安倍政権は紛れもない新自由主義政権である。茶番と嘘の上塗りとナイーブな傷の舐め合いをやめ、現実を直視せよ!

<当ブログ「橋下維新は答えではない!」シリーズ:橋下維新の正体↓>
その①ファシストは人々の心に巣食うファシズムに囁きかける
その②形骸化する民主主義:選挙で選ばれぬ人たちが政治を動かしている
その③選挙で選ばれぬ新自由主義者たちによって売りに出される大阪:大前研一と竹中平蔵の影
その④【地下鉄利権】関西私鉄幹部が大量に大阪市参与に就任していたことが判明。裏で進められる公共財の解体と簒奪。/一刻も早く橋下リコール運動を開始すべし。
その⑤【大阪地下鉄民営化利権続報】在阪マスコミは関西私鉄の事実上支配下にある!マスコミが橋下維新・地下鉄「民営化」問題を報じない理由

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[安倍晋三による売国宣言]

なぜ書くのかと自問することがよくある。このブログを書き始めてから、時折自分のブログは日本の滅亡の歴史の克明な記録になるのではないかと感じることがよくあるからだ。安倍政権によって日本は確実に「資本によるネオ植民地化=韓国化」が進められようとしている。

2013年3月15日夕、中身を全く伴わぬ既に反対派に論破されたところの推進論と同じ内容の宣言文を、安倍晋三はなにやら悦に入ったような調子で読み上げた。

「TPPはアジア・太平洋の「未来の繁栄」を約束する枠組みです」
「こうした国々と共に、アジア太平洋地域における新たなルールをつくり上げていく」
「その先にある東アジア地域包括的経済連携/RCEPや、もっと大きな構想であるアジア太平洋自由貿易圏/FTAAPにおいて、ルールづくりのたたき台となるはずです」
「今がラストチャンスです。この機会を逃すということは、すなわち、日本が世界のルールづくりから取り残されることにほかなりません」
「TPPへの交渉参加はまさに国家百年の計であると私は信じます」

これまでのTPP反対派から提示された議論や指摘を悉く無視した、推進派のこれまで繰り返してきた空疎なキャッチコピーの羅列の如きこの駄文によって、日本は売り出されたのだ。

私が従来から安倍に対して抱いていた不安は選挙前の記事で既に書いておいたが、それが不幸にも的中した。かつここまでぬけぬけとやられると、何を言ってよいのやら言葉を失った。予想を大きく裏切って欲しいと内心はずっと思っていたのであるが、安倍はやはり従来からの言動の延長線上に、ブレることなく「スピード感をもって」売国TPP交渉参加へと突き進んだ。

そして何よりも絶望的な気分にさせられるのは、安倍が交渉参加宣言をした直後に行われた世論調査で安倍政権の支持率がむしろ上がって7割を超えるに至ったということだ。マスコミが数字に下駄をはかせている可能性もあるが、それを差し引いても6割はあるだろう。TPP反対派の声は広く国民に届かなかったと言って等しい。ネットは情報が玉石混交であるが、ネットの外の現実の世界はまるで別世界のようである。

民主党政権のひどさと、安倍政権発足早々の円安・株高を見て、疲弊した国民が藁にもすがる気持ちで安倍政権を支持するという心情は理解できないこともない。自民党にかつての「古き良き」時代の面影を見出だしている人たちもいることであろう。(尤もそのような自民党は小泉の時代に「ぶっ壊され」、失われてしまったものであるが)。
しかし株価やGDPは国民の生活の向上を示す指標ではないことは小泉・竹中の構造改革の後を見れば明らかで、(カラ求人を除く)実質の求人率・就職率・給与の上昇や失業率・非正規雇用・生活保護受給者の減少などが伴って初めて庶民の暮らしは向上に向かう。たとえ企業業績が快方に向かったとしても、それがこうした「庶民の為の指標」の動きを伴わず、株主配当と役員報酬と内部留保に充てられるのみでは、庶民の生活が良くなることはない。
そしてこうした国民の期待は、この後に来るであろう、規制緩和・構造改革・消費税増税・TPP加盟・道州制によって大きく裏切られることになるのではないだろうか。泣きを見るのは現在安倍政権を支持している大多数の庶民に他ならない。

