものと思われる。この戦いの結果如何で「日本を取り戻す」の意味は大きく変質することになりかねない。日本を新自由主義グローバリストたちの手から国民に取り戻すのか、あるいは、単に民主党から利権を取り戻してそれを売り払うというだけのことなのか、我々は細心の注意を払う必要がある。 ひとつまかり間違えば、アジア通貨危機後、IMF支配による門戸開放と構造改革の貫徹によって外資に国内経済を乗っ取られた韓国と同じ轍を踏むことになるやも知れぬ瀬戸際にあると言える。 [中道左派は周回遅れの緊縮脳から脱却せよ/反緊縮・反新自由主義グローバリズムこそが本来掲げるべき旗である] … Continue reading

Posted in anti TPP, ネオリベ, マスコミ問題, 社会, TPP, 偏向報道, 反ネオリベ, 反TPP, 反新自由主義, 政治, 政治・時事問題, 新自由主義, 日本, 民主主義 | 2 Comments

踏み止まることができるのかが問われる総選挙

<当ブログ「橋下維新は答えではない!」シリーズ:橋下維新の正体↓> その①ファシストは人々の心に巣食うファシズムに囁きかける その②形骸化する民主主義:選挙で選ばれぬ人たちが政治を動かしている その③選挙で選ばれぬ新自由主義者たちによって売りに出される大阪:大前研一と竹中平蔵の影 その④【地下鉄利権】関西私鉄幹部が大量に大阪市参与に就任していたことが判明。裏で進められる公共財の解体と簒奪。/一刻も早く橋下リコール運動を開始すべし。 その⑤【大阪地下鉄民営化利権続報】在阪マスコミは関西私鉄の事実上支配下にある!マスコミが橋下維新・地下鉄「民営化」問題を報じない理由 [選挙後もせめぎあいの状態は続く] 日々情勢が目まぐるしく変化する中で、ツイッターでは逐一情報を追いかけていたが、多忙のためじっくりブログを書く時間がなかった。そうこうしているうちに4日の衆議院選公示を迎えることとなった。公示後は特定候補への投票を呼びかける内容をネット上で書くことができないとのことである。評論や自分の意見表明であれば問題はないと私は判断している。 このまま行けば、自民党が第一党となり、自民中心の政権が誕生する可能性が高いと思われる。大手マスコミはこれまで盛んに自民・民主・維新のみを取り上げ、未来の党に合流する前の「国民の生活が第一」を徹底して無視して報道しないという偏向報道を行い、あたかも自民・民主・維新の3政党が合い競っているかのような報道をしてきていた。しかし現実を見れば、民主・自民・公明の3党こそが野田内閣が推進した消費税増税法案を成立させたのである。対立しているかのように見えたのは解散の時期を巡ってのことであり、今回の解散前から民自公3党は協力体制をとっており、また参議院のねじれがあることから、恐らくこの枠組みは選挙後も変わらない可能性が非常に高い。石破茂・自民党幹事長はすでに選挙後も民自公体制を維持することを表明している。つまり民自公の3党が過半数を制すれば、首相の座が民主から自民に移ることはあっても、与党の枠組みは変わらないということになる。 マスコミが「第3極」として大々的に報じていた維新に関しては、当ブログで指摘した通り、国政への野心を顕わにし、それまで黒幕的存在であった竹中平蔵が候補者選定や政策作成で前面に出てくる形となり、新自由主義色の濃い政策を発表していた。当初、同じくTPP推進を掲げる新自由主義政党であるみんなの党と政策協定を結んだりしていたのだが、維新が石原慎太郎らと合流し、みんなの党は合流をしないことになった。維新の政策は当初から新自由主義色の極めて強い庶民にとってみればまさに自分の首を絞めるだけのように思われる政策がずらりと並んでいたのであるが、石原一派が加わって、数少ない目玉政策であったはずの増税反対は増税容認へと変わり、脱原発は一体何がどうなのか判然とせぬいかがわしいものとなり、ますます支離滅裂で一体誰が支持するのだろうかというグロテスクな内容のものとなった。ここにきて失速気味で、恐らく増税反対や脱原発の政策に期待した人の票は未来の党へと流れ、保守票は自民へと流れることが予想される。が、依然としてマスコミの調査では支持率が9%前後もあり、油断できぬ状況である。 嘉田知事の呼びかけで脱原発・反TPP・消費税増税反対を掲げる勢力の結集が行われ、未来の党が誕生した。しかしながら、未来の党・社民・大地などが300人規模の候補者を擁立できず、現状で伝えられている150名ほどの候補者数に留まるのであれば、これらの枠組みだけで政権を担うことはできないことは明らかである。