1%新自由主義グローバリズムに対抗する政治思潮を顕在化させる必要性。現代日本の政治はなぜ行き詰るのか。前編

橋下維新は答えではない! ①ファシストは人々の心に巣食うファシズムに囁きかける
形骸化する民主主義:選挙で選ばれぬ人たちが政治を動かしている
橋下維新は答えではない! ②選挙で選ばれぬ新自由主義者たちによって売りに出される大阪:大前研一と竹中平蔵の影

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(今回の記事は長くなりますので、2回に分けて掲載します。)

3月30日、亀井静香・国民新党代表は連立離脱宣言を野田首相に対して行った。国民との約束を守ることを第一に掲げ、政治家としての筋を通した形だ。国民新党は亀井静香・亀井亜紀子がの2名が連立離脱を主張、残る下地幹事長や自見金融相ら6人は郵政改革を成し遂げることを理由に連立に残ることを主張し、同党は分裂状態に陥った。消費税増税法案は結局閣議決定されてしまったが、これに引き続き、マニフェスト遵守を訴える国民生活派の議員たちが野田政権に抗議し、黄川田徹総務副大臣、牧義夫厚生労働副大臣、森裕子文部科学副大臣、主浜了総務政務官が辞表を提出、鈴木幹事長代理と樋高総括副幹事長、党の役職についている国民生活派の若手議員らも相次いで辞表を提出した。この動きは週明けにさらに広がる可能性がある。
マスコミは例によって様々な描き方をするのであろうが、客観的に見て、国民との約束であるマニフェストの遵守を訴える国民生活派と、マニフェストに記されていない消費税増税やTPP加盟を財務省や経済産業省の言いなりで民意を問うこともなく推し進める野田政権・民主党執行部と、どちらの側に理があるのか明白である。
菅内閣・野田内閣のマニフェスト反故によって民主党の政策は大きく変節し、民主党内はマニフェスト反故の「ネオリベ+ネオコン+増税派」の執行部側、マニフェスト遵守の「国民生活派」と、現状では執行部側についているという風見鶏の「中間派」に内部分裂してしまい、もはや政策集団としての政党として体をなしていない状態だ。
今回の記事ではまず、何故にこのような分裂や混乱が起るのかをいわゆる保守政党に所属する政治家たちの政策の違いから大雑把に分類することで検証したい。次に、現代における時代遅れの対立軸とそれに取って代わるべき本来の対立軸について述べたい。その中で巨大資本の走狗となり果て彼らの利害から情報を歪めて国民に伝えるプロパガンダ機関であるマスコミについても触れたい。最後に我々庶民はこれらの事象に対してどうすればいいのか考えていきたいと思う。(* 後半部分は次回の記事に書きます。)

[政党内部における政策の違いと混乱・政治に介入する罪深きマスコミ]

①消費税増税による財政再建派
②ネオリベ構造改革派
+ネオコン
③デフレ脱却国民生活派
経済政策
消費税増税による財政再建
財政支出見直しはしない
グローバリズム市場原理主義・無駄の削減・小さい政府を標榜
(公共領域の解体・外資への売却が隠された目的)
財政支出の見直しによる財源捻出
内需の重視
勢力
民主党の一部・自民党の一部・たちあがれ日本
(たちあがれ日本は①と③のような性質が混在)
橋下維新・みんなの党・新党改革・民主党の一部・自民党の一部
国民新党(亀井)・新党日本・新党きづな・新党大地・民主党(小沢G等)・自民党の一部
消費税増税
賛成
反対+賛成
反対
TPP
賛成(たちあがれ日本は反対)
賛成
反対
デフレ
TPPにより悪化する
TPPにより悪化する
デフレ脱却を志向
志向
官僚+巨大資本+1%
新興資本+外資+巨大資本+1%
1%勝ち組の代理人政党
国民生活
支持官庁
財務省・外務省
経済産業省・外務省
なし
支持財界
旧財閥系+マスコミ
基本的に旧来の官僚+財界連合の延長上。しかし財界は外資の財界乗っ取りで変質し、国民を裏切った形。
新興企業系+旧財閥系+マスコミ
規制緩和で急成長した成金企業が多いのが特徴。
中小企業
対外政策
対米従属(一部自主外交)
対米従属(代理人か?)
自主外交
BKD度
極めて強い
低い
原発
推進
脱原発
脱原発+存続
地方分権
潜在的に反対
賛成(道州制)
賛成(道州制ではない形)
* これは私が思う大雑把な傾向を示したものであり、厳密に当てはまるものではない。