安倍がTPP交渉参加宣言をした翌日、これまで最もTPP問題を詳しく報じてきた日本農業新聞は渾身の論説「主権放棄の売国許すな」を掲載し、TPP交渉加盟を決断した安倍を強く非難した。以下冒頭部分を引用する。

<引用開始>————————————————–
満腔(まんこう)の怒りをもって、安倍晋三首相の環太平洋連携協定(TPP)交渉参加表明を糾弾する。表明は民意無視の暴挙であり、重大な公約違反と断ずる。国益に反する「壊国」協定に何の成算もないまま突き進むことは、主権放棄に等しい。情報開示や国民的議論がないまま、国家の根幹に関わる政治決断が下されたことは、不信任に値する。売国的参加に一片の大義なし。首相は国民に信を問え。
<引用終わり>————————————————–

また同日の日本農業新聞には田代洋一・大妻女子大学教授の談話も掲載された(リンク『田代洋一大妻女子大学教授に聞く 幻想の排除を 粘り強く訴える』にゃんとま~様によるまとめ)。この中で田代教授が訴える「まずは一切の幻想を捨てる」という点に感銘を受けた。「自民党への幻想」「聖域確保という幻想」「条件闘争という幻想」、こうした幻想を一切捨てて、推進派の仕掛ける分断の罠に陥らず、情報を自ら取りに行き、訴えを拡散することを徹底するよう、田代教授は述べている。

[安倍晋三:愛国者を騙る新自由主義グローバリスト]

さてTPPを阻止していく上での前提条件として、私が上の田代教授の話に付け加えるならば、「安倍晋三という幻想」も捨てよということである。安倍晋三はいかにも愛国者であるかのようなイメージが付き纏っているが、それは安倍が再軍備を主張し、国家主義的に聞こえる政策を主張をするタカ派の政治家であることに依るところが大きい。これは、国家が国民に対して大きな力を持つか、あるいは国民が力を持つのかという「国権論vs民権論」の中で論ずべき範疇のものである。国権論者やタカ派であることが即ち愛国者であることを意味するものではないのは明白だが、こうした国権論者には「愛国者」の称号が与えられて持ち上げるということがしばしば行われる。安倍の掲げる「美しい国」の中身が一体何であるのかを問うことなく、そうした称号が与えられているということであろう。ところが安倍は従来からTPPに賛成であり、かつ道州制にも賛成である。安倍は一見国家主義者に見えるものの、道州制にも賛成であることから実は国権論者でもないことになる。

私が見るところ安倍晋三は紛れもない新自由主義グローバリストである。事実を子細に分析していけば、逆に安倍が新自由主義者でないということを主張することの方が著しく困難であることがおわかりいただけることと思う。

私は衆議院選挙公示直前のブログ記事で以下のように書いた。少し長くなるが極めて重要な部分であるので引用する。

<引用開始>————————————————–

[安倍晋三に対する拭えぬ不安・危険だった東アジアサミット]

冒頭に述べたように、未来の党などが300人規模の候補者を擁立できないのであれば、安倍晋三が首相となって民自公体制が続くものと思われる。自民党内のTPP反対派が安倍を擁立したので様子を見守っていたのであるが、安倍は従来からTPP容認の立場であったし、最近になってTPP交渉参加容認の発言をしており、それが非常に気になる点である。

オバマが米大統領に再選された直後、狙いすましたかのように日本の大手マスコミは各社一斉にTPP推進キャンペーンを始めた。日米財界人会議が日本で開かれ、その後野田首相が東アジアサミットに出席するという日程の中で、このキャンペーンは張られた。野田に東アジアサミットの場で交渉参加表明をさせようという意図がありありとわかる露骨なキャンペーンであったのだが、安倍はこの最中に「TPP交渉参加容認発言」をしている。

