民主主義とは「しんどい」政治制度

「痴呆国家」(田中良紹氏)を読んだあと、The Journalにコメントとして書いたものです。まずは田中氏の論説をお読みください。

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民主主義とは誤解を恐れずに言えば、いわば「しんどい政治制度」である。

国民が皆知性を備え、常に情報を更新し、社会全体のことを判断しなければならない。提供される情報は常に公平公正でなければならない。国民は情報の真偽も判断せねばならない。
古代ギリシアと異なり、現代人は日々労働にいそしむ中でこれらのことをしなければいけない。まことに「しんどい」システムである。
かといって民主主義よりも他にすぐれた政治制度があるわけではない。自由を認めない管理国家や独裁、専制政治がよいと考える人もいるかも知れないが、私はごめんこうむりたい。歴史的に見て、民主主義制度は他と比べてより「まし」な政治システムだという評価は定まったと思う。しかし、民主主義を健全に機能させるためには国民の不断の勉強と努力が必要になる。

ヒットラーがワイマール民主主義時代の国民によって「民主的」に選ばれた例は民主主義が衆愚政治に堕した例としてよく引き合いに出される。情報の偏向や扇動によって人心は流されやすく、先に述べたような理知的大局的な判断を全ての国民がするというのは容易な話ではない。
なんでも熟慮も議論もせず、その場の空気で多数決で決めるというのは、本来の民主主義の主旨とは程遠いものなのである。世論調査とは所詮その程度のものである。

多くの民主主義国家は利益集団がパイの分配をめぐって争うという形で実際は事が運ばれ、本来の民主主義の理想は形骸化しているのが実情だ。
一番恐るべきは、パワーエリートと呼ばれる既得権益集団が手を結び、報道を一方的に偏向させた状態で、看板だけは民主主義を標榜しているという形態だ。
日本は極めて危機的な状態にあると思う。現在の日本の大手マスコミの振る舞いは「民主主義」を掲げながら、実際は国民を盲目状態に置き、民主主義を妨害するということを一致して行っているに等しいと思う。非常にたちが悪い。

今回の一件は、小沢氏対検察といったレベルのものではなく、日本の民主主義そのものが問われていると強く感じる。国民は民主主義が要求する「しんどい」義務を進んで負う覚悟があるか、あるいは放棄してしまい思考停止した状態で隷属に身をゆだねるのか、こうした根本問題が問われていると思う。

投稿者: Nico | 2010年10月7日 13:58

 

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