マハティール元首相がTPPに警鐘、「我々は再度植民地化される」

<当ブログ重要記事>
世界的に見ても異常に高額な供託金制度が国民の参政権を侵害している/1%代理人ばかりが選出されるインチキ民主主義のカラクリ

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マレーシア・コタキナバルでTPPの第18回会合が7月15日から25日まで開かれたが、それに先立つ7月12日にマハティール・マレーシア元首相がブログでTPPに重大な警告を発した。それが若干編集されたものが同日付の現地有力英字紙「ニュー・ストレート・タイムズ」に掲載されている。幸いブログ「マスコミに載らない海外記事」様がマハティールのブログ記事を訳出してくださっているので、この記事の下に転載させていただく(ここではマハティールのブログの訳出部分のみ転載させていただくが、当該ブログ記事にはブログ主さまのコメントも書かれているので、そちらもご参照いただければ幸いである)。

拙ブログでは、マハティール元首相が2012年5月に来日し、国会議員と懇談した際に、「私が現役ならTPPに絶対参加しない」と述べたことをお伝えした。またマハティール(当時首相)が1997年から98年にかけてのアジア通貨危機の際に、IMF救済策を拒否し、国内のグローバル派(BKD)との戦いを制し、資本統制策と財政出動によって短期で危機を脱出することに成功したことを特集を組んでお伝えした。

マレーシアとは対照的に、同様の通貨危機に陥らされたタイ・インドネシア・韓国はIMF勧告に従ったがために、さらに大打撃を蒙ることとなったこともお伝えした。特に韓国はIMFの直接支配を受け、極端な民営化・構造改革・外資への門戸開放をさせられ、国内経済を多国籍資本に事実上乗っ取られ、ネオ植民地となり、未だにそこから抜け出ることができないでいることもお伝えした。これらの詳細に関しては以下の4本の記事をご参照いただければ幸いである。

IMFと戦い国民・国家を守ったマハティールに学ぶべし!
②IMF「救済策」が明暗を分けた
③:野党指導者アンワルとその「グローバル」人脈
日本の「韓国化」を阻止せよ!:TPPによって日本の「韓国化」「ネオ植民地化」完成を目論むBKDを討て!
マハティール元首相「私が首相ならTPPに絶対参加しない」「日本人よ、いつまで米国の言いなりなのか!目を覚ませ!」

マハティールは今回の記事で、まずTPPが秘密交渉であること及びマレーシア政府の交渉能力そのものに率直に疑問を呈し、TPPの危険性に警鐘を鳴らし、かつマレーシアがこの条約によって再度植民地化されると述べている。当ブログの認識とも全く一致する。マハティールは、ISD条項などのTPPに仕掛けられた罠も完全に見抜いて警鐘を鳴らしている。アジア通貨危機当時、首相として、通貨危機そのものが多国籍資本とIMFによって仕掛けられたことを見抜き、それらと国内BKDとを敵に回して戦い、国家と国民を守ったマハティールの言葉だけに非常に重いものがある。

マハティールが「通商産業省が既にTPPに合意することに決めているのを私は知っている。省はいかなる反論も、決して受け入れようとしない」と述べているのは非常に印象深い。ここでマハティールが述べている通商産業省とは勿論マレーシアのそれであるが、全く同じことが日本の経済産業省についても言えるからだ。日本で新自由主義グローバリズムの旗を振る宗像直子などの現役経産官僚や岸博幸などの経産省OBは、なぜか揃いも揃って官僚時代に米国に公費留学しMBAを取得して戻ってきているのであるが(ちなみに同じ経産官僚でもTPP反対の急先鋒として知られる中野剛志は英国エジンバラ大学に留学し政治思想を専攻)、ひょっとするとマレーシアの通産官僚も日本と同じようなことになっているのかも知れない。

マレーシアの通産官僚がマハティールの苦言すら聞き入れないというのであれば、アジア通貨危機の教訓が全く生きていないばかりか、すでに日本と同様内側から切り崩され、骨抜きにされ、1%に仕えるBKDと化してしまっているのかも知れない。

しかし、マレーシアの状況は日本よりも数倍マシであろう。少なくともマレーシアではマハティールのTPPに関する鋭い分析と警鐘が単にブログでの発信だけに終わることなく、大手紙に掲載され、広く国民に発信されている。

それとは対照的に、日本は国家・国民を守る勇気と知性を持ち合わせたマハティールのような政治家が出ることもなく、愛国を気取りながら国を売る卑劣な売国奴が権力の座にある。そして大手紙・放送局はジャーナリズムを気取りながら、TPPの危険性について殆ど国民に報じず、根拠なき楽観論ばかりを垂れ流して国民を意図的に誘導するBKDプロパガンダ機関と成り下がっている。恥も外聞もない状態だ。マスコミがこのような状態で民主主義が健全に機能するはずがない。