TPP反対派は交渉に参加すれば抜けられぬことを知っているのであるから、本当に反対であるのなら、交渉参加容認発言は出ないはずである。ところが安倍はそれをした。そしてすぐさま米倉・経団連会長がそれを持ち上げるという展開になった。
その後、経済産業省側が「まだ事前交渉が終わっていないので交渉参加表明はできない」と言い出した。つまりこの一連のキャンペーンは、野田政権がマスコミを使ってやったものではなく、財界側がマスコミを使って行ったものである可能性が非常に高いと思われる。要は死に体の野田首相に最後の役目として交渉参加表明だけさせて使い捨て、交渉から抜けられなくしておいてから、次の安倍政権に交渉を引き継がせようという魂胆であったのだろうと思う。この過程に自民が一枚噛んでいるのかどうかはわからないものの、それではなぜ安倍はあのタイミングで交渉参加容認発言をしたのだろうか。

野田が交渉参加表明をこの時にできなかったのは非常に幸運であった。しかしまだ野田が首相である限り同様のことをする可能性は残されているわけであり、警戒を要する。 安倍はその後自民党内の反対派の突き上げを食らい、「聖域なき関税撤廃をするTPPには反対」という文言にとりあえずは落ち着いている。しかしTPPは関税だけが問題ではないのは明らかであり、この文言も相当に不十分で不安を惹起するものと言わざるを得ない。

<引用終わり>—————————

最近になってこの当時から安倍がTPP交渉参加宣言をするに至るまでの舞台裏の一端が読売新聞によって記事にされた。それによるとなんと安倍の盟友・麻生太郎が選挙戦のさなか、野田首相(当時)に電話して、TPP交渉参加を宣言するよう依頼していたというのである。

<引用開始>————————————————–
麻生氏は、TPPを国論を二分するやっかいな問題とみて、昨年、民主党の野田政権に片づけてもらおうと動いたことがある。衆院選の最中の12月、麻生氏は当時の野田首相に電話し、「TPPをやってくれ。それがあなたの最後の仕事だ」と迫った。「参加表明したら、私を支持してくれますか」と問い返す野田氏に、麻生氏は「選挙をやってるんだから、批判するに決まってるだろ」と素っ気なかった。結局、野田氏は参加表明を見送った。(読売3月16日
<引用終わり>————————————————–

このエピソードからわかるのは、やはり私の予想通り、自民はTPP参加表明という汚れ仕事を民主党政権にやらせ、政権復帰した後に「民主がやったものだから」ということにして責任を擦り付けつつ、交渉だけは引き継ぐという魂胆だったということだ。

以前の記事に書いた通り、2012年11月7日のオバマ再選から、8日~9日の日程で行われ「TPP交渉早期参加を求める決議」を採択して終了した日米財界人会議を経て、20日からの野田の東アジアサミット出席の時期を狙い撃ちしてマスコミによって大々的に行われた「TPP参加キャンペーン」はやはり財界主導のもので、そこに自民が噛んでいた可能性が高い。安倍・自民総裁は15日に日商会頭と会談し、TPP交渉参加に前向きな姿勢を伝え、日商の岡村会頭は「心強い」と安倍を持ち上げている(産経2012年11月15日)。また21日にも安倍は記者会見で「国益が守られれば交渉していくのは当然だ」と述べている(日経2012年11月21日)。

結局この時の財界・マスコミ主導のキャンペーンは不発に終わる。経済産業省が「事前交渉が終わっていないので参加表明できない」と言い出したからだ。つまりこのキャンペーンは官邸主導のものではなかったということを意味している。この時の財界人の反応が極めて感情むき出しで大人げなく、また傲慢そのものであったのが滑稽である。「せっかく機運が盛り上がっているのに」(荻田アサヒ会長)「本当にしゃくにさわる」(米倉・経団連会長)などのコメントからは、却って彼らがキャンペーンを張った張本人であるということが丸わかりである。また彼ら強欲資本の代表が相当に焦っている様子がわかる。新聞記事から引用する。

<引用開始>————————————————–
米倉経団連会長「本当にしゃくにさわる」と不快感を表明。アサヒグループホールディングスの荻田伍会長は「せっかく気運が盛り上がっているのに」と不満を隠さず、三菱商事の小島順彦会長も「タイミングを逸しない方がいい」と語気を強めた
三井住友フィナンシャルグループの奥正之会長は民主党内にTPP参加に対する慎重論があることから「党内配慮ではないか」と推察。JR東日本の大塚陸毅相談役は「参加の意思表示をすることが肝心だ。まず参加してから主張すればいい」と指摘し、三菱重工の大宮英明社長も「手足を縛られるわけでない。早く言った方がいい」と同調した。(産経2012年11月13日
<引用終わり>————————————————–