所謂保守政党に属する政治家を経済政策を軸に大雑把に分類すると、①消費税増税で財政再建派、②ネオリベ構造改革派+ネオコン、③デフレ脱却派になる。現政権は①と②の混合物でTPP賛成・巨大資本重視。②は増税の賛否はバラバラ。小さい政府・財政再建と言うが民営化・外資への売却が基本。③はデフレ下での消費税増税に反対しTPPにも反対で(TPPはデフレを悪化させる)、内需を重視する。

①は財務省の路線。財政支出の抜本的見直しはせず増税だけする。自民の一部・民主の一部・たちあがれ日本などがこれに該当する。
②は小泉・竹中改革を推進した勢力が中心で、中野剛志の言うBKDがこれに該当する。橋下維新とみんなの党が典型的である。橋下維新とみんなの党は②だけが集中的に集まっていることで注目に値するが、民主党・自民党にも同様の勢力が混在している。②についていくと「改革」の名の下に公共領域が解体され、外資などに売り払われる羽目になり、格差はいっそうひどくなるだろう。
③は亀井静香が典型的で、新党きづな・新党日本・新党大地・民主の一部(国民生活派など)・自民の一部がこれに該当する。

①②③ともに民主・自民に混在しており、これらの中間派と見られる人たちも多くいてせめぎ合いをしている事が混迷の元凶であると言える。つまりみんなの党や橋下維新を除いては、本来政策別に分かれてしかるべき政党がそうなってはいないということがまず問題である。参議院のねじれ云々を言う前に、民主党も自民党も実は最初から内部でねじれてしまっているのだ。そこにマスコミがたえず野次馬の如く政治介入をするということがさらに問題をややこしいものとしている。

今の政界では①と②が連合して主導権を握り続けてきたようだ。③は常に少数派である。そもそも民主党の2009年「国民の生活が第一」マニフェストは③の意見が色濃く反映されたものだ。であるからこそ政権交代を達成したのであるし、また政策的に親和性の高かった国民新党と社民党も鳩山連立政権に加わったのである。ところが鳩山政権はマスコミ・官僚と①②の連合による総攻撃とクーデターによって潰され、その直前には社民党も連立を離脱。その後菅直人がマスコミ・官僚と①②に担がれ、彼らの傀儡政権を樹立した。菅はマニフェストを反故にし、それとは180度異なる消費税増税とTPP推進という「1%支配層の利益が第一」路線に大きく舵を切った。菅は「脱小沢」を掲げ、朝日新聞を筆頭にマスコミはそれを礼賛したが、早い話が「脱小沢」というのは③のグループの露骨な排除に他ならない。現在の野田政権も菅政権と基本的に同じ①②による連合政権であることは周知の通りである。この路線だと一体自民党政権時代と何が異なるというのであろうか。
菅・野田と続く民主党「変節」政権は「国民の生活が第一」を謳って政権交代をしたにも拘らず、自民党政権と同じかそれ以上に国民にとっては過酷な政策を推し進めようとしているのだ。国民生活を破壊しデフレを悪化させることが確実なTPPに加盟するなどと言い出したり、デフレ下での消費税増税を強行しようとしたりという、正気の沙汰とは思えない政策を①②連合が③を排除して推し進めているのだ。この①②の横暴に対する③の具体的な抵抗が亀井の連立離脱宣言や国民生活派議員の役職一斉辞任なのである。マスコミは恐らく単なる権力闘争として描いて報道するだろうが、我々国民はこうした多分に誘導を含んだマスコミ報道に惑わされず、客観的に状況を把握する必要があるのだ。