先日日本郵政がアフラックと提携し、アフラックのがん保険を郵便局で販売することに合意したというニュースが報じられた。しかし殆どのマスコミは、この提携合意以前に、日本郵政が独自のがん保険を販売しようとしたところ政府の介入でそれを阻止されたという前段を詳しく報じていない。つまり日本政府はアフラックの独占を取り締まるどころか、日本郵政のがん保険市場参入を阻止し、アフラックとの提携に無理矢理追い込んだのである。つまり外資企業の市場独占を手助けしているのである。到底こんなものは「自由で公正な競争」とは程遠い代物だ。

そして驚くべきことにこの屈辱的な取り決めをさせられた後、来日した米通商代表部のカトラー次席代表代行が『日本郵政傘下のかんぽ生命保険は「民間企業との競争条件が平等ではない」と批判』(共同通信、8月9日)し、更に攻勢を強める姿勢を示している。日本政府はどれだけ見通しが甘いのであろう。あるいは確信犯でやっているのかと疑いたくなる。そして、この間の事情や客観的な分析を報じてこなかったマスコミも同罪である。

また、国家主権を多国籍資本の下に置くことを事実上制度化してしまうISD条項に関して、日本政府は賛成の立場であるという、開いた口の塞がらぬニュースも飛び込んできた。これは実は5月1日に森健良駐米公使が、ワシントンのセミナーで述べていたのだという。それが最近になって発覚した。これに関しては東田剛氏(恐らく中野剛志)が記事にしているので、そちらもご参照いただきたい。

エリートの堕落とモラル喪失は恐らく戦後始まって以来のレベルであろうと思う。間もなく日本は敗戦記念日を迎えるが、日本はずっと占領軍に基地を持たれた属国状態で、今度はいよいよ多国籍資本のネオ植民地に成り下がろうとしている。国を守るために最後まで戦った英霊たちに彼らエリートと呼ばれる人種は一体どうやって顔見世できるというのだろうか。

国民はいい加減マスコミやエリートに対する信頼や認識を改め、自ら行動を起こさねばならない。何でもエリート任せにして惰眠を貪っていては、このまま国は売られてしまい、植民地化されてしまうことだろう。

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マハティール元首相ブログ 7月12日(「マスコミに載らない海外記事」さまより転載)
「THE TRANS PACIFIC PARTNERSHIP」
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1. 通商産業大臣は、通商交渉は秘密裏に(担当官僚によってだろうと私は推測するが)行われなければならないと断言した。国民的論議がなされてはならず、政府内部でさえ議論されてはならないのだ。

2. もし実際にそれが習慣なのであれば、それは良い習慣だとは思わない。マレーシア政府が交渉した通商や他の協定の実績を検討してみよう。さほどマレーシアの役に立ったようには見えない。実際、協定類で、マレーシアは不利な条件を飲まされる結果となっているように見える。

3. 最初に、シンガポールとの水契約を見てみよう。マレーシアは原水1000ガロンを3セントで売ることに合意した。引き換えに、マレーシアは、12パーセント、あるいはそれ以下の処理済み水を、50セントで購入できる。価格改訂には、両国の合意が必要だ。

4. もしマレーシアが、価格を、1000ガロン6セント(つまり100パーセント)に上げれば、シンガポールは、同じ比率で、処理済み水1000ガロン、1ドルに値上げできる。これではマレーシアに恩恵はない。それで我々は決して価格再交渉をしようとしていない。

5. 最初の協定は、2011年に期限が切れたが、我々は全く再交渉しなかった。次の協定は、2060年に期限が切れる。そこで、生活費はおそらく何層倍も上がっているだろうのに、原水1000ガロンにつき、3セントの収入を得ることとなる。

6. マレーシアが原水価格を上げた場合に、シンガポールが水価格を改訂するのを防ぐべく、ジョホールは自前の浄水場建設に十分な資金を与えられた。シンガポールからの供給に依存する必要がなくなれば、シンガポールに処理済み水価格を上げさせずに、原水価格を上げることが可能になろうというわけだ。

7. ジョホールは、いまだにシンガポールから処理済み水を購入する必要があるのだと聞かされた。一体なぜか私にはわからない。それで価格は再交渉されておらず、2060年迄は再交渉されまいと私は思う。

8. 現在、シンガポール・ドルは、マレーシア・リンギットの2.5倍の価値がある。契約当時は、一対一だった。支払いはシンガポール・ドルで受けているのだろうか、それとも、マレーシア・リンギットなのだろうか? あるいは、これも秘密なのだろうか?