安倍はもうこの当時からTPP交渉をする気でいたことがありありと伺える。しかし交渉参加をすれば、恐らく自民は政権復帰しても、この問題で自分たちに批判の矛先が選挙民から向けられることがわかっていた。11月のキャンペーンが不発に終わって野田が交渉参加表明を見送ったことで、今度は自分たちで交渉参加表明をしなければならなくなる。交渉参加という結論は既に決まっているわけだ。焦った麻生は選挙戦さなかの12月に野田首相に電話で交渉参加表明をするよう依頼したのであろう。さすがに野田は自民にだけあまりにも虫のいい話で、自分は雑巾のように使い捨てにされることはわかっており、しかも財界からさんざん罵られコケにされた後であったので取り合わなかったというのが本音であろう。

jimin_kouyaku2この当時、安倍自民支持の論客や支持者からはさんざん「マスコミの偏向報道・捏造である」「安倍はバスが発車するのをやりすごそうと待っているだけ」などという主張が盛んにネットで流されたが、結果論的に見れば安倍自身は当初からTPP交渉参加で一貫しており、ブレていなかったわけである。

ご存知のように「聖域なき関税撤廃を前提にする限り反対」という玉虫色の公約を掲げた自民は衆院選で圧勝した。その公約は安倍が11月の会見で説明したように「国益が守られれば交渉していく」というのが本音の、早い話が二枚舌のものであったのだが、安倍自民支持の論客たちはこの点を強調してはこなかった。橋下維新への警戒感もあって、自民にTPP反対を期待して票を投じた人も多いことだろうと思う。

jimin_kouyaku安倍は政権発足直後に、よりによって竹中平蔵を経済財政諮問会議の民間委員に任命しようとした。これに驚いた竹中嫌いの飯島勲・内閣参与と麻生太郎・財務大臣がそれを阻止したという。安倍は渋々竹中を産業競争力会議の委員に任命した(日経1月1日付 / 全文)。竹中以外のメンバーは三木谷浩史・楽天社長、新浪剛史・ローソン社長、佐藤康博・みずほFG社長、坂根正弘・コマツ会長、秋山咲恵・サキコーポレーション社長、榊原定征・東レ会長、橋本和仁・東京大学大学院教授、長谷川閑史・武田薬品社長。後に岡素之・住友商事相談役を追加。つまり安倍はわざわざ新自由主義グローバリストやグローバル企業の財界人というTPP推進派ばかりを自分自身の手で集めたのである。

当初安倍が竹中平蔵を任命しようとした経済財政諮問会議の民間委員には、竹中平蔵の友人の伊藤元重・東大教授を指名している。伊藤は「TPP交渉への早期参加を求める国民会議」の呼びかけ人兼代表世話役である。「TPP交渉への早期参加を求める国民会議」はそのメンバーを見れば分かる通り、「国民会議」と名を冠しているが、実態は1%側グローバリストばかりが集うものである。伊藤はこの中でもTPP推進の最右翼と言える人物である。竹中を任命できなかった安倍は性懲りもなくまた新たな札付きの新自由主義グローバリストを任命したのである。竹中が経済財政諮問会議入りしなかったことに安堵する安倍支持者の声もあるが、安倍は産業競争力会議をフル回転させる気でいるし、また竹中の代わりに経済財政諮問会議に入った人物は竹中の友人であり竹中に匹敵するような人物であるという点を看過するわけにはいかない。

唯一新自由主義を痛烈に批判する藤井聡・京都大学教授が内閣参与に任命され、孤軍奮闘しているが、藤井の任命は藤井が策定に携わった「国土強靭化案」の頃からの関係が大きな要素と言え、当時の総裁は安倍ではなく谷垣であった。また反新自由主義派支持者のガス抜きを兼ねたようなものと言え、実質上藤井の政策提言が安倍政権に反映されているとは言えない状況である。当初は自民党の公約では公共事業を中心に積極財政を展開することが掲げられていたのであるが、実際に安倍政権がスタートしてみると、それは看板のみで中身のないものであることが次第に明らかになりつつある。当の藤井自身が公共事業費が実質増えていないことを訴えているという惨状である。

