ウォルフレン講演の衝撃 「日本は独立主権国家ではない」「諦めてはいけない!」

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[ウォルフレン講演の衝撃]

12月5日、カレル・ヴァン・ウォルフレン教授の講演が東京で行われた。ウォルフレン氏は今回の来日で3回講演を行ったことになる。1回目は当ブログでご紹介した日本記者クラブで行ったもの、2回目は鳩山前首相の招きで国会議員を対象に行ったもの、そして3回目は日本の民主主義の危機を憂える市民の招請に応えておこなった今回のものである。私もAPF通信の生中継で講演を見ることができた。APFの録画で今回の講演の様子が見ることができるので、私は詳細には立ち入らず、感想を述べるのみにしたい。記者クラブにおける講演とも重なる部分が多いので、ぜひYouTubeの動画当ブログの記事をご参照いただきたい。

ウォルフレン氏は日本には大きな変革を拒む「免疫システム」があると指摘する。明治時代以来というこの免疫システムを説明する上で「調和を守る官僚」と「調和を乱す政治家」という図式を提示する。調和を乱すことを嫌う官僚は調和を乱すこと(つまり従来の秩序を変革すること)を画策する政治家や経済人に対してはその免疫システムを働かせ、検察やマスコミが排除に動くことになる。ウォルフレン氏は政治主導を掲げる小沢一郎が排除されることを予期していたという。このことについて氏は現在新たな本を執筆中との事である。そしてマスコミよりも大きな抵抗勢力は米国だと指摘する。ウォルフレン氏は日本が独立した主権国家ではない現状に憂慮を示し、「宗主国」米国の対日政策担当が従来のような国務省の知日派ではなく、国防総省の軍国主義者のような人たちになってしまっていると指摘する。中国の問題についても自分自身の手で中国と話し合っていかなければならないと訴える。そして日本が独立し、まともな主権国家となる必要を訴える。

そしてウォルフレン氏は、マスコミの若い人たちの間にも現在のマスコミの報道姿勢に疑問を持つ人たちがいるということを踏まえ、日本人は諦めずにマスコミ編集部に丁寧に訴え続けるべきだと助言する。

日本の大手マスコミが極端な偏向報道を今日まで続け、民主主義の敵になってしまった現状を目の当たりにし、私は彼らの更生については殆ど諦めており一旦潰さないとダメだろうと考えているが、ウォルフレン氏はまだ更生が可能だと考えておられるようであった。潰すのは理想的であっても、簡単には潰れないだろうことは我々が認識すべき事実であろう。ウォルフレン氏の奨励する「丁寧に訴える」という戦術はこの点で傾聴すべきなのかも知れない。ウォルフレン氏はマスコミにも豊富な人脈を当然持っているだろうから、これは彼らに改心を促すメッセージと考えることもできる。記者クラブの講演(つまり日本の記者に向けて行われた講演)においても、私は以前のブログ記事でこう感想を書いた。「デリケートな言い回しで日本のマスコミを批判し、改心するように訴えているように見える」

ウォルフレン氏は日本のマスコミ、政治家、国民向けに行った3回の講演で、従来はごく一部の人しか表立って言わなかった対米従属の現状と日本の独立の必要性を正面から学術的に指摘し、政策の転換を促したという点で衝撃的であると言える。建前上隠されてきたものを表に引き出したわけだ。欧州の日本史研究第一人者でジュネーブ大学教授のピエール・フランソワ・スイリ氏も同様の危惧を表明していることを当ブログで以前ご紹介した。もはや隠すことはできない。マスコミや官僚は猛省し、真摯に氏の真剣かつ比較的穏便なメッセージを受け止めていただきたいと思う。

氏の日本国民向けのメッセージは「ここで諦めてはいけない」である。我々は抗議の手を緩めてはいけない。そして一体この国で何が起こっているかわからない人たちに粘り強く情報を発信し続けていかなくてはならない。

[右も左もない!健全な民主主義の回復を目指す国民の戦い]

ウォルフレン氏の講演の前に、三井環氏の「市民の連帯の会」主催の検察糾弾集会デモが行われた。右も左も普通の市民も参加し共闘するという新しい形を見た。集会の壇上には、三井氏をはじめ、民主党の森議員、社民党の保坂氏や右翼一水会代表など幅広い人たちが集まって演説を行った。一般参加者も実に幅広い層から参加していた。政治信条は異なっても、共通する思いは日本の民主主義を取り戻すことである。デモも長蛇の列となり、2000人以上は参加したと思われる。運動は着実に勢力を拡大していっている。この抗議集会デモを取材したフリージャーナリスト田中龍作氏の記事は秀逸である。ぜひご一読いただきたい。

[鈴木宗男氏の収監に見るこの国の劣化腐敗]

今日鈴木宗男氏が収監された。検察のみならず、裁判所にも強い憤りを覚える。そして検察や裁判所というものが国民が安心して信頼できるものでは全くないということを、この鈴木氏の一件が如実に示したと言える。日本はメディアも司法も独裁途上国並みのレベルでしかなく、また国民の情報リテラシーは途上国民以下ではないかとさえ思う。鈴木氏の一日も早い復帰を望むが、やりきれない思いでいっぱいだ。

今日の収監前の様子をAPF通信の取材で見ることができた。田中龍作氏はこれも取材して記事にしておられるので、ご一読いただきたい。APFの山路氏は非常に印象深いコメントを取材の冒頭でされている。少し引用する。

「正面玄関はマスコミが押し寄せています。本当にね、肝心なときには来てくれないんですけれどね、このように、宗男さんの収監といったときだけこのように押し寄せて、みんなで陣取っています。(中略)多くの人が、ネット市民の皆さんを中心に、今回の宗男さんのこの収監について非常に憤りを覚えていると。僕自身やっぱり本当にこの国の民主主義の危機ではないかと思うんですね。要はその第一に当然検察や警察の暴挙、所謂権力の横暴、そういうことももちろんそうなのですけれど、一方でやはり民主主義国家において多くの一般市民がこの事態において沈黙しているということがものすごく怖い。民主主義というのは自分たちで声を上げて国を作り上げていくという制度ですから、全く我々の国では民主主義というのは十分機能していないのではないか。その点についてこのような事件が起きるとひしひしと感じます」

私も取材した山路徹代表の思いや危機感を共有するものである。つまり権力サイドの横暴も当然糾弾されるべきであるのだが、一方でこれに声をあげることのない国民も民主主義を危機に陥れているのではないだろうか、そして大手マスコミは情報をきちんと国民に伝えていないという問題意識である。民主主義は国民が主体的に参加しない限りは健全に機能せず、容易に衆愚政治に陥るという「しんどい」政治システムである。

先に書いた通り我々は権力の不正・腐敗を糾弾するとともに、気付いていない一般国民に事実を伝えていく、そして共に声を上げる人を増やしていくということも行っていかなければならない。そのためには、国民のためのメディアを育てていく必要があると痛感する。岩上安身氏や田中龍作氏ら貴重な情報を発信し続けるフリージャーナリストへの支援は重要である。そして私は山路氏率いるAPF通信に大いに期待している。民主主義回復、日本独立への戦いはまだ始まったばかりである。我々は「諦めてはいけない」のである。

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