9. 率直に言って、交渉をした際に、我々が極めて入念に検討したようには思えない。ついでながら、ジョホールは、メラカ州には、水を1000ガロン、30セントで、つまりシンガポールへの1000パーセントも高い価格で売っている。

10. 更に、F/A-18戦闘機購入の件がある。実際は政府はMIG-29を望んでいた。どうにかして、資金の一部がF/A-18の購入に使われた。この決定をした人々は、なぜF/A-18を購入しなければならないのか知っていただろうと私は思う。

11. 不幸なことに、購入契約にはソース・コードは含まれない。ソース・コードがなければ、F/A-18はアメリカ合州国に認められた任務でしか飛行できない。それまでは、この極めて高価な戦闘機は、LIMA航空ショーでしか使えない。極めて高価なオモチャだ。

12. 更に、AFTA、Asean自由貿易地域だ。40パーセントの現地調達率の自動車は、国産車として認め、ASEAN市場への非課税参入に同意した。ASEAN外からの自動車が、40パーセントの現地調達率を達成するのは容易だ。つまり、バッテリーやタイヤや他のいくつかの部品等を使って、ASEAN諸国で組み立てるだけで、日本や韓国や中国やヨーロッパの自動車が、ASEAN諸国の国産車扱いを受けられるのだ。

13. マレーシアでは、プロトンを90%の現地調達率で製造している。当然わが国のコストはより高く、ASEAN諸国で組み立てられる、非ASEANの自動車とは競合できない。こうした自動車がマレーシア市場にあふれこんでいるのに、ASEAN諸国ではプロトンはほとんどみかけない。

14. 交渉担当者は良い交渉をしたと思っているかも知れないが、私は決してそう思わない。我々はマレーシア市場を、市場を閉鎖している国々の為に解放するに過ぎない。

15. ところが更に悪いことに、プロトンは、マレーシアの安全や他の基準に合致しなければいけないのに、輸入自動車は、そうしたものの大半から免除されているのだ。もし、プロトンが、自動車を製造している国々に輸出しようとすると、そうした国々の全ての基準に合致しなければならない。今の所、我々は、日本や韓国やヨーロッパ諸国には輸出できない。我々が締結した様々な条約の素晴らしさとはこんなものだ。

16. 我々はバトゥ・プテ島(ペドラ・ブランカ島)を失ったが、我々は橋を架けることも、道路を撤去することも、準備基金問題を解決することも出来ずにいる。だが、我々は何十億もの価値がある鉄道用地を、事実上無償で、シンガポールに引き渡してしまった。今や、我が国の高速鉄道建設に、シンガポールの承認を求めなければならない状態だ。

17. 我が国が署名した全ての協定を見れば、どれ一つとして我々の為になっているものはないことが分かる。

18. そして今、我々は、アメリカが考え出したTPP、環太平洋戦略的経済連携協定を無条件で受け入れたがっている。これは、アメリカ巨大企業を、小さな国々の国内市場、とりわけ政府調達に侵入させる為の、アメリカ政府による新たな企みだ。

19. GATT (関税と貿易に関する一般協定)が失敗した際、連中は同じ目的の為に、WTO(世界貿易機関)を生み出した。これもまた失敗した。それで連中はAPECをあみだした。依然、連中の狙いは実現できていない。連中は二国間自由貿易協定を持ち出してきた。次に、連中は、グローバル化した世界、連中の金をどこにでも移動でき、経済を破壊し、立ち去ることができる国境のない世界を推進した。万一お忘れになっている場合の為にあげておくが、連中は、1997年から98年の間、これをしでかした。

20. それでも連中は政府調達には参入できていない。そして今連中は、強者が弱者につけこむ、不平等の連携、TPPを編み出した。

21. これは法的拘束力のある協定となる。もし我が国がこの協定に違反すれば、加盟国の大企業は、何十億もを求めて、我が国政府を訴えることができる。国際仲裁人なり、裁判所を説得する我が国の能力には私は疑念を持っている。我々は、バトゥ・プテ島を巡って、国際司法裁判所を説得することすらできなかったのだ。

22. 連中は多人数の最高の弁護士を用意するだろう。相手より経験不足な我が国の弁護士への支払いで、我々は全ての資金を使い尽くしてしまうだろう。しまいには我々が負け、何十億にものぼる損害賠償や費用を支払わされる。我が国が合致するまで、支払い続けることになろう。そして、協定に我々が従った際に、我々は更に金を失うのだ。

23. マレーシアには国内問題があり、我々はこうした問題を解決せねばならない。連中はそんなことはおかまいなしだ。新経済政策(NEP)について語る人々全員、我が国の政府幹部によって、人種差別主義者というレッテルを貼られるだろう。通貨詐欺師連中が、我が国を攻撃した際の狙いは、我が国の経済に対する支配権を得ることだった。我々は当時、まだ自由だったので、それに抵抗した。しかし我々がTPPに署名してしまえば、我々は手足を拘束される。もはや資本規制は不可能になる。我々は再度植民地化される。新植民地主義に対するスカルノ大統領の見方は正しかったのだ。

24. 通商産業省が既にTPPに合意することに決めているのを私は知っている。省はいかなる反論も、決して受け入れようとしない。省はこれを秘密裏に行いたがっている。この国では、国の国益を害する協定を締結する連中を罰しない。だから我々は失うばかりだ。

25. この国は、官僚や政治家連中の国でもあるが、私の国でもある。もしも人々が、我が国に危害を与えるのであれば、私には苦情を申し立てる権利がある。

26. 我々は大いに透明性を語ってきた。TPP交渉に関する透明性を求めようではないか。2013年10月という最終期限など無視すべきだ。そして中国にも入ってもらおうではないか。
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(太字はNico)

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