マハティール元首相「私が首相ならTPPに絶対参加しない」「日本人よ、いつまで米国の言いなりなのか!目を覚ませ!」

<当ブログ「橋下維新は答えではない!」シリーズ:橋下維新の正体↓>
その①ファシストは人々の心に巣食うファシズムに囁きかける
その②形骸化する民主主義:選挙で選ばれぬ人たちが政治を動かしている
その③選挙で選ばれぬ新自由主義者たちによって売りに出される大阪:大前研一と竹中平蔵の影
その④【地下鉄利権】関西私鉄幹部が大量に大阪市参与に就任していたことが判明。裏で進められる公共財の解体と簒奪。/一刻も早く橋下リコール運動を開始すべし。
その⑤【大阪地下鉄民営化利権続報】在阪マスコミは関西私鉄の事実上支配下にある!マスコミが橋下維新・地下鉄「民営化」問題を報じない理由

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[マハティール元首相が来日]

先日マハティールのIMFとの戦いを中心にブログに書いたが、その後なぜかマハティールと日本に関連するニュースが舞い込んできた。偶然なのだが、驚いている。以下の記事もご参照いただければ幸いである。

当ブログ「IMFと戦い国民・国家を守ったマハティールに学ぶべし!」シリーズ
その①:「政治の季節を迎えたマレーシアとマレーシア政治概説
その②:「IMF「救済策」が明暗を分けた
その③:「野党指導者アンワルとその「グローバル」人脈
こちらもついでにどうぞ。続編記事のような形になっています↓
日本の「韓国化」を阻止せよ!:TPPによって日本の「韓国化」「ネオ植民地化」完成を目論むBKDを討て!

前回の記事で少しだけご紹介したが、JB Pressにマハティール元首相の長いインタビュー記事が5月19日付で掲載された。その後マハティール氏は日本に来日し、23日にマレーシア議連の招きで日本の国会議員に対して講演を行った。25日には第18回国際交流会議「アジアの未来」(日本経済新聞社・日本経済研究センター共催)で講演している。
この国際交流会議でのマハティールの発言を日本経済新聞が報じている

<引用開始>—————————-
マレーシアのマハティール・ビン・モハマド元首相は25日、第18回国際交流会議「アジアの未来」(日本経済新聞社・日本経済研究センター共催)で講演し、中国への外交姿勢について「中国が世界で自国製品を売れる市場を壊すことはない。敵と考える必要はない」と強調した。
アジアの安全保障については「紛争は平和的に解決すべきであり、安定につながるシステムを作る必要がある」と指摘。日中韓三国の関係では「緊張を減らし、善隣友好関係を築く義務がある」と述べた。
一方、アジアでの影響力確保を目指す米国の動きについては「軍事力で敵味方にアジアを分断するようなことをすべきではない」と注文をつけた。
環太平洋経済連携協定(TPP)については、「小さい国が巨人である米国と組むのは不平等だ。米国より小さい相手国にハンディキャップを設けるべきだ」と述べ、市場開放に一定の条件をつけるべきだとの見解を表明した。
<引用終わり>————————-

このフォーラムでマハティール氏はどこまでTPPに関して突っ込んだ発言をしたのか不明である。仮にしていたとしてもTPP推進派である日本経済新聞共催のフォーラムであるし、また、報じているのも日本経済新聞であるから、何か重要な点が省略されている可能性がある。

[マハティール氏が重大発言「私が首相だったらTPPに絶対参加しない」]

実はこれに先立つ23日の議員懇談会において、マハティール元首相はTPP交渉にマレーシアが参加していることについて尋ねられ、「私が首相だったらTPPに絶対参加しない」と発言していたことが判明した。この懇談会に参加した国会議員がこれを伝えている。

三宅雪子衆議院議員のツイッターより。

<引用開始>—————-
「マハティール元首相との懇談会。「私が首相だったらTPP参加しなかった」に一同息を飲む。「アメリカは自国の利益だけを考える国」とも。野田総理に言って聞かせて欲しい。」
<引用終わり>————–

