石原慎太郎の「愛国」は「有罪」である。領土問題の火遊びよりも復興が先だ。

<当ブログ「橋下維新は答えではない!」シリーズ:橋下維新の正体↓>
その①ファシストは人々の心に巣食うファシズムに囁きかける
その②形骸化する民主主義:選挙で選ばれぬ人たちが政治を動かしている
その③選挙で選ばれぬ新自由主義者たちによって売りに出される大阪:大前研一と竹中平蔵の影
その④【地下鉄利権】関西私鉄幹部が大量に大阪市参与に就任していたことが判明。裏で進められる公共財の解体と簒奪。/一刻も早く橋下リコール運動を開始すべし。
その⑤【大阪地下鉄民営化利権続報】在阪マスコミは関西私鉄の事実上支配下にある!マスコミが橋下維新・地下鉄「民営化」問題を報じない理由

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ブログの更新がすっかり遅くなってしまった。
さて、皆様もご存知の通り、中国における反日デモは過去最大の規模となり、一部は暴徒化し、現地の日系企業やデパートなどが襲われる事態となった。在留邦人の生活に多大な支障をきたしているほか、日本車に乗っていた中国人までもが、自称「愛国者」に襲われ、意識不明の重体になったとの情報も出ている。

日本車に乗っていて襲われた中国人の写真。意識不明の重体になったという。

日本製品を買った中国人までもが同じ中国人に襲われるというニュースによって、今後日本製商品を買い控えたり、日系スーパーやデパートの利用を控える傾向が中国人消費者の間に出たとしてもなんら不思議ではない。今回の暴動の背景には、中国国民の間で広がる格差への不満があり、「日本車を買えるような富裕層」への反感もあるとのことであるが、暴動による物理的被害に加えて、今後もたらされるであろう影響を考慮に入れれば、今回の一件による損失は計り知れないものとなっている。

中国に対する好悪というものも人によってまちまちであろうが、中国は現在日本の最大貿易相手国であるという現実から目を背けると、「国益」を大きく損ねることになりかねない。仮に事態がエスカレートし、日本企業が中国で商売をできない状況になったとして、利益を得るものは誰なのかということに注意を払うべきである。石原慎太郎のような対中関係をひたすら悪化させようとする勢力の主張する「国益」とは一体何なのであろうか。日本企業や在留邦人や日本製品の消費者まで襲われるというのが、「国益」だというのであろうか。

[猪瀬直樹の見苦しい言い訳]

猪瀬直樹・東京都副知事は中国におけるデモが暴徒化したニュースが流れた後、ツイッターで以下のようにツイートをしている。以下引用する。

「尖閣買収そもそも論。石垣市の漁船は5トン、無線機1W、漁業資源が豊富な尖閣まで行くのはリスクが高い。中国や台湾の大きな船が操業している、無線も10W。そういう事情があり石垣市長が小さな船だまりと電波塔があればと求めていたところ、地権者との連絡が山東昭子議員経由でできそう①
②山東昭子議員から石原知事へ。石原知事は地権者と会ったのが1年前。地権者は相続の問題が発生する前に譲ると言った。ふつうならそこからすぐに展開するはずがうなぎのようにぬるぬるとしている。負債があるからだが調べればわかる。資産もあるからバランスシートで見ると10~15億円。③
③地権者は手付金を要求したが、納税者への説明責任と民主主義のルールの基づいた手続きのためそれはできない、島を調査し財産価格審議会に諮り適正価格を示し議会の議決を要する旨を伝えた。すると野田政権が地権者が大儲けできる金額20億5000万円+αを提示して地権者に接近した。④
④地権者から東京都へという国内の所有権移転にすぎない話がいきなり国有化となった。賃貸料年額約2500万円から国有化するなら意味がなければ。野田・石原会談で船だまりは前向き検討する、近く返事をするだった。しかし外務省は官邸の言うことを聞かない。官邸には全く威光がないのだ。⑤
⑤外務省は中国に何らかの形でお伺いを立てたが役人は余計なことで失点したくないので形通りで引っ込んだ。では何のために札束で国有にしたのかさっぱりわからなくなった。宙ぶらりんな政府の姿を晒して中国側に足下を見透かされただけだった。国有化の語感は中国では全然違う。口実をつくった。⑥
⑥香港の活動家を上陸させたのは野田政権・外務省の明らかな判断ミスだった。領土問題は既成事実がつくられると、さらにつぎにはエスカレートする。水際で処理すべきだった。繰り返すが、尖閣が自国の領土、だから日本企業への暴行・略奪をしてよい、では論が立たない。あとは中国人の誇りの問題。」