また参議院の勢力も少数に留まっていることから、政権担当は難しいと思われる。政権に食い込む場合も、他党との連立は避けられないことになるだろう。今回の選挙では勢力拡大をして基盤を築くことが現実的には当面の目標となるのではないだろうか。 以下政策別に投票するのであれば、どこがよいかということについて述べたいが、これはあくまで私の個人的見解であることをご了承いただきたい。 [脱原発という観点で見た投票先] 【社民党・共産党・大地・新党日本・未来の党】 民主・自民・公明・国民新党・新党改革では原発は当面止まることはないだろうと思う。そしてみんなの党及び維新の会はTPPに賛成であることから、脱原発に本気で取り組む政党であるとは私は看做さない。むしろこれらに票を投じるべきではないと言える。 脱原発を重視するのであれば上記【】内の政党に票を投じるべきであると思う。 しかし未来の党の掲げる「卒原発」の内容は「国民の生活が第一」が掲げていた「脱原発政策」よりも残念ながら後退した内容となっていることは指摘しておかねばならない。「国民の生活が第一」の政策案ではガス・コンバインド・サイクル発電の増強で原発を「ただちに稼動ゼロ」を謳っていた。ところが、未来の党の「卒原発」では「再生可能エネルギーの普及」に重点が置かれているのが特徴で、即戦力であるはずのガス・コンバインド・サイクル発電に関する言及はない。恐らく代表代行となった環境エネルギー政策研究所所長で日本総合研究所主任研究員の飯田哲也氏の意向でこのようになったと思われる。「原発稼動ゼロから遅くとも10年以内の完全廃炉」と謳われているが、これは「今から10年後の2022年」のことを指しているのか、「いつの日か再生可能エネルギーが普及して原発を止めることができるようになってから10年後」(つまりいつのことかわからない)なのか、読みようによっては異なる解釈に理解できる。この点に関しては支持者は党に意見を述べたり、問い合わせをすべきであると思う。しかし、「未来の党」は脱原発派のせっかくの一大勢力結集であるのだから、これを失敗させてはならないと同時に思う。 [消費税増税反対という観点で見た投票先] 民自公・国民新・維新以外の政党が消費税増税に反対している。 [経済政策で見た投票先] 経済政策では「国土強靭化案」を発表した自民党が最も優れていると私は思う。藤井聡教授の魂のこもった政策であり、欧州で高まりつつある「反緊縮」とも合致し、高く評価している。残念ながら他党ではこれに比肩する政策が見当たらない。しかしながら、経済政策を除いては、時代錯誤のような憲法改正案や生活保護叩きなど目に余るものがあり、私は自民党を支持する気にはなれない。 維新やみんなの党は純然たる新自由主義・構造改革路線であり、全く支持できない。 未来の党は「デフレ脱却」を掲げているものの、「国民の生活が第一」の政策にはあった「積極的な財政出動」という文言が、未来の党の政策からは抜けてしまっているのがいただけない。代わりに「規制緩和」・「行政改革」といった構造改革・緊縮路線の文言が目立ち、民主党の失敗を繰り返すことが懸念される。「特別会計の見直し」は目玉と言えるが、これを実現するためには官僚との壮絶な戦いになるだろうことは想像に難くない。経済政策に関しては是非亀井静香を使って早急に書き改めていただきたいと思う。 「原発・消費税・TPP」のみが争点として言われているが、経済政策は非常に重要で、有権者がそれを投票の判断材料にする可能性は非常に高いといえる。これを政党は軽視すべきではない。 [反TPPで見た投票先] TPPは間近に迫った脅威であり、私個人は今回の選挙で最も重視している。仮に交渉参加となった場合、TPP反対論者が既に警告を発しているように、交渉からの離脱は事実上不可能であることを我々は肝に銘じておくべきである。推進派は「交渉に入って見て、嫌なら離脱すればいい」などと吹聴して回っているが、彼らは離脱が現実に不可能なのを承知の上でこのような戯言を言って国民を騙しているのである。詐欺に等しい。入り口はあっても出口はないのである。一旦交渉参加となった場合、TPPを拒否しうるのは、①交渉が決裂する場合か、②国会の批准において否決する場合のみとなる。つまり次期議会はTPPの批准を判断するものとなる可能性が高い以上、反対派を過半数にしておかねばならないのである。 政党でTPP反対を掲げているのは、脱原発と同じく、未来の党・社民党・大地・新党日本・共産党である。