大手マスコミは常に①と②を支持しているのが特徴で、③を妨害することはあれ、持ち上げることは皆無に等しいと言っていいほどだ。マスコミは小泉政権以来②との親和性が最も高いように見える。あたかも一旦新自由主義者たちと悪魔の取引をしてしまった以上、もはや引き返すことができなくなってしまったかのようだ。②はマスコミと一体化したイメージ戦略とマーケティングを駆使し、実際は庶民を痛めつけることに他ならない彼らの政策をあたかもすばらしい商品であるかのように見せかけ宣伝することに長けている。一般庶民にすれば③を支持すべきなのは明らかだが、大手マスコミは①と②を支持するように偏向報道を行い、国民を誘導している。
小泉・竹中の郵政民営化について、マスコミは国民に「既得権益の打破」というイメージを植え付け、「改革勢力vs抵抗勢力」といった単純な図式を描いてしか伝えなかった。仮にマスコミがあのとき、郵政民営化は200兆とも300兆とも言われる郵政資産を外資ハゲタカに二束三文で売却することを目的としたものであるという隠された目的を伝えていたなら、あれほどの小泉フィーバーが起りえたであろうか。マスコミはこの時点でジャーナリズムを放棄して国民を裏切っており、確信犯であるのだ。依然として当時と同じ論説委員・解説者・評論家・大衆を煽るアナウンサー・芸能人が相も変らず顔を出している以上、信用してはならないのである。残念ながらマスコミにはもはや自浄作用が働かないようだが、このままでは過去の悪事を隠すためにずっと国民を騙し続けるしかないのであろう。未だに竹中平蔵がマスコミから追及されるどころか、テレビや雑誌に時折ふっと現れてはご高説を垂れている程なのだから、マスコミはもはや庶民の敵であり、民主主義の敵であると見なした方がよいのである。

消費税増税反対では②と③が連合を組む余地があるが、政策的には水と油である。③は②に庇を貸して母屋を取られるようなことになりかねない。現に亀井静香は小泉純一郎に騙され続けた。②のトップが演説だけうまい詭弁者であるのなら危険極まりないし、現に彼らはそうした人物をトップに担ぐ傾向がある。消費税増税に関しては①への反発が強まるが、恐らくマスコミはそれを②への支持拡大に結び付けていく考えだろう。すると③はいつまでたっても主導権を握れないことになる。抜本的な政界再編が起らない限り、庶民は投票先を失い、ずっと①か②の政治勢力が中枢を牛耳り続けることになるのではないだろうか。庶民の生活は③の内部における抵抗によってかろうじて持ちこたえているのである。マスコミはこの事実を捻じ曲げて、③が政治日程を妨げているなどと悪意に満ちた論調で非難し、大衆を誘導しているのだ。
庶民にとって最も危険なのは②のBKD勢力であることは言うまでもない。③は本気で自分たちの政策を実現する気があるのならば勢力を結集し、②との対決を鮮明にして、反新自由主義・デフレ脱却・TPP反対を掲げた政党を本来結成すべきなのである。

非常に気がかりなのは、次期総選挙において脱原発問題で、マスコミが橋下維新などの②の勢力と「旧体制との対決」なるものを巧みに演出し、結果として潜在的な大票田である脱原発層を②が総取りしてしまう恐れがあるということだ。②はそれを狙ってくるに違いない。
次の総選挙にではTPPの国会批准問題が絡んでくるのであり、国家の在り方を左右するこの問題こそが本来一番の争点となるべきである。②と①が多数派を占めたとすれば、脱原発はどうなるのかわからぬが、国民生活を破壊するTPPの批准だけは少なくとも確定するのである。TPP交渉が妥結するのであれば、次の総選挙においてTPP反対派が国会で多数を占められるようにしておかなければ阻止できないのである。TPP反対の国民は間違っても②の政党である橋下維新・みんなの党や①の政治勢力に票を投じてはならない。
TPP推進である大手マスコミは、きっとTPP問題を選挙の争点として扱わず、それを覆い隠すために脱原発問題をクローズアップして、橋下維新フィーバーを起こそうとするのではないかと思う。その真の目的はTPP批准なのだ。その観点で見れば「報道ステーション」古舘伊知郎の脱原発宣言はそうしたオプションへの布石である可能性を大いに疑うべきである。マスコミはまた小泉郵政選挙の壮大な詐欺を橋下維新を使ってやる可能性が高い。これは商業主義の民間放送だけではなく、NHKも含まれている。政治ブログ「世に倦む日日」はすでにNHKニュース9でやらせも含めた橋下維新を持ち上げる特集をしていたことを指摘している。(参照「被災地を出汁に橋下徹を宣伝する大越健介の工作報道」)