安倍はTPP交渉参加宣言を行った3月15日の夜に開いた産業競争力会議で、『今後5年間について産業再編の事業再構築や新規投資を進める「緊急構造改革期間と位置付けたい」と明らかにした。構造改革に伴う負担の軽減や円滑な労働移動が可能になるような政策パッケージを検討するという。「雇用支援策を雇用維持型から労働移動支援型へ大きくシフトさせていきたい」との意欲も示した』(日経3月15日)。

東田剛(中野剛志)がアベノミクスの三本の矢のうち積極財政がこけて金融緩和と構造改革だけになり、強欲グローバル資本だけが儲かるという指摘をしていたことを以前の記事でお伝えしたが、それが見事に的中しつつある。

3月15日のTPP交渉参加表明に関してもその舞台裏が読売新聞によって記事にされている。これによると、安倍の側近でTPP推進派の菅義偉・官房長官ですら「参院選前の交渉参加表明には慎重」だった。菅は「参院選後」を進言するが、「首相の熱意に折れた」という。安倍は1月盟友・麻生太郎に「2月の日米首脳会談直後にTPP交渉参加を表明する」旨を伝えていた。「のけぞった麻生氏は「首相がそう言うなら……(支持する)」と答えるのが精いっぱいだった」という(読売3月16日)。つまり安倍こそが最もTPP交渉参加に熱心で、それを主体的に進めてきたわけである。

そして安倍は、当ブログでその性格を既に指摘したところの新自由主義政党・橋下維新と蜜月関係にあり、安倍は「橋下氏は戦いの同志」と呼び、頻繁に連絡を取っている。2012年8月、安倍は橋下徹に新党合流を打診されている。安倍はそれを断ったものの、その直後の週刊誌のインタビューで安倍は民自公連立を解消して維新と連立する構想をぶち上げている。政権発足後もこの線で参院選後の協力関係を維新と協議している。日米首脳会談から帰国した安倍は真っ先に橋下に電話を入れている。維新への警戒から自民に票を入れた有権者も多いことと思うが、憲法改正・道州制そしてTPPと、両者の政策には大差がもはやないのであろう。実際は安倍が自民総裁でいる間は、自民と維新は連立に向かう可能性が高く、どちらに票を投じても同じことになるという事態になりつつある。私が先の衆院選でTPP反対を掲げる中道左派が壊滅したのを見て、頭を抱えたのはこのためである。これについては選挙後の記事ですでに述べたのでご参照いただきたい。この安倍と橋下の関係と共通点については重要であるが記事が長くなるので、次回の記事で詳しく述べることにしたい。

以上検証してきたように、安倍は当初から一貫してTPP交渉参加に前向きで、オバマと会談する前から既にTPP交渉参加を決意していて、それを聞いた麻生は「のけぞった」のである。
そして呼び寄せたブレーンも、打ち出す政策も純然たる構造改革・グローバリズム路線である。安倍晋三は愛国者を騙る対米従属の新自由主義者であり、安倍政権は新自由主義グローバリズム政権である安倍政権を支持することは即ち新自由主義グローバリズム政権を支持することに他ならない。そうでないと主張することの方が困難ではないか。我々はまずこの現実を直視することから議論を始めなければならない

[茶番と嘘の上塗りとナイーブな傷の舐め合いをやめ、現実を直視せよ!]

中野剛志と三橋貴明はTPP推進の新自由主義グローバリストを「売国奴」と呼んでいるが、この基準を適用するのであれば、TPPを推進し、新自由主義グローバリストをブレーンにかき集め、構造改革を推進し、道州制を推進する安倍晋三は紛れもない「売国奴」となる。