しかし一番重要な点は先も述べたとおり、これらの政党だけでは過半数を取ることができないということである。 自民党や民主党内部にも反対派はいることから、反TPPに関しては政党名で単純に票を投じることよりも、各選挙区ごとで異なる対応が求められると言えよう。私が重要と思う点は、候補者の主張をよく聞き、問い合わせ、「本物の」TPP反対派候補を当選させることに力を注ぐと同時に、隠れ推進派・日和見派を含む推進派候補を徹底的に落選させるということである。これは支持政党関係なく、徹底すべきである。 そして言うまでもないことであるが、TPP拒否を実現するためには、TPP推進の維新の会・みんなの党には絶対に投票してはならない。 [安倍晋三に対する拭えぬ不安・危険だった東アジアサミット] 冒頭に述べたように、未来の党などが300人規模の候補者を擁立できないのであれば、安倍晋三が首相となって民自公体制が続くものと思われる。自民党内のTPP反対派が安倍を擁立したので様子を見守っていたのであるが、安倍は従来からTPP容認の立場であったし、最近になってTPP交渉参加容認の発言をしており、それが非常に気になる点である。 オバマが米大統領に再選された直後、狙いすましたかのように日本の大手マスコミは各社一斉にTPP推進キャンペーンを始めた。日米財界人会議が日本で開かれ、その後野田首相が東アジアサミットに出席するという日程の中で、このキャンペーンは張られた。野田に東アジアサミットの場で交渉参加表明をさせようという意図がありありとわかる露骨なキャンペーンであったのだが、安倍はこの最中に「TPP交渉参加容認発言」をしている。 TPP反対派は交渉に参加すれば抜けられぬことを知っているのであるから、本当に反対であるのなら、交渉参加容認発言は出ないはずである。ところが安倍はそれをした。そしてすぐさま米倉・経団連会長がそれを持ち上げるという展開になった。 その後、経済産業省側が「まだ事前交渉が終わっていないので交渉参加表明はできない」と言い出した。つまりこの一連のキャンペーンは、野田政権がマスコミを使ってやったものではなく、財界側がマスコミを使って行ったものである可能性が非常に高いと思われる。要は死に体の野田首相に最後の役目として交渉参加表明だけさせて使い捨て、交渉から抜けられなくしておいてから、次の安倍政権に交渉を引き継がせようという魂胆であったのだろうと思う。この過程に自民が一枚噛んでいるのかどうかはわからないものの、それではなぜ安倍はあのタイミングで交渉参加容認発言をしたのだろうか。 野田が交渉参加表明をこの時にできなかったのは非常に幸運であった。しかしまだ野田が首相である限り同様のことをする可能性は残されているわけであり、警戒を要する。 安倍はその後自民党内の反対派の突き上げを食らい、「聖域なき関税撤廃をするTPPには反対」という文言にとりあえずは落ち着いている。しかしTPPは関税だけが問題ではないのは明らかであり、この文言も相当に不十分で不安を惹起するものと言わざるを得ない。 自民党もTPP反対派と推進派の寄り合い世帯であり、今は政権奪還という目標で一体化しているが、TPPが浮上すれば民主と同様分裂騒ぎに陥りかねない。TPPに関しては、候補者の主張をよく見極める必要がある。 [自民+維新の連立は最悪の結果を招く] そして自民に対するもう一つの不安は(自民に限らず他の政党にも勿論あるのであるが)、維新の会と連立を組むかも知れないということである。こうなればアジア外交は行き詰まり、改憲・再軍備・徴兵制などの議論が一気に沸き起こり、対中関係が非常に悪化するものと懸念される。安倍自民のみでもそうした不安が起こるのであるが、そこに維新も加わる連立であるならば、その傾向が増幅され、一気におかしな方向に暴走を始めるやも知れぬ。今は被災地の復興と国内経済の建て直し・雇用の促進に力を注ぐべきときであり、極右軍事ごっこに戯れている時ではないのである。 自民の経済政策は高く評価しているし、TPP反対で奮闘している議員諸氏も数多くおられることは承知であるが、私はこうした点からも自民に対する不安は拭えず、全体としての評価は低い。日本をいよいよ破滅に追い込む可能性のある維新の会に関しては勢力を削げるだけ削いでおくべきである。 … Continue reading

Posted in anti TPP, ネオリベ, マスコミ問題, 生活, 社会, 脱デフレ, TPP, 偏向報道, 原発, 反ネオリベ, 反TPP, 反新自由主義, 政治, 政治・時事問題, 日本, 民主主義 | 3 Comments