米国メア日本部長の重大発言 米軍日本駐留は米国にとって「非常に得な取り引き」

<TPP問題徹底追及三部作!参照リンクも①の末尾に追加しています↓
「平成の売国」TPPは日本を滅ぼす!(1月16日)
なぜ経済界は売国TPPを推進しようとするのか考えてみた(1月21日)
TPPから全貌が見えてきた恐るべき米国の対日戦略(1月23日)

にほんブログ村 政治ブログへ

ケビン・メア米国国務省日本部長がアメリカン大学の学生に行った差別的発言を含む講義内容が問題となっており、連日沖縄の新聞を中心に報じられている。発言は問題発言を中心に部分的に報じられてきたので、全体の発言内容を探していたのであるが、3月8日付の『沖縄タイムス』がアメリカン大学の学生が作成したメア発言を全文掲載しており、私もようやく読むことができた。(日本語版 / 英語版

米側は「米国の公式見解を反映したものではない」としているが、メア氏の発言があったという事実そのものは否定していない。米国政府の日本部長の職にある者の発言であるだけに、その意味するところは大きいと言わざるを得ない。メア氏の見解には恐らく米国対日政策担当の日本を見る視点というものが多分に反映されていると言えるであろう。

彼らは合意と言うが、ここで言う合意とはゆすりで、日本人は合意文化をゆすりの手段に使う。合意を追い求めるふりをし、できるだけ多くの金を得ようとする。沖縄の人は日本政府に対するごまかしとゆすりの名人だ
沖縄の主産業は観光だ。農業もあるが、主産業は観光だ。沖縄ではゴーヤー(ニガウリ)も栽培しているが、他県の栽培量の方が多い。沖縄の人は怠惰で栽培できないからだ

これらの沖縄の人や日本人に対する侮辱的発言は既に報じられており、皆様もすでにご承知であると思うので、これ以上このことに関してここでは触れない。メア氏がどのような視点で日本や沖縄というものを見つめているかが反映されていると言える。

以前当ブログでご紹介したカレル・ヴァン・ウォルフレン氏の日本記者クラブでの講演にて、ウォルフレン氏は日本の対日政策担当者たちに関して以下のように述べている。

20年前は国務省の官僚は日米関係を積極的なものにしていこうとする知日派が主導権を発揮していたものの、現在国務省で対日政策を担当しているのは殆ど国防総省の人脈で、三次元的世界観を持たず、制御のきかなくなった軍産複合体の軍国主義的見地しかないような視野の狭い人たちなのである。米国政府高官たちもこのような軍国主義的官僚たちに席巻されており、その日本観も彼らの目から見たものでしかない

ちなみにメア氏は元々国務省の出身で、主に日本勤務と本省勤務をこなしてきているが、軍事問題を扱う部局にも勤務し、92年から95年の間は国防総省に勤務している。その後、在東京米国大使館勤務、那覇総領事など歴任し、日本部長となっている。(在那覇米国総領事館サイトより)

[メア氏の日米問題に関する発言の検証①:なぜ沖縄に基地が必要なのか]

メア氏の発言では差別発言と目される発言に注目が集まっているが、その他の部分でも重要な内容が含まれているので、それらを検証していきたい。

1万8千人の米海兵隊と航空部隊が沖縄に駐留している。米国が沖縄に基地を必要とする理由は二つある。既にそこに基地があることと、沖縄は地理的に重要な位置にあることだ。(東アジアの地図を見せながら)、在日米軍の本部は東京にあり、そこは危機において、補給と部隊を調整する兵たん上の中心に位置する。 冷戦時に重要な基地だった三沢はロシアに最も近い米軍基地であり、岩国基地は朝鮮半島からわずか30分だ。さらに、沖縄の地理的位置は地域の安全保障にとって重要だ