また、首藤信彦衆議院議員もブログでこの時の模様を記している。

<引用開始>—————–
「マハティール元首相の言葉が心にしみる」
マレーシア議連で訪日中のマハティール元マレーシア首相を招き、日本とアジア太平洋の未来について話を聞く。現職時のあのはち切れるようなオーラはなかったけれど、86歳「カクシャクタル」と修飾語がつくような姿だった。部会や委員会が重なる中でも多くの議員がつめかけたけど、出席者の全員が「政治家とはこうあるものだ」と感じたのじゃないだろうか。
発展のモデルを日本にもとめ、日本が変節し西洋化したので、「古い」日本のモデルを求めたと、現在の日本にやんわりとしかし強烈な皮肉を述べていた質疑で、TPPにマレーシアが参加していることを聞かれ、「私が首相だったら、絶対に参加しなかったろう」と述べていたアメリカはアジアを分割して統治する方向で手を突っ込んでくるとも言っていた。中国の脅威に対するコメントでは、中国はいまだかってマレーシアを侵略したことはない、脅威とは考えない、そういうことは中国の利益にならないからだ...と分析していたが、最後に、もう一度マイクを握ってこう言った「日本は石油を止められて、戦争に走った。中国をそういう状況に追い込んではいけない」。
物静かに、単純に誠実に応答していたが、彼の言葉は乾いた砂にしみる水のように我々の心に染み入った。
<引用終わり>————–

また、マハティール氏をこの日の懇談会に招いたマレーシア議連の加藤学衆議院議員もブログにこの時の模様を書いている。

<引用開始>—————–
本日、来日中のマハティール元マレーシア首相を国会にお呼びして、議員との意見交換会を開催しました。国会議員が40人近く出席し、マハティール氏のアジアの価値を大切にする一貫した考えに耳を傾けました。アメリカ発の実物経済ではない金融資本主義への警告、または中国脅威論をあおることの無意味さ、日本が働くことの倫理観をベースにした日本流の発展モデルから離れた時から、日本が弱体化している点などを指摘しました。
また、マレーシア政府は参加を表明しているTPPについては、マハティール氏は、経済連携の枠組は、参加国すべての利益になるものでなくてはならないとし、TPPはアメリカ主導の枠組みであって、政府調達や知的所有権などマレーシアの利益になることは期待できないという見解を示しました。
マハティール元首相は86歳になりますが、歯切れの良い話っぷりは健在で、「日本よ、もっとしっかりしろ」というエールが送られているようでした。
<引用終わり>————–

[不可解なマレーシア政治:対米従属へ向かうのか]

マレーシアのTPP交渉参加はマハティールの後を継いだアブドラ・バダウィ首相(当時)が米国とのFTA交渉を2005年に開始したことに端を発している。引退したマハティールはアブドラの政権運営や政策についてしばしば苦言を呈し、深刻な対立関係に陥り、一時期マハティールは中核与党UMNOを離党したこともあった。FTA交渉に関しては3年続いたが妥結しなかった。この間マレーシアの消費者団体が米国やEUとのFTAに対して反対運動を展開している。2009年4月にナジブ政権がアブドラの後に就任、2010年3月にオバマ政権の招きでFTA交渉を打ち切ると同時にTPP交渉に参加している。

<参照>
Malaysia–United States Free Trade Agreement(ウィキペディア)
US Invites Malaysia To Join Trans Pacific Partnership
Put a hold on FTAs with the US and EU(ペナン消費者協会)

米韓FTAの悲惨な内容を見てもわかるように、アジア通貨危機の際にIMFや国際金融資本を敵に回して戦ったマハティールが米国とのFTAやTPPに賛成するはずはないと私は思っていた。なぜマレーシアの現政権がTPP交渉に参加しているのか理解できなかったこともあり、かねてよりマハティール氏のTPPに対する見解を知りたいと思っていた。なぜマハティールが積極的にTPP反対を国内で主張し、現政権に働きかけないのかよくわからないが、今年2月には自身のブログで「米国やユダヤ団体がマレーシアに親米傀儡政権樹立を目論み体制転換を図っている」とし、ポール・ウォルフォウィッツらが主導した中東での「民主化」を装った反米政権転覆を念頭に警告を発している。マハティールが最も懸念しているのは、当ブログでも検証した通り、従来IMFと近く、ウォルフォウィッツらを初めとする人脈と親しい間柄のアンワル・イブラヒム元副首相率いる野党連合が米国の側面支援を受けて、来る選挙で政権の座に就くことであろう。
一方、ナジブ現政権もマレーシア史上かつてなかったほど親米路線を採っていると言えるのだが、なぜマハティールは米国とのFTAやTPP交渉に関しては表立って反対せず、事実上黙認しているのであろうか。あるいは、TPP交渉に参加することで親米的態度を示して、野党陣営への肩入れという米国の政治介入を減少させ、選挙で与党連合を勝利させた上で、TPPを土壇場で蹴るという高等戦術なのかも知れないが、この可能性は低いと思う。現政権もTPP推進で、アンワル率いる野党連合が勝利すれば、さらなる対米従属路線になる可能性が非常に高いというジレンマに陥っている。