早い話が猪瀬は、都による尖閣購入は「地権者から東京都へという所有移転にすぎない話」であり「国有化」とはわけが違うと主張しているのだが、石原都知事のぶちあげた尖閣購入はそのような政治色のないものではないことは明らかだ。猪瀬の論理は政府に責任をなすりつけて、都は責任から逃れようという魂胆が丸見えの言い訳に過ぎない。

「尖閣国有化」という言葉が独り歩きしているが、そもそも今回の反日デモ・暴動を誘起した直接的原因は石原慎太郎・東京都知事が言い出した東京都による尖閣買収とそれへの募金騒動であったことは言うまでもない。石原は一部のメディアと結託して尖閣の都による購入をぶち上げ、さらには上陸が許可されていない尖閣に上陸すると公言し、「逮捕してみろ」と日本政府を挑発してきた。

仮に猪瀬の言うように都が所有していれば、日中関係は平穏に過ぎるというのであろうか。きっと石原はまたもや「都の所有した」尖閣に上陸したりして、より日中関係を悪化させる結果を招くであろうことは想像に難くない。従来散々日中関係を悪化させる言動を行ってきた石原は、尖閣を購入してさらに中国を挑発する愚行をやりかねないと政府や官僚は判断し、石原の暴走を防ぐためにやむを得ず国有化に踏み切ったというのが真相であろう。猪瀬は国有化した政府を非難しているが、そもそも、もし石原がこのような真似をしなければ、最初から政府は国有化をしなかったであろう。

猪瀬の論理は倒錯しており、当事者意識もそこには感じられない。単なる責任逃れのための言い訳のようにしか聞こえない。尖閣購入のために行われた募金が今後どうなるのかわからぬ状態であるが、子どもじみた言い訳をしている暇があるのなら、暴徒に襲撃された商店や企業への献金でも募るべきではないのだろうか。

[日本に有利であった「尖閣棚上げ論」]

二国間あるいは多国間における領土問題というのは珍しい話ではない。A国とB国の間に領土問題があり、A国が実効支配している。そしてA・B両国の間で領土問題については棚上げし、友好関係を促進することで両国が合意していたとする。これはA国の実効支配を事実上認めているものであり、A国にとっては非常に都合のよい合意である。

この場合、A国にしてみれば、自分が実効支配しており、かつB国も事実上その支配を黙認しているようなに土地に関してわざわざ「これはA国の領土であり、B国の領土ではない」と派手に喧伝することは、単にこの問題を顕在化させ、B国の国民のA国に対する反感を高め、両国間の関係を悪化させることにしかならない。今回の石原都知事が引き起こした騒動はまさにそのケースであると言える。

[尖閣問題の発端は前原の火遊び/油を注いだ石原]

そもそも尖閣諸島は沖縄返還まで米国の統治下にあった。沖縄の返還の際に米国が尖閣諸島を沖縄の一部として共に日本に引き渡したのである。孫崎亨・元外務省国際情報局長はこれを米国の仕掛けた領土問題の罠であると指摘している。1978年の日中平和友好条約締結時に、鄧小平の提案によって尖閣問題は「棚上げ」することが決められた。事実上日本の実効支配を中国が容認したことになる。漁船の操業に関しては従来は海上保安庁は漁船を追い払うことはしたが、拿捕するような真似はしなかった。

この方針を転換し、尖閣諸島を政治問題化したのは、民主党対米従属派の筆頭であり、当時海上保安庁を所管する国土交通省の大臣であった前原誠司である(当時菅直人内閣)。2010年9月7日海上保安庁は巡視艇に衝突した漁船の乗組員を逮捕し、一気に政治問題化したのは皆様の記憶に新しいことと思われる。

中国漁船船長の逮捕から釈放までの経緯でビデオ流出問題などがあり、仙谷由人と馬渕澄夫に対して責任追及の声が上がったにもかかわらず、なぜか一番の当事者であるはずの前原に対して責任を問う声はメディアや政治家の中から出ず、前原は9月17日の内閣改造で外務大臣に就任している。

この背景には、東アジア共同体構想を打ち上げ、普天間基地の辺野古移転に反対し、県外か海外への移設を目指した鳩山政権の対米自立派と、対米従属派との暗闘があったものと思われる。マスコミと対米従属派は自主外交路線の鳩山政権を激しく攻撃して倒し、菅を傀儡として担いだのだ。

尖閣漁船事件が起こった当時、マスコミからは「日米同盟の重要性が再確認された」などというキャンペーンが盛んに行われた。尖閣事件の後、前原が外務大臣に横滑りした直後に、なぜかアーミテージが折りよく来日し、在日米軍に対する「思いやり予算」増額を要求したのであるが、アーミテージはブッシュJr政権の要人ではあったがオバマ政権とは関係のない人物である。しかもこの尖閣問題は基地問題が大きな争点となった沖縄県知事選挙の投票が迫った中で引き起こされた。