三橋はチャンネル桜の親米保守論者と同様、西田昌司議員の推す安倍への支持を強く訴え、あたかも安倍が首相になればTPPという悪夢から逃れられるかの如き幻想を振りまいてきた。しかし、その「愛国者」であるはずの安倍が「売国」政策を推進するに及び、三橋は大きな矛盾に陥っており、批判を浴びている。三橋は自民党に利用されたのかも知れないが、自分の誤りを認め謝罪し、安倍が三橋自身が定義するところの「売国奴」であることを率直に認めるべきであろう。TPP反対を主張しつつ安倍自民への支持を煽ってきた保守論者たちはこの点に関して完全に論理が破綻している。また彼らがTPP反対の国民を実際にはTPPを推進する安倍への支持に誘導してきたという問題の重大性を考えると、その責任は測り知れないものと言える。

三橋とは異なり、こうした自民への支持を煽る政治運動まがいの言論活動とは距離を置いてきた中野剛志(東田剛)は、橋下維新やみんなの党を批判するトーンに比べれば非常にささやかなものではあるが、安倍政権誕生直後から安倍政権を疑問視し、安倍がTPP交渉参加宣言をした後は安倍政権への批判を展開し始めている(東田剛「構造改革かよ」(2月6日)/「精神疾患」(3月13日)/「安倍総理の真意」(3月20日)。私は中野の姿勢に知的誠実さを感じる。

安倍がTPP交渉参加宣言をした今となっては、今後TPP反対派はかなり苦しい戦いを強いられることになるだろう。TPP反対を唱えていた保守論壇も恐らく安倍を批判する立場と安倍を支持する立場に分裂することであろう。

ただ、特にテレビやネットのメディア上でいやしくも言論活動をしている者たちは、サークル仲間の間のみでしか通用せぬ茶番と嘘とナイーブな傷の舐め合いはやめるべきである。つまりこの期に及んで、「安倍が新自由主義者である」乃至「安倍政権が新自由主義政権である」ということを認めず、(或いは最低限でも行うべき安倍政権が新自由主義であるか否かの検証すら行わず)、その点をタブーとして一切触れずに、相変わらず安倍が愛国者であるとして祭り上げるというのであれば、もはや客観的に政治を論ずる論壇の議論としては成り立ちえず、同時に言論人としては著しく誠実さを欠くということである。同時にそれは自分たちの責任を逃れるための保身のようにも見える。

そうした検証や事実の直視もなく、ただ「安倍さんを信じよう」などと述べる言説は、それはもはや議論ではなく宗教であり、彼らは単に「信者」の群れに対して「絶対矛盾の自己同一」を受け入れさせ、教祖様に対する質問を禁じ、ただ無批判の信仰を強いる布教活動を行うに等しいことになる。批判を受けた際に、その批判に対して正面から具体的に反論せず、「中共の工作員だ」「コミンテルンの陰謀だ」などと言うのは、教義の矛盾を指摘されたら「神を試すな」「信心が足りないのだ」「それは異端・邪教の教えだ」などと言う宣教師と重なる。既にそのような兆候は現れてきている。保守論壇はこれまで精力的にTPPの問題点を抉り出してきており、一定の敬意を払ってきただけに、こうした傾向は非常に残念に思う。

政治は宗教ではない。盲目的な信者になってはならない。さもなくば議論は普遍性を持ちえず、一部の「信者」を除き相手にされなくなるだろう。
政治の評論と現実に政治をどう動かすのかは無論次元の異なることで、実際の政治では複雑な戦術というものが駆使され、理路整然としたものではない。しかし評論家が政治を議論する場合は、事実を覆い隠すようなイメージや抽象論、人を陶酔させるための言葉遊びといった類を排し、率直に事実を見つめ検証することから始められなければならない。

これからの議論の大前提として、安倍政権が紛れもない新自由主義政権であるという事実だけは直視し、そこから議論を始めなければならないと私は強く思う。安倍政権を支持するという立場の論者は、自分が新自由主義政権を支持するということを明示し、その上で支持をすればよい。或いは、安倍政権が新自由主義政権ではないと考えるのであれば、そのことをなぜ安倍がTPPを蹴らずに交渉参加宣言をしたのかの理由も添えて(精神論の如き人を惑わす言説や「コミンテルンの回し者」などといった極めて稚拙なレッテル貼りを排して)具体的に説明していただければよいと思う。そこから議論を始めればよいのではないか。

続編記事⇒「安倍自民と橋下維新のウルトラ新自由主義亡国連立が近づいている。安倍と橋下を結びつけるもの

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