<参照>
REGIME CHANGE(マハティール元首相ブログ 2012年2月13日)* この記事はマレー語
Are we a target for regime change?(Chandra Muzaffar・マレーシア科学大学教授、2012年3月4日)
Is Malaysia on the cusp of regime change? (Dennis Ignatiusマレーシア元外交官、2012年3月27日)

[マハティール氏の日本人へのメッセージ「いつまで米国の言いなりなのか!目を覚ませ!」]

今回の訪日での講演でも、訪日前に行われたインタビューでも、マハティール元首相はいつまでも対米従属路線にある日本人に対して目を覚ますよう訴えている。懇談会に出席した首藤信彦議員も「発展のモデルを日本にもとめ、日本が変節し西洋化したので、「古い」日本のモデルを求めたと、現在の日本にやんわりとしかし強烈な皮肉を述べていた」と書いているように、マハティールは一貫して「アメリカかぶれ」になって国民を不幸のどん底に陥れ、独立の気概を失った日本に対して批判的であり、かつ日本を叱咤激励していることがわかる。
JB Pressに掲載されたインタビューは非常に明快であり、読んでいて心地よさすら感じる。長いインタビューであるが、日本の内政・外交について一貫した方向性をさし示してくれている。当たり前のことを当たり前に語り、かつその理由付けも論理も明快なのだ。マハティール氏に日本の首相をやっていただきたいと思うほどである。
このインタビューから印象的な部分を最後に抜粋する。目からウロコではないだろうか。最後の中国に対する考え方は、奇しくも以前当ブログでご紹介したカレル・ヴァン・ウォルフレン氏の考えと一致する。
なぜこのような当然のことが、日本国内では「当然のこと」として議論できないのか、逆にわからなくなる。おそらく日本の支配エリート層には答えはわかっているはずなのだが、「国民を救わない現在のシステム」が自らに都合のよいものであるために、なにがなんでもそれにしがみつき、マスコミを使って言説を歪めることに躍起になっているのであろうと思う。それほどまでに日本の中枢は米国資本及び国内対米従属派に乗っ取られているということを示していると思う。

——————————-
[マハティール氏のインタビュー記事JB Press「マハティール元首相、日本の政治にもの申す 消費増税と原発再稼働をやめ研究開発投資を」より抜粋]
(* 他にも読みどころ満載ですので、ぜひ全文お読みください。)

<消費税増税をしてはならない>
「消費税を上げれば安定した税収が得られる半面、国民の消費は確実に落ちてしまいます。消費増税は国内総生産(GDP)にとって間違いなく悪影響を及ぼします。一時は確実に税金を集められても、経済を冷やしてしまっては国家の将来にとっては有益とは言えません。別の道は、消費税を下げるか、あるいは増税はしないという考え方です。消費税という名目で集められる税収は小さいかもしれません。しかし、国民が消費を増やすことで国家にとっては増税よりも税収を上げられるのです
「例えば、消費を拡大させなければならないのであれば、消費税などの税金を上げるべきではありません。マレーシアや米国はこの方針で国家が運営されています。」
「私の見る限り、日本にはまだ消費できる余地がたくさんある。それなのに、GDPの大切な要素であるこの部分の税金を上げれば、間違いなく消費は落ち込み、日本のGDPは減少してしまうでしょう。日本の場合は、消費を刺激しながらムダな政府支出を抑える仕組みを考える必要があると思います。ただし、一方で、日本の将来のために政府支出も増やす必要もあります。政府支出はGDPの大切な要素の1つですから。」