前原によって引き起こされた一連の騒動が下火になって、ようやく落ち着きを取り戻そうとしていた矢先に、今度は石原慎太郎によって再び油を注がれたといえるだろう。

[米軍は日本を守るのか/「日米同盟の重要性再確認」キャンペーンの虚妄]

さて、尖閣問題が前原によって引き起こされたとき、マスコミや対米従属派論客から盛んに「日米同盟の重要性が再確認された」との説が流布されたのであるが、果たしてこれは真実であろうか。

2005年に日米間で合意された「日米同盟~変革と再編」には、日本周辺の島嶼部は日本側が防衛することが明記されている。そして米軍はたとえ尖閣諸島が軍事占領されたとしても、米議会の承認がない限り出動することはない。さらに、今月17日来日したパネッタ米国防長官は「主権に対する紛争は、いずれの国の肩も持たない。平和的解決を望んでいる」と語り、米国は尖閣問題が紛争に発展しても中立を保つとの立場を明らかにしている(関連記事リンク)。

これらのことからわかるのは、尖閣をめぐって日中双方が紛争を起こしたとしても、米国は主体的に関わることはないということである。島嶼部防衛は日本側がすることとされ、米軍は議会の承認なしに出動することはなく、また現政権はこの問題に対して「中立」の立場をとることを表明しているのである。日本の対米従属派からは尖閣問題を機にさかんに「日米同盟の重要性」や「日米同盟の深化」なるものが唱えられるのであるが、実際には尖閣の防衛には役に立たないものであることがわかる。

[対米従属派による改憲論の危険性/米国からの独立はなく米国の使い走りで局地紛争をする羽目になる]

近年になって愛国的な装いをつけた憲法9条改正論が唱えられているのであるが、このことにも我々は注意を払う必要がある。従来の「自主憲法制定」というのは対米独立派が中心に唱えていたものであるからである。「自主憲法制定」と「米国からの独立(駐留米軍の撤退)」は表裏一体のものであったのだ。ところが現在は対米従属派が憲法9条改正を狙っている。これは危険極まりないという他ない。

米軍の完全撤退のないままに、軍を持つことになったとしたら、恐らく引き起こされる結果は、米国の指図のままに世界各地の紛争に派兵を強いられることとなるだろう。このことは隣国の韓国を見れば明らかである。恐らく軍需産業は武器の販売・輸出で儲けたいのであろうが、貧困層の受け皿は兵役という恐ろしくグロテスクな構図になるに違いない。田中康夫は「米国は戦争が公共事業」と喝破したが、そのようなことが日本においても起こることになるだろう。このような改憲は断固拒否すべきであることは明らかである。

少なくとも憲法9条を改正したいというのであれば、国内に駐留する米軍の完全撤退・米国からの独立というものが担保されぬ限り、非常に割の合わぬ取引となる。現在愛国者よろしく勇ましい改憲を唱えている人たちに、ぜひ訊いていただきたいと思う。あなたの唱えている9条改正は在日米軍の撤退と表裏一体のものであるのかと。

[領土問題での火遊びよりも復興が先だ]

前原と石原の尖閣をめぐる危険な火遊びの背景には、対米従属派・安保マフィア・軍需産業などが蠢いていることが推測されるということをこの記事を通して検証してきた。しかし、今我々が考えなければならないのは、果たして日本はこんなことをやっている場合であるのかということである。

昨年3月に大震災が起こり、原発事故で放射能を撒き散らし、未だ収束せぬ状況で、復興と被災者支援を二の次にして、被災地の復興を二度とできぬものにするであろうTPPを政府は国民に情報を知らせぬまま推進しようとし、老害政治家が先人の知恵で棚上げ(しかも日本に有利な取り決め)にしていた領土問題で火遊びを初め、その最大の貿易相手である国で大規模な反日デモを起こされ、企業の活動や在留邦人の生活に多大な支障をきたしてなお反省の弁もないといった、目を覆うような状況に日本は残念ながらある。

このような国を第三者が見たら、きっと大笑いするに違いない。石原慎太郎や米倉弘昌といった人物に日本の劣化が象徴されているように思う。そしてこのような連中のエッセンスが集約されているのが、マスコミに新たに持ち上げられて登場した橋下維新なのだ。

いまは何よりも被災地の復興と国内経済の再生、そして国民国家としての日本の再生が求められている。マスコミに騙されてはならない。国民の底力が試されている。

[松山千春「崩壊」]

この曲は私の友人が教えてくれたものである。正直に言うと今まで松山千春の歌に大して興味も持っていなかったのであるが、「この国は壊れてく。みんな誰も気付いているはずなのに情け無い」で始まるこの曲を聴いて衝撃を受けた。まさに今の日本の状況そのものではないかと。

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