ここでは、沖縄に基地を必要とする米国サイドの理由が2つ述べられている。1つ目は「既にそこに基地があること」で、2つ目は沖縄が「地理的に重要な位置にあること」と述べられている。しかし、2番目の理由を納得させるには更なる説明が必要であろう。単に東アジアの地図を見せて、地理的に重要と述べるだけでは、なぜその他の地域ではなく沖縄でなくてはならないのか、という素朴な疑問に対する説得力ある回答とはなりえない。1番目の理由だけではあまりに露骨過ぎるために、それを補強するために2番目の言い訳を取ってつけたような印象を受ける。

[メア氏の日米問題に関する発言の検証②:責任転嫁と米側の民主党政権への評価]

沖縄の人々の怒りや失望は米国でなく日本に向けられている。日本の民主党政権は沖縄を理解していない。日本政府は沖縄とのコミュニケーションのパイプを持っていない。私が沖縄の人と接触しようと提案すると、民主党の関係者は「はい!はい、お願いします」という。自民党の方が現在の民主党政権よりも、沖縄と通じ合い、沖縄の関心を理解している。
3分の1の人は軍隊がない方が世界はもっと平和になると思っているが、そんな人たちと話し合うのは不可能だ。
09年の選挙が民主党に政権をもたらした。これは日本では初の政権交代だ。鳩山首相は左派の政治家だ。民主党政権下で、しかも鳩山首相だったにもかかわらず、米国と日本は2+2(外務、防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会)の声明を(昨年)5月 に発表することができた
日本政府は沖縄の知事に対して「もしお金が欲しいならサインしろ」と言う必要がある

この下りは非常に興味深い。冒頭で「沖縄の人々の怒りや失望は米国でなく日本に向けられている。日本の民主党政権は沖縄を理解していない」などとしているが、これは事実を捻じ曲げ、責任転嫁をしていると思われる。こうした発言を本気でしているのであれば、メア氏は「沖縄の人々の怒りや失望」が何に起因しているのか自問すべきであろう。昨年の沖縄知事選の結果を見てもわかるように、98%の民意は普天間基地を県外か海外に移設することを望んだのであり、県内移転を望んだのはわずか2%に過ぎなかったのである。であるからこそ民意を汲んだ鳩山前首相は県外か海外への移設を目指したのである。「沖縄を理解していない」のは鳩山氏ではなく、米国サイドであるのは明らかである。

しかし、メア氏の見解によれば、沖縄の人々は「ゆすりの名人」であり、「沖縄と通じ合い、沖縄の関心を理解」するという表現は、「日本政府サイドが沖縄に見返りとしてカネを握らせて黙らせるよう努める」ということを婉曲に意味しているように思われてならない。

「3分の1の人は軍隊がない方が世界はもっと平和になると思っているが、そんな人たちと話し合うのは不可能だ」に至っては、ただ単に基地を置く側の一方的な都合と論理だけがあって、基地を置かれる側の立場に対する理解はないし、する気もないということを如実に表しているように思われる。

「鳩山首相は左派の首相だ」「しかも鳩山首相だったにもかかわらず、・・・」といった表現は米国が鳩山政権をどう見てきたかということを露骨に示しており、非常に興味深い。1月20日付『東京新聞』が報じたウィキリークスが暴露した米国公電での「米国は鳩山政権に見切りをつけ、菅・岡田両氏に接近」という情報とも重なる。メア氏の右翼・左翼の定義も非常に滑稽である。対米独立・自主防衛路線を目指す鳩山氏の政策は、右か左かの区別を敢えてするとすれば、右ではなかろうか。メア氏の右左の基準は対米従属なら右、自主独立なら左ということなのだろうか。

[メア氏の日米問題に関する発言の検証③:最重要発言!日本が米軍を必要しなくなると困る]

私は日本国憲法9条を変える必要はないと思っている。憲法9条が変わるとは思えない。日本の憲法が変わると日本は米軍を必要としなくなってしまうので、米国にとってはよくない。もし日本の憲法が変わると、米国は国益を増進するために日本の土地を使うことができなくなってしまう。日本政府が現在払っている高額の米軍駐留経費負担(おもいやり予算)は米国に利益をもたらしている。米国は日本で非常に得な取り引きをしている