<いつまで対米従属を続けるのか。目を覚ませ>
日本はいつまで米国の価値観を受け入れるつもりなのですか。そろそろ目を覚ますべきではないでしょうか。
プラザ合意で円は大幅に切り上げられました。その結果、順調な成長を続けていた日本経済は一気に不況になってしまったのはご承知の通りです。 当事、問題は米国にあったはずです。なのに日本は円を切り上げて米国を助けることに同意しました。あのとき米国に自分の通貨を切り下げさせるべきだったのです。日本が通貨を切り上げる必要はなかった。
日本は米国とばかり貿易をしているのではありません。世界中の国々と貿易をしている。円を大幅に切り上げたことで、米国以外の国でも日本製品は売れなくなってしまいました。
私からすると、日本は米国を富ますことに熱心に見えます。そろそろそんな考えは捨てて、日本自身を富ますことを考えるべきではないでしょうか。
そして優れた日本製品が買いたくても買えなくなった国もあるということを日本は知るべきです。円を切り上げたことでそうした国の豊かささえ犠牲にしたことになるんです。」

<欧米諸国は貧しくなったということを認識せよ>
「欧州の多くの国も米国も、もはやビジネスと呼べるものがほとんど失われてしまっています。残っているのは金融だけでしょう。金融機関は確かに一度に大きなお金を稼ぐことができるかもしれない。しかし、それは賭博のようなもので、新たな雇用も新ビジネスやサービスも生み出しません。人材もそれほど必要としないので、国として失業率は当然高止まりする。

<原発はいらない>
「私が首相であった時代には、原発の導入は全く考えませんでした。それは、原子力に対する知識が未熟だからです。マレーシアが未熟というのではなく、人類という意味でです。
原子力エネルギーを取り出す技術は確かにかなり確立されました。しかし、一度放射能を出し始めた物質から放射能を取り除く技術は全くできていない。
つまり、原発から必ず出る核のゴミをどう処理していいのか分かっていない。埋めることさえできない。技術がまだ未熟なんです。世界中で核のゴミの問題を解決できた国は1つもありません。
多少コストが高くてもほかのエネルギーを使うべきなのです。化石燃料に頼らない自然エネルギーの利用方法が世界中で開発されています。そちらに期待すべきだと思います。
とりわけ日本には十分な水力がありますよね。冬の間に山に積もった雪が解けて川に流れ込み、一年中、豊かな水資源に恵まれている。しかし、日本はこの水資源を十分に活用しているとはどうも思えない。
水力発電はイニシャルコストは高いかもしれないが、発電コストという意味では非常に安いし、メインテナンスも楽です。原発の事故を起こしたいま、こうした自然エネルギーの利用を真剣に考えるべきではありませんか。
もちろん、風力とか太陽光発電とかも日本の技術力をもってすれば能力を上げてコストを大幅に下げることも可能でしょう。」

<中国を軍事的脅威と考える必要はない>
(中国を)脅威だとか敵国扱いをしないこと。これが大切です。そうすれば軍事費に回す国家予算を節約できるし、相手も脅威を感じなくなる。
日本だって中国の脅威を感じなくなれば軍事力を増強しようとはしないでしょう。できればほかにお金を使いたいはずです。
しかし、米国は考えが全く違います。中国の軍事力は脅威だと言い続け、日本に対してはそれに対応すべきだとけしかけている。そして自らは第7艦隊を中国のすぐそばに派遣してくる。
そんなことをすれば中国が脅威を感じないはずがありません。そして軍事力増強をしなければならないと思う。」
「 今日、ある国が(第2次世界大戦のような)戦争を起こすことは不可能でしょう。戦争である国を征服することはできるかもしれないが、その国を支配し続けることはできないのです。それが歴史の教えです。
イラクとアフガニスタンで起きたことを見れば明白ですよね。それらの国では多くの人たちが亡くなりました。結果的に米国は何もすることができずに撤退するしかなかった。戦争は解決策には全くならないのです。
日本はもう戦争はしたくないのでしょう。でも米国は日本に対して、何とかして自衛のための軍事力を増強させようとしている。そして湾岸地域にも自衛隊を派遣せよと圧力をかけている。
そういう米国の口車に乗れば乗るほど中国を刺激するのだということを日本はしっかりと認識すべきです。中国は軍事力をますます増強するでしょう。そしてそれだけのことができる経済力をいま中国は手にしている。
急速に発展を遂げる中国は市場としての魅力がどんどん増しています。このことはマレーシアはもちろん、日本にとっても最も重要なことでしょう。(中国を)軍事的脅威などと煽る者の言うことを聞かないことです。
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<追記>日本農業新聞もマハティール元首相の「TPP絶対不参加」発言を28日付で報じている。
私が現役だったら…TPP交渉は絶対に不参加 マレーシア元首相 マハティール氏』|日本農業新聞5月28日(にゃんとま~様のTwitLongerより)

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