気付かぬ国民が未だに多数派を占めている現状、マスコミの影響力が未だに絶大である現状を考えると、③を核とした新党結成はタイミングを誤れば失敗に終わる可能性もある。しかしTPPの脅威は迫ってきており、マスコミは②の橋下維新をTPP批准のための決定打として大々的に持ち上げる準備を進めているのだ。動いても失敗する可能性はあるが、何も手を打たなければジリ貧になることも確実であろう。

[本来の政策軸の顕在化を妨げるマスコミと、もはや時代遅れの左右の対立構図]

単純化したきらいはあるが、以上のように政治勢力を経済政策から分類することで、なぜ政治が常に混乱する、あるいは混乱させられるのかを見てきたが、なぜ①と②が常に支配体制側に支持され主導権を握るのかの背景には、規制緩和・構造改革で大幅に進展した新自由主義グローバリズムの問題がある。
詳しくは拙ブログ過去記事「なぜ経済界は売国TPPを推進しようとするのか考えてみた」をご参照いただきたいと思うが、日本の経済界は25%以上もの株式を外資に取得され、メガバンクも三菱は3割以上(ロックフェラー系)、三井住友は4割以上(ゴールドマン・サックス系)の株を外資に取得され、日本の経済界はグローバル資本に株と金融で首根っこを抑えられ、半ば乗っ取られたような形となってしまったという点が極めて重要である。その結果日本の巨大資本もグローバル資本化してしまったのである。それが今日の財界の自国民への裏切りに繋がっているということを指摘した。昔の財界・官僚はここまで大きく国民を裏切るような真似はしなかったのであるが、規制緩和以降内部から乗っ取られた財界を通じて、巨大資本は我が国のマスコミをコントロールし、政治に大きく介入しているのだ。日本経済にとりついた外資はいまや寄生虫のように宿主から養分を吸い続けるのである。最近米国とのFTA(韓国国民にとって圧倒的に不利な内容)を批准した韓国は、日本以上に財界が乗っ取られ、政界も巨大資本の代理人BKDが多数派を占めるまでに至っていたのだ。韓国は自国の軍隊の指揮権すら米軍の下にある国で、外資も経済界に侵食するに及んで国家ごと乗っ取られたに等しい。こうした現実に日本国民は一刻も早く気付かねばならないのである。
TPPや米韓FTAから浮かび上がってきた問題は、むき出しのグローバリズム市場原理主義がもはや国家という単位とは相容れないものとなってきているという現実である。国家・国民の利益とグローバル資本化した財界の利益は一致しないのである。
日本の新自由主義のお手本となっている米国は、既に軍産複合体・巨大企業体・金融資本・マスコミによって国家が食い物にされているということをカレル・ヴァン・ウォルフレンは指摘している(詳しくは拙ブログのこちらの過去記事や氏の著作『アメリカとともに沈みゆく自由世界』をご参照いただきたい)。日本も同じ病理がはびこってきており、さらにTPPによって1%支配の安泰と引き換えに、99%の庶民の生活は破壊され、国家主権そのものも放棄するに等しい。TPPとは参加各国の1%BKD支配層による支配の固定化協定に他ならない。
もはや従来の左右の対立軸というのは現実にはそぐわないものであるばかりか、我々が今迎えている現実を分析・認識することを却って妨げることにもなりかねないのだ。我々が現在政策の軸として議論すべきは、1%のためだけのグローバリズム新自由主義とそれに対抗する庶民99%側の思潮なのである。

<次回に続く>

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