メア氏のこの発言は、講義の最後にあるものであるが、ここには米国サイドの本音がはっきりと読み取ることができ、非常に興味深い。私はこの発言こそがメア発言で最も重要な部分ではないかと思う。ジャーナリストはこの部分に関して切り込んだ報道をすべきである(従米大手マスコミは決して触れることはないだろうが)。

米国は日本が米軍を必要としなくなると困るのである。日本の土地を使っているのは、米国の「国益を増進するため」であり、「日本政府が現在払っている高額の米軍駐留経費負担(おもいやり予算)は米国に利益をもたらしている」のである。「米国は日本で非常に得な取り引きをしている」のである。

つまり米国は現在「非常に得な取り引き」をしているため、日本に自主防衛をされると困るわけである。であるからこそ、米国と日本の対米従属派は鳩山政権を敵視したのであろう。鳩山氏は在沖縄海兵隊が「抑止力」であると述べたのは方便だと発言したが、それはとりもなおさず鳩山氏は在沖縄海兵隊は実は抑止力になっておらず、日本に国益をもたらすものではないということを述べたかったのであろう。ウォルフレン氏も上記の講演先日当ブログでお伝えしたインタビューで沖縄の海兵隊は日本を守る目的で駐留しているのではなく、他国を攻撃するための攻撃軍として駐留しており、日米安保条約に違反していると述べている。大手マスコミは沖縄の海兵隊が抑止力になっているかどうかについての真剣な検証よりも、「方便」という言葉を使ったということをもってして鳩山前首相を批判していたが、このような光景は本来の健全なジャーナリズムという観点からすると異様である。(なお読売新聞社説における「海兵隊抑止力論」については孫崎亨氏がツイッター上で反論を加えている)

米軍駐留は米国の利益に適った「非常に得な取り引き」となっていると、米国外務官僚であるメア氏は単純に米国側の視点として述べているのである。それでは、日本側のメリットは一体何であるのか。これは日本人自身が自国の国益という視点で純粋に考えるべき(つまり対米従属派・基地利権派、あるいは基地反対派双方の意図的なプロパガンダを持ち込まずに、純粋に考えるべき)課題である。日本人自身が何ゆえ他国に防衛を依存しなければならないのかという基本的な問題について考えるべきなのである。メア氏を含む米国サイドにこの問いに対する答えを求めるのは愚の骨頂である。

メア氏は憲法9条がある限り、日本は米軍の駐留を必要とすると考えているようだが、これは明らかにおかしい。日本は何も丸腰の非武装国家ではなく、自衛隊が存在している。憲法9条が米軍駐留を担保しているのではないことは明らかである。また日米安保も米軍の日本駐留を必ずしも必要とするものでもない。日本が求めれば、米軍は引き上げざるを得ないのである。米国サイドの率直な本音が明らかとなった現在、鳩山氏が提起した問題に対して、我々は正面から議論すべきであろう。

メア氏の発言検証①で見たとおり、メア氏は「なぜ沖縄に基地が必要なのか」について理由を2つ挙げたが、結局のところは米国にとって「非常に得な取り引き」だからというのが本音では大きな理由なのではなかろうか。いずれにせよ、このメア発言は日本の対米従属派にとっては非常に迷惑な発言であろうと思う。奇しくもメア氏は同じ講演の中で以下のように述べている。

日本文化はあまりにも本音と建前を重視するので、駐日米国大使や担当者は真実を言うことによって批判され続けている

↓↓1日1回応援クリックをぜひお願いします!書くパワーをください!
にほんブログ村 政治ブログへ
Advertisements
This entry was posted in マスコミ問題, 生活, 社会, 偏向報道, 政治, 政治・時事問題, 日本, 日本社会, 民主主義. Bookmark the permalink.